熱いバトルが随所で見られたFIA-F4。前戦の第2戦を制した小出峻選手が鈴鹿で2連勝を飾る!

レポート レース

2022年6月2日

鈴鹿サーキットでスーパーGTと併せて開催されたFIA-F4選手権の第2大会。この週末は気温が30度にも達し、真夏日となって非常に暑くなった。予選では赤旗、決勝ではセーフティカー(SC)が頻繁に入ったのは、この季節外れの暑さがあったからかもしれない。

2022 FIA-F4選手権シリーズ 第3戦/第4戦
(2022 SUPER GT Round3内)

開催日:2022年5月28~29日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:KSCC、SMSC、ホンダモビリティランド株式会社

 40台を超えるエントリーを集めたことから、予選も2組に分けられることとなったFIA-F4。前回の富士の予選ではA組の終了間際に赤旗が出てそのまま終了となり、本領を発揮できぬまま走行を終えたドライバーも数多く存在したが、今回はA組こそスムーズに計測されたのに対し、B組では3回も赤旗が出るただならぬ事態となっていた。

 A組でベストタイム、セカンドベストタイムともにトップだったのは、第2戦を制している小出峻選手。これにチームメイトの西村和真選手、そしてスーパーFJからステップアップして初参戦の佐藤巧望選手が2レースとも続くこととなった。

 B組では前述のとおり赤旗が頻発し、ストレスなく走れたのは計測1周目と終盤の2周だけ。この状況においてベストタイムを記していたのは開幕戦ウィナーの三井優介選手で、セカンドベストタイムは岩澤優吾選手にベストを奪われて2番手に。その岩澤選手はベストタイムでは3番手となった。そしてこのふたりの間に割って入った荒川麟選手は、セカンドベストタイムでは決められずに下位に沈んだ。

「開幕戦から調子が良く、この鈴鹿でもテストからポジティブです。昨日までの練習走行でも最大限の走りができたと思います。その結果として、富士に続くWポールを獲ることができたことには満足しています」と小出選手。

 レース1こと第3戦決勝でスムーズなスタートを切り、トップで1コーナーに飛び込んでいったのはその小出選手だ。これに三井選手、荒川選手、西村選手、岩澤選手、佐藤選手がそれぞれ順位を入れ替えて続く。コースは随所が大渋滞。

 そんな中、オープニングラップを終えた直後に早くもセーフティカー(SC)が導入される。130Rでクラッシュが発生したためだ。この時のSC先導は2周で済み、トップの小出選手はリスタートも決めて徐々に逃げていくように。

 9周目からは2度目のSCランとなった。今度はシケインで止まった車両があったからだ。しかも、そのまま規定周回数に達してチェッカーが振られることとなったから、多くのドライバーに不完全燃焼感が残ったのは間違いない。

「完璧とは言えないんですけど、要所は押さえられたレースだったとは思っています。スタートもSC明けのリスタートも普通にうまくいきました。ただ、自分に100点を与えるためにはもうちょっとペースを上げて差を広げたかった、というのはありましたね」と、2連勝を飾った小出選手もこのコメントなのだから、やはり思いは共通するのだろう。

 その一方で喜びを爆発させていたのが、インディペンデントカップ優勝の齋藤真紀雄選手だった。クラストップだった鳥羽豊選手がスタートで出遅れたのを逃さず捕らえて1周目からトップに浮上。

「2年ぶりに優勝できてうれしいです。鈴鹿は地元だし、いちばん走り込んでいるサーキットなので、ここでなんとしても勝ちたいと気合が入っていました」と齋藤選手。

第3戦優勝は小出峻選手(HFDP RACING TEAM)。
2位は三井優介選手、3位は荒川麟選手。
第3戦表彰の各選手。
第3戦インディペンデントカップ優勝は齋藤真紀雄選手(CSマーケティングアキランドF110)。
第3戦インディペンデントカップの表彰式。左から2位の鳥羽豊選手、1位の齋藤選手、3位のDRAGON選手。

 レース2こと第4戦決勝では、初のフロントローに並んだ岩澤選手が好スタートを決めるが、ポールの小出選手の牽制もあってトップ浮上とはならず。2周目に入って後続のチャージを凌いでいる間に、岩澤選手は小出選手に引き離されてしまう。

 その後のスプーンでは西村選手が三井選手にパスされ、そして130Rでは佐藤選手にかわされて5番手に後退。勢いづいた三井選手は岩澤選手にも迫っていく。前に出たのは5周目のS字だった。

 6周目からまたもSCが導入される。130Rでクラッシュがあったためだ。第3戦同様にこのままチェッカーが振られることを誰もが予想したものの、なんとラスト1周での再開が決定。超スプリントの好機を活かしたのが、4番手を走る佐藤選手だった。リスタート後に岩澤選手に急接近、接触もあったが、ヘアピンで生まれたワンチャンスを逃さずにスプーン進入で逆転。デビュー2戦目で早くも表彰台を獲得した。

 そして最終ラップも難なく逃げ切って小出選手が3連勝。2位でゴールの三井選手は、4ポイント差にまで詰め寄られたものの、ランキングのトップを死守することとなった。

「毎戦、自分ができることを最大限にやって、その結果チャンピオンを獲れていたと考える方が、自分にとって良いと思うので、次の富士も自分の走りをするだけです」と小出選手。

 インディペンデントカップでは鳥羽選手が3勝目をマークし、「レース1では130Rで齋藤選手にやられたので、今日はこっちの番だと。130Rの借りは、130Rで返せました」と会心のレースに満足そうだった。

第4戦優勝は小出選手(HFDP RACING TEAM)。
2位は三井選手、3位は佐藤巧望選手。
第4戦表彰の各選手。
第4戦インディペンデントカップ優勝は鳥羽選手(HELM MOTORSPORTS F110)。
第4戦インディペンデントカップの表彰式。左から2位の齋藤選手、1位の鳥羽選手、3位のDRAGON選手。

■Porsche Carrera Cup Japan 2022 第5戦&第6戦

第5戦Proクラス優勝は小河諒選手(SHOWA AUTO with BINGO RACING)。
Proクラス2位は近藤翼選手、3位は山田遼選手。
第5戦Proクラス表彰の各選手。
第6戦Proクラス優勝は山田選手(HYPER WATER Racing Team)。
Proクラス2位は小河選手、3位は近藤選手。
第6戦Proクラス表彰の各選手。

フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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