筑波開催のベイサイドジムカーナは、藤田幸児ロードスターRFがオーバーオールウィン!

レポート ジムカーナ

2021年9月3日

富士、筑波のジムカーナ場を舞台とするBay Sideジムカーナシリーズの第4戦が、8月上旬に開催された。

2021Bay Sideジムカーナシリーズ第4戦
2021 ベイサイドG1チャレンジカップ

開催日: 2021年8月8日
開催場所: 筑波サーキットジムカーナ場(茨城県下妻市)
主催: Bay Side

 8月8日、2021Bay Sideジムカーナシリーズの第4戦、2021ベイサイドG1チャレンジカップが筑波サーキットのジムカーナ場で開催された。このシリーズ戦は、主にジムカーナ初心者から中級者が対象で、年間5戦のスケジュールが組まれている。会場は、今回の筑波サーキットのジムカーナ場と富士スピードウェイのジムカーナコースの2カ所で開催されており、どちらもフルパイロンコースでの競技となる。

 当日は台風10号の影響で、朝からあいにくの雨模様。特に午前中は雨足も強く、ヘビーウェット路面で練習走行が行われた。競技が始まる午後からは雨も弱まり、時折止む時間帯もあったが、終日ウェット路面での争いとなった。

 ベイサイドジムカーナシリーズの最大の特徴は、競技開始は午後からで、午前中は練習走行というタイムスケジュールにある。練習走行は3~4本予定されていて、全てタイム計測付き。コースも当日の本番コースと同じなので、特にジムカーナ初心者においての最大の敵?とも言える「ミスコース」の不安が大幅に軽減されるはずだ。

 そのコース設定を担当しているのは毎戦インストラクターとして来場している、全日本ジムカーナドライバーの稲木亨氏。稲木氏は今回のコースについて、「スラロームや定常円といったジムカーナの基本的な要素を取り入れたオーソドックスな設定です。今回に限らず、ベイサイドシリーズは初心者の方が多いので、厳しいコースにならないようにしています。個人的にはサイドターンを積極的に練習してほしいという思いもあるので(笑)、ターンセクションも設定しました」と、コース作成に当たっての意図を語る。

 また、練習走行の合間には、稲木氏によるレクチャー付きの慣熟歩行が行われる。ライン取り等の説明を聞きながらコースを歩くことができるほか、慣熟歩行時以外でも、個別の質問にも随時対応しており、ドライビングのみならずセッティング等のアドバイスも受けることができるようになっている。

初中級者を対象としたシリーズということもあって、本番走行前には旗の意味の確認等が行われた。また午前中に行われた練習走行では、全日本ジムカーナ選手権に参戦する稲木亨氏がインストラクターを務めた。
当日のコース図。筑波サーキットジムカーナ場はフルパイロンコース。ゴール手前にタイトなパイロンセクションが用意された。

 B2クラスは、シリーズ2番手に着ける村上雅光選手が唯一57秒台をマークし、第1ヒートをトップで折り返す。第2ヒートになるとコース上の水たまりも少なくなり、さらなるタイムアップが期待された村上選手だったが、痛恨のタイムダウンとなってしまう。このチャンスをものにして逆転を狙ったのは、前回の第3戦で村上選手を抜いてポイントリーダーに立った鈴木正彦選手。しかし鈴木選手は57秒台まで自己タイムを更新するも0.5秒届かず、村上選手が逃げ切り、優勝をさらった。

「前回は練習走行で車両トラブルを起こしてしまい、リタイヤとなってしまいましたので、その無念を晴らせました(笑)。今回使用したタイヤでの走行と、雨の筑波は初めてだったので苦戦しましたが、稲木選手からアドバイスを頂き、優勝できました。ただ、第2ヒートでタイムダウンしてしまったのは、まだ経験不足かなと感じています」と、優勝の村上選手。再びポイントリーダーに返り咲き、最終戦で鈴木選手とのチャンピオン争いに挑む。

