JN-3山田啓介/藤井俊樹組がラリーハイランドマスターズで2連覇となるタイトルを確定
2026年10月28日
全日本ラリー選手権 第8戦「第53回 M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2026 supported by カヤバ」が、10月16~18日にかけて、岐阜県高山市の位山交流広場を拠点に開催された。JN-3クラスでは山田啓介/藤井俊樹組が、JN-4クラスでは山本悠太選手がタイトルを確定させた。
2026年JAF全日本ラリー選手権 第8戦
第53回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2026 supported by カヤバ
開催日:10月16~18日
開催地:岐阜県高山市周辺
主催:M.C.S.C.
今年で53回目を迎えた、全日本ラリー選手権で最も長い歴史を誇る伝統の一戦。ラリー初日の17日は、SS1/4のあたがす(9.53km)、SS2/5の鳥屋(7.93km)、SS3/6のアルコピア-無数河(6.04km)の計6SSが設定された。
ラリー2日目の18日は、SS7/10の駄吉上り(5.38km)、SS8/11の青屋下り(8.86km)、初日のSS3/6を逆方向に走行するSS9/12の無数河-アルコピア(6.05km)の計6SSを設定。2日間で計12SS、SS総距離87.58kmで争われた。
エントリーは選手権クラス64台、オープンクラス17台の計81台。両日とも好天に恵まれたが、SSによっては枯葉や山肌からの湧き水で路面が濡れた区間や、前走車のインカットによって砂利や泥が路面に散乱する区間もあった。全体的に道幅は狭く、選手にとって一瞬たりとも気の抜けない難しいラリーとなった。
JN-1クラス
第7戦終了時点でJN-1クラスドライバー部門のランキング首位に立っていた新井大輝選手(トヨタ・GRヤリスラリー2)が、第8戦の特別規則書の正式発行により、ラリースタート前に2年ぶりのシリーズチャンピオンを確定させた。「自分のチャンピオンは決まりましたが、コ・ドライバーの立久井大輝選手のチャンピオンが確定していないので、残り2戦もモチベーションを高く保ちながら挑みます」と語る新井大輝選手は、SS1からSS3までベストタイムをマークし、好スタートを切った。
セクション1の3SSを終えて21.2秒差の2番手につけたのは、鎌田卓麻/松本優一組(シュコダ・ファビアR5)。このラリーに向けて新たなFIA登録タイヤを投入した奴田原文雄/東駿吾組(トヨタ・GRヤリスラリー2)が鎌田/松本組と1.7秒差の3番手、さらに4.2秒後方には勝田範彦/保井隆宏組(トヨタ・GRヤリスラリー2)が続き、激しい2番手争いを展開した。
セクション2でも新井大輝/立久井組はSS5まで5連続ベストタイムをマークする快走を披露。一方、SS4では奴田原/東組が、鎌田/松本組をかわして2番手に浮上したものの、SS5の走行中にギヤボックスのトラブルでストップ。これにより鎌田/松本組が2番手、勝田/保井組が1.5秒差の3番手に順位を上げた。初日最後のSS6では、勝田/保井組が新井大輝/立久井組を0.8秒上回るベストタイムを刻み、2番手に浮上。レグ1は新井大輝/立久井組が32.7秒のリードを築き、2番手に勝田/保井組、その5.3秒後方の3番手に鎌田/松本組が続いた。
レグ2も新井大輝/立久井組の勢いは衰えず、6SSすべてでベストタイムをマーク。勝田/保井組と鎌田/松本組による2番手争いは、勝田/保井組が着実に差を広げて順位を守った。
「グリップレベルの低いターマックで、どうやってコントロールするのかが見えてきました」と語る新井大輝/立久井組が、全12SSのうち11SSを制し、勝田/保井組に58.7秒差をつけて今季5勝目を挙げた。
「クルマの調子がすごく良く、躊躇なくコーナーに進入できました。また、天候も良くて路面が安定していたことで、自信を持って攻めることができました」と語った勝田/保井組が2位を獲得。
「ウェットセットアップは良くできていたと思うのですが、ドライ路面ではまだまだ足りない部分が分かりました」と話した鎌田/松本組が、勝田/保井組に11.7秒差の3位に入った。
