野村勇斗選手が3連勝&年間12勝で最終大会を飾りマスタークラスは清水康弘選手が初戴冠確定

レポート レース

2025年12月5日

2025年スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL) 第6大会は、前回大会から3か月近いインターバルを挟んだ11月28~30日にモビリティリゾートもてぎにおいて3レースが行われ、前回大会でタイトルを確定させた野村勇斗選手(B-MAX RACING TEAM)が3連勝を飾り年間18戦中12勝とした。また、マスタークラスでは清水康弘選手(GNSY RACING)がタイトルを確定させ、最終レースでは9勝目を挙げた。

2025年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第16戦/第17戦/第18戦
開催日:2025年11月28~30日
開催地:モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)
主催:ホンダモビリティランド株式会社、M.O.S.C.

予選

 今大会にエントリーしたのは、7チームからマスタークラスの4台を含む15台。3年間ヨーロッパのF4やフォーミュラ・リージョナルを戦って来た山越陽悠選手(DELiGHTWORKS RACING)、ケイレン・フレデリック選手に代わりFIA-F4を経験した松井啓人選手(B-MAX RACING TEAM)、KEN ALEX選手(BUZZ RACING)が新規参戦となった。

 快晴で気温9度と冷えた29日の8時50分に第16戦の公式予選がスタート。なかなかタイヤが暖まらない中、最終盤に野村選手が1分43秒135をマークしてポールポジションを獲得。わずか0.012秒差の2番手に佐野雄城選手(TOM’S)がつけ、3番手は小林利徠斗選手(TOM’S)。そして三井優介選手(DELiGHTWORKS RACING)、ザック・デビッド選手(B-MAX RACING TEAM)、SFLデビューの山越選手が続いた。マスタークラスではSFLデビュー戦となるALEX選手がいきなりのポールポジションを獲得した。

 10分間のインターバルを挟んで行われた第17戦の公式予選では、野村選手がコースレコードとなる1分42秒597で連続ポールを獲得。佐野選手、小林選手、山越選手、三井選手、松井選手の順で続いた。マスタークラスではALEX選手が連続ポールとなった。

第16戦、第17戦ともポールポジションは野村勇斗選手(B-MAX RACING TEAM)。

第16戦

 29日の第16戦は14周のレース。晴れで気温17度、路面温度26度というコンディションで14時13分にスタートした。ここでは佐野選手が出遅れて1コーナーまでに小林選手が2番手を奪った。さらに2コーナーで三井選手が3番手へ順位を上げたが、佐野選手もS字で三井選手を抜き返した。トップの野村選手と2番手の小林選手の間は中盤に1秒から2秒ほどに広がり、中団では4番手争いや、7番手争いが接近戦となるも順位の変動はなかった。

 9周目のヘアピンでマスタークラスの今田信宏選手(JMS RACING TEAM)がコースオフ。10周目にセーフティカー(SC)が導入され、野村選手のマージンはなくなり各車両が縦列となった。12周完了でレースはリスタートとなったが、ゴールまでの2周では順位に変動はなく、野村選手がポール・トゥ・ウィンで今季10勝目を挙げた。2位は小林選手、3位は佐野選手。4~6位には三井選手、SFLデビュー戦の山越選手、古谷悠河選手(TOM’S)がゴールした。

 マスタークラスではALEX選手がスタートで出遅れ、さらにオープニングラップのビクトリーコーナー出口でスピンを喫し順位を落とした。スタートでトップに立った清水選手が今季8勝目を挙げ、これで今季のマスタークラスタイトルを確定させた。

第16戦優勝は野村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は小林利徠斗選手(TOM’S)、3位は佐野雄城選手(TOM’S)。
第16戦表彰の各選手。
第16戦で清水康弘選手がマスタークラスのチャンピオンを確定させた。

