GT500はSTANLEY NSX-GTが逃げ切ってポール・トゥ・フィニッシュ、GT300はmuta Racing Lotus MCが逆転優勝

レポート レース

2021年8月6日

スーパーGTの第3戦が7月17~18日にツインリンクもてぎにおいて開催され、GT500はポールポジションスタートの1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)がピットワークで逆転して優勝。GT300は予選17番手の2号車muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平組)がフルコースイエロー(FCY)が導入される直前にピットインしてタイヤ無交換で逆転、終盤の3台によるバトルを制して今季初優勝を飾った。

2021 SUPER GT Round4 MOTEGI GT 300km RACE
開催日:2021年7月17~18日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:株式会社モビリティランド、M.O.S.C.、株式会社GTアソシエイション

 当初、5月下旬に予定されていた第3戦鈴鹿ラウンドが8月に順延されたため、第2戦富士から2か月半のインターバルが空いたものの、今回のレースが実質シリーズ3戦目のレースとなる。また新型コロナウイルス感染症の影響で、観客数を絞った有観客での開催となった。

 レースウィークの関東甲信越地方は予選日の前日に梅雨明け宣言となり、17日朝の公式練習では開始早々に雲が取れて青空が広がった。公式予選が始まる14時15分の時点で、気温は33度、路面温度は45度と、さながら真夏の陽気だ。

 この予選でQ1/Q2ともにトップタイムを叩き出したのは1号車NSX。山本選手がもてぎで初のポールポジションを獲得した。2番手は前回のポールシッターだった19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)。3番手以下は16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)、36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)、37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組)、64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)と、上位6台をNSXとスープラが占めた。

 GT300クラスは11号車GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)の安田選手が初のポールを獲得し、244号車たかのこの湯GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威組)、56号車リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が続いた。

気温は30度を超え、路面温度は50度超えという過酷な環境下での戦いとなった第4戦。

 18日は朝から晴れとなり、気温33度、路面温度51度でグリッドにいるだけで汗をかくような猛暑に。13時16分に63周300kmの決勝がスタートした。大きな混乱はなかったが7周目の130Rで19号車スープラの国本選手が1号車NSXの牧野選手に並びS字で逆転しトップを奪った。そしてこの2台が3位以下を引き離して周回を重ねていった。先に動いたのは2番手の1号車NSXで24周目にピットインして山本選手に交代。19号車スープラは28周目にピットインしたが、作業に手間取りタイムロス。コースに戻った時には1号車NSXにリードを許すことになった。

 しかしここから19号車スープラが追い上げ、40周目には0.261秒差までトップに接近。しかし2度のFCY導入があり、またここで2台の差は3秒以上に広がった。それでも19号車スープラの宮田選手は54周目には0.706秒差まで縮めてきたが追い上げもここまで。1号車NSXは今季初優勝を遂げ、2位は19号車スープラ、3位は36号車スープラだった。

地元栃木で初勝利の山本尚貴選手は、トップチェッカー後に牧野任祐選手と優勝を喜んだ。STANLEY NSX-GTが1勝を挙げる。
GT500クラスの表彰式。左から2位のWedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)、1位のSTANLEY NSX-GT(山本/牧野組)、3位のau TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)。

 GT300はポールからスタートした11号車GT-Rの安田選手が、予選順位どおりに244号車スープラの堤選手、56号車GT-Rの藤波選手、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)の川合選手、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)の片岡選手、88号車JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)の元嶋選手を引き連れて6台が先頭グループに。やがてここからトップの2台が抜け出す形となった。

 上位陣では4号車メルセデスが20周目にピットイン。25周目にトップの2台はピットインしてドライバー交代しタイヤを4本交換。26周目にピットインした56号車GT-Rは先にピット作業を終えていた88号車ランボルギーニの接触を受け、2台はピットインして順位を落としてしまった。28周目に52号車スープラがピットインしてこちらはタイヤ2本のみを交換した。

 ここで11号車GT-Rの前にいるのはまだピットインを済ませていない3台で、37周目まで2台はピットイン。そして最後までコースにステイしていた2号車ロータスの加藤選手が38周目にピットインする直前に1台の車両に火災が発生し、ここでFCYが出された。2号車ロータスは全車が80km/hに速度を落として走行している間にドライバー交代と給油を済ませてタイヤ無交換でピットアウトすると、GT300クラスのトップでコースへ。

 FCYは4分で解除されたが、その4周後に再びFCYとなった。2度目のFCY解除後、2号車ロータスの阪口選手と11号車GT-Rの平中選手との差は16.9秒あったが、タイヤ4本を交換していた平中選手が一気に詰めて50周目には0.105秒差とほぼ並ぶ状態に。しかし阪口選手もレイトブレーキと早くトラクションをかけることで応戦しトップを譲らない。ここに52号車スープラが追いつき3台のバトルが演じられたが、パッシングポイントの少ないもてぎではなかなか逆転は難しく、このままの順位でチェッカー。2号車ロータスは予選17番手からの大逆転で加藤選手は1年ぶり、阪口選手はうれしいGT初優勝となった。

FCYで流れが変わってトップに立ったmuta Racing Lotus MC。終盤の三つ巴の戦いでもポジションを守り、加藤寛規/阪口良平組が優勝を遂げた。
GT300クラスの表彰式。左から2位のGAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)、1位のmuta Racing Lotus MC(加藤/阪口組)、3位の埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)。

フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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