スーパーGTが無観客レースとして富士で開幕。GT500&GT300ともにスープラが優勝

レポート レース

2020年7月28日

新型コロナウイルス感染症の拡大でレースカレンダーが大幅に変更となったスーパーGTシリーズが、3か月遅れで富士スピードウェイにおいて1DAYイベントとして開幕した。現地入りする関係者には厳しい健康チェックが行われ、第4戦までは無観客レースとなったが、無人のグランドスタンドなど異様な雰囲気での開幕戦だった。

2020 SUPER GT Round1 たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE
開催日:7月19日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C、GTA

 新型コロナウイルスの感染拡大で2020年のスーパーGTシリーズの日程は大幅に変更。開催地も富士、鈴鹿、もてぎの3サーキットに絞られた。そして開幕戦の舞台は富士。感染を防止するために、ドライバーを含むチームスタッフ、オーガナイザー、メディアなど約1,700名の入場者には、レース開催の2週間前から毎日の健康状態と体温を含む症状確認フォームの入力が求められ、またサーキットのゲートでは検温チェックも行われた。

 レーシングチームのスタッフはドライバーを含め16名までに制限。また取材メディア(ライター、フォトグラファー)も70名まで絞られた。さらにピットへの出入りもチームスタッフ以外は制限され、スタッフがピットに入る際に靴を消毒するよう感染防止を徹底したチームも見受けられた。

 “ステイホーム”期間中、自宅でリラックスしたドライバーも多かったようだが、自宅でできるフィジカルトレーニングを続けて体力維持に努めたり、グランツーリスモを使い運転感覚をキープしたり、以前のF1やレースの映像を観てモチベーションを高めるなどしたドライバーもいた。また外出自粛解除後は、カートでトレーニングを行うなどして、開幕戦を迎えたドライバーも多かったようだ。

メディアやチーム関係者には事前に入場用の駐車パスが発行され、富士スピードウェイのゲート通過時に検温チェックも実施された。
通常ならスーパーGTのファンで埋め尽くされるグランドスタンドも、無観客開催のためにガランとした状態となった。
“S-GTを戦う全てのチームを応援しています”と題した巨大な国旗には、モータースポーツファンからの応援の寄せ書きが記されていた。
チームスタッフ以外はピットへの出入りが制限されており、ベルトパーティションのエリアで窓口スタッフを呼び出すシステムだ。
ピットにはチームスタッフや訪問者用の手指の消毒の他、靴裏の消毒まで用意しているチームも見受けられた。

 この開幕戦は予選と決勝を19日に行う1DAYイベント(第2戦は2DAYイベントを予定)だったが、18日夕方には霧のかかる悪天候ながら公式練習が行われた。19日は前夜の雨も上がり公式予選GT300クラスAグループのQ1開始時点ではコースの一部にウェットパッチが残るコンディション。しかしBグループのQ1までにはほぼ路面は乾いた。

 GT500クラスは今季車両が一新され、よりFIAクラス1規定に近づいたものとなった。予選では3台がコースレコードをマークしたが、37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/ニック・キャシディ組)がポールポジションを獲得。2番手に8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)、3番手に36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)がつけた。

 GT300クラスは65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)がポールポジションで、2番手は11号車GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)、3番手は2号車シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)となった。

 66周の決勝レースは、曇り・ドライ、気温26℃、路面温度39℃とこの時期としては比較的涼しいコンディションで、15時にフォーメーションラップが始まった。15時3分にセーフティカー(SC)が隊列から離れグリーンランプ点灯と共についに2020年シーズンのレースがスタート。しかし直後の100Rで2台のGT500車両が接触し、1台がリアを大破してストップ。これでいきなりSCが導入された。

 4周完了でバトル再開。ポールスタートの37号車スープラのキャシディ選手は2番手をじわじわと引き離して独走状態に持ち込む。23周目に36号車スープラのフェネストラズ選手が2番手を奪ってTOM'Sが1-2体勢に。

