北海道ジムカーナ第3戦H-PN1はNDロードスターで孤軍奮闘の米澤匠選手が制す!
2025年7月2日
2025シーズンもJAF全日本ジムカーナ選手権の一戦を翌週に控えた、砂川市の石狩川河川敷に建つオートスポーツランドスナガワのジムカーナコースで、2025年JAF北海道ジムカーナ選手権の第3戦が開催された。年々暑くなる北海道の気温を上回る、スラローマーたちの熱気みなぎるホットバトルが繰り広げられた。
2025年JAF北海道ジムカーナ選手権 第3戦
2025年JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ第3戦
2025年JMRCオールスター選抜 第3戦
AG.MSC北海道ハイスピードチャレンジジムカーナ
開催日:2025年6月15日
開催地:オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース(北海道砂川市)
主催:AG.MSC北海道
全7戦で争われている北海道地区戦もすでに第3戦。今季は新千歳モーターランド アクティブ・セーフティ・パークでの4戦を中心にスナガワで2戦、残る一戦は十勝インターナショナルスピードウェイ ジムカーナコースが舞台となる。
新千歳は一部縁石区間があるフルパイロンである一方、十勝はミニサーキットを利用する。全日本も開催されるスナガワは、パイロンとコースの両面を合わせ持つのが特徴だ。また、スナガワはストレートを長くとれることから、レイアウト次第で自由にトップスピードをコントロールできる。ただし、長年の経年劣化などにより路面は非常に粗く、タイヤへの攻撃性も高い。1分半を超えるようなレイアウトでは、後半区間に向けてのタイヤマネジメントも重要になってくるコースだ。
第3戦の設定もスナガワのレイアウトの自由度が活かされた。車両の性能差が如実に表れないように、スタート後のストレートは短く一回インフィールドエリアに入るが、コース区間はダイナミックなコーナリングが続き、後半は広場でのスラロームやターンセクション、一旦インフィールドに戻った後にフィニッシュ直前で広場での定常円など、ジムカーナの基本が詰まったような設定だ。
特に広場の荒れた路面から再びインフィールドに戻るのはコースの勾配もあり、アンダーステアが強くなりそうなレイアウト。駆動をかけたいところを、いかに我慢してトラクションをかけ続けながら立ち上がれるかで差がつきそうだ。
レイアウトを設定した石田昌輝氏は、「全日本のシミュレーションも兼ねたコース設定にしています。普段の地区戦よりパイロンも少しいやらしく設定しました。スラロームの入りや、ターンセクションの進入の自由度など考えてもらうコースになっていると思います。基本的に進入で全て決まってしまうコースになっているので、姿勢づくりがタイムアップのポイントだと思います」と、攻略のヒントを明かした。
今回の一戦に集ったスラローマーは56名。翌週の大一番に向けて全日本スラローマーの参戦もあるかと思われたが、基本は地元勢で雌雄を決することになった。
慣熟歩行を前に行われた公式車検は、技術オフィシャルがパドックへ出向いて行う出張車検。ヘルメットなどの安全装備、車検証や申告書からタイヤサイズの確認などを中心に実施された。1時間の慣熟歩行で多くのスラローマーを悩ませたのは、広場のパイロンセクション。スラローマーたちがここで立ち止まり、ディスカッションを繰り返す様子が最後まで見られた。
そして、定刻通り10時からHeat-1がスタートした第3戦で、勝利の美酒に酔ったのは誰なのか?
