2023年JAF中国モータースポーツ表彰式が広島市内の会場で盛大に開催!!

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2024年3月5日

2023シーズンも各地のJAF公認サーキットとJAF公認コースで激戦が繰り広げられた中国地区のモータースポーツ。当地区でのジムカーナ、ダートトライアルとサーキットトライアルのJAF地方選手権と全国転戦のJAF Formula Beat地方選手権、そしてJMRC中国シリーズで優秀な成績を収めた中国地区の選手たちの健闘を称え、表彰する2023年JAF中国モータースポーツ表彰式が2024年2月10日に広島市内で開催された。

2023年JAF中国モータースポーツ表彰式
開催日:2024年2月10日
開催地:ホテル広島サンプラザ(広島県広島市)
主催:JAF中国本部、JMRC中国

 中国地区でのモータースポーツの2023シーズンを締めくくる晴れの舞台は、2022シーズンと同じく広島市西区にあるホテル広島サンプラザの大宴会場「金星」が担った。新型コロナウイルス感染症感染拡大を防ぐための様々な制約が、日常生活でも緩和されつつあることも受けて、今回の表彰式でもコロナ禍前までの形式を取り入れて開催された。

会場となったホテル広島サンプラザは、広島市二十歳を祝うつどいの会場やプロバスケットボールチームのホームアリーナを担う、広島サンプラザの施設。広島駅から4駅離れた新井口駅に建つが駅から徒歩で一本道、山陽自動車道の五日市インターチェンジからも近く、中国地方各地からのアクセスは良好だ。
表彰式の前には同じホテル広島サンプラザの中宴会場「天王」で2024年JMRC中国総会が開かれ、総会の前にはジムカーナとダートトライアルの部会も開催した。JAFモータースポーツ部スポーツの田川員誉課長も出席した総会では原野雅子氏のラリー部会長選出など、数多くの議案が審議された。

 今回は表彰式で各選手が表彰された後に2024年度JAF&JMRC中国モータースポーツ懇親会を開催するという、以前までのかたちが帰ってきた。

 JAF中国本部の神吉靖視事務局長の主催者挨拶によって幕を開けた表彰式は、続いてJMRC中国の岩根つもる運営委員長も主催者挨拶を述べた後、来賓のみなさんの紹介が行われた。賞典はジムカーナ、ダートトライルとサーキットトライアル、そしてF-Beの順で各選手に授与された。

表彰式の冒頭はJAF中国本部の神吉靖視事務局長が登壇。2023シーズンの中国地区でのモータースポーツを盛り上げた選手、そして関係者たちを称えて、受賞者たちを祝った。
神吉事務局長に続き、JMRC中国の岩根つもる運営委員長が登壇。受賞者たちを祝うとともに、2023シーズンの中国地区のモータースポーツとJMRC中国の活動を支えた選手や関係者たちに感謝の意を述べた。
着席で行われた表彰式でチャンピオンは座席中央に設けられた花道から壇上に上がった(左)。チャンピオンにはプレゼンターが賞典を直接手渡しする、コロナ禍前のかたちが戻ってきた(右)。
2023年JAF全日本ジムカーナ選手権で上位の成績を収めた中国地区の選手たちも表彰された。左から、BSC2クラスランキング3位の藤井雅裕選手、PN2クラスランキング3位の小林規敏選手と5位の柏昇吾選手と6位の中田匠選手。
2023年JAF全日本ダートトライアル選手権と2023年JAFカップオールジャパンダートトライアルで上位の成績を収めた中国地区の選手たちも表彰された。左から全日本PN1クラスランキング3位の太田智喜選手、Dクラスランキング6位の河内渉選手、SC1クラスランキング5位とJAFカップSC1クラスで2位の坂井秀年選手。全日本とJAFカップの二冠を果たしたSA2クラスの浜孝佳選手とDの田口勝彦選手、全日本SA1クラスランキング6位の川本圭祐選手、SC1ランキング3位とJAFカップSC1で5位の山下貴史選手は欠席。
2023年11月4~5日に福島県のエビスサーキット新南コース スライドパークで開催されたJAFカップダートラと併催した、JMRC全国オールスターダートトライアルin東北の地区対抗戦で、中国地区は北海道地区と合同で優勝を果たした。選手を代表して太田選手が優勝旗を田川課長から授与された。
全ての受賞者への賞典の授与が終わると、田川課長が登壇、閉会の辞を述べるとともに2023年JAF中国モータースポーツ表彰式が一旦幕を閉じた。
JMRC中国総会から一日を通して、2023年JAF中国ダートトライアル選手権SCD2クラスチャンピオンの“アナ西元”こと西元直行選手が司会を担当。円滑な進行と明るいトークで会場を盛り上げた。
表彰式サポーターのKORIさん、MAIKOさん、YUIさんの3人が表彰式ではプレゼンターのアシスタントを、2024年度JAF&JMRC中国モータースポーツ懇親会では進行アシスタントを担当した。