第17戦

 30日の第17戦では山越選手、松井選手、マスタークラスのDRAGON選手(B-MAX RACING TEAM)がニュータイヤを履いてのレースとなった。気温12度、路面温度15度と冷えたコンディションの9時8分にスタートが切られると、小林選手が2コーナーまでに2番手に順位を上げた。そして5コーナーではデビッド選手と7番手争いをしていた松井選手が、直前にいた古谷選手に接触して2台がスピン&ストップ。またその先のS字カーブでは卜部和久選手(B-MAX RACING TEAM)とデビッド選手が接触してデビッド選手がコースオフ。さらに卜部選手も次のV字カーブでコースオフ。5コーナーでの混乱で接触したDRAGON選手と清水選手がピットイン。オープニングラップで6台の車両が消えるという波乱となった。

 すぐにSCが導入され、野村選手、小林選手、佐野選手、三井選手、山越選手、エステバン・マッソン選手(TOM’S)という順の隊列となった。4周完了でリスタートとなると、野村選手と小林選手のトップ争い、三井選手と山越選手の同じチームでの4番手争いが熾烈となった。しかし最後まで順位が変わることはなく、リスタートの順位のままゴールとなった。野村選手は連続ポール・トゥ・ウィンで11勝目。マスタークラスではALEX選手が参戦2戦目でうれしい初優勝を遂げた。

第17戦優勝は野村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は小林選手(TOM’S)、3位は佐野選手(TOM’S)。
第17戦表彰の各選手。

第18戦

 シーズンを締めくくる第18戦は今大会で最も長い19周レース。グリッドは前日の第16戦の結果により、野村選手、小林選手、佐野選手、三井選手、山越選手、古谷選手の順で決まっている。また第17戦のアクシデントから修復が間に合わなかったデビッド選手は出走できなかった。気温は20度、路面温度は26度まで上がり暖かくなった13時33分にレースはスタートした。野村選手が安定したスタートを見せたが、4番手スタートの三井選手がさらに好スタートを切り小林選手に並んだ。が、オーバーテイクには至らず。5コーナーでは佐野選手が三井選手をわずかにかわして2台は並んだままS字に入った。が、三井選手のペースがやや鈍った隙に山越選手が三井選手を捕えた。そして90度コーナーで山越選手が4番手へ順位を上げた。

 オープニングラップで野村選手は2番手の小林選手に1.341秒の差をつけ、その後も上位3台は1.5~2秒ほどの間隔で周回を重ね、その後方で山越選手と三井選手の4番手争いが白熱していった。しかし上位の順位変動はなく、野村選手はポール・トゥ・ウィンで4連勝し、今季18戦中12勝を挙げ一年を締めくくった。2位は小林選手、3位は佐野選手で、最後まで競り合った4位争いは山越選手が先にチェッカーを受け、三井選手は5位、そして古谷選手が6位となった。

 マスタークラスもスタートから順位の変動はなく、清水選手がポール・トゥ・ウィンで今季9勝目。DRAGON選手、ALEX選手、今田選手の順でゴールした。

「完璧なスタートを決めることができ、終始良いペースで走れたと思っています。この大会は3連勝して終わりたいという気持ちもあったので、その通りにできて良かったです。良い形でシーズンを終えることができたので、来年も頑張りたい」と野村選手。

 マスタークラスのタイトルを獲り最終戦で優勝した清水選手は「スタートが重要で今年はだんだん上手になってきて、スタートで前に出て良いレース運びができましたし、今回もそれが勝因になりました。今シーズンは良いことも悪いこともありましたが、シリーズチャンピオンというのはそれを乗り越えた先にしかないものです。チームスタッフ、メカニック、ライバルに感謝したいです」と笑顔を見せた。

 2025年のSFLは、野村選手がシリーズチャンピオンを確定させ、2~6位は佐野選手、小林選手、古谷選手、フレデリック選手、三井選手が確定となった。チーム部門ではB-MAX RACING TEAMがタイトル確定。マスタークラスでは清水選手がチャンピオンで、2~4位はDRAGON選手、今田選手、ALEX選手が確定となった。

第18戦優勝は野村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は小林選手(TOM’S)、3位は佐野選手(TOM’S)。
第18戦表彰の各選手。
チームチャンピオンは野村選手、ケイレン・フレデリック選手、ザック・デビット選手、卜部和久選手、DRAGON選手らを擁するB-MAX RACING TEAMに確定。

PHOTO/石原康[Yasushi ISHIHARA]、桑原太郎[Taro Kuwahara] REPORT/皆越和也[Kazuya MINAKOSHI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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