2025年JAF北海道ジムカーナ選手権 第3戦
H-PN1クラス
北海道地区戦は独自のクラス区分が多く、H-PN1クラスもそのひとつ。気筒容積を制限しない、前輪駆動及び後輪駆動のAT車両を含むPN車両及び全てのP・AE車両が対象で、全日本のPAE1クラスからPN3クラスまでが統合されたかたちとなる。排気量1500ccのND型マツダ・ロードスターに対して同2400ccのZN8型GR86/ZD8型スバルBRZのようにパワーの差が生じるが、新千歳のようなパイロンセクションが重要となるレイアウトでは車重が軽い車種が有利になることも多い。
2024シーズンのスナガワでの全日本第6戦で、地元勢として優勝している米澤匠選手が開幕二連勝で王座争いをリード。ND型ロードスターを武器にしている米澤選手以外のスラローマーたちはGR86と新旧BRZで戦っている。
今季の米澤選手は足回りを中心にセットアップを煮詰め直したい、とのことだがまだ納得したコントロール領域に至っていない不安がある、とのこと。昨季まで、アバルト124スパイダーを駆って王座争いを繰り広げた金内佑也選手の今季は、北海道から通いながらJAF関東ジムカーナ選手権で武者修行中。金内選手と入れ替わるように関東地区からやってきた由田兼三選手が、米澤選手を追う。パイロンワークの猛者が集う関東で培った、由田選手の走りがどこまで通じるのかにも注目が集まっている。
Heat-1ではパワー差が出やすいスナガワでの一戦にも関わらず、米澤選手がトップタイムをマーク。2番手につけた由田選手に1秒近い差をつけた。ND型ロードスターでの戦い方を熟知した確実なパイロンワークと、ターンセクションから立ち上がりを重視したラインどりが光った。2番手以下のスラローマーたちは勝負のHeat-2としたいところだったが、スナガワでの2本目の壁は高い。Heat-1で摩耗したタイヤでは、簡単にタイムアップを見込むことができないからだ。
そのとおり、軒並みタイムダウンする展開となり、期待がかかった由田選手もHeat-1から約0.5秒遅れてしまう。米澤選手も自身のタイムは更新できなかったが、労せず開幕三連勝を達成した。「今日は中古タイヤで、ライバルの由田選手が新品タイヤ投入でちょっと厳しいと思ったんですが……。2本目は勢いにのりすぎていき過ぎちゃいました」と走りを振り返った。
続けて「ただ、クルマの感触としては良かったです。来週の全日本も今のままじゃまずいのでセットアップを煮詰めないと、と思っています。今シーズンもしっかりチャンピオンを獲りたいですが、後半戦は由田選手との一騎討ちになると思います。(スピードパーク新潟での)JAFカップはもちろん参加します! 船も宿も抑えてますよ」と、地元での全日本はじめ、この後の戦いへの熱い思いも寄せた。
H-BC1クラス
2WDのAT車両を含む、N・SA・B・SAX・SC車両で競うH-BC1クラス。今回の一戦には、2016シーズンにはSH1クラスのチャンピオンを獲っている、全日本スラローマーの小武拓矢選手がスポット参戦してきた。そして昨季は不調が続いた、2023シーズンまで三連覇した元王者・成瀬悠人選手が開幕第1戦を制して復調の兆しを見せている。成瀬選手と、彼を追う宮田祐次選手が小武選手にどこまで迫れるかにも期待がかかった。
Heat-1で上位陣は次々とパイロンペナルティを犯し、まさかの総崩れ。唯一、クラスラストゼッケンの成瀬選手が1分11秒832をマークしてトップに立った。生タイムでは小武選手が上回っていたが、2本目のタイムアップが怪しまれるスナガワにおいて、成瀬選手がアドバンテージを手にする。
しかし、そこは全日本スラローマーの小武選手。Heat-2ではきっちりと車両の向きを変える走りを徹底。叩き出した1分9秒216は、全クラストップタイムとなった。一方、Heat-1でパイロンペナルティに泣いた宮田選手もHeat-2では切り替えが効いた走りを披露して2位を奪取。成瀬選手は0.211秒ベストタイムを更新したが、3位で今回の一戦を終えた。
「毎年のことなんですが一週間、間違えて早くきちゃいました。やっぱり北海道は第二のふるさとなんで(笑)」と切り出した、優勝した小武選手。続けて「1本目はいつもと違うタイヤでトライしたんですがグリップがこなくて、2本目はいつものタイヤに交換してグリップも復活しました」と勝因を明かした。更に「LSDでしっかりトラクションをかけられるアシにしているので、それがスナガワでは重要ですね。特に後半にかけてタイヤのダメージが蓄積してくるので、そこもカバーしなくてはいけないです」と、スナガワ攻略のポイントも語った。
