九州ダートラJrシリーズは12月に延期の第1戦が無事開催。全4戦のシリーズが成立!
2022年1月19日
九州地区の初中級者対象のシリーズとして知られるJMRC九州ダートトライアルジュニアシリーズの2021年の最終戦が、暮れも押し迫った12月19日、お馴染みのスピードパーク恋の浦で開催された。
2021年JMRC九州ジュニアダートトライアルシリーズ第1戦
BATTLER&MAO シワストライアル2021 季冬
開催日:2021年12月19日
開催場所:スピードパーク恋の浦(福岡県福津市)
主催:BATTLER、MAO
バトラー&MAO オートテスト2021 in スピードパーク恋の浦
開催日:2021年12月19日
開催場所:スピードパーク恋の浦(福岡県福津市)
主催:BATTLER、MAO
2021年のJMRC九州ダートトライアルジュニアシリーズは全4戦のシリーズが組まれていたが、その内3戦がコロナ禍により延期が余儀なくされるという、変則的なスケジュールを強いられる一年となった。
当初の予定通りに開催されたのは4月の第2戦のみで、5月の第3戦は11月に延期されて、10月の最終戦は12月5日に延期となった。この日は、ラリー/ジムカーナ/ダートトライアルの3カテゴリーが恋の浦に一同に会し、走り納めを行う九州地区恒例のイベント、JMRC九州フェスティバルが開催されたが、ダートラ部門についてはこのジュニアシリーズを併催するという形が採られた。
そして走り納めから2週間を経た19日に、本来は開幕戦として予定されていた一戦が事実上のシリーズ最終戦として開催された。コロナ禍にあってもスケジュールを調整し、極力当初予定通りの戦数を確保するために尽力した関係者の努力が実を結び、九州地区のダートトライアルは、地区戦&JMRCチャンピオンシリーズ、ジュニアシリーズともに当初予定通りの全戦を成立させている。
当日はシリーズ表彰の対象となる3クラスにレギュラーメンバーが参戦したほか、OPENクラスにも走り納め後にも関わらず地区戦のドライバーが駆け付け、レギュラーメンバーともども2021年の“リアル・リストラン”に興じた。
PN1+クラスは5台のスイフトによるバトルとなったが、第1ヒートは、地区戦にも参戦する平安龍司選手が1分48秒169という断トツのタイムを叩き出して首位で折り返す。しかし第2ヒートに入ると第1ヒートは3番手だった1番ゼッケンの堀田浩司選手が1分47秒720をマーク。平安選手のベストタイムをいきなり塗り替えた。
後続の選手はタイムダウンするなど、路面状況がいま一つ読めない中、スタートした平安選手は約1秒のタイムアップに留まったが、堀田選手を0.5秒凌いで首位を奪還。そのまま逃げ切って優勝を果たした。今季3戦目の参戦となった平安選手は3勝目をあげて全勝で2021年のシリーズを終了し、チャンピオンも逆転で獲得する形となった。
S1クラスは大ベテランの星野元選手が、第1ヒートからライバルを大きくリード。第2ヒートでは、自らの暫定ベストをさらに2秒縮める1分42秒77を叩き出して快勝した。2番手にはインテグラを駆った川崎佳弘選手が入り、今回、NEWマシンのフィットを持ち込んだ地区戦ドライバーの田口和久選手が3位に入賞した。
星野選手は全日本ラリー選手権で長くコ・ドライバーとして活躍。現在はスポットで地区戦にドライバーとして参戦し、10月に北海道で開催されたJMRCオールスターラリーでは九州代表として出場。見事クラス2位入賞を果たしている。1990年代には、地元福岡の三井三池オートスポーツランドで開催された全日本ダートトライアル選手権で優勝を飾った実績を持ち、九州の土系モータースポーツ界では“隠れた実力者”として知られてきた。
「ダートラは3年ぶりです。OPENクラスでも良かったんですが、気合いを入れるために本クラスの方にエントリーしたんです」という星野選手。「オールスターを走ったグラベル仕様のままですが、このレビンでダートラを走るのは初めてだったので、オーバーステアが強すぎて、いきなりスピンしそうになったりと大変でした。今日はハンドルを回し過ぎて腕が痛いですけど(笑)、久し振りのダートラは楽しかったので、2022年も何戦か出ようかなと思います」とダートラの本格復帰に意欲を見せていた。
S2クラスは、1分37秒832で第1ヒートの暫定ベストを奪った片伯部亮由選手が、第2ヒートでも1分36秒618までタイムを詰めて、ライバルを寄せ付けず、優勝を飾った。片伯部選手は、地区戦を主戦場とするドライバーで2021年は強豪の揃うS2クラスをシリーズ7位で終えた。2021年からCT9Aランサーエボリューションに乗り換えたが、マシンの習熟のため、ジュニアシリーズも並行して参戦した。
「ACD付のランサーは初めて乗りますが、この1~2か月でようやく乗りこなせてきたかなと感じています。今日は慣熟歩行ではグリップする路面だなと思ったんですが、本番ではリアが滑ったので2本目の前に空気圧を下げてリアの動きを落ち着かせたのが良かったようです。小さいミスはありましたが2本目は何とかまとめられました」と振り返った片伯部選手は、2021年は全日本にも2戦スポット参戦して、腕を磨いた。「今年は岸山さんや浜田さんに本当に沢山教えてもらったので、来年はそれを活かして上位に食い込みたいですね」と地区戦の大先輩に感謝しつつ、2022年は地区戦でのランキングアップを見据えていた。
“スリッピー”なオートテストでは、MR2を駆った
月足法秀選手がオートテスト・デビューウィンを達成!
ジュニアシリーズが行われた午後には、スピードパーク恋の浦でオートテストが行われた。会場となったのはダートラ競技会開催時にはパドックとなるスペースで、その一角にコースを設定して行われた。路面は簡易舗装がされてはいるが、ダートラコースに隣接し、競技車が頻繁に行き交う場所ということもあって、砂が乗ったスリッピーな状況となった。
コースレイアウトはスタート後にスラロームをこなして、バックで進入するガレージ(車庫入れ)をクリア。その後、スタート側に戻りながら360度のターンを2か所こなしてゴールという、ほぼ直線のない設定。コンパクトなスペースの中で、忙しいハンドル操作を連続して要求されるテクニカルなレイアウトとなった。
優勝を飾ったのは第1ヒートで唯一、30点台となる30.4点をマークした月足法秀選手。第2ヒートでは31.1点とポイントアップは果たせなかったが、第1ヒートのポイントで逃げ切った。後方視界が確保しやすいとは言えないMR2をドライブした月足選手は、「意外とバックが難しかったです(笑)」とガレージでは苦戦した模様だったが、オートテスト初参加を感じさせない見事な運転を見せた。
「360度ターンは大回りしないように気を付けましたが、雪が降りそうだったのでスタッドレスタイヤを履いてきたのが、滑る路面にちょうど良かったのかもしれませんね」と勝因を振り返った月足選手は、Bライセンスの取得が目的で今回は参戦とのこと。今後のモータースポーツ活動に期待したいところだ。
フォト&レポート/JAFスポーツ編集部
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