雨の富士で熱戦続出。富士チャンピオンレースシリーズ第4戦開催
2026年9月18日
静岡県小山町の富士スピードウェイで9月5~6日、富士チャンピオンレースシリーズ第4戦が開催された。注目の同時開催レースも複数行われる中、雨に見舞われた2日間の大会は、各クラスで白熱の好バトルが繰り広げられた。
2026 富士チャンピオンレースシリーズ第4戦
2026 KYOJO CUP Rd.3/インタープロトシリーズ Rd.2
開催日:2026年9月5~6日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C
アマチュアからプロ志望まで、幅広いドライバーが参戦する富士チャンピオンレースシリーズ。さまざまなカテゴリーのレースが行われ、日本のグラスルーツ・モータースポーツを支える伝統あるレースシリーズとして親しまれている。
その第4戦で行われるのはFCR-VITA、AUDI A1 Fun Cup、FCR-Vitz。これにTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupのクラブマンシリーズとプロフェッショナルシリーズ、KYOJO CUP、KYOJO VITA、インタープロトシリーズのプロフェッショナルとジェントルマンのレースが同時開催される。
アマチュアドライバーとプロドライバーが混在するサーキットは、熱く華やかな雰囲気に包まれた。その一方で空模様は芳しくなく、大会初日は前日の雨が止んでやや湿った路面が乾いていき、ドライタイヤで走れるコンディションに。2日目は朝から降り始めた雨が強まり、終日ウェットコンディションになった。
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 第5大会 クラブマンシリーズ
大会最多となる69台が参加したのがGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズだ。予選は大会初日にA/Bの2グループに分かれて行われ、レコードラインがほぼ乾いたコースで、Aグループの渡部智仁選手が全体ベストのタイムをマーク。Bグループでは松原亮二選手がトップタイムを記録した。この結果、2日目の決勝は渡部選手をポールに据えて、Aグループの車両がその後ろの1コーナーアウト側列に、Bグループの車両が同イン側列に並ぶグリッドとなった。
予選を通過した45台による10周の決勝は、コース全体がしっとり濡れたコンディションでスタート。ここで冷静な戦いを披露したのが、4番グリッドのMitchell Cheah選手。1周目に3番手へ上がると、アクシデント発生によりセーフティカー先導走行となったレース前半戦を経て、レースが再開されて2周の6周目に松原選手を、9周目に渡部選手を攻略してトップに立つ。
最後は背後で競り合う2台を2秒以上も突き離してCheah選手が勝利を飾った。「スリッピーなコンディションで自信を持って走れました。優勝できてハッピーです」とCheah選手は笑顔を浮かべる。
松原選手が中盤戦でポジションを下げ、Cheah選手の後ろでは渡部選手と島拓海選手が横一線でフィニッシュラインを駆け抜けた結果、2位は1000分の1秒差で渡部選手のものに。島選手は3位表彰台となった。4・5位に続いたのは大西隆生選手と松原選手。6番手でレースを終えた選手がペナルティを受け、Jordan Johan選手が繰り上がって6位に。
2025年の全日本カート選手権EV部門のチャンピオンで、今回が四輪レースデビューだった三村壮太郎選手が、17番グリッドからジャンプアップを果たして7位となった。
また同クラスの予選不通過者によるコンソレーションレースは大会初日に行われ、東浩平選手が後続を2秒以上引き離して1位でゴール。2位に藤村春輝選手が、3位に矢野桐馬選手が入った。
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 第5大会 プロフェッショナルシリーズ
37台が出走したGR86/BRZ Cupプロフェッショナルシリーズの予選は、トップタイムをマークした冨林勇佑選手から24番手までが1秒以内にひしめく実力伯仲の戦いになっていた。
それが2日目にウェットコンディションへと変わるとブリヂストン・ユーザーが優位に立ち、堤優威選手が3番グリッドから1周目にトップを奪って独走優勝、2・3位にはそれぞれ単独走行の井口卓人選手と久保凛太郎選手が入賞し、BS勢が表彰台を独占する結果となった。
KYOJO CUP Round.3
19台が出走したKYOJO CUPは初日に予選と10周のスプリントが、2日目に15周のファイナルが行われた。
スプリントでは富下李央菜選手がポールポジション(PP)からじわじわとリードを広げて優勝、下野璃央選手が2位、斎藤愛未選手が3位と、表彰台はグリッドどおりの順位になった。今季3勝目を挙げた富下選手は「下野選手はフォーミュラに慣れているので、いつ仕掛けられるか分からない状態に緊張していました」と安堵のコメントを残した。
ファイナルは降雨のためセーフティカーの先導走行で始まり、4周目にリスタートを迎えた。ここでPPの富下選手は先頭の座をキープしたが、最終コーナーでレコードラインを外す。このチャンスに富下選手のテールを捕らえた下野選手が接近戦を制してトップに立ち、富下選手を3秒弱も後方へ追いやって勝利を遂げた。
2025年チャンピオンの下野選手は、ようやくつかんだ今季1勝目に「今年は苦戦が続いていたので、初優勝ができてすごくうれしいです」と喜びを語った。富下選手は2位でフィニッシュ。そのすぐ後ろで斎藤選手がスプリントと同じく3位のチェッカーを受けた。