一方、地元勢最上位の宮田選手は「1本目パイロン(ペナルティ)がなかったらもうちょっと良かったんですが……。2本目、加速は悪くなってしまいましたが、きちんと修正ができました。サイドターンの処理も上手くいったので、この順位で終われたのは良かったです。残りもしっかりコンスタントに表彰台に登れれば嬉しいです」と、今回の一戦の走りを振り返り、後半戦に向けての意気込みも語った。
H-BC2クラス
H-BC2クラスは4WDのAT車両を含む、N・SA・B・SAX・SC車両が対象となる。ガレージシンシアを営み、今季は進化型GRヤリスのセットアップに着手した小野寺俊選手が、オーナーの木村司選手とダブルエントリーしている。昨季までは、青いZD8型BRZで鮮やかなパイロンターンを見せる印象が強かった小野寺選手だが、今季はAWDの力強い走りに一変した。
Heat-1からトップタイムを記録したのは、やはり小野寺選手だった。しかし、長年このクラスを牽引してきたスバル・インプレッサWRX STIを駆る逸見将吾選手も、やすやすと小野寺選手を逃す気はなく、約0.7秒差で小野寺選手に追従する。直線的な力強いラインどりでグッと前に出る進化型GRヤリス。対してバランスの良さでボトムスピードを稼ぎながらタイムを削るインプレッサと、明確に異なる両者の走りは印象的だ。
しかし、Heat-2でも小野寺選手が記録したターゲットタイムを更新するスラローマーは現れず、逃げ切りで小野寺選手が今季2勝目を手にした。「今年はレースをメインにやっているんですが、Wエントリーの木村選手が車両製作を依頼してくれたので、一緒に参戦させてもらっています」と、進化型GRヤリスに乗り換えた経緯を明かした。
今回の一戦の走りについては、「本当はオーバーオールとらなきゃまずいんですが、1本目制御がいろいろ介入してしまってタイムが伸びませんでした。ただ、セットアップは確実にいい方向に向かっているのは確認できました。来週の全日本に向けて、更にセットを決めていきたいですね」とチューナー側の視点で語った小野寺選手は、後走のリスクも吹き飛ばす走りを披露した。
2025年JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ ミドル部門 第3戦
R-ATクラス
JMRC北海道ジムカーナシリーズ ミドル部門は、地区戦への登竜門となるシリーズ。R-ATクラスは駆動方式と排気量の制限なし、オートマチック限定免許で運転できるAT・CVT(2ペダル)搭載のP・PN・N・SA・SAX・AE車両が対象となる。第3戦は三菱・ギャランフォルティスとレクサスISの一騎討ちとなった。オートテスト出身でISを駆る丸田敦士選手がHeat-2で2秒近くタイムを上げて逆転したものの、藪野康博選手がギャランを操って約0.1秒再逆転を果たし、異色対決を制した。
「今回2回目の参加です。まだまだ頭の中真っ白で、全然まだまだです。オートマなんでハンドルに集中できるのがいいですね。ジムカーナはちょっと遊び程度にやっていたんですが、知り合いに誘われて始めました。1本目は60点、2本目は50点。アンダー出しすぎちゃいました」と、藪野選手は振り返るとともに、次戦以降の参戦も明かした。
R-Ecoクラス
R-EcoクラスはAT・CVT車を含み排気量1586cc以下の普通自動車および軽自動車のP・PN・N・SA・AE車両が対象。ただし「平成10年アイドリング規制」以降の適合認定を受けているなど、シリーズ規則で定められた条件を満たした車両が参戦できる。なお、排気量の制限があるクラスは全て、過給機付き車両の排気量は1.7を乗じて換算される。
このクラスには道内の大学自動車部員を中心に、これからの活躍に期待がかかる若手スラローマーが多く参戦。開幕戦はZC32S型スイフトを駆る矢口泰成選手が、第2戦はホンダS660を操る田中立行選手が勝利を分け合っている。
Heat-1は久しぶりのスナガワに戸惑うスラローマーが多く、手探りの状態でスタート。1分18秒418でトップタイムを出したのは田中選手で、2番手にND型ロードスターを駆る森本里美選手が続く。一方、開幕戦を制した矢口選手は、逸る気持ちを抑えきれなかったのかアンダーを強く出してしまい4番手、Heat-2での巻き返しを誓うこととなった。
