ダブルヘッダーとなった全日本ジムカーナ選手権 第2戦は9クラス中7クラスで連勝!

レポート ジムカーナ

2024年3月21日

全日本ジムカーナ選手権 第1戦を終えた翌日の3月17日、第1戦が開催されたモビリティリゾートもてぎ南コースで、全日本ジムカーナ選手権 第2戦が行われた。

2023年JAF全日本ジムカーナ選手権 第2戦「もてぎスーパースラローム2024」
開催日:2024年3月16~17日
開催地:モビリティリゾートもてぎ南コース(栃木県茂木町)
主催:SHAKEDOWN、ホンダモビリティランド株式会社、M.O.S.C.

 第1戦とのダブルヘッダーとして開催された第2戦は、第1戦よりも8の字ターンが増え、右に左にと連続するターンをいかに挙動を乱さずにクリアしていくかが勝敗への鍵を握った。外周も直線的に駆け抜ける区間は少なく、常に左右どちらかにGがかかった状態となる難易度が高いコースとなっている。

 17日の天候は、前日と同じく晴れ時々曇りで、気温は土曜日よりもやや低めに推移したが、終日安定した穏やかな天候。特別規則書の規定により、第1戦で装着したタイヤを第2戦で使用することとなる。天候や路面コンディション的には第2ヒートでも十分タイムアップをすることが可能な要素はあるものの、タイヤの摩耗具合が第2ヒートの走りにどう影響してくるかも、勝負の行方を占ううえでも重要なポイントとなりそうだ。

 エントリー台数は、前日と同じく全クラス合わせて134台。出走順は第1戦の結果が反映され、第1戦で成績が良かった者がクラスの後半を走ることとなった。

開催期間中は天気も比較的安定しており、多くのギャラリーがスラローマーたちの戦いの行方を見守った。
パイロンの配置も変わり、大小の8の字ターンを多く含んだレイアウトで構成された第2戦のコース。

PE1クラス

 第1戦を制したPE1クラスの山野哲也選手は、この日もライバルの追従を許さない走りを披露。第1ヒートで2番手の山野直也選手に2.356秒差をつけて暫定トップに立つ。さらに第1ヒートでマークした自身のベストタイムを0.063秒塗り替え、第2ヒートも2位の山野直也選手に1.901秒というタイム差をつけ、開幕戦に続く2連勝を果たした。そして第1戦と同じく山野直也選手が2位入賞、3位には第1ヒート6番手から追い上げた古谷知久選手が入賞した。

PE1クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY71RS A110R)。
先陣を切ってダブルヘッダー連勝を果たした山野哲也選手。圧倒的なタイム差でパーフェクトウィン。
2位は山野直也選手(EXEDY71RS A110R)、3位は古谷知久選手(フレッシュタイヤ東京GT3RS)。
PE1クラスの表彰式。左から4位の深川敬暢選手、2位の山野直也選手、1位の山野哲也選手、3位の古谷選手、5位の古田孝一選手、6位の大橋政哉選手。

PE2クラス

 PE2クラスは、第1戦で2位に甘んじたベテランの高屋隆一選手が逆襲。第1戦で全日本デビューウィンを果たした下村渉選手を第1ヒートで0.287秒差に抑えてトップに立つと、第2ヒートはクラス唯一となる1分27秒台に突入し、両ヒートを制覇。「細かいターンが多いので、リズムを大事に攻めました」という高屋選手が第1戦のリベンジを果たした。2位に下村選手、3位は第1戦と同じく河本晃一選手が入賞した。

PE2クラス優勝は高屋隆一選手(BSぢっぷすNT☆CP2BRZ)。
第1戦では2位に甘んじた高屋選手が両ヒートをトップで終え、下村渉選手の連勝を阻止。
2位は下村選手(ACWPαRIGID86DL)、3位は河本晃一選手(オーリンズBSロードスターRF)。
PE2クラス表彰の各選手。

