北海道地区戦が開幕!成瀬悠人シビックが貫禄のオーバーオールウィン
2022年4月22日
今年のJAF北海道ジムカーナ選手権が、雪融けを待って、4月10日に開幕した。
2022年JAF北海道ジムカーナ選手権第1戦
2022年JMRC北海道SPARCOアウティスタジムカーナシリーズ第1戦
2022年JMRCオールスター選抜第1戦
スーパースラロームin千歳Rd25
開催日: 2022年4月10日
開催場所: 新千歳モーターランド(北海道千歳市)
主催: NC.A.S.C.
今年の北海道の地区戦は、9月18日の最終戦まで全7戦のシリーズが組まれてる。開幕戦の舞台となった新千歳モーターランドでは、シリーズ最多となる4戦が開催され、オートスポーツランドスナガワで2戦、そして十勝スピードウェイでのお馴染みのショートトラックジムカーナが1戦行われる、という内容になっている。
JMRC北海道SPARCOアウティスタジムカーナシリーズが全7戦に併催され、さらに同シリーズのミドル部門に設定された5つのクラスは、6月25~26日にスナガワで行われる全日本ジムカーナ選手権開催時に、EXラウンドとして特別戦が併催される形になっている。
地区戦、並びに地区戦とWタイトルとなるJMRCシリーズのチャンピオン部門は、PN-1クラスとSH-1クラスの2クラスでバトルが展開された。2WD車対象のPN-1クラスは12台が参加した。ロードスター、スイフト、124スパイダーそして86/BRZと、参加車種もバラエティに富んだが、86/BRZ勢は、参加6選手中4選手が新型をドライブし、注目を集めた。
第1ヒートは、ラストゼッケンの全日本ドライバー、米澤匠選手のND5RCロードスターが、ただ一人、1分を切る59秒489をマーク。昨年、3勝を挙げて米澤選手とタイトルレースを展開した、アバルト124スパイダーの金内佑也選手が1分1秒248で2番手につけた。
第2ヒートに入っても1分切りのドライバーは現れず、金内選手も1分0秒134まで詰めたが、逆転は果たせず。ウイニングランとなった米澤選手は58秒台に入れてゴールしたが、前半のスラローム区間でパイロンタッチを喫してタイム更新はならず。第1ヒートのタイムで、優勝を飾った。3位には宮田祐次選手のZC33Sスイフトが続き、山口武人選手が新型GR86/BRZ勢最上位となる4位を獲得した。
「2本目のスラロームは攻めすぎましたね」と苦笑の米澤選手は、「(2本目にタイムが上がったのは)、コースへの慣れもありますが、1本目は1速のままで入って吹け切ってしまったスラローム区間を2速で抜けたのがタイムに繋がったと思います。ただガッツリ、パイロンを踏んでしまったので、そこは要反省ですね(笑)」。
今回のコースレイアウトについては、「新千歳ではあまり見られない非常にテクニカルで攻略が難しいコースでした。ここを走り込んでいて、引き出しを沢山持っているドライバーほど有利な、経験がものを言うコースだったと思いますね」と評した。
一方、SH-1クラスは、昨年、ZC33Sスイフトを駆り、PN1クラスでシリーズ3位を獲得した宮本雅樹選手がSタイヤが履けるこのクラスに移行し、注目を集めている。その宮本選手は第1ヒートから1分切りの59秒885をマークして暫定首位をキープしたが、このクラスも最終ゼッケンの昨年のチャンピオン、成瀬悠人選手が58秒832で逆転して、トップで折り返す。
注目の第2ヒート。宮本選手はコンマ5秒のタイムアップを果たすが、58秒台に乗せることはできず、2番手のままで後続の走りを待ったが、その後も1分切りを果たすドライバーは現れず。最終走者の成瀬選手もゴール前のパイロン区間でサイドブレーキが不調を来たしたため、タイム更新は果たせなかったが、第1ヒートのタイムで見事に今回のオーバーオールウィンをさらった。