夏のスナガワは特に2本目でのタイムアップが難しいといわれるとおり、やはりこのクラスでも田中選手のトップタイムを抜くスラローマーはなかなか現れない。矢口選手もベストタイムを1秒近く上げてみせるが、田中選手までは0.26秒足りず2番手。Heat-1で好走を見せた森本選手も、スナガワの路面変化に打ち勝てずタイムダウンとなり、田中選手が労せず逃げ切った。
更に、田中選手はHeat-2でも絶妙なパイロンワークを披露し、トップタイムを0.794秒更新して今季2勝目に花を添えた。「他のクラスがもっといいタイムを出していて、タイムを上げられると思っていたので良かったです。今回は“タコ壺”に入るところでアンダーを出さずにしっかり速度をコントロールできたのが良かったです」と、田中選手は勝因を分析した。
第4戦以降について、「十勝はスキップする予定ですが、一つでも良い終わり方ができるように頑張ります」と、コメントを残した田中選手の一方、2位に終わった矢口選手は悔しさをにじませた。「島回りでのコントロールが足りませんでした。パイロンセクションに入るスラロームで、つんのめってしまったのが敗因ですね。表彰台に立てたのは嬉しいんですが、1位獲りたかったですね」と語り、リベンジを誓っていた。
R-1クラス
R-1クラスは、後述するR-2クラスに該当する車両以外の、AT・CVT搭載を含む全てのP・PN・N・SA・SAX・B・AE車両で競われる。昨季は86/BRZクラスで4勝をはじめ全戦で表彰台に上がる強さを誇った、小石翔太選手の転向で開幕戦からザワついた。
しかし、軽量でコンパクトな車両が優勢な新千歳では、ZC6型BRZを駆る小石選手は勝利を得られず。一方、車両特性を活かした軽快な走りで開幕二連勝を飾っているのが、1800㏄のNB型ロードスターを操る向中野凌選手だ。そして、大学自動車部員を卒業して社会人になりカムバックしてきた、ZC33S型スイフトをドライブする小畑涼介選手の追撃も目を見張るものがある。今回の一戦最多の14選手による大混戦となり、ストップ・ザ・向中野を果たすのは誰か、注目が集まった。
Heat-1ではクラス中盤でスタートを切った小石選手が、いきなりZC6型BRZの圧倒的なパワーを見せつける走りを披露する。スタートダッシュで猛然と加速し、パワーを受け止めきれないタイヤが空転を始めるが、ここまでの失敗を繰り返すまいと自制する。きれいにスタートを決めるとともに、最初のコーナーへの進入もドンピシャのスピードで突っ込んだ。
小石選手はコース区間でやや曲がりにくそうな動きを見せたものの、アクセルワークで柔軟に対応する。パイロンセクションに入っても、持ち前のトルクフルな特性でリアタイヤをコントロール。幾度となく立ち上がりで姿勢を崩しそうになるも我慢の走りでフィニッシュ、4秒以上もトップタイムを更新してみせた。
向中野選手はインフィールドやパイロンセクションでギリギリまで攻める姿勢を見せるも、直線でのパワー差と立ち上がりでの遅れが積算されていく。この結果、1分14秒49を記録した小石選手がトップに立ち、2番手につけた向中野選手ですら1.152秒差をつけられてしまう。その中でもパイロンペナルティを犯した小畑選手が生タイムで1分14秒台を記録し、新旧スイフト勢が得意とするターンセクションでの強さの片鱗を見せた。
タイムが上がりにくいスナガワだが、スラローマーたちはそれでもHeat-2で必死にアタックを敢行する。Heat-1での生タイムで期待がかかった小畑選手だったが、タイムを残せていないことが仇となったのか、1分15秒フラットに終わってしまう。続く小石選手はトップに立った勢いから、更に自制を効かせた走りで0.619秒更新。周囲の予想を超える、1分13秒台に突入した。
最終ゼッケンの向中野選手はプレッシャーからか、パイロンペナルティで沈んでタイムを更新できず。この結果、順位は小石選手が優勝、2位に小畑選手、3位に向中野選手となった。小石選手は、「タイヤをタテに使うようになってきたのが実を結びました。1本目は車速が速過ぎてサイドブレーキを引いてしまったのが予定外で、そこからリズムが崩れてしまいました。2本目は少しアンパイで走ったんですが、しっかりとタイムを残す走りに徹しました」と、今季初優勝の勝因を振り返った。
続けて「正直クラス変更してから初の優勝で、前回ダブルミスコースの雪辱もあってとても嬉しいです。以前と比べていろいろな車種がいるので揉まれている感じです。今シーズン残りは次戦で連勝決めてから、新千歳に戻りたいですね!」と喜び、チャンピオンを賭けた後半戦の展望を語った。
