中四国ラリー最終戦、FG-2牧瀬貫慈/藤井俊樹組がSS3の激走で逆転二連勝!!

レポート ラリー JAFWIM

2026年10月7日

2026年JAF中四国ラリー選手権は、9月19日に愛媛県で開催された第3戦「MACラリーin久万高原」で今季最終戦を迎えた。2025シーズンは4月に開幕第1戦として開催されたMACラリーだが、今季はここ数年の定位置である最終戦に戻った。高知県で行われた第2戦「四国のてっぺんラリー2026 in嶺北」からは約2カ月のインターバルが空いたかたちだ。

2026年JAF中四国ラリー選手権 第3戦
2026年JMRC中国・四国ラリーシリーズ第3戦
MACラリーin久万高原

開催日:2026年9月19日
開催地:愛媛県久万高原町周辺
主催:MAC

 今季もラリーの拠点となったのは、JAF全日本ラリー選手権「久万高原ラリー」やJAF全日本ジムカーナ選手権の舞台となってきたハイランドパークみかわ。久万高原ラリーではギャラリーポイントとなる、上段の広いスペースがサービスパークとなった。

 SSは2本のステージを用意。『大谷支線(5.9km)』はオールグラベルのステージで、途中のジャンクションを過ぎた後はひたすら下りが続く。一方、『イワタケ(4.9km)』は前半2km近くが舗装のステージ。ダートインの後はジャンクションを曲がって、大谷支線の前半部分を逆走する設定だ。

 ラリーは午前中にまず大谷支線を2回アタック。サービスを挟んだ後に午後はイワタケを2回アタックしてフィニッシュ、という設定が採られた。天候は時折、太陽も顔を出して雨とは無縁の一日となったが、ラリー前に雨が続いたこともあって湿り気を含んだ路面となり、最後まで砂埃が上がるようなドライコンディションにまでは至らなかった。

 その路面については、例年に比べてもフラットなグラベルが用意されてクルーには好評を博していたが、昼間でも日光が届きにくい深い森の中を走る大谷支線の前半と、イワタケの後半は路面が乾かず、マッディかつスリッパリ―なコンディションがクルーを苦しませた。

2026年JAF中四国ラリー選手権最後の一戦となる第3戦「MACラリーin久万高原」は久万高原町周辺の山々を駆けまわるラリー。サービスパークも標高1000mを超えるハイランドパークみかわに置かれた。

FG-1クラス

 FG-1クラスは、前戦は主催に回った堀川竜二選手がコ・ドライバーの池田茂選手とともに復帰し、シリーズ参戦するクルーが揃った。SS1でベストタイムを奪ったのは長江修平/石川美代子組で、「ステージの前半がグリップする所としない所の差が激しくて、何度か落ちそうになった」と語りながらも、2番手のマクリン大地/大橋正典組に5秒1差をつける。

 両クルーは7月の全日本第5戦「2026 ARKラリー・カムイ」にも揃ってJN-3クラスに参戦。このラリーでは、マクリン/大橋組が長江/石川組に1分以上の差をつけて3位に入る健闘を見せた。しかし、前戦のてっぺんラリーでは長江/石川組がマクリン/大橋組を下して制し、中四国ラリーでは譲らぬ速さをみせている。

 マクリン/大橋組は、SS2から反撃を開始。SS1から8.3秒もタイムを詰め、長江/石川組を1.8秒差で下すベストをマーク。その差を3秒3差に詰める。一方、昨季はこのラリーを制している堀川/池田組はエンジンが不調をきたしてペースを上げられず、二連覇の夢は遠のいてしまう。

 トップ2の激しいバトルは午後のイワタケに移っても続き、SS3は長江/石川組が0.7秒差でマクリン /大橋組を下して、この日2度目のベスト。最終のSS4も0.8秒差で振り切って、最終的にマクリン/大橋組に4秒8の差をつけて優勝を果たした。

 最後までコンマ数秒差が続いた白熱のラリーを制した長江選手は、「舗装の区間も苔が出ているような箇所もあって、無理ができない路面でした。シリーズを考えれば2位でも良かったんですけど、やっぱり『勝ちたい』というのもあるので、そのせめぎ合いをコントロールするのが難しかったです」と語った。3戦3勝とかたちの上では完全復活を強く印象づけた一年となったが、「まだボチボチって感じです、今年は。『まだ、行かないかん』という場面が何回かありましたから」と、振り返った。