JN-3クラス
JN-3クラスは、山田啓介/藤井俊樹組(トヨタ・GRヤリス)がSS2から5連続でベストタイムをマーク。小泉敏志/山本磨美組(トヨタ・GRヤリス)に28.7秒差をつけてレグ1を終えた。
レグ2は、SS2でのフライングによる10秒のペナルティもあり、レグ1を5番手で終えた大倉聡/豊田耕司組(トヨタ・GRヤリスDAT)がSS7でベストタイムをマーク。一方、トップの山田/藤井組もSS8、SS9を制してリードを拡大する。大倉/豊田組はSS10、SS11でもベストタイムを刻み、3番手の貝原聖也/西﨑佳代子組(トヨタ・GRヤリス)を追い上げた。
「レグ2最後の3SSは、タイムやレグポイントのことを気にせず、チームのためにしっかりとチャンピオンを獲ることだけを考えて走りました」と語った山田/藤井組が、小泉/山本組に46.4秒差をつけて優勝するとともに、JN-3クラスのチャンピンを確定させた。
「ちょっとフィーリングがイマイチで思うようなタイムを出せなかったんですけど、その中で2位を確保できたのは良かったです」と話した小泉/山本組が2位。
「レグ1でタイヤを温存したおかげで、レグ2は6本使うことができ、なんとか逃げ切ることができました」とコメントした貝原/西﨑組が、大倉/豊田組の追撃を振り切って3位に入賞した。
TOYOTA GAZOO Racing MORIZO Challenge Cup
JN-3クラスの中で展開されているTOYOTA GAZOO Racing MORIZO Challenge Cup(MCC)は、最上佳樹/小藤桂一組(トヨタ・GRヤリス)がSS1でベストタイムをマークし、首位に立つ。米林慶晃/菅野総一郎組(トヨタ・GRヤリス)がSS2、SS5でベストタイムを刻むが、最上/小藤組もSS3、SS4、SS6を制し、米林/菅野組に16.6秒差をつけてレグ1を終えた。3番手には、松原周勢/市橋真由子組(トヨタ・GRヤリス)が続いた。
レグ2は米林/菅野組がSS7からSS11まで5連続ベストタイムをマークして猛追。SS11終了時には最上/小藤組との差をわずか1秒まで縮め、勝負は最終SSへと持ち込まれた。しかし、最上/小藤組が最終SSで米林/菅野組を4.7秒上回るベストタイムを刻み、逃げ切った。
「レグ2はペースをコントロールしようと思い過ぎたのか、かなりペースを落としてしまって心理的にテンションが下がっていたんですけど、どうにか気持ちを保って最後の最後にベストの走りができました」と話した最上/小藤組が、米林/菅野組に5.7秒差をつけて優勝を飾った。
2位には「ベストの走りはできたと思います。最終SSは僕がミスしたというわけじゃなく、最上選手のペースが凄かったと思います。悔しいですが、今の僕にはあのタイムは出せません」と語った米林/菅野組が入賞。
初日は3番手につけていた松原/市橋組が、SS8でジャンプスタートによる10秒のペナルティを受け、さらにSS10でコース脇の土手にヒットしてリタイアする中、「初日のタイム差がそのまま2日目に影響してしまったので、もっと初日を頑張らなきゃダメですね」と話した三枝聖弥/木村裕介組(トヨタ・GRヤリス)が3位に入った。
JN-4クラス
JN-4クラスは、山口清司/丸山晃助組(トヨタ・GR86)がSS1でベストタイムをマーク。山本悠太/島根剛組(トヨタ・GR86)がSS2終了時点で0.4秒差まで迫るが、山口/丸山組はSS3とSS4を連取してリードを拡大。山本/島根組がSS5でコースオフして戦線を離脱すると、SS2とSS5でベストタイムをマークした渡部弘樹/横山慎太郎組(トヨタ・86)が2番手に浮上。SS6は再び山口/丸山組が制し、17.2秒のリードでレグ1を終えた。
レグ2も山口/丸山組はSS7、SS9、SS10でベストタイムをマークし、首位をキープ。一方、ベテラン勢の曽根崇仁/小川由起組(トヨタ・GR86)と上原淳/漆戸あゆみ組(スバル・BRZ)がペースを上げ、SS8では上原/漆戸組、SS11では曽根/小川組がベストタイムを奪った。2番手の渡部/横山組もSS12でベストタイムを刻んだが、山口/丸山組が約15秒の差をつけて逃げ切った。
