全日本ジムカーナ第3戦で群雄割拠のPN2クラスは永川悠太選手が全日本初優勝!
2025年5月16日

全日本ジムカーナ選手権の第3戦「MAZDA SPIRIT RACING CUP IN TAMADA」が、5月10~11日に広島県広島市郊外のスポーツランドTAMADAを舞台に開催された。
2025年JAF全日本ジムカーナ選手権 第3戦「MAZDA SPIRIT RACING CUP IN TAMADA」
開催日:2025年5月10~11日
開催地:スポーツランドTAMADA(広島県広島市)
主催:SLT.C、TEAM INDY
第2戦名阪ラウンドから3週間のインターバルを経て開催された第3戦には、併設された選手権外クラスを含めて143台がエントリー。選手権を争うシリーズ上位陣に加え西日本地区からの出場も多く、パドックは賑わいをみせた。
この大会の1週間前には、昨年に続き広島市内でジムカーナ車両によるパレードランや、小学生高学年や中学生を対象としたパレード同乗ドライブが行われ、大会をPR。大会期間中は、2日間合わせて4000人を超える観客が来場し、モータースポーツを満喫した。
日曜日の天候は、午前中は曇り空だったものの、第2ヒートのPN3クラスの選手が走行している時間帯から雨粒が落ち始め、PN4クラスの選手が走行するころにはウェットコンディションに。そのため、PN4クラス以降は第2ヒートのタイムアップが望めず、第1ヒートのタイムが決勝タイムとなった。


PE1クラス
PE1クラスは、第1ヒートのベストタイムを奪った山野哲也選手(アルピーヌ・A110R)が、第2ヒートでもベストタイムを更新してパーフェクトウィン。2位に終わった第2戦の雪辱を果たした。
第2戦を制した大橋政哉選手(アルピーヌ・A110R)は、第1ヒート0.157秒差の2番手から逆転を狙うものの、第2ヒートは前半区間でパイロンペナルティを喫し、途中棄権。第1ヒート3番手の古田孝一選手(アルピーヌ・A110R)が、「4月にクルマが来たばかりで、ようやく最近慣れてきました」と第2ヒートでタイムアップを果たし、大橋選手の第1ヒートのタイムを上回り2位に。大橋選手は第1ヒートのタイムで3位となった。


PE2クラス
PE2クラスは、第1ヒートのタイムで逃げ切った河本晃一選手(マツダ・ロードスターRF)が今季2勝目を飾った。暫定結果ではスバル・BRZでダブルエントリーの髙屋隆一選手が2位、瓜本琴葉選手が3位になっていたものの、P車両におけるステアリング交換が2025年全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権統一規則第2条の1に不適合とされ失格に。正式結果では2位に大川裕選手(スズキ・スイフトスポーツ)、3位に西村修一選手(トヨタ・GR86)がそれぞれ入賞する結果となった。


PN1クラス
PN1クラスは、第1ヒートを制した阪本芳司選手(トヨタ・ヤリス)が、第2ヒートで「前半で少しミスしてしまったんですが、中間から後半にかけては目一杯攻めて走ることができたと思います」とベストタイムを更新。スズキ・スイフトスポーツを駆り、当時のPN-1クラスのシリーズチャンピオンを獲得した2015年以来、10年ぶりとなる全日本優勝を飾った。
2位には、第1ヒートでパイロンペナルティとなり、幻のベストタイムに終わった斉藤邦夫選手(トヨタ・ヤリス)が第2ヒートでリカバリーして入賞。3位は、逆転を狙った第2ヒートをパイロンペナルティで終えた朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)だった。


PN2クラス
PN2クラスは、全日本フル参戦3年目となる永川悠太選手(マツダ・ロードスター)が、「ずっとカートをやっていたこともあって、こういうコースは得意です。全力で攻めました」と、両ヒートを制する走りで完勝。自身初となる全日本優勝を飾った。
開幕戦を制した藤井裕斗選手(マツダ・ロードスター)が、第1ヒートのパイロンペナルティを第2ヒートでリカバリーして2位。全日本参戦2戦目となる武内靖佳選手(マツダ・ロードスター)が、第1ヒート2番手から第2ヒートで順位をひとつ落とすものの、自身初となる3位表彰台を獲得した。


