全日本ジムカーナ初開催の奥伊吹ラウンドはPN3川北忠選手、BC3奥井優介選手がチャンピオン確定を阻む!
2025年8月1日

全日本ジムカーナ選手権 第6戦「天下分け目のジムカーナ決戦! ALL JAPAN GYMKHANA in OKUIBUKI」が、7月26~27日にかけて、滋賀県米原市郊外の奥伊吹モーターパークを舞台に開催された。
2025年JAF全日本ジムカーナ選手権 第6戦「天下分け目のジムカーナ決戦! ALL JAPAN GYMKHANA in OKUIBUKI」
開催日:2025年7月26~27日
開催地:奥伊吹モーターパーク(滋賀県米原市)
主催:Pleasure
関西エリア最大級のスノーリゾートとして有名な「グランスノー奥伊吹」の駐車場をベースに、2010年9月にJAF国内スピード競技コース公認を取得したコースは、ジムカーナの他にもドリフトやバイクイベントなど、多彩なモータースポーツイベントを行ってきているマルチコースだ。全日本ジムカーナ選手権の開催は今回が初となる。
決勝日の天候は晴れ。全国的に最高気温が35度を超す猛暑日が続き、標高約700mに位置するコースは最高気温が32度に留まったものの、それでも灼熱の太陽が路面を照りつける中、各クラスで0.1秒を競う熱戦が繰り広げられた。



PE1クラス
今季3勝を挙げている山野哲也選手が、同日開催のスーパー耐久シリーズの第5戦に出場するため、このラウンドをスキップしたPE1クラス。シリーズランキングトップながらも、優勝回数では山野選手の3勝に対し2勝という大橋政哉選手(アルピーヌ・A110R)にとっては、優勝回数で並び、山野選手を大きく引き離しておきたいところだ。
その大橋選手、第1ヒートは2番手を1秒以上引き離しトップに立ったものの、第2ヒートは「タイヤが厳しく、自分自身に少し焦りがあったのかもしれない」とまさかのタイムダウン。第1ヒート2番手につけていた牧野タイソン選手(アルピーヌ・A110R)が、「このコースは、JAF公認を取得する前から練習していた場所なので、路面μなど特性をよく知っているんです」と第2ヒートで大橋選手を逆転。牧野選手にとっては2018年以来7年ぶりとなる全日本優勝を飾った。
2位の大橋選手は、山野選手とのポイント差を引き離すことには成功したものの、タイトル獲得のためには残り2戦全勝が必須条件となる。3位には、第1ヒートのパイロンペナルティを第2ヒートで挽回した深川敬暢選手(アウディ・TT)が入賞し、シリーズランキング3番手に浮上した。




PE2クラス
PE2クラスは、高江淳選手(ミニ・クーパーS)が、第1ヒートのベストタイムをマーク。第2ヒートはパイロンペナルティに終わったものの第1ヒートのタイムで逃げ切り、2022年以来3年ぶりとなる優勝を飾った。
2位には「今回は120%の力を発揮しても、高江選手には届かなかった」という河本晃一選手(マツダ・ロードスターRF)が入賞。シリーズポイントを加算し、チャンピオン確定に王手をかけた。3位には、「フルパイロンコースは苦手で、金曜日と土曜日、決勝の第1ヒートから見ると、第2ヒートは自分なりにしっかり走ることができました」という大川裕選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞した。




PN1クラス
前戦の第5戦までに4人のウィナーが誕生し、混戦模様となっているPN1クラスは、シリーズランキングトップの斉藤邦夫選手(トヨタ・ヤリス)が第1ヒートを制したものの、第2ヒートは今季未勝利の朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)が逆転。「結果が出なくても、クルマやドライビングに問題はなかったので、焦らず何かを変えたりせずに続けてきました」という朝山選手が今季初優勝を獲得するとともに、シリーズランキングでもトップに浮上した。
2位には、「大きなミスはなかったけど、追い詰められた時の朝山選手は強いね。根性があった」という斉藤選手が入賞。3位には、「今日は勝ちたかった……。やっぱり、第1ヒートからしっかりタイムを残さないとダメですね」と、第1ヒートは2本のパイロンペナルティで幻のベストタイムをマークしていた緒方崇之選手(トヨタ・ヤリス)が入賞した。




