福住仁嶺選手が予選5番手から怒涛の大逆転! スーパーフォーミュラ初優勝

レポート レース

2021年6月25日

全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦がスポーツランドSUGOで開催され、公式予選では関口雄飛選手(carenex TEAM IMPUL)が自身3年ぶりとなるポールポジションを獲得。決勝では好スタートを切ったが、ピット作業で逆転した福住仁嶺選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップチェッカーをくぐり、スーパーフォーミュラ初優勝を飾った。

2021年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦
開催日:2021年6月19~20日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC

 ピットロード幅の拡張やピットロード出口の変更など、一部コース改修が行われたスポーツランドSUGO。今大会は改修後初のビッグフォーミュラ開催となった。予選日は終日雨に見舞われてフリー走行では3度も赤旗中断となり、公式予選も荒れた展開が予想された。

 今大会ではノックアウト方式予選のQ2までをA、Bの2組に分けて行うことになったが、Q2のB組では坪井翔選手(P.MU/CERUMO・INGING)がトップタイムをマークした直後にコースアウトして赤旗中断。残り3分でQ3進出となる4つの席を争う熾烈な1ラップアタック合戦となった。

 関口選手はこのチャンスを見事にものにしてQ2を突破すると、Q3ではトップタイムを連続更新。牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が0.1秒を切る差で肉薄するものの、逆転はかなわず、関口選手のポールポジション獲得が決定した。

 関口選手にとっては2018年第6戦の岡山大会以来となるポールポジション獲得に、インタビューでは目頭を押さえる場面も。フロントローには牧野選手、2列目には阪口晴南選手(P.MU/CERUMO・INGING)、宮田莉朋選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が並び、福住選手は予選5番手からのスタートとなった。

雨が降り続いた予選で快走を見せ、久々のポール獲得に感極まって目元に薄っすらと涙を見せた関口雄飛選手。

 翌日は晴天に恵まれ、夏のような日差しが降り注ぐ中、53周の決勝レースがスタートした。好スタートを切ったのは関口選手と福住選手、そして予選7番手の大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)。大湯選手は、福住選手との2番手争いで後退した阪口選手をかわして3番手に浮上すると、逆転を狙って早めのタイヤ交換作戦に出る。しかしチームの作業にミスが生じ、10秒以上のロスタイムを喫してしまった。

 大湯選手は必死の猛追でファステストラップを連続更新しながら差を削っていくと、18周目にタイヤ交換に入った関口選手の真後ろまでポジションを取り戻していた。関口選手のタイヤ交換を確認した福住選手は翌周にピットイン。オーバーテイクシステムを使ってインラップのタイムを削ると、チームもその気迫に応えるかのように素早い作業でタイヤ交換を済ませて福住選手をコースへと送り出す。

 3コーナーへと変更されたピットロードとの合流地点に先に着いたのは福住選手で、これで逆転トップ浮上。アウトラップの間に関口選手と大湯選手がギャップを削ってくるが、2秒ほどのギャップを守って後半スティントに入った福住選手は、その後も安定した速いペースで約30周を走破。一時は2番手との差を7秒以上に広げるなど圧倒的なマージンを持って堂々のトップチェッカーを受けた。

 2019年からスーパーフォーミュラにフル参戦を始めて3年目で、悲願の初優勝となった。2位には、20周目の1コーナーで関口選手をかわした大湯選手が入り、ポールスタートの関口選手は3位となった。

ファンに向かって拳を突き上げて応える福住仁嶺選手。スーパーフォーミュラ参戦3年目、SUGOで悲願の初優勝を遂げた。
第4戦の表彰式。左から2位の大湯都史樹選手、1位の福住選手、3位の関口選手が登壇した。

フォト/石原康、吉見幸夫 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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