順延の最終ラウンドで決着! タイトル確定は小出峻選手

レポート レース

2024年12月11日

栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎにて11月29日~12月1日に開催された、スーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)の2024年シリーズ第1大会(第1~3戦)。第1戦でポール・トゥ・ウィンを飾った小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)がタイトルを確定させた。第2戦は小林利徠斗選手(TOM'S)が今季3勝目、第3戦は小出選手が8勝目を飾って自身のタイトルに華を添えた。

2024年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第1戦/第2戦/第3戦
開催日:2024年11月29日~12月1日
開催地:モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)
主催:ホンダモビリティランド株式会社、M.O.S.C.

 当初4月に開催される予定だった第1大会は、車両パーツにクラックが入ることが事前に確認され、開催が延期となっていた。今大会には8チームからマスタークラスの2台を含む13台がエントリー。マスタークラスでタイトル争いを展開していた今田信宏選手(JMS RACING TEAM)がエントリーしなかったことで、この時点でDRAGON選手のタイトルが確定となった。

 選手権タイトル争いに残ったのは、85ポイントの小出選手、76ポイントの野中誠太選手(TOM'S)、62ポイントの小林選手と中村仁選手(TOM'S)の4名。晴れ/ドライというコンディションの30日午前に第1戦と第2戦の公式予選が10分のインターバルを挟んで10分間ずつ行われた。

第1大会を迎え、チャンピオンの権利を持つのは小出峻選手、野中誠太選手、小林利徠斗選手、中村仁選手の4名。
ランキング2番手の今田信宏選手の欠場により、DRAGON選手がマスタークラスのチャンピオンを確定させている。

予選

 第1戦のポールポジションを獲得したのはポイントリーダーの小出選手。小林選手、荒川麟選手(TEAM DRAGON)、荒尾創大選手(TODA RACING)、菅波冬悟選手(JMS RACING TEAM)、ケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)が続く。しかし前日まで行われていた専有走行で好調だった野中選手は、電気系トラブルのためにまさかの11番手に沈んでしまった。

 続いて行われた第2戦の予選でも小出選手がポールポジションを獲得。小林選手、荒川選手、中村選手、フレデリック選手、菅波選手と続き、野中選手のトラブルは解消ならず、ここでも11番手にとどまってタイトル争いが微妙になった。

「悔いのない走りができた」と語る小出選手が、すべてを出し切って第1戦と第2戦のポールポジションを獲得。

第1戦

 3レースの中で最も長い20周を走る第1戦。朝の予選でトラブルに見舞われた野中選手はグリッドにつくことができなかった。無情にも13時28分にスタートが切られ、ポールの小出選手はトップを守って1コーナーへ。ここについていったのはフロントロースタートの小林選手で、荒川選手、荒尾選手、中村選手が3位争いを繰り広げた。

 トップが15周目に入ったころ、ようやく野中選手がコースインするが、マシンは不調なのかわずか1周でピットイン。小出選手はトップを守ったままトップチェッカーを受けて今季7勝目を挙げた。野中選手がノーポイントに終わったことで、この時点で小出選手が今季のタイトルを確定した。2位は小林選手、3位以下は荒川選手、荒尾選手、中村選手、フレデリック選手の順となった。

 優勝してタイトルを決めた小出選手は「今年1年の中でも難しいレースだったと思います。今回チャンピオンを決めることができましたが、いつでも僕のレースへのスタンスは変わりません。明日もしっかりと自分が納得できるレースにしたいと思っています」と語った。

 マスタークラスはDRAGON選手がオープニングラップでクラストップの清水康弘選手(GNSY RACING)を捕らえ、その後はバトルを演じながら僅差で今季7勝目を挙げた。

第1戦優勝は小出選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は小林選手(TOM'S)、3位は荒川麟選手(TEAM DRAGON)。
第1戦の表彰式。左から2位の小林選手、1位の小出選手、3位の荒川選手、マスタークラス1位のDRAGON選手。
参戦2年目の小出選手が悲願のチャンピオンを確定させた。

第2戦

 14周で争われる第2戦は1日の9時23分に全13台がそろってスタートした。ポールスタートの小出選手に果敢に並びかけた小林選手は、5コーナーからV字にかけての上り区間でトップを奪う。また中村選手も3番手へ順位を上げ、荒川選手が順位を落とす中、フレデリック選手と菅波選手が4番手を争った。

 中盤以降は順位の変動もなく小林選手が今季3勝目を飾り、2位が小出選手、3位が中村選手となった。4位以下はフレデリック選手、荒尾選手、荒川選手の順に。11番グリッドからスタートした野中選手は8位でゴールした。またマスタークラスは前日同様DRAGON選手と清水選手の一騎打ちとなったが、DRAGON選手が僅差で逃げ切り8勝目を挙げている。

第2戦優勝は小林選手(TOM'S)。
2位は小出選手(B-MAX RACING TEAM)、3位は中村選手(TOM'S)。
第2戦の表彰式。左から2位の小出選手、1位の小林選手、3位の中村選手、マスタークラス1位のDRAGON選手。

第3戦

 第2戦同様、14周の第3戦は前日の第1戦の結果で決まっており、小出選手がポールポジションで、小林選手、荒川選手、荒尾選手の順でグリッドに。13時28分にスタートすると1コーナーまでに素晴らしい加速を見せたのが7位スタートの古谷悠河選手(TOM'S)で、オープニングラップで3番手まで一気に順位を上げる。また13番グリッドと最後尾スタートだった野中選手も6番手まで順位を上げた。

 4周目のビクトリーコーナーで8番手走行中のフレデリック選手がスピンを喫し、ストレートアウト側でクラッシュからストップ。これでセーフティカー(SC)が導入されることになった。SC先導で隊列がぐっと短くなった9周目にリスタート。

 だが順位変動はなく小出選手がポール・トゥ・ウィンで今季8勝目とチャンピオンにふさわしいフィナーレを飾った。2位は小林選手、3位は古谷選手。以下、荒川選手、中村選手、野中選手の順でゴール。シリーズランキング2位は小林選手で、野中選手はシリーズ3位。マスタークラスはDRAGON選手が3連勝で今季9勝目を飾り今季を締め括った。

第3戦優勝は小出選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は小林選手(TOM'S)、3位は古谷悠河選手(TOM'S)。
第3戦の表彰式。左から2位の小林選手、1位の小出選手、3位の古谷選手、マスタークラス1位のDRAGON選手。
チームチャンピオンは中村選手、野中選手、古谷選手、小林選手を擁するTOM'Sに確定。

フォト/石原康、桑原太郎 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