【オフィシャル連載コラム 第3回】オフィシャルライセンスを取得して、モータースポーツに参加しよう!

コラム オフィシャル

2026年11月2日

オフィシャルライセンスには種類ごとに等級がある

 JAFは、モータースポーツの競技参加者に向けてドライバー(競技運転者)ライセンスを発給していますが、競技会の運営に携わる人々に向けた『オフィシャル(公認審判員)ライセンス』も発給しています。

 ドライバーライセンスと聞くと、AライセンスやBライセンスという呼称を聞いたことがある人も多いでしょう。オフィシャルライセンスにも同様に“A級”と“B級”(カートについては後述)があり、初めてオフィシャルの役務(えきむ)に就く人はB3級からスタートします。このB3級を取得すると、国内格式以下の各種競技会でオフィシャルとして活動することが可能です。

 そこから経験を積んで、レース競技のオフィシャルを専門的に取り組んでいく場合はA2級、A1級と上級申請をしていきます。またラリー、そしてジムカーナやダートトライアルといったスピード競技のオフィシャルとして専門的に取り組むにはB2級、B1級と上級申請をしていきます。

 さらに、オフィシャルライセンスには担当する役務によって、コース、計時、技術の3種類があり、この種類ごとに等級があります。経験を重ねながら、試験を受けて上位のライセンスへステップアップできる仕組みになっています。

四輪自動車競技 オフィシャルライセンスの等級
四輪自動車競技
オフィシャルライセンスA オフィシャルライセンスB
コース - A2級 A1級 コース B3級 ※ B2級 B1級
計時 計時
技術 技術
  • B3級は、どの競技会にも参加できます。

 なお、カート競技のオフィシャルライセンスは、四輪モータースポーツとは別に用意されています。こちらはA級・B級の区分がなく、コース、計時、技術の3種類それぞれに3級から1級までの等級が設定されており、四輪自動車競技 オフィシャルライセンス同様に3級からスタートします。

カート競技 オフィシャルライセンスの等級
カート競技 オフィシャルライセンス
コース 3級 2級 1級
計時
技術

オフィシャル活動の第一歩はB3級から

 オフィシャルライセンスを取得する第一歩となるのが、B3級です。すでにドライバーの国内Bライセンスを持っている人なら、JAFに申請するだけで取得できます。国内Bライセンス講習会では、運転に関する知識だけでなく、モータースポーツ競技全般の基礎知識を学びます。そのため、これを受講することで、オフィシャルとして活動するうえで必要となる基礎知識も身につけられるというわけです。

 また、オフィシャルの補助員を経験することもB3級の取得条件のひとつとなっているため、オフィシャルライセンスがなければオフィシャルを始められない、ということはありません。まずはオフィシャルの補助員として競技会に参加し、その後にライセンスを取得して、さらに多くの競技会に関わっていくことも可能です。

 オフィシャルライセンスB3級を取得し、オフィシャルとして活動を始めたいと思ったら、まずは自分が関わりたい競技会を主催するJAF公認・加盟・準加盟クラブに、電話やメールで問い合わせてみましょう。そして、継続してそのクラブの競技会に参加したいのであれば、クラブに所属するのもオススメです。

モータースポーツ講習会一覧はコチラ

 各地の競技会場で開催される競技会の観戦後にパドックなどを訪ねて、現場のオフィシャルから直接話を聞いてみるのもよいでしょう。実際に活動している人の声を聞くことで、オフィシャルの役務がより具体的に見えてくるはずです。

 第2回で紹介した、各地のJAF公認サーキットで開催されるオフィシャル体験会に参加してみるのも、活動を始めるうえで役立つはずです。体験会はオフィシャルライセンスがなくても参加できます。主催者に相談すれば、体験会の後もライセンス取得やオフィシャルと活動について、より詳しい話が聞けるかもしれません。

四輪自動車競技のオフィシャルライセンス取得の流れ
(1)国内Bライセンス講習会受講
(2)オフィシャルライセンス申請 ※取得したい役務を選択(コース/計時/技術)
(3)オフィシャルライセンス取得
カート競技のオフィシャルライセンス取得の流れ
(1)取得したい役務を選ぶ(コース/計時/技術)
(2)選んだ役務のオフィシャルライセンス講習会を受講 ※試験に合格
(3)オフィシャルライセンス申請 ※クラブ・団体による推薦により申請も可能 ※(2)で受講した役務のライセンスのみ申請可能
(4)オフィシャルライセンス取得
  • いずれも満18歳以上、JAF個人会員である必要があります。
オフィシャル体験会への参加にライセンスは必要ありません。まずは各地のJAF公認サーキットで開催される体験会に参加してみることで、自分にふさわしい役務を見つけるのに役立ちます。