PN1クラス

 第1戦を制した朝山崇選手が、第1ヒートで2番手以降を約3秒以上引き離すスーパータイムをマークしたPN1クラス。第2ヒートも自身がマークしたベストタイムを0.272秒縮め、第1戦に続き両ヒートを制する走りで2連勝を飾った。

 2位は、第1戦は第1ヒートでパイロンタッチ、第2ヒートでミスコースと結果を残せなかった福田大輔選手が、第1ヒート3番手から順位を上げ入賞。3位には昨年のJAFカップジムカーナでBC1クラス5位に入賞し、今シーズンから全日本に参戦する長畑年光選手が、第1ヒートはスピンに終わったものの、第2ヒートをしっかりとまとめ、全日本初表彰台をつかんだ。

PN1クラス優勝は朝山崇選手(DLETP・BPFヤリスITO)。
朝山選手が1分26秒台のブッちぎりのタイムをたたき出し、2連勝を飾った。
2位は福田大輔選手(T2レイズWmSPMマツダ2)、3位は長畑年光選手(DL☆熊王☆身延AZURヤリス)。
PN1クラスの表彰式。左から4位の阪本芳司選手、2位の福田選手、1位の朝山選手、3位の長畑選手、5位の中根卓也選手。

PN2クラス

 PN2クラスは、第1ヒートで箕輪雄介選手、若林隼人選手、中田匠選手、SHUN選手、古田公保選手の5台が1分25秒台に並ぶ大接戦となった。第2ヒートに入ると、昨年のPN2クラスで最終戦までタイトル争いを演じた小野圭一選手が1分24秒台のタイムをマークしてトップに躍り出るが、第1戦を制したクラス最終走者のSHUN選手が小野選手を0.329秒逆転。

「第1戦で勝ったことが逆にプレッシャーに感じましたが、やれるだけのことをやって、しっかり楽しもうと気持ちを切り替えたことが結果につながったと思います。2連勝という結果は自分が一番驚いています(笑)」というSHUN選手が、開幕戦に続き第2戦も制した。2位に小野選手、そして第2ヒートで逆転のチャンスがあったものの、パイロンタッチに沈んだ箕輪雄介選手が3位入賞した。

PN2クラス優勝はSHUN選手(BS XPL ロードスター)。
第1ヒート4番手から見事な逆転優勝を遂げたSHUN選手。開幕2勝の結果に喜んだ。
2位は小野圭一選手(DLクスコWm軽市ロードスター)、3位は箕輪雄介選手(DLペトロナスXPロードスター)。
PN2クラスの表彰式。左から4位の若林隼人選手、2位の小野選手、1位のSHUN選手、3位の箕輪選手、5位の小林規敏選手、6位の中田匠選手。

PN3クラス

 第1戦を制した大多和健人選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り開幕2連勝となったPN3クラス。「現状で、自分自身ができることはしっかりやってきたつもりだったけど、ライバルの速さが想定以上でした。ベースはしっかりできているので、さらに詰めていかなければいけませんね」という川北忠選手が2位獲得、「自分が下手なだけです」と、ゴール手前の失速で逆転のチャンスを失ったユウ選手が3位に入賞した。

PN3クラス優勝は大多和健人選手(熊王TMW古泉牧速ロードスター)。
第1ヒートのタイムで逃げ切り優勝を果たした連勝の大多和選手は、パルクフェルメで満面の笑顔を見せた。
2位は川北忠選手(ORC AD DLロードスター)、3位はユウ選手(BS DRONE☆ロードスター)。
PN3クラスの表彰式。左から4位の野島孝宏選手、2位の川北選手、1位の大多和選手、3位のユウ選手、5位の久保真吾選手、6位の大坪伸貴選手。