B2クラスは開幕2連勝を決めていた村上雅光選手が、第1ヒートのタイムで逃げ切り、シリーズ3勝目を獲得した。
B2クラス優勝の村上選手。
B2クラス表彰の各選手。

 PN3クラスは、既に今季2勝をあげ、ポイントリーダーの藤田幸児選手が、第1ヒートから圧倒的な速さを見せつける。「ウェットはあまり走る機会がなく、練習走行ではスピンしたり、ブレーキロックでパイロンタッチをしたりと散々失敗しましたが(笑)、そのお陰で限界が掴めてきたので、本番では良いタイムが出せました」と、53秒803という、好タイムをマークした藤田選手。

「第2ヒートは52秒台を狙っていたのですが、頑張り過ぎてタイムダウンとなってしまいました(笑)」と、自己タイムを更新することはできなかったが、これが今大会のオーバーオールウィン・タイムとなり、今季3勝目を獲得。「今回は練習時にエア圧を色々と試して、ウェット路面のデータが取れたので収穫も多かったですね」と振り返った藤田選手は、この日が61歳の誕生日。総合ベストの走りでバースディウィンを決めた。

PN3クラスはただ一人、53秒台というタイムを叩き出した藤田幸児選手が今季3勝目をマークした。
PN3クラス優勝の藤田選手。
PN3クラス表彰の各選手。

 GRクラスは、GRヤリスを駆る若林千昭選手が、第1ヒートで唯一1分を切る59秒台をマークしてトップに立つ。「天気が回復してきたので、第2ヒートは路面が乾き始めると思い、第1ヒートはタイムを残す走りに徹しました。でも中途半端に乾いた路面はタイムが出ないんですよね。案の定、第2ヒートはタイムダウンしました(笑)」と、天候と路面状況の変化を読み切った若林選手が、手堅い走りで掴んだ第1ヒートのタイムで優勝した。

 その若林選手を筆頭に、5位までをGRヤリスが占める結果となったが、ウェット路面の中、FRの86で6位に入賞した兵頭和希選手が、このクラスのシリーズチャンピオンを決めた。「クルマは車高調とタイヤ/ホイール以外はノーマルですが、今シーズンは楽しくジムカーナ走行ができました。今回は雨だったので苦戦しましたが、最終戦はまた優勝を狙います」と笑顔で語った兵頭選手。本格的にジムカーナに参戦したのは今年からというルーキー選手だが、第1戦と第2戦で優勝、前回の第3戦は2位という好成績を収めて、見事チャンピオンを獲得した。

GRクラスでは第2ヒート、トップの2台がまったくの同タイムで並んだ第1ヒートで唯一、1分を切るタイムをマークしていた若林千昭選手が、前戦から2連勝を決めた。
GRクラス優勝の若林選手。
GRクラス表彰の各選手。
SA2クラスは小関昴也選手か優勝したが、「ウェットは苦手意識はないのですが、想像以上にクルマが流れてしまい、上手くコントロール出来ませんでした。筑波は好きなコースですが、今回は難しかったですね」と、いま一歩攻めきれなかったようだ。
SA2クラス優勝の小関選手。
青木直士選手、宇優選手の親子対決となったCL2クラス。「今回、15年振りにジムカーナに復活しました。スタート前の緊張が、懐かしく感じましたね(笑)」と語るのは、お父さんの直士選手。対して、「今日は楽しく走れました。いつか父に勝ちたいですね。本当はドリフトをやりたいんですけど......(笑)」と、競技会は初出場の息子の宇優選手。15年のブランクを乗り越えた直士選手が優勝となった。
CL2クラス優勝の青木選手。
CL3クラスは金野英樹選手が、第2ヒートでは0.6秒のタイムアップを果たして優勝。ただし、「今回はフロントが逃げてしまい、上手く走れませんでした。このクルマには長く乗っているのですが、まだまだですね(笑)」と、納得のいく走りではなかったようだ。
CL3クラス優勝の金野選手。
LBクラスはパイロンタッチに泣いたものの、58秒台前半という好タイムを出した内田純子選手が優勝。
LBクラス優勝の内田選手。

レポート&フォト/友田宏之

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