 中盤33周でGT500の全車がルーティーンピットを終えた直後の36周目、13コーナーで接触して身動きの取れない車両があり再びSCが導入された。この時トップの37号車スープラは、2番手36号車スープラとの差を24.4秒まで広げていたが一気にそのマージンはなくなった。

 41周完了でバトルが再開されると、37号車スープラの平川選手は36号車スープラの関口選手の追撃をかわして優勝。TOM'Sが1-2フィニッシュ、スープラは上位5台を独占する圧倒的なパフォーマンスをデビューレースで発揮した。

 GT300クラスは、スタートで11号車GT-Rの安田選手がトップに立つも、17周目には65号車AMGの菅波選手、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)の川合選手にかわされ3番手へ順位を落とした。

 24周で65号車AMGが早めのピットイン。しかしここで左リアタイヤの交換に手間取り、大きなタイムロス。52号車スープラは30周でピットインしタイヤ無交換作戦を敢行した。これで52号車スープラが実質的なトップに立った。2度目のSCランが解けると、2番手は11号車GT-Rの平中選手となった。

 そして終盤にはタイヤ無交換作戦の5号車マッハ車検GTNET MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也組)、56号車リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤浪清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)、65号車AMG、さらに2台の計5台が激しい3番手争いを繰り広げたが、5号車86が逃げ切り表彰台を獲得した。

 優勝は52号車スープラで、スープラはGT500/GT300の両クラスをデビュー戦で制覇。吉田選手は2012年に初優勝を経験しているが、そのレースはCドライバー登録でドライブしておらず、これが実質的な初優勝。川合選手はデビュー戦での優勝となった。2位は11号車GT-Rだった。

GT500クラスは平川亮/ニック・キャシディ組のKeePer TOM'S GR Supraがポール・トゥ・ウインを飾った。
GT500クラスの表彰式。左から2位のau TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)、1位のKeePer TOM'S GR Supra(平川/キャシディ組)、3位のWAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組)。
GT300クラスは吉田広樹/川合孝汰組の埼玉トヨペットGB GR Supra GTが優勝し、GT500とともにスープラが優勝を独占。
GT300クラスの表彰式。左から2位のGAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)、1位の埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田/川合組)、マッハ車検GTNET MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也組)。
嵯峨宏紀選手といえばドライバーズアピアランスでのパフォーマンスが有名だが、今回は“コロナ中につき自粛中!!”とのこと。心なしかその表情は寂しそう!?
富士スピードウェイのイメージガール“クレインズ”もロゴ入りマスクで登場。その他、選手たちもチームカラーのマスクを装着していた。
チームマスクコレクション①。左上:ARTA/野尻智紀選手。右上:TGR TEAM WedsSport BANDOH/国本雄資選手。左下:TGR TEAM KeePer TOM'S/ニック・キャシディ選手。右下:TGR TEAM ZENT CERUMO/石浦宏明選手。
チームマスクコレクション②。左上:TGR TEAM SARD/中山雄一選手。右上:Modulo Nakajima Racing/大津弘樹選手。左下:TEAM KUNIMITSU/山本尚貴選手。右下:TEAM IMPUL/佐々木大樹選手。
チームマスクコレクション③.左上:apr/織戸学選手。右上:埼玉トヨペットGreen Brave/川合孝汰選手。左下:R&D SPORT/井口卓人選手。右下:K2 R&D LEON RACING/蒲生尚弥選手。
HOPPY team TSUCHIYAの土屋武士監督は、昔に自身が着用していたレーシングスーツをリメイクしたマスクや、難燃性素材の自作マスクを用意。スタッフやメカニックに配布した。
7月18日にはWAKO'S 4CR GR Supraの実車を用いて救出訓練が実施された。このスープラでは初の試みということで、救助のための手順をしっかりと確認。

フォト/石原康、遠藤樹弥、皆越和也、JAFスポーツ編集部 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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