7月に開幕の近畿ダートラ地区戦は、本拠地コスモスパークで真夏の2連戦が開催!
2021年8月19日
コロナ禍により開催延期を余儀なくされていたJAF近畿ダートトライアル選手権は、7月第1週に開幕。3週間のインターバルを経てシリーズ第2戦が行われた。
2021年JAF近畿ダートトライアル選手権第5戦
2021年JMRC近畿ダートトライアルチャンピオンシリーズ第5戦
2021年JMRC全国オールスターダートトライアル選抜第5戦
2021年JMRC近畿ダートトライアルジュニアシリーズ第5戦
FLEETダートトライアル2021in京都-2
開催日:2021年7月25日
開催場所:京都コスモスパーク(京都市右京区)
主催:TEAM FLEET
近畿地区のダートトライアルは2021年も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4月から6月まで組まれていた第1戦~第3戦が10月以降に延期となり、7月4日にシリーズ第4戦として予定されていた一戦が、事実上の開幕戦となった。
そして、その3週間後の7月25日には、シリーズの事実上の2戦目となる第5戦が、当初の予定通り、再び京都コスモスパークで開催された。ただし東京五輪連休の最終日だったことが影響したのか、エントリーは開幕戦よりは10台以上少ない計61台。このため、2クラスが不成立となり、少々寂しい競技会となった。
大会前数日は雨が降らなかったため、コースは完全なドライ路面。砂埃が激しく舞い上がるコンディションとなった。コースレイアウトは細かいターンが少なく、ハイスピードの設定が採られた。そのため安全上の観点から2台出走はせず、常にコースは1台のみの走行とした。それでも自車が巻き上げた砂埃で視界が十分に確保できず、うまく走れなかった選手もいたようだ。ただ今回は、GRガレージ京都伏見と、京都下鴨茶論によるドリンクサービスが、第1ヒートゴール後に行われ、一服の清涼感を醸し出していた。
競技はジュニアシリーズのJ1クラスからスタート。第1ヒートでは前戦のウイナー阪本大樹選手が2番手の三島真太郎選手に4秒以上の大差をつけるベストタイムを叩き出す。阪本選手は第2ヒートも大きくタイムを伸ばし、終わってみれば三島選手に2秒以上の差を付けて開幕2連勝。「昨年まではCA4Aミラージュだったのですが、今年から(後継モデルの)CJ4Aミラージュに乗り換えたので、初心に帰って走っています。CAでは3位が最高位でしたが、CJでは2連勝なので、このままチャンピオンが獲れたらいいなと思っています」と、ゴール後は笑顔を見せた。
続くJ2クラスもJ1クラスと同様に、前戦のウイナー松下拓未選手が前戦2位の矢木野昌俊選手に3秒の差を付けて、トップで折り返した。第2ヒートに入ると、田中潤選手が矢木野選手を逆転して2位に浮上したが、松下選手はその田中選手から、さらに2秒も以上速く走って、こちらも2連勝。チャンピオン候補として早くも頭角を現した。
JAF地方選手権となるAE・PNクラスは12台が出走。N1クラスが不成立となったため、もともとPN規定で車両を製作していた、大ベテランの坂田智選手が、このクラスにエントリーとなった。そんな中、第1ヒートは昨年のチャンピオン、田中淳平選手がベストタイムを奪い、坂田選手は島田正樹選手に次ぐ3番手につけた。
しかし第2ヒートに入ると、田中選手はタイムアップはしたものの、第1ヒートの時より高いギヤをチョイスしたことが裏目に出て、4位に終わった。優勝したのは何と坂田選手。シビックで走っていた、2017年第4戦以来となる久しぶりの優勝を喜ぶことになった。2位は中部から遠征の島田選手が入ったが、「追いつけないタイムではなかったので、悔しい2位です」と無念の結果に。3位には昨年、シリーズ2位獲得の坂本英彦選手が入賞した。
RWDクラスは昨年のチャンピオンであり、開幕戦の覇者となった千賀達也選手が、2位の久志本登喜男選手に1秒以上の差を付けて2連勝。「フロントにドライタイヤ、リアに超硬質路面用タイヤの組み合わせが、バッチリ、ハマった結果です」と振り返った。
近畿だけに存在するN2クラスはブーンとストーリアX4のためのクラスと言っていいだろうが、そんなクラスを今回制したのは、ストーリアの清水孝憲選手。「1本目はタイヤのエア圧が高すぎて滑りまくりだったのですが、2本目は圧を下げたのがバッチリと合って、スムーズに走れたのが勝因ですね」と、2019年第5戦以来2年ぶりとなる優勝に、喜びを爆発させていた。
S1クラスでは前戦、N1クラスで優勝した増田拓己選手がクラスを替えてエントリーしてきた。しかし、第1ヒートは前戦2位の今村太亮選手から遅れること1秒、と2番手タイムにとどまる。だが第2ヒートでは増田選手が、「奥のストレートでのアクセルの踏み方を変えてみました」という走りが功を奏してベストタイムを更新してみせた。
ただ、「ゴール手前は2速に入れる所を4速に入ってしまい、気が付かないまま走行してしまいました」と増田選手。それでも前半のマージンが効いての優勝に、「皆がタイムを上げてくると思ったので、ゴールした時は負けたと思ったんですけどね(笑)」と、ホッとした表情を見せていた。逆に1秒の差を付けられた今村選手は今回も2位。2戦連続の同じ順位に、表彰式では、悔しそうな表情を浮かべていた。
11台で争われたS2クラスの大本命は、全日本でも上位ランカーの矢本裕之選手。しかし、第2ヒートゴール直前のコーナーでよもやの転倒リタイヤを喫し、最下位に終わってしまう。そんな中、優勝を果たしたのは、故人見雅子選手のマシンを譲り受けた寺岡知展選手だった。前回の4位から足回りのセッティングを見直し、今回は砂埃の舞い上がる超ドライ路面にウェットタイヤを装着して臨んだ。これが功を奏してベストタイムを刻むことになった。
「ドライタイヤを履くと、結構、今までは失敗してきたので。ドライ路面と言っても、かなりフカフカな路面だったので、ウェットをチョイスしました。コスモスには合うんですよね。人見選手のマシンで勝てて良かったです」と、寺岡選手は優勝を喜んだ。2位に敗れたのは、昨年のチャンピオン、藤本隆選手。「奥のコーナーでドリフトアウトし、乗り上げてしまったのが敗因です。ドライタイヤだとグリップしない路面でしたね」と、無念の表情を浮かべていた。
Dクラスは、金井平行選手が第1ヒートで足回りを破損したため、第2ヒートを欠場する中、息子の金井宏文選手が奮闘を見せた。第1ヒートはスピンで最下位に沈んだものの、第2ヒートでは力強い走りでライバルをごぼう抜き。見事な大逆転で優勝を飾ってみせた。2位には、「ゴール前で足が吊ってしまって、ブレーキが間に合わなかった」と振り返った小川浩幸選手が入賞した。
フォト&レポート/山口貴利
RECOMMENDED > おすすめ記事
極寒の北海道・糠平湖で毎シーズン恒例の氷上タイムアタックが45回目の開催!
2024年2月7日
MAZDA SPIRIT RACING CUP 表彰式とMAZDA SPIRIT RACING モータースポーツ表彰式が開催
2024年1月26日
PN1徳山優斗選手、SA2浜孝佳選手、SC1山崎迅人選手、D田口勝彦選手が二冠達成!
2023年11月20日
激戦の全日本ダートトライアル最終戦、残る6クラスのタイトルが確定
2023年10月18日