 表彰式が終わり模様替えが行われた後に、同じ会場で懇親会が行われた。2020年度以来となる、立食ビュッフェ形式による懇親会の復活も楽しみにしていた受賞者も多かったようで、色とりどりの様々な料理を味わっていた。

 恒例となっていた、豪華賞品やユニークな副賞が用意されたビンゴ大会をはじめとした催しも開かれて大いに盛り上がり、親交も深まった懇親会は一本締めで閉会を迎え、2023シーズンの中国地区のモータースポーツは幕を閉じた。

来賓のみなさんを代表して、株式会社和光ケミカル中国支社の浅見淳一郎支社長が登壇して挨拶を述べて、懇親会が始まった。
競技会場として中国地区のジムカーナを支えるJAF公認コースのひとつ、スポーツランドTAMADAを運営する株式会社タマダの玉田敬司代表取締役が、乾杯の発声を担当した。
懇親会とともに復活したビュッフェは、豪華な料理の数々がズラリと並べられて好評を博した。受賞者たちは時にはクラスやカテゴリーの垣根を超えて談笑し、交流を深めていた。
懇親会とビュッフェとともに復活したビンゴ大会は賞品が豪華なこともあり、懇親会で一番の盛り上がりを見せた。「イベントサポーター全員と握手できる権利」をはじめユニークな副賞も設けられ、“アナ西元”が番号を読みあげる度に参加者たちは一喜一憂していた。
ビンゴ大会が終わり、会場の熱気が落ち着いてきたところでJMRC中国の顧問を代表して浅田義友氏が壇上に上がり“締めのお言葉”を述べた。
2023年JAF中国ジムカーナ選手権R4クラスチャンピオンの川上智久選手は、ビンゴ大会で「結びの挨拶&一本締めできる権利」の大役を当てた智子さんとともにみなさんの2023シーズンの健闘と2024シーズンのさらなる活躍を祈念して一本締め。2023シーズンの中国地区のモータースポーツを締めくくった。
JAF中国ジムカーナT28クラスの表彰。左からチャンピオンの武内靖佳選手、2位の西島公一選手、3位の渡部峻佑選手、4位の西岡良浩選手、5位の湊高貴選手、6位の高橋一浩選手。
2023年JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズT28クラスは左から、チャンピオンの武内選手、2位の西島選手、3位の渡部選手が表彰された。
JAF中国ジムカーナRCクラスの表彰。左からチャンピオンのKAZUYA選手、2位のTARO選手、3位の星川栞人選手、4位の石川晃選手、5位のノダマネキン選手。6位の乃一智久選手は欠席。
JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズRCクラスは左から、チャンピオンのKAZUYA選手、2位のTARO選手、3位の石川選手が表彰された。
JAF中国ジムカーナR2クラスの表彰。左からチャンピオンの石井拓選手、4位の乗本佳樹選手、5位の上程恒夫選手、6位の板橋巧司選手。2位の影山幸輝選手、3位の中本信一選手は欠席。
JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズR2クラスは左から、チャンピオンの石井選手、4位の乗本佳樹選手、5位の上程選手が表彰された。2位の影山選手、3位の中本選手は欠席。
JAF中国ジムカーナR4の表彰。左からチャンピオンの川上選手、2位の日高洋選手、3位の難波伸善選手、5位の丸岡茂選手、6位の天満剛選手。4位の山下和実選手は欠席。
JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズR4クラスは左から、チャンピオンの川上選手、2位の日高選手、3位の難波選手が表彰された。
JAF中国ジムカーナPN2クラスの表彰。左からチャンピオンの柏選手、2位のTomohide選手、3位の高屋隆一選手、4位の西村優輝選手、5位の宮川弘基選手、6位の片岡一司選手。
JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズPN2クラスは左から、チャンピオンの柏選手、2位の高屋選手、3位のTomohide選手、4位の西村選手、5位の宮川選手が表彰された。
JAF中国ジムカーナPN3クラスの表彰。左からチャンピオンの内田敦選手、2位の池澤亮太選手、3位の松村正吾選手、4位の宮部貴盛選手、6位の竹村穣選手。5位の荒木真宏選手は欠席。
JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズPN3クラスは左から、チャンピオンの内田選手、2位の池澤選手、3位の松村選手、4位の宮部選手が表彰された。
JAF中国ジムカーナBC2クラスの表彰。左からチャンピオンの藤井選手、2位の馬場靖典選手、3位の阿部政博選手、4位の岡満香選手、5位の花本豊壽選手。6位の井上洋選手は欠席。
JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズBC2クラスは左から、チャンピオンの藤井選手、2位の阿部選手、3位の岡選手が表彰された。
JAF中国ジムカーナBC3クラスの表彰。左からチャンピオンの佃真治選手、2位の藤木誠選手、3位の根岸雅也選手、5位の有田光徳選手。4位の高橋伸治選手は欠席。
JMRC中国ジムカーナ チャンピオンシリーズBC3クラスは左から、チャンピオンの佃選手と2位の藤木選手が表彰された。3位の高橋伸治選手は欠席。
2023年JMRC中国ジムカーナ フレッシュマンシリーズFクラスの表彰。左からチャンピオンの廣田賢興選手、2位の今山輝選手、3位の三次勇太選手。
JMRC中国ジムカーナ フレッシュマンシリーズFATクラスの表彰。左からチャンピオンの乗本和子選手、3位の田中光選手。2位の木下裕司選手は欠席。
JAF中国ダートラATクラスの表彰。左からチャンピオンの行友優太選手、2位の松原健一選手、3位の末金晋平選手、4位の都田輝峰選手(代理)、5位の入邊和俊選手、6位の村田峻哉選手。
2023年JMRC中国ダートトライアル チャンピオンシリーズATクラスは左から、チャンピオンの行友選手、2位の末金選手、3位の松原選手、4位の都田選手(代理)が表彰された。5位の村田選手と6位の伊澤裕輔選手は欠席。
JAF中国ダートラPN1+クラスの表彰。左からチャンピオンの南優希選手、2位の山谷隆義選手、3位の宗正勝吉選手、5位の藤原祐一郎選手(代理)、6位のハンター大谷ヒロシ選手。4位の飯島千尋選手は欠席。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズPN1+クラスは左から、チャンピオンの南選手、2位の山谷選手、4位の宗正選手、3位の藤原選手(代理)、5位の建部伸夫選手(代理)、6位のハンター大谷選手が表彰された。
JAF中国ダートラNPSAクラスの表彰。左からチャンピオンの萩原豪選手、2位の岩坂有洋選手、3位の谷口成治郎選手(代理)、4位の上清瑞穂選手、5位の楠弘隆選手、6位の小野守選手。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズNクラスは左から、チャンピオンの岩坂選手、3位の上清選手、4位の坂本幸洋選手(代理)が表彰された。2位の谷口選手は欠席。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズPSAクラスは左から、チャンピオンの楠選手、2位の原聡美選手、3位の小野選手、4位の西隆司選手(代理)が表彰された。5位の阿部和男選手と6位の片山浩三選手は欠席。