PN2クラス
新鋭の藤井裕斗選手(マツダ・ロードスター)がチャンピオン確定に王手をかけているPN2クラス。第1ヒートを制したのは古田公保選手(マツダ・ロードスター)で、第2ヒートでもベストタイムを0.067秒更新して今季2勝目を獲得。シリーズランキングでは、3番手から2番手に浮上した。
2位には、第1ヒートでトップの古田選手に0.148秒差に迫った永川悠太選手(マツダ・ロードスター)が、第2ヒートでは僅かにタイムダウンしたものの、第1ヒートのタイムで入賞。ベテランの箕輪雄介選手が第2ヒートでタイムアップを果たし3位となった。この結果、チャンピオン争いは今シーズン全日本初優勝を飾った藤井選手、古田選手、永川選手の新鋭3選手に絞り込まれることとなった。




PN3クラス
ユウ選手(トヨタ・GR86)がチャンピオン確定に王手をかけているPN3クラス。残り3戦を3連勝しない限りチャンピオン確定の可能性がない川北忠選手(マツダ・ロードスターRF)が、両ヒートを制する走りで完勝。「特に第2ヒートは、自分が思い描くとおりバッチリ走れました」と2位を1秒以上引き離す走りで、今季2勝目を獲得した。
2位には、チャンピオンに後一歩というユウ選手が入賞し、タイトル確定は次戦以降に持ち越すこととなった。3位には、「路面温度的には厳しかったのですが、第1ヒートは攻めすぎてしまったスラローム区間をしっかり抑え、タイムアップすることができました」という森嶋昭時選手(トヨタ・GR86)が入賞した。




PN4クラス
PN4クラスは、今季3勝を獲得している津川信次選手(トヨタ・GRヤリス)が、「270度以上のパイロンターンが苦手だったんだけど、パイロンターンがうまい選手に頭を下げて極意を教えてもらった(笑)」と、第1ヒートのタイムで逃げ切り4勝目を獲得。今シーズンのチャンピオン確定に王手をかけた。
2位には、「優勝を狙ったんですけど、第2ヒートはブレーキのタッチが少し悪くなってしまって……」という若林隼人選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞。3位には、中間タイムは2番手だったものの、後半セクションで「ブレーキを踏み外してしまった」という松本敏選手(トヨタ・GRヤリス)が入った。




BC1クラス
第5戦までに5人の勝者が誕生するという大混戦状態のBC1クラスは、第1ヒートでパイロンペナルティを受け、幻のベストタイムに終わった神里義嗣選手(ホンダ・CR-X)が、第2ヒートは「ターンセクションをうまく攻め切れたと思います」と逆転。5人の勝者の中で、最初に2勝目を挙げることとなり、シリーズランキングも5番手から2番手まで一気に浮上した。
2位には、「第2ヒートは気合いが入りました」という山越義昌選手(ホンダ・シビック)が入賞し、3位には第1ヒートを制した佐野光之選手(ホンダ・インテグラ・タイプR)が入賞と、このクラスはベテラン勢が上位を独占する結果となった。




BC2クラス
チャンピオン奪還を狙う広瀬献選手(ホンダ・S2000)と、2年連続チャンピオンを目指す若林拳人選手(ロータス・エキシージ)がシリーズランキング同点で迎えたBC2クラス。パイロンコースを得意とする若林選手が、第1ヒート2番手の広瀬選手に1.847秒差をつけるタイムを叩き出し、広瀬選手に並ぶ今季3勝目を獲得。シリーズランキングでは単独トップに立ち、タイトル確定に王手をかけることとなった。
2位には、「ターンセクションが多く、FRには辛いコースでした」という広瀬選手が入賞。3位には、「第2ヒートは各セクションで突っ込みすぎないように走りました」という梅村伸一郎選手(ロータス・エキシージ)が入った。




BC3クラス
今季3勝を挙げている菱井将文選手(トヨタ・GRヤリス)が4年連続チャンピオン確定に王手をかけているBC3クラス。残り3戦を全勝する以外、逆転チャンピオンの可能性がない奥井優介選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)が両ヒートを制し、値千金となる今季3勝目を獲得。菱井選手のタイトル確定を阻止するとともに、逆転チャンピオンの可能性を残した。
2位は、「タイヤと路面のマッチングが合わなかったという条件の中では大健闘。次戦の美川で頑張ります」という菱井選手が獲得。3位には、第1ヒートをミスコースしかけた一色健太郎選手(トヨタ・GRヤリス)が、第2ヒートでリカバリーして入賞した。




PHOTO/CINQ、大野洋介[Yousuke OHNO] REPORT/CINQ、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]
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