第2戦から負けなし! 連勝を5に伸ばした小出峻選手がポイントリーダーに浮上

レポート レース

2022年8月16日

スーパーGTと併催されたFIA-F4選手権の第3大会は、富士スピードウェイを舞台に、濃霧で予選がキャンセルとなる波乱の幕開けとなったものの、決勝では小出峻選手が盤石の走りを見せて富士2連勝を飾った。またシリーズ中盤戦で6戦5勝を挙げ、チャンピオンシップでトップに立った。

2022 FIA-F4選手権シリーズ 第5戦/第6戦
(2022 SUPER GT Round4内)

開催日:2022年8月6~7日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:株式会社GTアソシエイション、富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 FIA-F4の予選は、土曜日早朝の富士スピードウェイが濃霧で覆われてしまったため、急きょキャンセルに。金曜日に行われた専有走行のタイム順に第5戦の、そして第5戦で記録されたベストタイム順に第6戦のグリッドが決められることとなった。そのため、レース1のポールポジション(PP)は、ここまで3連勝の小出峻選手が獲得。2番手には荒川麟選手がつけていた。

 第5戦決勝レースでは小出選手が好スタートを切って、1コーナーへのホールショットに成功。荒川選手、伊東黎明選手を従えていく。だが、その直後に1コーナーではアクシデントが発生し、セーフティカー(SC)が導入される。SC先導は3周目まで続き、グリーンシグナル点灯後のリスタートでは、小出選手が荒川選手を封じ込めるも、その後方では三井優介選手が伊東選手をかわして3番手に浮上。伊東選手は7周目に岩澤優吾選手の先行も許していた。

 レースが折り返しに差しかかると、3番手の三井選手、4番手の岩澤選手は単独走行となり、逆に小出選手と荒川選手によるトップ争いがさらに激しさを増す。両者の間隔は常に1秒以内、しきりに牽制をかける荒川選手だったが、小出選手は最後まで屈せず。これでシリーズ4連勝となり、第1戦のリタイアでなかなか立てずにいたランキングのトップに立つこととなった。

「ようやく逆転できましたが、油断すると絶対に巻き返されてしまうので、しっかりと自分を見失わずに、毎回1レースを大事にやっていきたいと思っています」と小出選手。

 インディペンデントカップでも、鳥羽豊選手が4勝目をマーク。クラス2番手からの発進だったが、1コーナーにトップで飛び込んでからは、ライバルを一切寄せつけなかった。「明日もいいスタートが切れるか自信ないですけど、また頑張ります!」と鳥羽選手。

 そして第5戦でファステストラップを記録したのは、7位でゴールの小林利徠斗選手で、「昨日の練習で試したセットがそのままタイムにつながり、走っていてもいちばん乗りやすいと感じました。走りとタイムが噛み合ったと思います。安心できる材料もあるので、明日は頑張りたいです」と、第6戦のPPスタートの意気込みを語る。一方、小出選手は初めてPPを逃し、三井選手に続く3番手からのスタート。このあたり、どう影響を及ぼすか注目された。

第5戦優勝は小出峻選手(HFDP RACING TEAM)。
2位は荒川麟選手、3位は三井優介選手。
第5戦表彰の各選手。
第5戦インディペンデントカップ優勝は鳥羽豊選手(HELM MOTORSPORTS F110)。
第5戦インディペンデントカップの表彰式。左から2位の齋藤真紀雄選手、1位の鳥羽選手、3位の大阪八郎選手。

 第6戦で絶妙のスタートを決めたのは三井選手。小林選手をかわしてトップに立つ。一方、小出選手は3番手をキープし、まずは荒川選手も加えて4台でトップを争い合う。

 この中で最初に動いたのは小出選手だった。3周目の最終コーナーで小林選手を捕らえて2番手に立つ。抜かれた小林選手は、次の周に荒川選手に抜かれたばかりか、新たに接近してきた岩澤選手にもかわされてしまう。

 勢いに乗る小出選手は5周目の1コーナーで三井選手に並び、続くコカ・コーラコーナーで待望のトップに躍り出る。だが、三井選手も逃してくれず、再び4台でのトップ争いを、荒川選手と岩澤選手とともに繰り広げるように。

 終盤にはこのバトルがふたつに分かれた。トップは小出選手と三井選手が争い、3番手は荒川選手と岩澤選手、そして再び差を詰めてきた小林選手によって。何度も順位を入れ替えたが、最後は12周目のコカ・コーラコーナーで岩澤選手が決着をつけていた。

 そして辛くも三井選手を振り切り、小出選手は5連勝!「今年はこれまでずっとPPで、今日初めて後ろから行きましたが、前の人に追いついてすぐ抜けたので、本当に今日は内容にも満足していますし、自分の自信にもつながるレースになりました。連勝に固執しているわけではないですけど、もちろん5連勝はうれしいです。次回以降もこの速さを活かして、しっかりひとつひとつのレースを戦っていきたいと思います」と小出選手。

 インディペンデントカップでも鳥羽選手が5勝目を挙げ、「今日は若い子たちともバトルができて、一瞬でも隙を見せたらダーンと入られて。でも、そんな激しいバトルができたのはいい経験になりましたし、めちゃくちゃ楽しかったです」と、レース内容にも満足そうだった。

第6戦優勝は小出選手(HFDP RACING TEAM)。
2位は三井選手、3位は岩澤優吾選手。
第6戦表彰の各選手。
第6戦インディペンデントカップ優勝は鳥羽選手(HELM MOTORSPORTS F110)。
第6戦インディペンデントカップの表彰式。左から2位の齋藤選手、1位の鳥羽選手、3位の大阪選手。

■Porsche Carrera Cup Japan 2022

第7戦Proクラス優勝は小河諒選手(SHOWA AUTO with BINGO RACING)。
第7戦Proクラスの表彰式。左から2位の山本聖渚選手、1位の小河選手。
第8戦Proクラス優勝は小河選手(SHOWA AUTO with BINGO RACING)。

フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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