JAFのモータースポーツ事業について

JAFは、FIAによって公認された日本のASN(モータースポーツ統轄団体/ナショナル・スポーツ・オーソリティ/Autorite Sportive Nationale)として、モータースポーツに関する以下の業務をおこなっています。

  • (1)規則の制定、施行、管理
  • (2)競技のライセンスの発給
  • (3)クラブや団体の登録
  • (4)競技車両の公認や登録
  • (5)装備品の公認
  • (6)競技コースの公認
  • (7)スポーツカレンダーの登録
  • (8)選手権シリーズの制定、管理、表彰
  • (9)競技会の組織許可
  • (10)紛争の裁定
  • (11)記録の管理
  • (12)広報活動
  • (13)国際業務

(1)規則の制定、施行、管理

FIA国際モータースポーツ競技規則に従い、国内競技に関する種々な規則の制定・施行、管理をおこなっています。国内競技規則やモータースポーツの組織に関する規則は、JAFモータースポーツ部が原案を作成し、関係する専門部会およびモータースポーツ審議会に諮問し、その答申を得た上で、JAF理事会の議決を経て承認されます。その後、各規則として制定・施行されます。専門部会はレース部会やラリー部会、安全部会などで構成されています。

(2)競技ライセンスの発給

ドライバー(競技運転者)、エントラント(競技参加者)、オフィシャル(公認審判員)の各種ライセンスは、全国のJAF地方本部・支部で申請の受付け業務をおこなっています。

(3)クラブや団体の登録

モータースポーツ活動の基礎となるJAF登録クラブおよび団体の登録についても、全国のJAF地方本部・支部で申請を受け付けています。JAFの登録を受けたクラブや団体には「JAF登録クラブの章」または「JAF登録団体の章」と「登録印」がJAFから交付、貸与されます。

(4)競技車両の公認や登録

自動車メーカーからの新型車両の新規公認、正常進化車両などの追加公認、構成部品の公認などは、それぞれ年間を通じて自動車メーカーから申請され、JAFの専門部会の一つであるマニュファクチャラーズ部会で審査が行われ、認可されます。国際競技に使用する場合は、JAFの公認を得た後に、FIAへ国際公認の申請を行います。

(5)装備品の公認

個々の装備品に関する公認申請は、その内容によって個別の審査を経て認定が行われます。例えばレーシングスーツの場合は、製造者が公的検査機関の検査証明を得てからJAFの窓口に公認の申請をおこないます。

(6)競技コースの公認

競技コースの公認は、競技の安全確保の上で最も重要であり、新規に建設がおこなわれる場合、JAFは安全部会に諮って設計の段階から助言を行い、完成後は現地査察をおこなってコース許可証を発給します。国際格式のコースについてはFIAが査察を行い公認証を発給します。競技コースが完成した後も、原則として3年に一度の査察を実施します。重大事故が発生したりコースレイアウトの変更があった場合は、その都度査察をおこないます。国際格式のコースについてはFIAの専門担当官がその都度来日して査察をおこないます。

(7)スポーツカレンダーの登録

所定の締め切り日までに各オーガナイザーから提出されたスポーツカレンダー登録申請について、競技種目ごとに担当の専門部会で審議し、日程が重複している場合は調整をおこなったうえ登録を決定し、JAFモータースポーツサイトに公示します。国際格式競技および選手権競技については、専門部会の審議を経た後に、モータースポーツ審議会の審議を経て登録を決定します。国際スポーツカレンダーは、JAFの審議を経てFIAに申請をおこないます。

(8)選手権シリーズの制定、管理、表彰

それぞれの競技で活躍する優秀な選手や、優秀な成績を残した車両を製造したメーカーなどを顕彰することを目的に、JAFは全日本選手権および地方選手権を制定しています。オーガナイザーから申請されるカレンダーの中から認定競技会の選考をおこない、それぞれの選手権シリーズを構成します。JAFは各選手権シリーズのために各競技会共通の規則(統一規則)を制定しています。なお、全日本選手権の競技会には審査委員を派遣し、公正な競技運営がおこなわれるよう管理します。派遣される委員には、審査委員会技術アドバイザーなどが含まれる場合があります。

年末には、全日本選手権の競技会で優秀な成績を残した選手やモータースポーツ関係者を対象に、JAFモータースポーツ表彰式を開催し、地方選手権については全国8地域でそれぞれ表彰式が開催されます。

(9)競技会組織の許可

年間で多数のJAF公認競技会が開催されるため、JAF地方本部・支部を始めとしたJAF窓口では、一年を通じて競技会の組織許可申請を受け付け、特別規則書などの申請内容を審査した上で組織許可を与えています。

(10)紛争の裁定

競技者間で生じた紛争の裁定は、JAFの主要な業務の一つとなっています。競技会での抗議は、競技会審査委員会で審議して裁定が下されます。その裁定に不服の場合、JAFモータースポーツ審査委員会に控訴の手続きをおこなうことによって再審議・裁定がおこなわれます。その後、さらに上級のJAFモータースポーツ中央審査委員会へ控訴することもできます。モータースポーツに関する国をまたいだ紛争を訴える場合は、予めJAFの同意を得る必要があります。

(11)記録管理

JAF公認競技会における競技の成績は、競技の大小を問わず、すべてJAF公認競技記録として永久に管理・保存されます。

(12)広報活動

JAFモータースポーツサイトやSNS、動画などにおいて最新の情報や競技会カレンダーなどの発信をおこない、また、JAFはすべてのJAFライセンス所持者および登録クラブ団体などへ定期的にJAFスポーツ誌を送付するなど、モータースポーツ振興に努めています。

(13)国際業務

世界のモータースポーツを統轄するFIAの主要メンバーとして、JAFは世界モータースポーツ評議会や各種専門委員会の委員に名を連ねており、頻繁に開催されるそれら会議に日本を代表して出席しています。また、モータースポーツ統轄団体である各国のASNとの交流も積極的におこなっています。また、ライセンス所持者に対して海外競技出場証明やメディカルサーティフィケートの発給をおこなっています。モータースポーツは年々国際的な交流・展開が進展しており、JAFの国際業務の重要性はますます高まっています。

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