最速BC3クラスはベテラン・吉川寛志選手が3年ぶりの参戦で勝利を収める
2024年4月19日
今年も名阪スポーツランドを中心に全8戦で戦いが繰り広げられる近畿ジムカーナ選手権。3月3日には名阪スポーツランドCコースで開幕戦を終え、続く第2戦が3月31日に開催。昨年とは異なる勢力図が見え、ひと波乱起きるシリーズとなりそうだ。
2024年JAF近畿ジムカーナ選手権 第2戦
2024年JMRC近畿ジムカーナチャンピオンシリーズ 第2戦
2024年JMRC全国オールスター選抜 第2戦
PROXESスーパーGスラローム
開催日:2024年3月31日
開催地:名阪スポーツランド Eコース(奈良県山添村)
主催:T.S.C.O
第2戦の主催はトランピオ.スポーツ.コミュニケーション.大阪。コースは名阪スポーツランド Eコースだ。現在、多くの地区戦がミドルシリーズと併催となっているが、ここEコースはパドックの広さから100台が上限。そのため地区戦の単独開催となった第2戦は、不受理が出るかもしれないと思われたが、驚くことにジャスト100台104名のエントラントとなった。
全日本ジムカーナ選手権で戦う久保慎吾選手は、Eコースの特徴を「ここはアスファルト路面とコンクリート路面があり、普通に考えたらアスファルトの方がハイグリップだと思われがちですが、ここではコンクリートの方がグリップするんです。とくに路面温度の上がる夏場は如実にその差が出ます」と話す。
またオーガナイザーの加納行雄会長は「順走を加えることで3速全開のセクションを設けるとともに、しっかりとターンをしなくてはならないセクションも設けました。今は2ペダルクラスがあるのでサイドターンができなくても走れるコース設定にしなくてはいけないため、スペースは十分取っています」と今大会のコースについて教えてくれた。
全国で見てもレベルの高さで定評のある近畿地区。慣熟歩行では目線を落とし、コースを眺めたり、何度も勝負ところとなるセクションを歩く選手も多く見られ、朝から勝負が始まっていることを実感させられる。とくに全国屈指の激戦区レディースクラスに参戦する選手の眼差しは鬼気迫るものを感じさせた。
BC3クラス
今大会で最も注目が集まったのがBC3クラス。全戦優勝で昨年チャンピオンを決めた石田忠義選手の快進撃を止めるべく、JMRC近畿ジムカーナ部会の重鎮・吉川寛志選手が参戦してきたのだ。さらに岡本尚史選手も元全日本マシンを投入して参戦。ハイレベルな三つ巴の戦いが繰り広げられることが予想された。
まず第1ヒートでトップタイムを叩き出したのは吉川選手で、2番手には辰巳浩之選手、3番手に石田選手が続く。そして勝負の第2ヒートは岡本選手からタイムが動き出すと、吉川選手が記録した第1ヒートのターゲットタイムをコンマ6秒更新し、いよいよ24秒台に突入する。辰巳選手もこれに続けとアタックを試みるが、0.013秒届かず2番手。
ディフェンディングチャンピオンの石田選手はまさかの第2ヒート失速で終わる。自身の第1ヒートのタイムを更新できず5番手に沈んでしまった。最後に登場した吉川選手はマフラーからアフターファイヤーを上げながら三菱・ランサーを加速させていく。背筋が凍りつくようなブレーキングでコーナーに進入し、ターンセクションも見事にこなしてトップタイム更新、勝利を手にした。
「3年ぶりのエントリーで優勝できて良かったです。運営側も楽しいのですが、選手として参加するのはもっと楽しく、久しぶりのジムカーナはやっぱりいいですね。いい体験が味わえて本当に良かったです。『部会の人も速いんだぁ』と思ってくれたらうれしいですね」と笑顔で話してくれた。
一方、2番手に入った岡本選手は「元々、西原正樹選手が走らせていたクルマなんですが、ちょっと自制心が足りなかったですね……。今年はぜひともシリーズチャンピオンを獲りたいと思っているので頑張ります」と自らの走りを振り返った。
2PDクラス