JAF中国ダートラSA1クラスの表彰。左からチャンピオンの北野壱歩選手、2位の松岡修司選手、3位の丸本淳二選手、4位の坂本達哉選手(代理)、5位の髙橋義晴選手、6位の中畑有貴選手。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズSA1クラスは左から、チャンピオンの北野選手、2位の松岡選手、3位の髙橋選手、4位の中畑選手、5位の坂本達哉選手(代理)、6位の丸本選手が表彰を受けた。
JAF中国ダートラRWDクラスの表彰。左からチャンピオンの畑窪琢巳選手、2位の横山修二選手(代理)、3位の大竹公二選手(代理)、5位の丸本光選手、6位の三好瑛二選手。4位の良本海選手は欠席。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズRWDクラスは左から、チャンピオンの畑窪選手、2位の横山選手(代理)、3位の大竹選手(代理)、4位の丸本選手が表彰を受けた。5位の徳永紘行選手は欠席。
JAF中国ダートラNS1クラスの表彰。左からチャンピオンの川戸惟寛選手、2位の西田ツカサ選手、3位の河田富美男選手、4位の織田一昭選手(代理)、5位の片岡学選手(代理)、6位の青戸浩喜選手(代理)。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズNS1クラスは左から、チャンピオンの川戸選手、2位の西田選手、3位の織田選手(代理)、4位の片岡選手(代理)、5位の青戸選手(代理)、6位の清岡毅選手が表彰を受けた。
JAF中国ダートラSCD1クラスの表彰。左からチャンピオンの重松良輔選手、2位の一柳豊選手、3位の鈴鹿浩昭選手、4位の小川英二選手、5位の江田健一郎選手(代理)、6位の金沖隆志選手。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズSCD1クラスも左から、チャンピオンの重松選手、2位の一柳選手、3位の鈴鹿選手、4位の小川選手、5位の江田選手(代理)、6位の金沖選手が表彰を受けた。
JAF中国ダートラSCD2の表彰。左からチャンピオンの西元選手、2位の上田強選手、3位の望月浩孝選手、4位の河内渉選手、6位のアキマただゆき選手。5位の小田文之選手は欠席。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズSCD2クラスは左から、チャンピオンの望月選手、2位の河内選手、3位の西元選手、4位の上田選手、6位のアキマ選手、5位の今川正樹選手が表彰を受けた。
JMRC中国ダートラ チャンピオンシリーズ チャレンジクラスの表彰。左から、チャンピオンの伊藤良起選手、2位の粟井大樹選手、3位の那須照英選手、4位の野村滉揮選手、5位の石原昌悟選手(代理)、6位の菅谷晴也選手(代理)。
2023年JAF岡山国際サーキットトライアル選手権 CT2クラスの表彰は、6位の中嶋努選手が表彰を受けた。チャンピオンの赤石憲俊選手、2位の松代耕二選手、3位の勝田裕貴選手、4位の石田泰久選手、5位の寺本道雄選手は欠席。
岡山国際サーキットトライアルCT3クラスの表彰は、チャンピオンの木村芳次選手が表彰を受けた。2位の三谷崇選手、3位の三浦俊哉選手、4位の渡邊敬司選手と松崎孝大選手は欠席。
岡山国際サーキットトライアルCT4クラスの表彰。左から、チャンピオンの松橋豊悦選手、2位の田中周文選手、4位の大住拓選手、5位の野添光治選手、6位の光井有紀選手。3位の工藤丈弥選手は欠席。
岡山国際サーキットトライアルCT5クラスの表彰は、チャンピオンの山下猛選手が表彰を受けた。2位の小倉由浩選手、3位の久保侑大選手、4位の山村純一選手、5位の應治明彦選手、6位の酒田慎也選手は欠席。
2023年JAF Formula Beat地方選手権で2位を獲得した卜部和久選手が表彰を受けた。