 一方、今回も僅差で勝利を逃したマクリン選手は、「やっぱりSS1で離され過ぎましたね。最初はそんなに悪くはなかったと思ったんですけど、SS2を走ってみたら、(SS1が)全然踏めてなかったなと気が付きました」とのこと。今季最後の一戦となる、西日本グラベルラリーツアー2026の最終第4戦でリベンジを期すこととなった。

長江修平/石川美代子組(インディゴパワーBRIG・DL・ランサー)は三菱・ランサーエボリューションXを駆り、FG-1クラスを3戦全勝でシリーズを締めた。
FG-1の2位はスバル・インプレッサWRX STIで優勝を争う熱戦を繰り広げたマクリン大地/大橋正典組(大阪冷研TOFインディゴPマクリンGRB)が獲得(左)。ディフェンディングチャンピオンの阪本寧/吉田賢吾組(SRエナペタルBRIGランサーMSW)はランエボIXをドライブして3位に入った(右)。
FG-1は4位までのクルーが表彰された。左から2位のマクリン/大橋組、優勝した長江/石川組、3位の阪本/吉田組、4位の堀川竜二/池田茂組(BRIGち~むみかん サンライズランサー)。

FG-2クラス

 FG-2クラスでは、九州地区から参戦する福本浩人/内藤通孝組が駆るダイハツ・ブーンX4が、「ようやくエンジンの不調が直って、本来のポテンシャルが出せるようになりました」とSS1、SS2で連続ベスト。トップでラリーを折り返すが、第2戦を制した牧瀬貫慈/藤井俊樹組が1秒7差、藤田幸弘/藤田彩子組が3秒3差で続き、三つ巴のバトルを予感させた。

 しかし、SS3では牧瀬/藤井組が福本/内藤組を10秒近くも引き離すベストを奪って逆転。SS4では福本/内藤組が5秒1差で牧瀬/藤井組を下すも、SS3のタイムロスが響いて再逆転は果たせず。牧瀬/藤井組が2秒9差で逃げ切った。

 初参戦のMACラリーを制した牧瀬選手は、「舗装があった分、勝機はあるかもしれないと思ってました。実際、スムーズに走れて(トヨタ)86の舗装の速さは引き出せたと思います。前半の2本はリアが流れて前にいかない感じだったので、サービスでセットを変えたら少し良くなった。下り区間が減ったのも助かりました」と、激戦を振り返った。

 2位の福本選手は、「ブーンで舗装を走るのが初めてだったので、SS3はちょっと戸惑ってしまいました。ただ速さはみせられたと思うので、今後につなげていきたいです」と2027シーズンでのリペンジを宣言。一方、3位の藤田幸弘選手は「予想していたとはいえ、舗装での速さが足りませんでした」と、ディーゼルターボエンジンを搭載するDJ5型マツダ・デミオでの初優勝も、来季に持ち越しとなった。

FG-2クラスではトヨタ86を操る牧瀬貫慈/藤井俊樹組(シロキヤ☆インディゴP☆DL☆TG86)が二連勝を達成した。
FG-2の2位はダイハツ・ブーンX4をドライブする福本浩人/内藤孝道組(BRIGエナペタルBRIDE☆FTブーン)が(左)、3位をDJ5型マツダ・デミオで戦う藤田幸弘/藤田彩子組(MスポーツYHデミオディーゼル)が獲得した(右)。
FG-2は左から2位の福本/内藤組と優勝した牧瀬/藤井組、3位の藤田組のトップ3が表彰を受けた。

FG-3クラス

 デミオ勢がトップ3を独占したFG-3クラスは、DE型を駆って、SS2から3連続ベストでライバルを突き離した白形利文/白石認組が優勝。「大谷支線は最初、前半区間で何度か落ちかけましたけどトップに僅差で食らいつけたので、まだいけると思って頑張りました。大谷の下りは得意なので、SS2でリズムが掴めた感じでしたね。実はSS4ではダートに入るジャンクションをオーバーシュートしてるんですけど、何とか道の上に留まれて良かったです(笑)」と、白形選手は波乱万丈のラリーを振り返った。

