2018 FIA-F4/JAF-F4シリーズレビュー

2019年3月15日

 

FIA-F4
2018王者の角田裕毅はチャンピオンの肩書を引っ提げて欧州へ武者修行開始!

 2018年に4シーズン目を迎えたFIA-F4選手権は、フル参戦2年目の角田裕毅がチャンピオンを獲得。所属するHFDPこと、Hondaフォーミュラドリームプロジェクトとして初の王者輩出となった。しかしながら、角田にとって幸先は決して上々ではなかった。 岡山での第1戦を後続車両の追突で、いきなり落としてしまったからだ。代わって優勝をモノにしたのは、チームメイトの名取鉄平。 2017年にスポット参戦の経験があるため、デビューウィンとはならなかったが、その存在を大きくアピールすることとなった。

 だが、早々のリタイアでタイヤを使わずに済んだメリットはあるとはいえ、第2戦では角田は16秒差の圧勝を飾る。 切り替えのうまさも、強さの一因だったのは間違いない。その後は富士、鈴鹿も股にかけ、5連勝を飾る。 そんな角田を止めたのは、トムススピリットの小高一斗。ホームコースの富士で、角田、名取らと激しいバトルを繰り広げ、連勝を飾る。 しかし、小高の閃光はそれまで。その後は優勝を飾ることはできず、3度の表彰台に上がるに留まった。

 SUGOでの第9戦は名取が2勝目を挙げ、第10戦では角田が連敗を「3」で止め、6勝目をマークする。 その結果、続くオートポリスでは、最終大会を待たずして、チャンピオンを決める可能性もあったが、そこにはまさかの試練が待っていた。 なんと角田が予選でクラッシュ。マシンそのもののダメージはひどくなかったものの、リヤタイヤを2本とも交換せざるを得ず、最後尾スタートを強いられ、8位、11位という結果に甘んじてしまったのだ。

 そのオートポリスでは新星が誕生した。初優勝、そして連勝を飾ったのはOTGの菅波冬悟。角田や名取、そして小高とは異なり、メーカーの育成ドライバー以外では久々の優勝となった。それまでも速さは見せていたが、なかなか結びつかなかった結果が、ようやく追いつくこととなった。

 そして迎えたもてぎでの最終大会。逆転に一縷の望みを残す名取がWポールを奪うが、第13戦で角田が逆転優勝を果たし、王手をかけることに。そして、初めて守りのレースに入ったであろう、最後のレースで2位に入り、角田はタイトルを掌中に収めることとなった。優勝は名取だった。

 「本当は優勝して決めたかったのですが、リタイアでもしたなら1年間やってきたことが無駄になってしまうので、とりあえず表彰台に上がってチャンピオンになれたのは良かったです。今、やっと肩の荷が下りた感じです」と角田。 強烈なプレッシャーから解放されたからか、普段はあまり見せない笑顔を、表彰台でしっかり見せてくれた。

 ランキング2位は名取で、3位は小高。最高位は2位だったものの、ランキング4位を獲得したLe Beausset Motorsportsの川合孝汰は全戦で入賞という、前人未到の記録を達成している。これに続く5位が菅波だった。 また、2018年に新設された、35歳以上もしくは女性ドライバーを対象とするインディペンデントカップでは、植田正幸がチャンピオンに輝いた。

2018FIA-F4ドライバーランキング
1位 角田裕毅 245pt
2位 名取鉄平 231pt
3位 小高一斗 188pt
4位 川合孝汰 135pt
5位 菅波冬悟 119pt
6位 澤田真治 64pt

第2戦から5連勝と一気にシリーズの主導権を握った角田。シリーズ後半は2勝にとどまった初のタイトルを獲得した。
シリーズ3位の小高一斗(左)は今年、名門トムスのワークストライバーとして全日本F3にステップアップを果たす。チャンプ角田、シリーズ2位の名取はともに日本を離れ、FIA F3に挑戦する。

JAF-F4
東西ふたつのシリーズともJAF-F4を知り尽くすベテランが戴冠!

 2018年のJAF-F4ことJAF・F4地方選手権は、東日本シリーズ、西日本シリーズともに全7戦で争われ、チャンピオンは金井亮忠、久保宣夫といった、ともにF4のベテランドライバーが獲得した。金井は2010年以来の王座返り咲きとなり、久保は初戴冠となった。

 東日本シリーズはSUGOでのWヘッダーから幕を開け、太田達也が連勝を飾るも、続くもてぎでの第3戦はウェットの決勝で、金井が2位に27秒もの差をつけて圧勝。 これで一気に火がついた。第4戦こそトラブルで完走扱いにはならなかったが、他を2秒近く上回るファステストラップを記録し、再びWヘッダーとなったSUGOで連勝。 やはりウェットとなった第6戦にいたっては、2位にほぼ50秒の大差をつけ、同時に最終戦を待たずしてチャンピオンを獲得した。