2023年JAF中国地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

2023年JAF中国ジムカーナ選手権T28クラス 武内靖佳選手
「(TS)タカタサーキットで小林さんと高屋さんがジムカーナをフリー走行でしていて“めちゃくちゃカッコいいな”と思ったんです」と語る武内選手とジムカーナの出会いは2021年。「で、次の年にクルマ買って店に行きました」と準備を整え、2023シーズンにT28でデビューを飾った。「店の人と話して“チャンピオン獲って、ステップアップしてください”って言われていたんで成し遂げたいな、と思っていました」と意気込んで臨んだそうだ。「初戦から緊張しっぱなしだったんですけど2位に入れて“意外といけるんだな”って分かって、第2戦は自分としては手応えなかったんですけど優勝できたんです」と幸先良いスタートを切るも、第3戦は4位に終わる。「第3戦の備北(サーキット)はパイロンタッチで最下位になったんです。そこからちょっとパイロンが怖くなって、距離を詰めたりできなくなってたんです」という中、王座争いは最終第7戦にもつれた。第2ヒートで「うまくパイロンをかわしつつ、コースの最短を走るというか、距離重視というか、そういう走りができたんで、自信になりました」と、会心の走りで苦手を克服して戴冠を果たした。2024シーズンはPN3に挑む武内選手は「大分揉まれると思うんですが、なんとか1勝したいです」と目標を語ってくれた。
2023年JAF中国ジムカーナ選手権R2クラス 石井拓選手
2016シーズンから中国地区戦を追い、2022シーズンはGR86を駆ってPN2+クラスのランキング2位を獲得した石井選手の2023シーズンは、「全てがワイヤーでつながっているワイヤースロットルで、電子制御もないから操作してて楽しいのと、限界がちょっと低いのも楽しいです」語るNB型マツダ・ロードスターに変更。クラスもR2に移った初年でチャンピオンに輝いた。「無差別級の二輪駆動クラスに、車高調とデフだけ付けて開幕戦で2位になれたんで“コレは何か戦えるんじゃないか”と思いました。次(第2戦)は直線が凄く長いコースだったんですけど、2位の選手がミスをしたんで、それもあって勝って、運が良かったと思います」と、NB型ロードスターには不利と思える中でいきなりの好成績を収め、戴冠を目指すスイッチが入ったようだ。第3戦以降は第6戦での優勝と2位を3回獲得と、安定した成績を残して後続の追撃を振り切った。来る新シーズンは「ライバルの人たちに応えられるように、勝っても負けてもいいんで、本気で走って楽しめたらいいな、と思います」と、控えめに語ったが、2連覇を狙って戦うに違いないであろう。
2023年JAF中国ジムカーナ選手権R4クラス 川上智久選手
「始めて8年目だったんですけど始める前に、10年以内でチャンピオンカップを獲りたい、と思っていたんで、本当に良かったです」と喜ぶ川上選手。2023シーズンはR4で4勝を挙げて戴冠を果たし、ジムカーナを始めた当初に立てた目標も見事に達成した。僅差で負けていたライバルから、勝利を挙げることができたと言うタカタでの第1戦と、「備北が地元なんですけど、スピンしかけてもうまくつなげて逆転優勝して。自信がつきました」と振り返った、備北Aコースでの第3戦の走りが印象に残っている、とのこと。「“失敗しちゃったらヤバいな”と、思うところがあったんですけど、チームのオーナーさんからも“リラックスして走ればいいよ”って言ってもらえて。無心というか、自分の走りをして勝てたんです」とメンタル面で得た手応えも大きかったそうだ。「追われる身になるんですけど、まだ追っかける選手がたくさんいるので、技術を上げてチャンピオンに相応しい走りをみなさんに見せられるように、頑張っていきたいと思います。いつかは全日本で6位以内に入る、というのを目指して、長く続けていきたいです」と語るさらなる目標に向けて、2024シーズンのR4でのV2を目指して飛躍を誓った。
