ニーズから必要ライセンスを探す~モータースポーツの競技と必要なドライバーライセンスの種類について~
ようこそモータースポーツの世界へ!
レースに出場してアツいバトルを繰り広げたい人、じっくりウデを磨いてステップアップしたい人、そして、競技に出るより、休日のストレス解消や仲間と楽しく過ごすツールとしてモータースポーツを利用したいなどなど、モータースポーツへの関わり方は、それぞれの様々な狙いやゴールがあると思います。
全国で年間何戦も開催されているJAF公認競技会では、出場する人のスキルに合わせて、クローズドから地方、準国内、国内といった格式が分けられています。各競技会のオーガナイザーは、出場する人々のスキルに合わせて、到達する速度域や走行時間、コースレイアウトなどを設定しています。
一度ヤル気になると、どうしても究極のゴールを目指してしまいがちですが、モータースポーツでは、まずは自分のスキルをしっかりと見極めて、同じ様なスキルの仲間と一緒にステップアップできるフィールドを見つけることが大切です。イマの自分とじっくり向き合って、モータースポーツを長く賢く、安全に楽しんでください!
タイムアタック競技やドリフトに出たい!
“走り”を極めたいアナタに!
クルマの運転歴が長くなると、意識の高い人にとっては、自分の運転技能をもっと高めたいと思うようになるでしょう。そんなときに門を叩いてほしいのが、JAF公認モータースポーツであるスピード競技やラリーの世界なのです。
JAFが発給する国内Bライセンスを取得すると、これらスピード競技に分類されたあらゆるタイムトライアル競技や、ラリー競技に参加できるようになります。スピード競技は、ジムカーナやダートトライアル、サーキットトライアル、ヒルクライム、ドリフトなどが代表格で、最近ではオートテストというカテゴリーも生まれました。
スピード競技に共通するのは、一人で参加して一人で走行して、他の参加者と自分の相対的な力関係が分かるという性格のスポーツであるということです。特にジムカーナやダートトライアル、ヒルクライムは、他者と位置関係を気にせず自分の運転に集中できるため、自分の運転技能を高めたいアナタは、一度ハマってみることをオススメします。ラリー競技はドライバーとコ・ドライバーのコンビで参加します。走行環境や路面状況が一定ではないため、必要とされる運転技能のスキルはジムカーナなどに比べるとより複雑なものになりますが、FIA世界ラリー選手権(WRC)に通じる登竜門でもあるので、その奥深さはヤミツキになること間違いなしです。
2台以上で競争したい!
サーキットでレースをしたいアナタに
サーキットレースでは、プロドライバーがフォーミュラカーやGTマシンを操り、驚きの速度で接近したバトルを繰り広げています。そんな場面を観客席から、そしてテレビやインターネットを通じて観たことがある人も多いかも知れませんが、レースは観るだけではなく、アナタもその主役になれるのです。
スーパーフォーミュラやスーパーGTのような最高峰レースには、経験豊富なプロドライバーが出場しています。ですが、その下位には、小型のフォーミュラや市販車に厳格な安全装備を施した車両による、クラブマンレースもおこなわれています。また、近年では市販車のナンバー付きレースが入門・初級カテゴリーとして注目されています。ナンバー付き車両なら普段の通勤にも使えますし、週末にはレース用の道具に積み替えて、レーシングドライバーに早変わりするといった、憧れの人生を謳歌することもできます。
もちろん、複数台のクルマが同時にスタートする競技なので、サーキット走行の基本的なルールや、競り合いになったときのマナー、万が一クラッシュが起きた際の対応など、事前に学んでおかないといけないことがたくさんあります。自動車メーカーが支援するワンメイクレースでは、基礎知識から応用技術を学べる機会が設定されていたり、レース当日にはインストラクターが常駐して参加者の疑問を解消してくれるシリーズもあります。サーキットでは、テレビやスマホ画面を見つめるだけでは得られない、五感に訴える様々な体験をすることができます。あのコーナーはどのくらいのスピードで曲がれるのか?サイドバイサイドはどのくらいの距離感なのか?サーキットレースでは、一般公道では決して味わうことができない、あらゆる領域での未体験ゾーンが待っています。
競技・運営を支えたい!
モータースポーツを裏側から支えたい
JAF公認モータースポーツは、どんなカテゴリーでも参加者や出場する人がいなければ始まりません。ですが、そもそも、競技会を主催・運営するスタッフがいないとモータースポーツが成り立ちません。
公認審判員(オフィシャル)は、安全で公平なモータースポーツの運営にあたり、欠かせない存在です。観客はもちろん、参加者や出場する人でも入り込めない領域に立ち入ることができるため、特にサーキットにおいては、モータースポーツの特等席とも言われます。
ですが、公認審判員には担当する役務について国際および国内ルールの豊かな知識と優れた技術の習得が求められます。参加者や出場する人、関係者、審判員仲間から信頼されてこそ重要な役務を委託されるので、選ばれた以上はその信頼に応える必要があります。
モータースポーツの醍醐味は、参加や出場するだけではなく、競技運営の中にも数多く存在しています。これらを体験して学びながら、オーガナイズスキルを向上させていくことも、モータースポーツに欠かせない関わり方の一つです。また、公認審判員の取得には必ずしも自動車の運転免許は必要とされないのも特徴となっています。
取得前に競技の雰囲気が体験できちゃう!
まずは気軽にオートテストから体験!
オートテストは、競技ライセンスがいらないJAF公認モータースポーツの登竜門として、2015(平成27)年から全国各地で開催されています。ノーマルのマイカーで参加できますし、ヘルメットやグローブなどの装備も不要なので、思い立った瞬間から参加申し込みまで突っ走れる、手軽なモータースポーツとして好評を博しています。
オートテストに出場して、上手くいった人も、いきなりミスした人も、いろんな感情を体験することになったと思います。ドキドキした、気持ち良かった、悔しかった……。もう1回出てみよう、そして次こそ、もっと上手く! そんなオートテストでの経験は、きっとアナタの日常生活を、もっと豊かにしてくれるに違いありません。
オートテストは、全国のJAF公認サーキットやJAF公認スピード競技コース、または大型商業施設の駐車場などでおこなわれています。JAFモータースポーツサイトには開催一覧が掲載されていますので、ぜひ「はじめの一歩」を踏み出してみてください。