 僅差のバトルとなった2位争いは、SS2で大きく遅れてしまった松原久/和田善明組が後半の2本でDJ型を操って盛り返し、DE型をドライブする関根康生/走出芽美組を1.6秒上回ってフィニッシュ。前戦で優勝を飾り、今回のラリーでも活躍が期待された、ダイハツ・シャレードを駆る西高志/久保田毅組は苦戦を強いられて4位に留まった。

トップ3をデミオ使いが占めたFG-3クラスでは、白形利文/白石認組(IRWRスポーツデミオ)がDE型を操って今季初優勝を果たした。
FG-3の松原久/和田善明組(インディゴパワー☆BRIG☆DL☆デミオ)はDJ型を駆って追い上げ、2位を奪取した(左)。DE型で戦う関根康生/走出芽美組(テイクグッド デミオ)は3位に入った(右)。
DE-3は上位4クルーが表彰された。左から2位の松原/和田組、優勝した白形/白石組、3位の関根/走出組、4位の西高志/久保田毅組(ADVAN福福Reシャレード)。

FG-4クラス、オープンクラス

 FG-4クラスは、土居嘉嗣/中村育代組が前戦は1秒1差で勝利を譲った出納美朝/松浦俊朗組を、SS1で7秒2差で下すベストを奪取して好発進。SS2でも7秒1差で出納/松浦組を振り切って、大きなマージンをつくる。

 しかし後半に入ると形勢は逆転。出納/松浦組がSS3でベストを奪うと、最終のSS4では7秒5差で土居/中村組を下して連続ベストをマーク。しかし、結果は2秒5届かず、土居/中村組が逃げ切って開幕第1戦に続く2勝目をマークした。

 今回のラリーの展開は予想通りだったと語る土居選手は、「舗装があって上り区間が増える後半の2本は出納さんの(トヨタ・)ヤリスに勝てないと思っていたので、前半の2本でいかに踏み切れるかの勝負だと思ってました。クルマ(13型トヨタ・ヴィッツ)に合わせて走りを変えたら、多少、無理してもクルマが応えてくれるようになったのも大きかったですね」と勝因を自己分析した。

 続けて「何となくダートの走りが掴めてきた一年でしたが、まだまだ速い人は沢山いるので今後も精進します」と、大きな飛躍を遂げた一年を振り返った。

 なお、OPENクラスでは二つのクラスに各1クルーが挑んだ。OPEN-Aクラスでは武田友己/安藤恭平組が1型ヴィッツで、OPEN-Cクラスでは三菱・ランサーエボリューションIIIで藤浪啄門/古橋範雄組が、ともに無事、4本のSSを駆け抜けた。

FG-4クラスでは作戦が的中した土居嘉嗣/中村育代組(ビーサイドオート&どろやヴィッツ)が13型トヨタ・ヴィッツを駆って逃げ切り優勝を果たした。
FG-4クラスの出納美朝/松浦俊朗組(エムスポーツSHAFTYH銀玉鉄砲ヤリス)はトヨタ・ヤリスを駆って後半猛追したが、2位に終わった(左)。3位はDJ型デミオを操る古本舞桜/伊豆野健太組(KIZMTEC♥デミオ)が逆転で獲得した(右)。
FG-4は左から、2位の出納/松浦組、優勝した土居/中村組、3位の古本/伊豆野組、4位の佐藤由香/大西直彦組(DCR♡ヴィッツ)の上位4クルーが表彰された。
OPEN-Aクラスでは武田友己/安藤恭平組が孤軍奮闘、1型ヴィッツをフィニッシュまで運んだ。
OPEN-CクラスはランエボIIIをドライブする藤浪琢門/古橋範雄組(ON!パンダの方のランサーIII)が完走を果たした。
左からOPEN-Cの藤波/古橋組とOPEN-Aの武田/安藤組も表彰を受けた。

PHOTO/田代康[Kou TASHIRO] REPORT/田代康[Kou TASHIRO]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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