昨年は段上泰之選手とMOTOHIRO選手の一騎打ちとなった2PDクラス。その構図は2024年になっても変わらず、アルピーヌ・A110同士の対決となった。なお開幕戦ではMOTOHIRO選手が追い上げるも、段上選手にわずか0.1秒届かず、段上選手が勝利を収めている。
今大会でも、第1ヒートからA110の軽量かつハイパワーな特性を活かしきったこのふたりが一騎打ちの様相を見せた。早速33秒台をマークしたふたりは、わずか0.13秒差の接戦状態。この日は想定外の温かさではあったが、3月末の名阪1本目はまだまだ路面温度が低い。
勝負の第2ヒートでMOTOHIRO選手がいきなり段上選手のターゲットタイムをコンマ5秒上回ってきた。一方の段上選手は、ターンセクションへ突入した際にまさかの突っ込みすぎによる失速を喫する。勝利を確信し始めたMOTOHIRO選手だったが、段上選手はMOTOHIRO選手のタイムを2秒以上塗り替える驚愕のトップタイムをマークしてリカバー。PN3クラスでも優勝に相当するタイムで今季2勝目を勝ち取った。
「焦ってしまっていろいろとダメな部分が多かったですね。ストレートをしっかり踏み切るように、コーナーでは手前から曲げていったのが良かったのかもしれません」と段上選手のコメント。今季、全勝チャンピオンを目指す意気込みが感じられた。
BR1クラス
10台のエントラントを集めたBR1クラスで序盤からターゲットタイムをマークしたのは、マツダ・ロードスターの土手啓二朗選手だ。昨年のランキング上位勢が並ぶクラスラスト3になってもこのタイムは破られないまま走行は進む。なお開幕戦を制した大倉拓真選手は3番手で第1ヒートを終了した。
路面温度が上がった勝負の第2ヒート、土手選手は自らのターゲットタイムをさらに0.5秒押し上げることに成功する。昨年ランキング2位のよこ山弘之選手が1秒差まで詰め寄るも届かない。またクラスラストゼッケンの大倉選手も届かず、開幕戦を欠場した土手選手が今季初優勝を飾った。
「年寄りにできるのはこんなもんです。Lクラスにエントリーしている娘に負けないように頑張ります」と土手選手。優勝に笑顔を見せた。
BR2クラス
ホンダ・インテグラ、ホンダ・シビック、三菱・ミラージュといった前輪駆動のB車両で争われるBR2クラスも激戦区だ。まずはクラスファーストゼッケンの土井祥司選手がいきなり好タイムを記録する。そしてラスト3の松村直人選手がその記録を破り、コンマ2秒差でトップタイムを更新。最終ゼッケンの寺谷正樹選手が生タイムではタイムを更新したものの、まさかの脱輪とパイロン移動で10秒のペナルティが科されて下位に沈んでしまう。
そして勝負の第2ヒート、土井選手が松村選手のタイムをコンマ5秒更新して再度トップに浮上する。第1ヒートトップの松村選手は1コーナーでブレーキをロックさせてしまい四輪脱輪で失格。そんな中、いきなりタイムを上げてきたのはミラージュの稲上佳彦選手だった。
稲上選手は土井選手のタイムを抜き去り、ターゲットタイムを勝ち獲る。最終ゼッケンの寺谷選手がパイロンペナルティで撃沈したことで、稲上選手が地区戦2勝目を手にした。稲上選手は「1本目は全然ターンができなくて、サイドブレーキの調整をしてやっと帳尻が合った感じですね。ボトムスピードを落としすぎてしまったので、それが直ればもっとタイムは出たと思います」とコメント。
BR3クラス
後輪駆動のB車両が揃うBR3クラスは、最終ゼッケン間瀬戸勇樹選手が第1ヒートのダブルパイロンペナルティから逆転の優勝。生タイムではタイムダウンしているものの、他の選手を圧倒するタイムで勝ち切っている。「ストレートはきっちり踏んで、細かいターンをそこそこ寄せられたのが良かったですね。今年こそは全勝優勝を目指して頑張ります」と間瀬戸選手。
BR4クラス
第1ヒートから激しい争いとなったBR4クラス。トップタイムをマークしたのはスバル・インプレッサの出口森雄選手で、0.04秒で2番手につけたのは三菱・ランサーの大田健太郎選手だった。さらにコンマ3秒差で日野良一選手が続く。当然のことながらこのクラスでも勝負は第2ヒートとなった。