2023年JAF中国ダートトライアル選手権ATクラス 行友優太選手
「自分の車両が間に合った4戦目以降はしっかり勝つことができて、目標だったシリーズチャンピオンを獲ることができて本当に光栄です!」と戴冠の喜びを語った、ATチャンピオンの行友選手。学生の大会でダートラに挑んでいた行友選手のシリーズデビューは「太田さんのレンタル車両で地区戦にスポットで出していただいたんです」と振り返る2022シーズンの第5戦。最終第7戦ではシリーズ初優勝も挙げ、「“ダート楽しい!”ってなって、クルマ買って造って出てきました」と、本格的にシリーズを追った初年の終盤で4連勝を果たし、チャンピオンに輝いた。「先輩方が全部サポートしてくださって、一緒に慣熟(歩行)とか、アドバイスとか聞きながら引っぱっていただけたのでついていって、一緒にチャンピオンを獲ることができたかな、と思います」と、先輩の若手ドライバーをはじめ、多くの助けがあってこそのチャンピオン獲得だったそうだ。2024シーズンは、「2連覇できるように、まだ、勢いだけでなんとかしているんで、上の人の走りを見ながら丁寧に走れるようになりたいです」と目標を語ってくれた、行友選手の進化する走りに注目したい。
2023年JAF中国ダートトライアル選手権PN1+クラス 南優希選手
2023シーズンは中国地区戦に本腰を入れて挑んだ、という南選手は「厳しい戦いになっても絶対ここで獲りきろう。獲って、全日本にステップアップしていく、っていう自分の中の計画、目標を立てて無事、達成できました」と、チャンピオンを獲得したのだが、順風満帆で開幕を迎えられなかったそうだ。「クルマのセッティングが納得いく状態ではなかったスタートだったんです。しっかり走れるな、と思うところまで早くもっていけるかが不安点でした。全日本でも強敵な方や地元のチャンピオンだった方がいて、表彰台すら争うことになるだろうな、って思ってました」と、不安がある中で開幕2連勝を果たすと、常に優勝か2位か、というハイペースでシリーズを制した。「最低限入賞はして、全日本にステップアップしていく流れをつくりたい」と臨んだテクニックステージタカタでの全日本の第8戦では「後半区間の区間タイムが1番で、勝負できる区間とかポテンシャルがちょっとずつ出せるようになってきて自信にもつながって。タカタの2本目で、1年間学んだことが出せたかな、と思ってます」と、第2ヒートでのアツい走りで4位を獲得した。満を持して全日本に臨む2024シーズンの活躍も楽しみだ。
2023年JAF中国ダートトライアル選手権SA1クラス 北野壱歩選手
「ちょっとずつクルマをアップデートしたり、仕様変更しながら、なんとか自分の“これが速いんだ”っていう走りとか理想に対して近づけていきながら走れた、なんとか結果もそれなりに出たかな、って一年でした」と、2023シーズンを振り返った北野選手がSA1で初戴冠を果たした。「毎回僅差なのでワンミスすれば確実に負けるような状況で、常にピリピリと良い緊張感を持って走れました。常に意識していたんで、上の成績が維持できたのも松岡さんがいらっしゃってのことだと思います」と、切磋琢磨しながら王座を争った、ライバルへの敬意も忘れない。自身の走りについて「自分の頭の中にある理想がなんとなくあって、まだまだ自分の100%を出し切っても出来ないとは思うんですけど、勝ててもそれができていないので、そんなにスッキリはしていないんです」と、理想に貪欲だ。「地区戦チャンピオン獲りきることと、全日本、開幕戦と最終戦出ようと思っているので、お立ち台立ちたいな、っていうのが目標です」と語る2024シーズンの北野選手は理想の走りを追求しながら、目標に挑む。
2023年JAF中国ダートトライアル選手権RWDクラス 畑窪琢巳選手