オフィシャルライセンス3級取得に係る費用の目安

経験を積んで上位ライセンスを目指そう

 オフィシャルとして経験を重ね、より深く競技会の運営に関わりたいと思ったら、上位のオフィシャルライセンスを目指してみるのもいいでしょう。

 ただし、上級申請には、オフィシャルとして一定の活動実績が必要です。例えば、B3級からA2級へ申請する場合は、2年以内に7回以上の役務を経験し、そのうち2回以上はレースでの役務を務めていることが条件となります。

 また、さらに上級となるA2級からA1級への申請には、2年以内に6回以上の役務を経験し、そのうち3回以上はレースでの役務を務めている必要があります。

 こうした条件を満たしたうえで公認審判員(上級)講習会を受講し、講習会で行われる試験に合格すれば上級ライセンスを取得できます。

上級申請には決められたルートがあります。B3級からはB2級またはA2級へ、B2級からはA2級またはB1級へ、A2級からはB1級またはA1級へ、そしてB1級からはA1級へとステップアップできます。

公認審判員(上級)講習会一覧はコチラ

ライセンス上級で広がる役務の範囲

 A2級を取得すると、準国内格式までの競技会で監督役務を行えるようになります。そして、A1級を取得すれば、すべての格式の競技会で監督役務につくことができます。

 監督役務とは、担当する分野でリーダー的な立場を担う役務のことです。例えば、技術A2級を取得すれば、各サーキットで開催されるレースシリーズのような準国内格式までの競技会で、技術部門のリーダー的な立場を担う資格を得ることになります。

 一方、スーパーフォーミュラやスーパーGTといったビッグレースは、国内格式より上位の国際格式で開催されるため、そこで監督役務を行うにはA1級が必要になります。

 ただし、A2級を取得したからといって、すぐに監督役務を任されるとは限りません。上級ライセンスを取得するということは、より広い範囲の役務を担える資格を得るということであり、実際にどのような役割を任されるかは、経験や実績などによっても変わります。より責任のある立場で役務を担うためには、まずは自分が担当する分野の規則に精通していることが求められます。

 上級を目指す人のために開催されるオフィシャルライセンス講習会では、オフィシャルにとって特に重要なJAF国内競技車両規則やFIA国際モータースポーツ規則などについて講義が行われます。そして、内容を十分に理解しているかを確認するため、最後に試験が実施されます。

 なお、上級申請の条件を詳しく知りたい人は、下記のリンクから『国内競技規則細則』>『JAFスポーツ資格登録規定』のPDFを閲覧してみてください。上級申請のルートを示したチャート図も掲載されています。

JAF国内競技規則・細則・各種規定

オフィシャルライセンス講習会では、JAF国内競技車両規則やFIA国際モータースポーツ規則など、競技運営に欠かせない規則を学びます。講義の最後には、理解度を確認するための試験が実施されます。

自分に合ったスタイルでモータースポーツを支えよう

 さまざまなオフィシャルの役務がある中で、一つの分野を極めるというスタイルもあります。例えば、技術A2級から技術A1級へとステップアップし、技術分野の第一人者として長らく活躍できたら、オフィシャルとして理想的なキャリアのひとつといえるでしょう。

 あるいは、複数の種類のオフィシャルライセンスを取得して異なる役務を担当することも、モータースポーツのさまざまな側面を知る貴重な経験となるはずです。また、複数の役務をこなせるオールラウンドなオフィシャルは、どの競技会にとっても非常に心強い存在でもあります。

 経験を重ねながら、さまざまな立場でモータースポーツを支えていきたいという方は、ぜひともオフィシャルライセンスのステップアップルートを駆け上がってみてください。

PHOTO/大野洋介 [Yousuke OHNO]、今村壮希[Souki IMAMURA] REPORT/田代康[Kou TASHIRO]、JAFスポーツ編集部 [JAFSPORTS]  PRODUCTION COOPERATION/スポーツランドSUGO[SPORTSLAND-SUGO]、菅生レーシングスポーツクラブ[SRSC]、オートパラダイス御殿場[AUTO PARADISE GOTEMBA]、チームマグナスオートクラブ[TMAC]

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