出口選手は自らのタイムを2秒近く上げてターゲットタイムを更新する。「1本目、中間の立ち上がりが遅れた部分があったんですが、そこを修正して1コーナーの立ち上がりできちんと速度を乗せて入っていけたのも良かったですね。まだ、勝ったことないんでこの後の結果を待ちたいです」と出口選手。
各選手ともに自らのタイムを更新するものの、出口選手のタイムはなかなか更新されないままゼッケンは進んでいく。そしてこの出口選手のタイムを塗り替えたのは、開幕戦を制した大田選手だった。その差はわずか0.018秒差。
「正直、出口さんのタイムを抜けるとは思ってなかったです。とくに8の字、3本パイロンのテクニカルセクションもミスなく決めないと、と思って入っていきました。ちゃんとブレーキを我慢して突っ込めたのも良かったですね。今シーズンはもちろん2年連続チャンピオンを目指して頑張ります。周りの選手も速くなってきていますが、全勝で勝ち切りたいですね」と大田選手は喜びをあらわにした。
Lクラス
9台のエントリーを集めたLクラスだったが、ディフェンディングチャンピオンの辰巳知佳選手は今大会を欠場した。しかし、今年からかつこ選手がLクラスに復帰。親子で参戦する若手のみさき選手も加わっての大混戦となっている。
開幕戦ではトヨタ・GR86をドライブする武田ともこ選手が食らいつくも、かつこ選手が貫録勝ちを収めている。しかし、第2戦はテクニカルもあるがパワー勝負のセクションも多く、非力なZN6型のトヨタ・86ではやや不利と思われた。また、三菱・ランサーやスバル・WRXといったハイパワーのAWD勢の走りも気になるところだ。
そんなLクラスで第1ヒートからトップに立ったのは、やはりかつこ選手。開幕戦でかつこ選手と競り合った武田選手はまさかのミスコースを喫してしまう。続く2番手につけたのは、昨年ランキング2位の砂田光恵選手だった。
路面温度が上がってタイムアップが望める第2ヒートで、若手のホープ・みさき選手が2番手に食い込むタイムをマークする。続く砂田選手は圧倒的な中間タイムをマークするも、脱輪判定でタイムを更新することはできず3番手のままラスト2の走りを待つことに。
するとラスト2で出番となった武田選手は、かつこ選手が第1ヒートに記録したターゲットタイムを1秒近く更新することに成功する。「前半、抑えすぎましたね。後半はイケてたと思うんですが……」と、少し悔いが残った表情を見せる武田選手。
プレッシャーのかかるクラスラストゼッケンのかつこ選手。中盤にやってくるターンセクションで小さなミスをいくつか犯してしまう。残りはパワー勝負となる順走1周。しかし、かつこ選手が武田選手のタイムを塗り替え、今季開幕2連勝となった。
「とにかく自分の持っている自己ベストを更新しなければならないと思って走りました。なぜか私のときだけ1コーナーが大雨降ってたみたいで(笑)。そのあとはとにかく踏むことを心掛けていきました。今日のコース設定が細かったのでそこで勝負しにいきました。テクニカルセクションは関東で修行したことを思い出しながら走りました。今年の目標は『世代後退』です。若い子にはまだまだ負けません!」とかつこ選手。貫禄の2勝目を手にした。
PN1クラス
今大会最多エントリーとなったPN1クラス。ディフェンディングチャンピオンの奥浩明選手が全日本へステップアップしたためか、開幕戦と本戦を欠場している。そして開幕戦を制した昨年ランキング2位の古田公保選手がラストゼッケンを務めることに。
第1ヒートでトップに立ったのはそんな古田選手だった。32秒台をマークし、2番手の山本祐己選手に1秒近い差をつけて折り返す。しかし、第2ヒートに入ると早々にそのターゲットタイムは塗り替えられる。続々と31秒台が記録され、次々にタイムが更新されていく中、決定打を放ったのはゼッケン46の川西努選手だった。ひとり29秒台に突入する驚異のタイムをマークする。後続の選手も31秒台には入るが、29秒台は遠い存在。