一方、2位に終わった小畑選手は「1本目は理想どおりだったんですが奥の15番パイロンを触ってしまったのが悔やまれます。2本目はどうしても置きにいくしかなくなってしまいました。最後のサイドターンが上手くできたら届いていたか…… ?もっとミスなく走るしかないです。とにかく1勝したいですね」と次戦での雪辱を誓った。
86/BRZクラス
86/BRZはその名のとおり、ZN6型トヨタ86・GR86/新旧BRZのP・PN・N・SA・SAX・B車両で競われる。小石選手が抜けた穴を埋めるように、北村拓也選手が開幕二連勝と上り調子。先の2戦で表彰台の両脇を占めた、山内見音選手と倉岡克行選手が今回の一戦は不参戦。ライバルがいない中で、やはり北村選手が抜け出した。
Heat-1では1分15秒276と、2番手の尾崎光歩実選手に4秒以上も差をつける。R-1でも2番手に食い込む好タイムをマークした。Heat-2でもその力関係は変わらず、多くのスラローマーたちがタイムを落とす中、北村選手は更に0.357秒トップタイムを塗り替えて完全勝利。チャンピオンに大きく近づく今季3勝目を挙げた。
「1本目はパイロンを行き過ぎる場面があったりと、タイムはもっと上げられるはずでした。今日のコースはパイロンセクションで決まる感じでしたね。小石選手のタイムと比べとまだまだ足りないですし、優勝はしたんですが自分の走りには満足できていません。来年(H-)PNに出たいと思っているんで、自分には厳しくいきたいんです」と、北村選手は言うとおりの厳しい自己判定。後半戦での活躍にも期待がかかる。
R-2クラス
排気量2700ccを超える4WDのAT・CVT搭載も含むP・PN・N・SA・SAX・B・AE車両が競うR-2では、GRヤリスと三菱・ランサーエボリューションの対決になっている。開幕戦から好調を維持、二連勝しているのはGRヤリス駆る川尻尚克選手。しかし、今回の一戦で川尻選手に待ったをかけたのは、ランエボIXをドライブする伊藤健太選手だった。
Heat-1は川尻選手が1分13秒869でトップタイムマークし、0.618秒差で伊藤健太選手が追いかける。勝負のHeat-2で伊藤健太選手が一気にタイムを上げ、川尻選手を0.7秒離す逆転劇を披露! 最終ゼッケンの川尻選手もベストを0.447秒上げたものの、伊藤健太選手の伸びには敵わず2位止まり。伊藤健太選手が嬉しい今季初勝利を手にした。
「1本目はところどころミスが多かったんですが、2本目はチームの皆さんからも助言をもらっていい走りができたと思っています。ターンもしっかりトラクションをかけられました。僕しかジムカーナを走っていないんですが、ラリーやダートを走っているチームの仲間が助けに来てくれるのは本当にありがたいし、助かっています」と会場でも伊藤健太選手を支える、所属するJAF加盟クラブ、オートスポーツプロジェクトブレイン(BRAIN)の仲間たちへの感謝の言葉を忘れなかった。
オープンクラス
学生スラローマーたちを中心に気軽に参戦してステップアップを目指す、クローズドのオープンクラス。先手をとったのは、NA型ロードスターの川浪広大選手。ライバルたちがコース攻略にてこずっている中、トップタイムを記録する。
Heat-2に入り渡辺康太郎選手や伊藤貴弘選手がベストを更新してくるものの、川浪選手のタイムには届かない。川浪選手もトップタイムを塗り替えるべくアタックするが残念ながらタイムダウンするも、逃げ切った。「1本目、もう少し攻められたと思ったんです。逆に2本目は攻められたと思ったんですが、タイムダウンしちゃいました。突っ込み過ぎちゃったのかもしれませんね。次も頑張ります」と、川浪選手は一番時計を獲ったが反省しきりだった。
第3戦を主催したJAF公認クラブ、AG.メンバーズスポーツクラブ北海道(AG.MSC北海道)で事務局長を務めた小池治郎氏は、「今日はトラブルなく、天候にも恵まれて良かったです。車両トラブルがなかったのも良かったですね。全日本組はセッティングをとるためにいらっしゃっていると思うので、気象条件が同じことを願っています。オフィシャルもしっかりとシミュレーションができたので、全日本もしっかり運営していきたいと思います」と、今回の一戦を総括した。
2025年JAF北海道ジムカーナ選手権は7戦中3戦が終了。王座争いは後半戦へと突入していく。
フォト/鈴木あつし[Atsushi SUZUKI] レポート/鈴木あつし[Atsushi SUZUKI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



