四国地区戦も夏を迎えて白熱。激戦区SD-2クラスは、梶田昌弘ランサーが2勝目一番乗り!
2022年7月22日
香川スポーツランドを舞台とする、JAF四国ダートトライアル選手権“天王山”の一戦が、7月10日に開催された。
2022年JAF四国ダートトライアル選手権第3戦
2022年JMRC四国ダートトライアルシリーズ第3戦
2022年JMRC全国オールスター選抜ダートトライアル第3戦
2022年MACダートトライアル
開催日:2022年7月10日(日)
開催場所:香川スポーツランド(香川県さぬき市)
主催:MAC、ETOILE
4月に開幕した四国地区の地方ダートトライアル選手権は、今回の一戦で3戦目を迎えた。今年は全4戦のシリーズとなっており、最終戦は1か月後の8月7日に行われ、4か月にわたる短期決戦が幕を閉じることになる。ともに愛媛県松山市に本拠を置く、JAF加盟クラブの松山オートクラブとチーム.エトワールがオーガナイズを担当した。
シリーズも3戦目とあって、各選手とも全開モードで臨んだ今回の一戦は、そのエントラント達の期待に応えるかのように、コースを隈なく方向を変えて2周するという“フルコース”のレイアウトが用意された。総合のベストタイムは2分44秒台だったが、ほとんどの2WDのドライバーのゴールタイムは3分を超えるという、走り応え十分のコースが今回は待ち受けた。
四国地区戦の新たな動きとして注目を集めているPNクラスには、4台が参加した。近畿から遠征を続ける、最早、常連と言ってもいい西岡章夫選手に加え、近畿地区戦で強豪ドライバーとして知られる坂田智選手が今回はエントリー。その速さに注目が集まった。
第1ヒートのベストを奪ったのは今年からZC33Sスイフトに乗り換え、開幕戦のこのクラスも制した萩原豪選手だったが、坂田選手も中間タイムでは0.56秒差で萩原選手に喰らいついた。後半区間で遅れ、西岡選手に続く3番手で折り返したが、第2ヒートの走りが期待された。
しかし第2ヒートでは坂田選手が中間タイムで5秒、タイムを落として逆転はならず。自らの暫定ベストを約2.5秒詰めた萩原選手が第2ヒートもトップタイムを奪って優勝。西岡選手が2位に入り、3位には中部地区から遠征してきた折口ともふみ選手のCR-Zが、第1ヒートから10秒以上もタイムアップを遂げて入賞した。
第1ヒートは2WD総合ベストの走りを見せた萩原選手だったが、結果的には2WD総合2位のタイムで今回の一戦を終えた。四国地区では地区戦のクラスとは別に、JMRC四国シリーズとして、2WD車及び1,600cc以下の4WDを対象としたG2クラスを設定しているため、こちらのクラスのタイトル争いも熾烈を極めている。
「今日は同じ場所を2度通ると言うことで、いつもはないギャップができたりして、厳しかったですね」と萩原選手。「スイフトというクルマに変えて、自分の走りのスタイルをどう合わせて行ったらいいのか、模索している部分もあるので、その辺も詰めながら、やっていきたいです」と最終戦のG2クラス制覇に向けて意欲を見せた。
一方、N1クラスは、ミラージュアスティを駆る谷芳紀選手が、優勝候補本命の名に恥じない走りを見せて、第1ヒートから大差でこのクラスをリードする。谷選手は第2ヒートでは、さらに8秒以上もタイムを詰める2分55秒287をマーク。今大会では、2WD車では唯一、3分切りを果たすとともに、JMRC四国シリーズのG2クラスでも、ぶっちぎりの優勝をさらった。
「第1ヒートは林道区間で、狙ったラインに石が出ていたので、それを避けようとタコ踊りしてしまいました(笑)。結果、2WDのベストが獲れなかったので、2本目はかなり本気で攻めましたよ」と、谷選手もG2クラス首位を意識していた様子。
「勝因はストレートの後にヘアピンに右回りで入る所の手前で、アクセルを抜かずにシビアなラインを取る、自分の理想の走りができたことですね。失敗すると大きくタイムロスするんですが、ほぼ完璧に今日はアプローチできました。長いコースでしたが、集中力も最後までキープできたと思います」と会心の走りを振り返った。
2リッター4WDターボ車が主流のSD-2クラスには9台がエントリーし、今大会一番の激戦区となった。地元四国勢のほか、レギュラーで参戦する中国地区の藤原康正選手に加え、今回は近畿地区から山平実選手もエントリー。このクラスも他地区からの遠征組が、バトルを賑やかなものにしている。
今年はこのクラスの絶対王者である梶田昌弘選手が開幕戦を欠場。復帰した第2戦で優勝をさらったものの、開幕戦を制した竹下俊博選手とまだ勝ち星でイーブンという状況だ。またベテランの松原宏選手も、このコースから全日本のトップドライバーへと巣立って行った黒木陽介選手のランサーを今年からドライブするなど、戦闘力を大きく上げている。
このクラスは第1ヒートから、多くのドライバーがパワーを生かして3分切りの走りを見せるが、やはり首位で折り返したのは梶田選手で、2分46秒269をマーク。竹下選手が2.2秒落ちの48秒台で続き、松原選手は51秒台にとどまり、3位で1本目を終えた。
しかし第2ヒートに入ると、まず松原選手が梶田選手の第1ヒートの中間タイムを0.7秒近くも縮めるタイムで通過し、首位奪回の期待がかかるが、後半遅れて2分48秒台でゴール。続く竹下選手も松原選手とまったく同じ中間タイムで後半区間に突入したが、やはりタイムが伸びず、47秒055のタイムにとどまってしまう。ウィニングランとなった梶田選手は2秒以上のタイムアップを遂げる2分44秒181を記録してゴールし、第一人者の貫禄を見せつけた。
中間タイムの遅れについては、「2本ともスタート直後のパイロンで失敗してしまったのが響きました」と梶田選手。「1本目はヘアピンへの進入でいつもと違うやり方でサイド引いて失敗したり、今日は滅茶苦茶な走りをしてしまいましたね。2本目は何とかまとめられましたが、新品のタイヤを下したのも今日は大きかったと思います」。2勝目一番乗りを果たした梶田選手だが、全4戦の短期決戦ということで、タイトルレースの決着は最終戦に持ち越されることに。そのバトルの行方が注目される。
フォト&レポート/JAFスポーツ編集部
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