KYOJO VITA 第2戦
14台での戦いとなったKYOJO VITAは、2日目に決勝が行われた。ウェットコンディションの中、金本きれい選手がPPについてセーフティカー先導走行で全車が走行を開始すると、4周目のリスタートで永井歩夢選手がトップを奪う。これを激しくチャージした金本選手は、7周目に再逆転を成功させて先頭に戻り、その後は永井選手を引き離して、25分規定で終了となったレースを真っ先に走り終えた。
しかし、金本選手にはレース復帰の仕方について5秒加算のペナルティが課され、勝利は永井選手のものになった。永井選手は「金本選手は雨が得意そうで自分には分がないなとはちょっと思ったけれど、抜かれた後も時にはフルロックしながら、堪えて堪えてミスしないように最後まで走りました。ラッキーな優勝ではあったけれど、うれしいです」とレースを振り返った。3番手以下を大きく引き離していた金本選手は、ペナルティを受けながらも2位に入賞。3位には単独走行のLOKE YIN YI選手が入った。
インタープロトシリーズ Round.2 プロフェッショナル 第3戦/第4戦
2日目に決勝が行われたインタープロトシリーズプロフェッショナルの第3戦は、コースの各所に川ができるほどのヘビーウェットコンディションの中、セーフティカー先導で12台によるレースが開始。4周目にリスタートが切られると、PPスタートの卜部和久選手に山下健太選手が迫った。卜部選手はこのプレッシャーに打ち勝って先頭の座を守り切り、勝利をものにした。2位は山下選手。大きく離れての3位にはロニー・クインタレッリ選手が入った。
第3戦の終了後、間もなく行われた第4戦では、アクシデントによりレース途中でセーフティカーが導入されたのだが、先頭を行く卜部選手はここでも山下選手の追撃を振り切った。「1レース目は雨量が増えたり減ったりとコンディションが非常に不安定で、何度も川に乗って飛んでいきそうになりました。2レース目はさらに雨量が増えました。それでもリスクをうまくコントロールして走ることができたと思います」と、2連勝の卜部選手は語る。2・3位には、このレースでも山下選手とクインタレッリ選手が入賞した。
混走となったSUPRAプロクラスの第3戦では、坪井翔選手が3秒以上のリードを築いて優勝。2位争いは接戦の末、堤優威選手が2位、松井孝充選手が3位で決着した。坪井選手は続く第4戦でも2秒弱のリードで優勝。2位には中山雄一選手が入り、堤選手が3位となった。
FCR-VITA 第2戦
FCR-VITAには32台が参加、初日の午前に10周の決勝が行われた。曇り空の下、コースの一部にウェットパッチが残る難しいコンディションでレースが始まると、3番グリッドの川福健太選手がスタートを決めて1周目をトップで通過。以降は4番グリッドから躍進した上田裕司選手、7番グリッドから浮上の大野俊哉選手と川福選手が三つ巴のトップ争いを繰り広げ、川福選手が9周目の横並びのバトルの末に上田選手を抜き返してトップを取り戻した。上田選手はこの競り合いで無念のスピン。
川福選手は大集団を引き連れて残る2周を先頭のまま走り、勝利を飾った。「路面はドライで走れるところがほとんどなんですが、バトルではどうしてもウェットパッチに乗らざるを得ない場面があって、路面と相手の動きを読みながらの戦いで、少しのミスもできないシビれるレースでした」と難しいレースを振り返った。2位は大野選手、3位は6番グリッドからポジションを上げた佐藤元春選手だ。
ジェントルマンクラスでは、樋尻勝利選手が総合5番手でフィニッシュしてクラス優勝を飾り、それに続いてゴールしたMAKOTO選手がクラス2位、総合9位でゴールの木村一廊選手がクラス3位となった。
FCR-Vitz 第2戦/AUDI A1 Fun Cup 第5戦
FCR-VitzとAUDI A1 Fun Cupは混走で行われた。9台が参加したFCR-Vitzはオープニングラップで三浦正貴選手がトップを堅守し、白井涼選手が好スタートを決めて浅見大志選手をパスする。ホームストレートではこの3台が横一線に並ぶ激しいバトルが見られたが、3周目にトップへと浮上した浅見選手がそのまま逃げ切って優勝。
2位は6番手スタートから驚異的な追い上げを見せた矢作ゆりな選手が獲得。三浦選手はなかなかペースが上がらず、白井選手が3位となった。
13台が参加したAUDI A1 Fun Cupは、2番グリッドからスタートを決めた飯島宗久選手と4番グリッドから浮上の森花海選手が、3番手以上を大きく引き離してホットなトップ争いを繰り広げた。そして、9周目に先頭に立った森選手はヘッドライトを点滅させながら真っ先にフィニッシュ、歓喜の優勝を飾った。森選手はレディースクラスのウィナーにも輝き、ダブルウィンを達成だ。
「めちゃくちゃうれしいです。飯島選手は速くて、何度も心が折れかけました。最後の1周は少しでもミスをするとすぐに追い付かれるので、とにかくミスをしないように集中して走りました。バトルして勝てたことが特にうれしいです」と、森選手は笑顔をほころばせた。
飯島選手は約1.6秒差で2位フィニッシュ。そこから4秒弱遅れて藤田訓昌選手が3位でチェッカーをくぐった。レディースクラスではKai-Ti WANG選手が2位に、佐野菜月選手が3位に入賞した。
PHOTO/今村壮希[Souki IMAMURA]、吉見幸夫[Yukio YOSHIMI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/水谷一夫[Kazuo MIZUTANI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