「初日から調子が良かったので、2日目はマージンを使って走りました。2024年の久万高原以来、勝つことができました」と喜びを語った山口/丸山組が優勝。
「ベテランのお二方が2日目にペースを上げてきましたが、最終SSでやり返すことができました。最終戦のモントレーは今回よりも曲がりくねった道が多いので、絶対負けないように頑張ります」と意気込む渡部/横山組が16.7秒差の2位を奪取。
「2日目はセットアップを変えて挑みました。スロースターターという悪いクセが出てしまったので、最終戦は初日から頑張らないとダメですね」と語った曽根/小川組が、トップと30.6秒差の3位に入賞した。
また、初日はレグ離脱に終わったものの、2日目にリスタートしてクラス16位でフィニッシュした山本選手が、ドライバーズチャンピオンを確定させた。
JN-5クラス
JN-5クラスは、第6戦北海道でチャンピオンを確定させた松倉拓郎/山田真記子組(トヨタ・ヤリス)が、ラリー初日のSS1からベストタイムを連発し、序盤から主導権を握った。第7戦福島伊達で全日本初優勝を飾った高岡威/大倉瞳組(トヨタ・ヤリス)が2番手、阪口知洋/野口智恵美組(日産・マーチ)が3番手につけるが、松倉/山田組は初日の6SSすべてを制し、高岡/大倉組に50.7秒差をつけてレグ1を終えた。
レグ2も松倉/山田組がSS7でベストタイムをマークし、7連続ベストと快走。SS8では高岡/大倉組が松倉/山田組を8.7秒上回るベストタイムを刻み、連続ベストを止めたものの、松倉/山田組はSS9から再び4連続でベストタイムを並べ、後続を突き放した。
「SS8の青屋下りは、レッキのイメージを持ち過ぎて抑えてしまいましたが、ラリーは全般的に順調に走り切ることができました。来シーズンに向けて、すごく良い方向にデータを持ち帰ることができたと思います」と語った松倉/山田組が、全12SSのうち11SSを制して優勝を飾った。
「レグ2午後のセクションは午前中よりもミスなく走ることができましたが、それ以上に松倉選手が速かったです。最終戦は、今回良かった点をさらに良くし、改善点をクリアしたいです」と意気込みを語った高岡/大倉組が1分13秒2差の2位を獲得。
「レグ2の走りが悪かったですね。特に青屋の下りは、自分の弱点が出てしまいました」とコメントした阪口/野口組が、首位と2分39秒2差の3位に入賞した。
JN-Xクラス
JN-Xクラスは、第7戦福島伊達でチャンピオンを確定させた天野智之/井上裕紀子組(トヨタ・RAV4 PHEV)が、SS1で後続に35.5秒差をつけるベストタイムをマーク。清水和夫/黒木美珠組(トヨタ・ヤリス)が2番手につけるが、天野/井上組はSS2以降もベストタイムを重ね、初日の6SSすべてを制覇。2番手の清水選手に2分33秒6の大差をつけてレグ1を終えた。
レグ2も天野/井上組の快走は続き、SS7からSS12まで全6SSでベストタイムをマーク。清水/黒木組は2番手を守ったものの、首位との差はさらに広がった。
「全SSでベストで、クルマのセットアップも良かったのですが、やはり攻めて行けるところと行けないところの差が大きいので、もっと完璧にセットアップして、極めていきたいですね」と語る天野/井上組が、全12SSを制し、トータルで清水選手に4分09秒3の大差をつけて優勝を飾った。
「最終SSの無数河下りは、天野選手に対して約5秒差まで詰めることができました。こんな楽しいスポーツがあったのかっていうくらい、楽しいラリーでした」と語った清水/黒木組が2位を獲得。
首位と5分53秒差の3位には、「クルマの調子なのか、自分の調子が悪いのか、上りのステージで全然スピードが出ずに苦戦しました。終盤、セットアップを見直したら調子が良くなったので、最終戦はもう少し勝負ができるように頑張ります」と話した海老原孝敬/蔭山恵組(ホンダ・CR-Z)が入賞した。
PHOTO/CINQ、大野洋介 [Yousuke OHNO]、小竹充 [Mitsuru KOTAKE]、中島正義 [Tadayoshi NAKAJIMA]、JAFスポーツ編集部 [JAFSPORTS] REPORT/CINQ、JAFスポーツ編集部 [JAFSPORTS]