 金井はNATS/日本自動車大学校の講師。生徒とともに手塩にかけてきたオリジナルマシン、「NATS 001の熟成が進んできて、安定した走りができるようになってきた」のに加え、「得意のウェットでもぶっちぎれましたが、ドライでもいい成績が残せるようになった」ことが強さの秘訣だったと金井。 ランキング2位はSUGOの第5戦、6戦でいずれも2位の伊藤裕仁が獲得。また、第4戦では小倉可光が、そして富士での最終戦では三宅淳詞が、それぞれ初優勝を飾っている。

2018JAF-F4東日本シリーズドライバーランキング
1位 金井亮忠 87pt
2位 伊藤裕仁 58pt
3位 太田達也 52pt
4位 ハンマー伊澤 51pt
5位 太田格之進 45pt
6位 小倉可光 42pt

JAF-F4東日本シリーズは、NATS/日本自動車大学校の教え子達とともに参戦する金井亮忠が2度めのタイトルを獲得した。

 西日本シリーズでは、開幕戦の鈴鹿で太田格之進がポールポジションを奪い、デビューウィンを狙うも、序盤の接触でリタイアを喫してしまう。 優勝は植田正幸。しかし、続く岡山でのWヘッダーで初優勝、そして連勝を飾ると、出場したレースすべて、太田格之進は優勝。 しかし、再びWヘッダーとなった岡山の欠場が響いて、コンスタントにポイントを稼ぎ続けた久保に7ポイント差で屈することとなった。

 2006年からJAF-F4に出場している久保ながら、それまでに挙げた優勝は2009年の開幕戦のみ。 「それまで2位、3位は何回かあったけど、岡山でWポール・トゥ・ウィンができたことが、いちばん印象深い。スポット参戦だったけど、岡山マイスターの岡本(大地)君相手に互角以上にやれたのは、この歳でよう頑張ったんちゃうかな。 やっぱり若い奴らは速いもん!でも、乗る前から負けとったら、よけい負けるから、ちょっと頑張っているんですけど(笑)。歴代のチャンピオン、牧野任祐やら角田裕毅やらを相手に。こっちは歳いって、維持するのが精いっぱい。 でも、自分自身気合を入れて、カラダもちょっと絞って、取り組み方も変えて。賭けていたシーズンだったので獲れたのは、メンバーに恵まれたおかげです」と久保。

 一方、敗れたとはいえ、太田格之進は「久保選手に獲ってもらいたかったので、僕も嬉しい」と語っていたのは、チームメイトとして真摯に活動する姿を間近で見続けていたからなのだろう。今年は久保に連覇の期待がかかる。

2018JAF-F4西日本シリーズドライバーランキング
1位 久保宣夫 87pt
2位 太田格之進 80pt
3位 佐藤セルゲイビッチ 37pt
4位 中島功 35pt
5位 植田正幸 34pt
6位 三宅淳詞 30pt

JAF-F4西日本シリーズは長くこのシリーズを追い続けてきた久保宣夫が初タイトル。夏の岡山国際サーキットでの1勝が効いた。
チャンピオンの久保(左)と2位の太田(右)。太田は12月に行われたF4日本一決定戦を制した若手有望株だ。

2019 FIA-F4開催日程
第1戦&第2戦 4/13-14 岡山国際サーキット
第3戦&第4戦 5/3-4 富士スピードウェイ
第5戦&第6戦 5/25-26 鈴鹿サーキット
第7戦&第8戦 8/3-4 富士スピードウェイ
第9戦&第10戦 9/7-8 オートポリス
第11戦&第12戦 9/21-22 スポーツランドSUGO
第13戦&第14戦 11/2-3 ツインリンクもてぎ
※全戦、スーパーGTシリーズと併催。

2019 JAF-F4開催日程
第1戦 4/21 2019もてぎチャンピオンカップレース第2戦 ツインリンクもてぎ
第2戦&第3戦 5/18-19 2019 SUGOチャンピオンカップレース スポーツランドSUGO
第4戦 5/30-6/2 ピレリスーパー耐久レース 富士スピードウェイ
第5戦 7/5-7 2019もてぎチャンピオンカップレース第3戦 ツインリンクもてぎ
第6戦&第7戦 7/27-28 2019 OKAYAMAチャレンジカップレース第4戦 岡山国際サーキット
第8戦 9/21-22 2019 富士チャンピオンレース第4戦 富士スピードウェイ
第9戦&第10戦 10/26-27 筑波チャレンジクラブマンレース第4戦 筑波サーキット
特別戦 12/7-8 鈴鹿クラブマンレース Final Round 鈴鹿サーキット
(2レース)
※今年から東西の2シリーズ制を廃して全国統一のシリーズに1本化。

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