1週間前、同じ新千歳で行われた練習会では宮本選手に1秒も離されたという成瀬選手は、「それだけに宮本選手に勝ててホッとしたというのはありますが(笑)、走りに関しては、もうちょっとやれたな、という所もあったので微妙ですね」と率直なコメント。
「コース設定も、いやらしいパイロンの配置がいくつかあって(笑)、合わせ切れなかったし、サイドを引くかどうかの選択も悩んでしまいました」と、今回のコースはチャンピオンを以てしても、難攻不落のコースだったようだ。「生タイムでも米澤選手に負けてますから、次戦からは文句なしのタイムでオーバーオールウィンを獲るくらいの気持ちで走りたいと思います」と、最後はリベンジを誓っていた。
JMRC北海道SPARCOアウティスタジムカーナシリーズミドル部門のR-Ecoクラスは、函館のJAF登録クラブであるTEAM FLY HIGHにともに所属する上井康斗選手と時兼隆祐選手がトップ争いを展開。第1ヒート、トップに立った上井選手が第2ヒートで痛恨のミスコースを喫するが、タイムを詰めた時兼選手を第1ヒートのタイムで0.55秒差で振り切り、優勝を決めた。
一方、R-1クラスは、ZC32Sスイフトで今年からこのクラスに本格参戦を開始した向中野涼選手が、第1ヒートで暫定ベストをマーク。第2ヒートでも0.46秒のタイムアップを果たし、1分4秒台にタイムを乗せる走りを見せてライバルを最後まで寄せ付けず、快勝した。
マーチ12SRでR-Ecoクラスのチャンピオンに輝いた実績を持つ若手の向中野選手は、「マーチに乗っていたので、自分としては小さいクルマが速く走れるような、もっとテクニカルな設定の方が好きなんですが、結果的には今日はスイフトに向いたコースレイアウトだったかもしれませんね」と勝因を振り返った。「2本目もミスが多かったので、自分ではタイムダウンしたと思ったのですが、路温が上がってグリップしたことがタイムに繋がったと思います。1分5秒は切りたかったので、読み通りの走りはできたと思いますが、クルマの限界をもっと使い切った走りをして、いい勝負をしていきたい」と次戦を見据えていた。
また86&BRZクラスは初代86/BRZに乗る7選手が参加したが、同じBRZでWエントリーした小石翔太選手と高野一徳選手が第1ヒートで僅差のバトルを展開。小石選手が何と0.003秒差で高野選手を抑えてまずはトップで折り返す。
第2ヒートでは高野選手が小石選手の暫定ベストを0.064秒凌ぐ1分4秒467でゴールして一旦は首位に立ったが、ラストゼッケンの小石選手は一気に1分3秒098までタイムを詰めて再逆転。圧巻のベストを叩き出して、幸先の良い1勝を挙げた。
R-2クラスは、昨年、最終戦まで熾烈なチャンピオン争いを演じた逸見将吾、笠原康彦両選手のインプレッサ・バトルが今回も白熱した。まず第1ヒートは、昨年、シリーズ2位に甘んじた笠原選手がベストを獲って、逸見選手が0.6秒差で続くという展開で始まった。第2ヒートでは、笠原選手が0.8秒のタイムアップに成功すると、最終ゼッケンの逸見選手も負けじと1.0秒、自らのタイムを詰める渾身の走りを見せたが、結果は0.4秒差で逸見選手を振り切った笠原選手が初戦を制した。
「覚えやすいコースだなと思ったけど、走ってみたら、意外と罠がちりばめられていて(笑)、攻め甲斐のあるコースでした」とコースを称えた笠原選手は、「1本目の走りが温(ぬる)かったので、このままだと絶対、逸見選手に逆転されると思って、2本目は頑張りました。今日は後半の区間を、いかに“きれいに走るか”の勝負だったと思いますが、2本目はアクセルも入れられたし、ターンもソツなくこなせたので、何とか勝てましたね」と激戦を振り返った。今年も新千歳をメインに参戦の予定だが、「ここで全勝できれば、チャンピオンも獲れると思うので、今年こそ狙っていきたいです」と、V3に挑む逸見選手に早くも宣戦布告していた。
フォト/加藤和由 レポート/JAFスポーツ編集部
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