JAFモータースポーツジャパン2022、3年ぶりにお台場で開催!

レポート その他

2022年11月25日

モータースポーツを身近に体感できる日本最大級のイベント「JAFモータースポーツジャパン2022」が、11月19~20日に東京・お台場の特設会場で開催された。2日間で約7万人以上が来場して、多くの人々がモータースポーツの醍醐味に触れた。

JAFモータースポーツジャパン2022
開催日:2022年11月19~20日
開催地:お台場特設会場 青海地区NOP街区(東京都江東区)
主催:一般社団法人日本自動車連盟(JAF)
運営:NPO法人日本モータースポーツ推進機構

 モータースポーツを見て、聞いて、体感するイベント「JAFモータースポーツジャパン2022」が、3年ぶりにお台場に帰ってきた。2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により中止となり、2021年は三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催されたJAF鈴鹿グランプリとの併催だったが、今年は会場をお台場の特設会場に戻して実施された。

 開催地となる東京都江東区の青海地区NOP街区は、レジャーが楽しめる潮風公園を始め、周囲には商業施設等もあって、週末ともなると多くの人が集まるエリアだ。そんな場所ゆえに、このイベントを目当てに来場したモータースポーツファンはもちろん、普段モータースポーツに接する機会がない、お台場近くに居合わせた一般客の関心もたくさん集めた。

 会場内を大きく占有する特設走行エリアでは、スーパーGTやドリフトといったデモンストレーションランが行われ、大きなエキゾーストノートが響き渡ると、来場客からは拍手喝采が巻き起こった。そしてモータースポーツに関連のある車両展示エリアでは、さまざまなマシンやパーツの展示がなされ、スマホやカメラで撮影する熱心な来場客の姿も多く見受けられた。

 中でも注目を集めたのがEco Rally Tokyo Demonstrationで、電気自動車や燃料電池自動車といったエコカーでラリーを行うツーリング走行の催しだ。モータースポーツジャパン2022の会場をスタート/ゴール地点とし、お台場周辺のチェックポイントを巡りながら、所要時間や電力消費量、オートテストで順位を争うといった内容。国内トップカテゴリーで活躍するドライバーや、モータースポーツジャーナリストたちが参加し、都市型モータースポーツの開催の可能性を示した。

 一方で、体感型のイベントも好評を博した。2017年から始まったU-18運転予備校は、運転免許を取得していないアンダー18歳を対象としたドライビングカリキュラムだ。インストラクターは日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)の会員が務め、ホンダ・NSX、BMW・Z4、マツダ・ロードスター、日産・フェアレディZ、レクサス・LC500で運転体験を行った。

 またモータースポーツジャパン2022の会場の北側に位置するB会場には「にゃんこ大戦争 PRESENTS シティ・サーキット ODAIBA 2022」が併設。その特設コースではEVレンタルカートで体験走行が可能とあって、子供から大人まで存分にカートを楽しんでいた。もちろん、メインイベントとなる全日本カート選手権EV部門もチャンピオンが決まる最終戦とあって白熱。

