PN2米澤匠選手が地元・北海道で全日本ジムカーナ選手権初優勝!

レポート ジムカーナ

2024年7月2日

前日の6月22日に続き、全日本ジムカーナ選手権 第6戦「北海道オールジャパンジムカーナ」が23日に開催された。今シーズン2回目となる2連戦には、第5戦と同じく選手権部門に82台がエントリーした。

2024年JAF全日本ジムカーナ選手権 第6戦「北海道オールジャパンジムカーナ」
開催日:2024年6月23日
開催地:オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース(北海道砂川市)
主催:C.S.C.C.、AG.MSC北海道

 早朝は上空を雲が厚く覆い、気温18度と前日の朝より低かったものの、第1ヒートが始まるころには陽が差し始め、午後の気温は前日より高めのドライコンディションとなった。

 コースレイアウトはパイロンの間が狭いスラローム区間が増え、前日よりもテクニカルに。大会規定により、第6戦は第5戦で使用したユーズドタイヤを装着しなければならず、コースは路面の攻撃性が高くタイヤの摩耗が激しいこともあり、多くの選手は「第1ヒートが勝負になるのでは?」と予想していた。

パイロンセクションを設けつつも、前日の第5戦より外周のストレート区間を多く取り入れたハイスピード設定。

PN2クラス

 PN2クラスは、クラス先頭走者の米澤匠選手(マツダ・ロードスター)が、2番手タイムのSHUN選手(マツダ・ロードスター)に0.192秒差をつける1分13秒766のタイムでトップに立つ。第2ヒートは、上位陣がミスコースやタイムダウンという結果に終わる中、前日の第5戦を制した小林規敏選手(マツダ・ロードスター)が1分13秒台に飛び込みSHUN選手をかわすが、米澤選手のタイムには0.157秒届かず。

「第5戦は公開練習のつもりで走って、しっかりタイヤの皮むきができました(笑)。今回のコースレイアウトは地元勢にとって有利だったと思いますが、やはり全日本優勝はうれしいです。第1ヒートのタイムで逃げ切ることができて良かったです」という米澤選手が、全日本初優勝を飾った。2位に小林選手、3位には「昨日(第5戦)に照準を合わせて表彰台を狙っていたのですが叶わず、今日はリベンジできたと思います」というSHUN選手が入賞した。

PN2クラス優勝は米澤匠選手(シンシアAZURロードスター)。
PN2クラスの表彰式。左から2位の小林規敏選手、1位の米澤選手、3位のSHUN選手。

PE1クラス

 前日の第5戦を制したPE1クラスの山野哲也選手(アルピーヌ・A110R)が、第1ヒートで1分11秒台という驚異的なタイムでゴールするものの、ゴール直前のパイロンに触れ、幻のベストタイムに。第1ヒートのトップに立った牧野タイソン選手(アルピーヌ・A110S)は、第2ヒートでタイムアップを目論むものの、今度は牧野選手がパイロンタッチでタイムアップならず。

 牧野選手が第1ヒートでマークしたベストタイムが更新されず、このまま牧野選手が逃げ切るかと思われたが、第1ヒートをパイロンタッチで終えた山野選手は、「久々に第1ヒートでパイロンタッチしてしまったので、第2ヒートはパイロンに書かれている文字を読み取れるくらい、パイロンを凝視しました」と、ベストタイム更新。今季5勝目を挙げ、早くも今シーズンのチャンピオン獲得に王手をかけた。2位に牧野選手、3位には第2ヒートでタイムアップを果たした大橋政哉選手(アルピーヌ・A110S)が入賞した。

PE1クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY71RS A110R)。
PE1クラスの表彰式。左から2位の牧野タイソン選手、1位の山野選手、3位の大橋政哉選手。

PE2クラス

 PE2クラスも、PE1クラス同様に前日の第5戦で優勝した高屋隆一選手(スバル・BRZ)が、第1ヒートのトップタイムを刻みながらも、パイロンタッチでポジションダウンという展開に。第2ヒートは、その高屋選手がベストタイムを更新してトップに立つが、第1ヒートでベストタイムを奪ったダブルエントリーの河本晃一選手(スバルBRZ)が、高屋選手を上回るペースでコースを攻めていく。

 だが河本選手は2本のパイロンに触れてしまい、高屋選手より約2秒速いタイムでフィニッシュするものの、幻のベストタイムに終わった。高屋選手が第5戦に続き2連勝を挙げ、シリーズランキングでも河本選手を抜きトップに立つ。2位に河本選手、3位には第5戦と同様、ベテランの大川裕選手(フォルクスワーゲン・ポロ)が入賞した。

PE2クラス優勝は高屋隆一選手(BSぢっぷすNT☆CP2BRZ)。
PE2クラスの表彰式。左から2位の河本晃一選手、1位の高屋選手、3位の大川裕選手。

PN1クラス

 朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)と斉藤邦夫選手(トヨタ・ヤリス)が、毎戦0.01秒を競う激戦を見せているPN1クラス。スナガワ2連戦のラウンド2は、第5戦の第2ヒートで第6戦に向けてタイヤを温存する作戦に出た斉藤選手が、第1ヒートで朝山選手を0.009秒かわして今季2勝目を挙げ、逆転チャンピオンに望みをつないだ。2位に朝山選手、3位にはタイムダウンが続出した第2ヒートでタイムアップを果たした阪本芳司選手(トヨタ・ヤリス)がそれぞれ入賞した。