PN3クラス
雨の影響により、第1ヒートのタイムで勝負が決したPN3クラスは、「両ヒートとも小さなミスはあったんですけど、キモとなるハイスピードの部分は攻め切れたと思います」というユウ選手(トヨタ・GR86)が、両ヒートでベストタイムを刻み、今季初優勝を飾った。
第2ヒートをパイロンペナルティで終えた川北忠選手(マツダ・ロードスターRF)が第1ヒートのタイムで2位。パイロンペナルティで終わった第1ヒートのミスをハーフウェット路面の第2ヒートでリカバリーした野島孝宏選手(トヨタ・GR86)が、3位となった。


PN4クラス
開幕2連勝中の津川信次選手(トヨタ・GRヤリス}が、両ヒートともにパイロンペナルティという結果で連勝がストップしたPN4クラス。「まだまだ(津川選手との)実力差はあると思うのですが、こういう結果もあるんだなと思いました。第1ヒートからタイムをしっかり残すということの重要性を再認識できました」という松本敏選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)が、今季初優勝。
「ターンで失敗したのが心残りですが、自分の中では良い走りができたと思います」という、今季からトヨタ・GRヤリスを駆る若林隼人選手が2位。3位には、「第1ヒートの走りを振り返ると、第2ヒートでタイムアップできる要素があっただけに、雨は残念でした」という上本昌彦選手(トヨタ・GRヤリス)が入った。


BC1クラス
第2ヒートがフルウェット路面となったBC1クラスは、第1ヒートの後半セクションでタイムを伸ばした西井将宏選手(ホンダ・インテグラ・タイプR)が今季初優勝。
「第1ヒートは自分の採点で95点くらい。クルマとのシンクロ率が少しずつ上がってきました」という2021年JG4クラスチャンピオンの小武拓矢選手(スズキ・スイフトスポーツ)が2位。今シーズンの開幕戦で全日本初優勝を飾った石澤一哉選手(ホンダ・インテグラ・タイプR)が3位獲得となった。


BC2クラス
BC2クラスは、「月曜日からしっかりと準備して、ドライでもウェットでもいろいろなデータを持って本番に臨むことができました」という広瀬献選手(ホンダ・S2000)が、2位を2秒近く引き離す走りで圧勝。開幕戦から負け知らずの3連勝を飾った。
2位は「昨年のウェット路面では勝負になったと思うんですが、ドライ路面だと現状では歯が立たないですね。次の赤門では良い勝負ができるように頑張ります」という若林拳人選手(ロータス・エキシージ)。「タイヤ選択は良かったと思うんですけど、ターンがまだうまくいかない」と語る梅村伸一郎選手(ロータス・エキシージ)が3位だった。


BC3クラス
BC3クラスは、第1ヒート最後のターンでガス欠症状が出て失速しながらも、「何とか最後まで走り切ることができました」という奥井優介選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)が、今季2勝目を獲得。
「今回は自分自身のミスが大きかった」という大橋渡選手(スバル・インプレッサ)が2位入賞。「タイヤ選択で勝負に出たんだけど、結果的には裏目に出てしまった。もう少し早く(タイヤが)温まってくれると良かったんだけどね。走り全体が置きにいってしまった」という菱井将文選手(トヨタ・GRヤリス)が3位となった。


SLWクラス、箱Dクラス
選手権外クラスのSLWクラスでは、斎藤達也選手(ケータハム・スーパー7)が後半セクションでタイムを伸ばし、2位の下川和大選手(ケータハム・スーパー7)に3秒近い差をつけ優勝。
1分20秒台の攻防戦となった箱Dクラスは、後半セクションで追い上げた川上実選手(トヨタ・カローラレビン)が、中間地点をトップタイムで通過した川脇一晃選手(日産・サニー)を0.007秒逆転して優勝を飾った。




フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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