 開場から閉場までイベントが目白押しだったこともあり、モータースポーツジャパン2022はモータースポーツが満喫できる2日間となった。

2019年開催時と同じ、お台場青海地区NOP街区に設けられたモータースポーツジャパンの特設会場。
開会の挨拶を行ったのはJAF坂口正芳会長。「現在と未来のモータースポーツを会場で体感し、そして楽しんでいってください」とメッセージ。
続けてJAFモータースポーツ審議会の鈴木亜久里委員と、モータースポーツ推進機構日置和夫理事長が挨拶。開会宣言を行った。
会場内で一番賑わったのは、各種デモランが行われた特設走行エリア。間近でその走りを見ようと、多くの観客が集まっていた。
スーパーGT GT300クラスに参戦のWeibo PrimezランボルギーニGT3とLEON PYRAMID AMG。小暮卓史選手と篠原拓朗選手がデモラン。
スーパーGT GT300クラスに参戦のStudie BMW M4と2021年のHOPPY Porsche。荒聖治選手と野中誠太選手がデモラン。
トヨタ・TA22型セリカヒストリックモンテカルロ仕様車は大滝拓也選手と車両オーナーが運転。大滝選手はインタープロトシリーズの表参道メディカルクリニックもドライブ。
ファーストガレージのマクラーレン720S GT3やマクラーレン570S GT4もお目見え。
RE雨宮 K&N RX-7の松井有紀夫選手、TEAM TOYO TIRES DRIFT GR86の藤野秀之選手、GR SUPRA Blue Editionの松山北斗選手が華麗なドリフトを披露。
衆議院議員で自民党モータースポーツ振興議員連盟事務局長を務める山本左近議員がフォーミュラE GEN2の車両を走らせた。
スーパーGT GT300クラスのARTA NSX GT3とRUNUP RIVAUX GT-Rの展示。
スーパーGT GT300クラスのapr GR86 GTとグッドスマイル 初音ミク AMGの展示。
水素を燃料としたトヨタL&F(豊田自動織機)の新型燃料電池フォークリフト。MIRAIの燃料電池セルが使用されている。
FIAフォーミュラ1世界選手権のロータス101Tジャッド、フォーミュラ・ニッポンのローラB351、全日本F3000選手権のマーチ86Jと、往年の名車が並んだ。
2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権でシリーズチャンピオンを確定させた野尻智紀選手のマシンやトロフィーを展示した日本レースプロモーションブース。2023年からサービスが開始されるSF NEXT50のPRも。
野尻選手と笹原右京選手がスーパーフォーミュラトークショーに登場、今シーズンを振り返りながらトークに華を咲かせた。また日本レースプロモーションブースではサイン会も行われた。
横浜ゴムブースは全日本F3000選手権のADVANローラMF308を展示。そしてスーパーフォーミュラでコースレコードを飾った、ドライバーのサイン入りタイヤを展示した。
ロゴ入りグッズの販売を始め、モータースポーツ用タイヤ・プロクセスシリーズを展示したTOYO TIRESブース。
高橋国光氏を偲んだ「追悼 ありがとう国さん」ブースには、高橋氏にゆかりのある車両やトロフィーが並べられた。
富士スピードウェイブースはオフィシャルカーを展示するとともにシミュレーターでのタイムアタックチャレンジで盛り上がった。
学生フォーミュラ日本大会を再現したシミュレーターで運転を疑似体験できる自動車技術会ブース。学生フォーミュラについても写真パネルで紹介。
自動車を支えるさまざまな分野の科学技術やものづくりを学ぶことができる自動車技術会のキッズエンジニア。ミニカー制作ができるガッちゃんCarライン体験は子供たちに大人気!
JAFブースでは子ども安全免許証の発行やロードサービスカーを展示。ドライバー・オブ・ザ・イヤー2022をPRした。
プロレスラーの蝶野正洋氏がJAFブースに乱入!? 自身のYouTube収録とライブ配信を行い、ドライバー・オブ・ザ・イヤー2022の投票を呼びかけた。
JAFとヤマハ発動機が協業契約した、時速20km未満で公道を走ることができる電動カートを活用した移動サービスのグリーンスローモビリティの体験乗車を実施。
新旧スーパーGTのミニチュアモデルを各種揃えて販売を行ったエブロブース。
モータースポーツ活動をサポートするZFブースにはさまざまな製品が展示されていた。また由良拓也氏をゲストにFIAフォーミュラE選手権のスペシャルトークショーも行われた。
三菱ブースは、1996年WRC1000湖ラリー(現ラリー・フィンランド)優勝のランエボIII Gr.Aといった車両展示のほか、4WD登坂の体験イベントも行われた。
スーパーGT参戦のR&D SPORTSのBRZと、ニュルブルクリンク24時間レースの車両、全日本ラリー選手権で使われた新井敏弘選手のマシンを展示。ドライバーや監督のトークショーにはスバルファンが多く集まった。
BMW TokyoブースではM3コンペティションとM8クーペコンペティションを展示。
アクティビティエリアではタイヤ交換チャレンジが実施され、モータースポーツジャパン運営事務局長の高橋二朗氏も挑戦!
多くの若者たちが受講したU-18運転予備校。最新の車両で運転体験が行われ、モータージャーナリストの菰田潔氏が講師を務めた。
モータースポーツジャパン初の試みとなるEco Rally Tokyo Demonstration。各種メーカーの電気自動車や燃料電池自動車が揃えられ、お台場周辺でラリーが行われた。
エコカーでラリーを行うEco Rally Tokyo Demonstrationには最高峰カテゴリーで活躍するドライバーやジャーナリストたちが参加。JAF坂口会長がセレモニアルスタートでフラッグを振った。
スタート後はお台場周辺に設定されたチェックポイントを、カーナビの誘導に従って目指す。2か所のチェックポイントではタイムカードにスタンプをもらう。
道路交通法を順守しながら、ツーリング走行での所要時間と電気消費量で争われる競技に、参加選手たちは苦戦しながらも楽しんでいた。
チェックポイントを通過して会場に戻ると、指示されたアベレージ(平均速度)で走行し、ターゲットタイム(シークレット)に最も近い者から順位を決定するオートテストが行われた。
優勝はホンダeを駆った山本尚貴選手。2位はマツダMX-30EVモデルの三好正巳選手(NPO法人日本モータースポーツ推進機構監事)、3位は日産アリアのロニー・クインタレッリ選手。
JAF坂口会長より上位3選手に盾と副賞が贈られた。「GT最終戦から(Eco Rally Tokyo Demonstrationの優勝と)2連勝で今シーズンを終えることができました(笑)」と、優勝の山本選手。
会場の端にはさまざまなキッチンカーが並び、モータースポーツジャパン2022を訪れた観客の胃袋を満たしてくれた。
20日は15時すぎから小雨が降ってきたが、ギリギリ天気が持ち、無事にモータースポーツジャパン2022は閉場。JAF島雅之専務理事が最後に挨拶。

フォト/宇留野潤、佐藤靖彦、関根健司、長谷川拓司、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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