ZN6型トヨタ86を駆ってRWDに挑んだ畑窪選手は、最終第7戦で挙げたシリーズ初優勝でチャンピオンを射止めた。しかし、初めてのFR(後輪駆動)での2023シーズンは「始めのうちはまっすぐ走るのもままならない、みたいな感じだったんです」とのことで、さらに「前はFF(前輪駆動)だったんですけど、アクセル踏める量が断然多かったです。FRはタイヤと相談しながらのアクセル操作になるので結構シビアな感じで、踏みたくても踏んだら空転する感じもありました」と、駆動方式の違いに苦労した船出だったようだ。「クルマ壊さないように、通勤車なんで。それは一番に心がけていました」と語る中でも、「アクセルが踏めるように、トラクションをかけれるような運転を意識していました」という走りで表彰台を一度も逃すことなく獲得。初優勝と初戴冠を決めた第7戦での2本目は、2023シーズンの走りの集大成だったそうだ。「1本目でスピンとか、前半戦でミスが多かったんですけど、ミスを極力なくしたいです。格上の車両もチカラがある方も参戦される予定なので負けないように、意地を見せたいです」と、王座防衛に気合いを入れていた。
2023年JAF中国ダートトライアル選手権SCD1クラス 重松良輔選手
「SCD1は激戦クラス、と言われ続けてきて、そこで獲れたんで凄く嬉しいです」と喜ぶ重松選手のダートラキャリアは学生の頃から15、16年で改造車一筋、チャンピオン獲得は念願だったそうだ。「開幕と、タカタでの第2戦は優勝できて幸先の良いスタートだったんですけど、一柳さんもねばり強くその後2勝やり返されて、気が気じゃない戦いが続いていたんです」と2022シーズンのチャンピオン、一柳豊選手とのチャンピオン争いは第6戦での勝利と、「本当にミスなく気持ちよく走れた」と会心の走りに挙げた1本目を見せた第7戦で2連勝、「最終戦でしっかり勝てて、気持ちよく決めれました」と、王座を射止めた。「いろんな人に凄いサポートをいただいて勝てたんで、みなさんに感謝してますね」と支えてくれている周囲のサポートへの感謝も忘れない重松選手は変化を迎えようとしているそうだ。「ひき続きチャンピオンを獲りたいのと、2024シーズンは改造車で出る予定なんですけど、2025シーズンはクルマを変えようと思ったりしているので、今のクルマで有終の美を飾れるようにしたいです」と、2連覇と新たな挑戦への準備と、忙しい2024シーズンになりそうだ。
2023年JAF岡山国際サーキットトライアル選手権CT4クラス 松橋豊悦選手
ZC32S型スズキ・スイフトスポーツを駆ってCT4に参戦した松橋選手は、第1戦で幸先の良い勝利を挙げると第2戦は3位。「GR86がライバルとしてかなり強力で、チャンピオンは一時期獲れないかと思いました」とのことだったが、第3戦を制してこのシリーズに初のフル参戦にして、最終戦を待たずに戴冠を果たした。スポーツランドSUGOと筑波サーキットにも参戦し、全てのJAFサーキットトライアル選手権に挑んだ松橋選手の岡山国際サーキットの印象は「高速コーナーあり、ヘアピンあり、SUGOと筑波を足して2で割ったようなコース」とのこと。東京在住の松橋選手にとって岡山国際は「なかなか練習ができず、車載(動画)を見ながらイメージトレーニングして、スピードを合わせていく、という走り方でした」と苦労も多かったようだ。「土砂降りの雨の中、コンパクトなFFということでオーバーオールできたのが思い出に残っています」と、戴冠への足掛かりとなった第1戦の優勝を振り返った松橋選手は、2024シーズンの岡山国際はスポット参戦の予定だそうだ。「11月にコースレコードを獲りに来られるように、いっぱい勉強します!」と、さらなる速さへの追及に意気込んでいた。

フォト/谷内壽隆 レポート/JAFスポーツ編集部

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