PN4クラス

 PN4クラスは、第1ヒートでクラス唯一の1分21秒台を叩き出した津川信次選手が、第1ヒートのタイムで逃げ切り2連勝。第1戦はマシントラブルのためリザルトを残せなかった奥井優介選手が、第2ヒートは津川選手のタイムに0.054秒差まで迫り2位を獲得した。3位には、「自分の走り的には70点」という松本敏選手が入賞した。

PN4クラス優勝は津川信次選手(DL☆BRIDE☆URGヤリス)。
自身のタイムに0.054秒まで迫った奥井優介選手と握手を交わして健闘を称え合う津川選手。
2位は奥井優介選手(DLATSRSK茨トヨヤリス犬)、3位は松本敏選手(ADVICS☆TJ☆DLヤリス)。
PN4クラスの表彰式。左から4位の島田直樹選手、2位の奥井優介選手、1位の津川選手、3位の松本選手、5位の石原昌行選手、6位の上本昌彦選手。

BC1クラス

 第1ヒートは若手の石澤一哉選手が制し、第2ヒートはベテランの西井将宏選手が逆転するという、BC1クラスは第1戦と同じ展開で西井選手が連勝を果たした。2位には第1戦では3位まで順位を落とした石澤選手が入賞。第1ヒートをミスコースで終わった橋本克紀選手が、第2ヒートのタイムで3位表彰台となった。

BC1クラス優勝は西井将宏選手(アイスペックインテグラDL)。
奇しくも第1戦と同じ、西井選手の逆転勝利という展開。西井選手は2連勝となった。
2位は石澤一哉選手(YHM'sインテグラUPG)、3位は橋本克紀選手(メカスタBS桐生鈑金シビック)。
BC1クラスの表彰式。左から4位の神里義嗣選手、2位の石澤選手、1位の西井選手、3位の橋本選手、5位の日部利晃選手、6位の山越義昌選手。

BC2クラス

 BC2クラスは、「金曜日の練習走行はタイムが伸びず、エキシージの良い方向を活かすセッティングが功を奏したのと、コースレイアウトにも助けられたと思います」という若林拳人選手が、第1ヒートでクラス唯一の1分20秒台、第2ヒートもクラス唯一の1分19秒台のタイムを刻み、第1戦に続き優勝。2位に広瀬献選手、3位には第1ヒートのタイムで葛西悠治選手が入賞した。

BC2クラス優勝は若林拳人選手(若自速心コサ犬ZRエキシージ)。
昨年のタイトル争いを繰り広げた広瀬献選手に打ち勝ち、もてぎラウンド2連勝の若林選手。
2位は広瀬選手(WMマロヤBS林歯科S二千亜舎)、3位は葛西悠治選手(BSアイブローズRX-7)。
BC2クラスの表彰式。左から4位の梅村伸一郎選手、2位の広瀬選手、1位の若林選手、3位の葛西選手、5位の野本栄次選手、6位の岩崎玲生選手。

BC3クラス

 BC3クラスは、第1戦2位の大橋渡選手が、第2戦は両ヒートを制する走りでリベンジに成功。「第1戦で選択したMコンパウンドが、第2戦では結果的に正解だった」と今季初優勝を飾った。第1ヒートはパイロンタッチのペナルティが加算された菱井将文選手は、第2ヒートは「(走りを)置きに行ってしまった」と大橋選手に0.205秒届かず2位。「結果的には、第1戦でSコンパウンドを選択したことが第2ヒートにも響いた」という一色健太郎選手が3位に入賞した。

BC3クラス優勝は大橋渡選手(DLプレジャーインプレッサ)。
2023年の久万高原以来の優勝に歓喜のガッツポーズを見せる大橋選手。
2位は菱井将文選手(BS・クスコGRヤリス)、3位は一色健太郎選手(ATSWmDLRSKヤリス)。
BC3クラスの表彰式。左から4位の野中信宏選手、2位の菱井選手、1位の大橋選手、3位の一色選手、5位の堀隆成選手、6位の千葉真一選手。

フォト/CINQ、大野洋介 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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