ラスト3の上地秀樹選手が30秒に手をかけるも届かず。最終ゼッケンの古田選手はこのタイムを抜くために決死のアタック。1秒でも無駄にしないため外周のギャップでもアクセルを抜かずにシフトチェンジを試みる。しかしその刹那、高速で車体が振られてスピン。第1ヒートのタイムで2番手に終わってしまう。川西選手が3年ぶりの優勝を決めた。
「今年からダンロップタイヤに履き替えて、初めての走行だったんですが、勝てて良かったです。1本目はタイヤのフィーリングに慣れなくて、2本目はサスの減衰を上げて舵を多めに当てて入っていったのが良かったのかもしれません。ターンセクションではちょっと詰まったところもあったんですが、トラクションがかかってくれたんで良かったです。これをきっかけにこの後もしっかり上位争いしたいですね。きばります」と笑顔で語った。
一方、2番手に終わった古田選手は「バックストレートで3速に入れるところでアクセルを抜かず全開で踏み切ったときにリアが流れてしまいスピンしてしまいました。それまではとても良いペースで刻めていたので、あのままいっていれば中間ベストは出ていたと思うんですよね。地区戦はシリーズチャンピオンを目指して、全日本はもてぎでつまずいちゃいましたけど、地元が続くのでそこで優勝できるように頑張りたいと思います」と自身の走りを振り返った。
PN2クラス
4年ぶりに参戦してきた道田憲一郎選手など、復活組にも期待のかかるPN2クラス。昨年の上位トップ3、鎌尾邦彦選手、田北一賀選手、たけだあきひと選手も揃った第2戦。第1ヒートでトップタイムをマークしたのは復活組の道田選手だった。2番手の福永コージ選手に0.3秒差をつけて第1ヒートを折り返す。
第2ヒートに入るとクラスファーストゼッケンのスズキ・スイフト江副弘和選手がいきなり30秒台に飛び込み、それまでのターゲットタイムを1.5秒更新する。期待の道田選手はパイロンペナルティで第1ヒートのタイムで祈るが、昨年の上位ランカーたちが次々に道田選手のタイムを塗り替えていく。だが、誰も江副選手のタイムを抜くことはできないままラスト3となった。
最終的に上位陣はプレッシャーからか総崩れ……。最終ゼッケンの白尾泰選手は中間トップタイムをマークするもパイロンペナルティ。「そんなに思いっきり攻めたわけでもないんですが、どうでもいいところでパイロンを触ってしまったのが悔やまれますね。タイムに全く関係ないパイロンに、アウトに寄せるためだけに触れてしまいました。開幕戦で勝った赤沢雄太選手がきてなかったのでどうしても勝ちたかったんですが、残念です」と白尾選手。
結果、江副選手が勝利を手にした。「昨年はウェットで1勝してたんですが、地区戦でドライの路面で勝ったのは初めてなんでめちゃくちゃうれしいです。外周は負けていると思うので、とにかく最初のトラクション、転がり始めに注意をして走ったのが良かったですね。今年はもう1勝したいです!」と江副選手は語った。
PN3クラス
PN3クラスは第1ヒートからトップタイムをマークした江島英哉選手が逃げ切りで優勝。2位には第1ヒート脱輪でタイムを失った菱田真也選手が飛び込んだ。優勝した江島選手は「もうちょっと行けたと思いますね。バックストレートでシフトアップができなかったこともあったんですが勝てて良かったです。昨年はランキング2位だったので、今年はチャンピオン獲りたいですね」とコメント。
2位に入った菱田選手は「今回は自分が走る前に中断があって集中力が途切れてしまいました。操作も後手後手になってしまって……。精神面を見直して、次は江島さんに負けないように頑張りたいと思います」と第3戦への目標を語った。
PN4クラス