PN1クラス優勝は斉藤邦夫選手(ネッツ群馬ジースパイス ヤリス)。
PN1クラスの表彰式。左から2位の朝山崇選手、1位の斉藤選手、3位の阪本芳司選手。

PN3クラス

 PN3クラスは、前日の第5戦で3位に甘んじたシリーズポイントトップの大多和健人選手(マツダ・ロードスターRF)が、第1ヒートで第5戦優勝のユウ選手(マツダ・ロードスターRF)に0.039秒差のタイムで逃げ切り、第5戦のリベンジとともに今季4勝目を挙げた。

「ユーズドタイヤで走る第6戦に向けて、セットアップを続けてきました。結果が出て満足です」と大多和選手。「タイヤのことを考えると、第1ヒートで決めたかった」というユウ選手が、第2ヒートで0.04秒のタイムアップを果たすものの、大多和選手には届かず2位。第1ヒートのパイロンタッチを第2ヒートでリカバリーした川北忠選手(マツダ・ロードスターRF)が3位に入賞した。

PN3クラス優勝は大多和健人選手(身延熊王TMW牧速ロードスター)。
PN3クラスの表彰式。左から4位の久保真吾選手、2位のユウ選手、1位の大多和選手、3位の川北忠選手、5位の山口克之選手、6位の遠藤貴郁選手。

PN4クラス

 破竹の3連勝を挙げている若手の奥井優介選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)がこの第6戦でも好調をキープし、第1ヒートのトップに立つ。第1ヒートで津川信次選手(トヨタ・GRヤリス)を0.364秒抑えて2番手につけた松本敏選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)が、第2ヒートでタイムアップしてくるものの奥井選手には0.155秒届かず。

「連勝できて、ホッとしています」という奥井選手が今季4勝目を飾り、今回3位に入賞したシリーズランキングトップの津川信次選手に、シリーズポイントも2ポイント差まで迫る結果となった。

PN4クラス優勝は奥井優介選手(DLATSRSK茨トヨヤリス犬)。
PN4クラスの表彰式。左から4位の折茂紀彦選手、2位の松本敏選手、1位の奥井選手、3位の津川信次選手。

BC1クラス

 BC1クラスは、前日の第5戦を制した橋本克紀選手(ホンダ・シビック)が、この第6戦でも両ヒートでベストタイムを記録する圧巻の走りで今季2勝目を飾った。2位には、第1ヒートのパイロンタッチを第2ヒートでリカバリーした西井将宏選手(ホンダ・インテグラ)が入賞。

 3位には「第1ヒートはミスが多かった中で2番手タイムだったので、第2ヒートで挽回できなかったのが悔しいです。2年前に全日本のデビュー戦で優勝して以来、優勝どころか表彰台にすら登れない状態が続いたんですけど、この2年間の努力は無駄じゃなかったと思います」というケイヤ選手が獲得した。

BC1クラス優勝は橋本克紀選手(メカスタBS桐生鈑金シビック)。
BC1クラスの表彰式。左から4位の日部利晃選手、2位の西井将宏選手、1位の橋本選手、3位のケイヤ選手、5位の合田尚司選手、6位の小武拓矢選手。

BC2クラス

 前日の第5戦を制した広瀬献選手(ホンダ・S2000)が、第1ヒートでクラス唯一となる1分11秒台のタイムでトップに立ったBC2クラス。その広瀬選手は第2ヒートで1分10秒台に突入。2位以降を大きく引き離す走りで、今季2勝目を挙げた。

 2位は「結果的に第5戦でタイヤ選択を失敗したことが第6戦にも影響しましたが、その中で2戦とも2位に入れたのは良かったです」という若林拳人選手(ロータス・エキシージ)が獲得。3位には第1ヒートのタイムで藤井雅裕選手(マツダ・RX-7)が入賞した。

BC2クラス優勝は広瀬献選手(WMマロヤBS林歯科S二千亜舎)。
BC2クラスの表彰式。左から2位の若林拳人選手、1位の広瀬選手、3位の藤井雅裕選手。

BC3クラス

 BC3クラスは、前日の第5戦で2位に甘んじた大橋渡選手(スバル・インプレッサ)が、第6戦では第1ヒートのタイムで逃げ切り優勝。シリーズランキングも単独トップに返り咲き、前日のリベンジを果たした。

 2位には「第1ヒートのゴール前でサイドブレーキの効きが悪く、大きくタイムロスしてしまった」という菱井将文選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞。3位は、第2ヒートはミスコースに終わったものの、第1ヒートのタイムで一色健太郎選手(トヨタ・GRヤリス)が獲得した。

BC3クラス優勝は大橋渡選手(DLプレジャーインプレッサ)。
BC3クラスの表彰式。左から2位の菱井将文選手、1位の大橋選手、3位の一色健太郎選手。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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