全日本ジムカーナ選手権を主戦場とする亀山伸一選手が、どんな走りをするかに注目が集まったのがこのクラス。第1ヒートから快調に飛ばす亀山選手は、2番手の小玉知司選手を0.8秒ちぎって第1ヒートを折り返す。そして第2ヒートに入って亀山選手が自身のタイムをコンマ2秒上げてトップタイムを更新する。
最終ゼッケンの小玉選手が快走を見せ、生タイムでは逆転に成功。だがパイロンペナルティでタイムを落としてしまう。貫禄の走りで亀山選手が勝利を手にした。「2本目は最初の8の字でタイミングをミスってしまい、前半で稼いだ部分を吐き出してしまった感じです。1秒くらいタイムは上がると思ったんですが、ちょっとリズムは崩れてしまいました」と亀山選手。全日本に照準を当てて地元・名阪での活躍を誓った。
SBKクラス
昨年、SB1クラスから新設された、気筒容積1582㏄以下のB・SC車両で争われるSBKクラスは、軽自動車の熾烈なランキング争いが繰り広げられている。昨年タイトル争いをしたスズキ・カプチーノの大原秀樹選手と、スズキ・アルトの藤林伸吉選手の一騎打ちとなっているが、ここ名阪Eコースでは完全に大原選手に軍配が上がった。
第1ヒートから頭ひとつ抜け出すタイムで完全勝利を手にし、「1本目はちょっとぬるい走りになっていましたね。クリッピング直前にブレーキの余っていた部分をちょっとだけ詰めるイメージで走ったのが良かったです。完璧とはいきませんが上出来だったと思います。元々スポットでの参戦を予定していたんですが、開幕2連勝したんで全戦参戦しようか迷っています」と大原選手。次戦以降の参戦にも期待だ。
BC1クラス
BC1クラスはディフェンディングチャンピオンの中嶋敏博選手が開幕戦から順調な滑り出しを見せている。今回の第2戦は、そんな中嶋選手を誰が止めるのかに注目が集まった。第1ヒートでトップに立ったのは、昨年末エンジンをB18に乗せ換えたEF8マイスター中山務選手で、パワーとショートホイールベースを活かして驚愕のトップタイムをマークする。28秒台止まりの2番手以下を1.5秒引き離し、ひとり26秒台だ。当然のことながらこの驚異のタイムを誰も抜くことはできない。
第2ヒート入ってもそれは変わらず、中山選手が圧倒的なタイム差で勝利を決めた。「1本目で逃げ切り、2本目でやりすぎ……、1コーナーで飛び出してしまいましたね。まだまだ若いってことでしょうか(笑)。パワーあるっていいッスね。久しぶりのEコースで勝てて良かったです。今年の目標は中嶋選手を倒してチャンピオンです」と笑顔で語る中山選手。シリーズタイトル争いも面白そうだ。
BC2クラス
昨年に2WDクラスが前輪駆動車と後輪駆動車で分割されたのがこのクラス。開幕戦から好調ぶりをキープしているトヨタ・MR2の岩崎玲生選手が第1ヒートからトップタイムをマークする。「B車両規定ということで油圧式のサイドブレーキを装着してからSW20のネガな部分がぐっと減ったんです」と岩崎選手。
マツダ・RX-7やホンダ・S2000といったマシンの追撃をかわし、岩崎選手が第1ヒートのタイムで見事逃げ切った。「先週、もてぎで5位に入りまして、自信もあったんで2連勝できました。とにかく魔法の棒を入れてから好調です。高温域のタイヤを入れていたこともあって、2本目は路面温度が低くなってきてグリップが落ちましたが」とコメント。久しぶりのMR2でのシリーズチャンピオンに期待がかかる。
大会を終え、加納氏は「今年はたまたま地方選手権の2戦を担当することとなり、今回はEコースで開催しました。参加してくれる皆さんに存分に楽しんでもらうのがボクらの趣味なんですが……、夕方までやるのは正直しんどいです(苦笑)」
「走り応えのあるコース設定をモットーに、ウチは3速踏みっぱなしのコースが自慢の大会です。ちなみに9月の開催でもミドルは併催せず、今回のような走り応えのあるコースを用意する予定ですよ。昨年あたりから盛り上がってきたのか、選手のレベルも上がってきています。いい大会になると思います」と語った。
フォト/鈴木あつし レポート/鈴木あつし、JAFスポーツ編集部