渡会太一選手が5連勝で最高峰クラスのチャンピオンを確定!
2020年11月17日

全日本カート選手権OK部門の2020シリーズ第7戦/第8戦がツインリンクもてぎ北ショートコースで開催された。第7戦では、OK部門2年目の渡会太一選手(Drago CORSE)が5連勝を達成。第8戦では14歳のルーキー荒尾創大選手(BirelART RAGNO Racing)が初優勝を果たし、2位でフィニッシュした渡会選手が2戦を残して新チャンピオン就任を確定させた。
2020年JAF全日本カート選手権OK部門 第7戦/第8戦
開催日:2020年11月14~15日
開催地:ツインリンクもてぎ北ショートコース(栃木県茂木町)
主催:株式会社モビリティランド
国内カートレース最高峰の2020シリーズもいよいよ大詰め、残すは2大会・4戦のみとなった。前回のSUGO大会で2戦続けて3位に入った佐々木大河選手は今回欠場。代わってスーパーGT・GT300クラスで活躍中の三宅淳詞選手(TEAM WOLF)がそのシートに座り、2018シリーズ以来1年ぶりにOK部門へ参戦することとなった。また、昨年の全日本FP-3部門でシリーズ9位の小泉椋靖選手(Reve with XENON RT)がOK部門デビュー。参加は今季最多の30台に達した。
茂原大会からの4連勝でポイントレースを独走する渡会選手には、暫定ランキング2・3番手に続く佐々木大樹選手(TONYKART RACING TEAM JAPAN)と平安山良馬選手(TEAM EMATY)の結果次第で、僅かながらこの大会でチャンピオンを確定させてしまう可能性がある。



大会初日の土曜日、まず行われたタイムトライアルでは、荒尾選手がトップタイムをマーク。平安山選手が2番手に着け、ルーキー勢がふたつの予選ヒートのフロントローを占めることとなった。宮下源都選手(TONYKART RACING TEAM JAPAN)が3番手に続き、注目の渡会選手は4番手。佐々木は6番手だ。さらに8番手までをブリヂストン・ユーザーたちが占め、今大会も最初からBS勢の優位が鮮明となった。
続いて行われた第7戦の予選ヒートでは、3番手で最終ラップに入った渡会選手が、ゴール目前に展開がもつれたところで一気に2台を抜いて決勝のポールを獲得。2~4番手に平安山選手、荒尾選手、宮下選手が続き、佐々木選手は5番手でこのヒートを終えた。
一夜明けて大会最終日。雲一つない快晴の下で30周の第7戦決勝がスタートした。1周目のラップリーダーは平安山選手。その後ろに荒尾選手と宮下選手が続く。渡会選手は5番手に、佐々木選手は7番手にポジションを下げた。2周目、今回好調の宮下選手が2番手に浮上。荒尾選手は5番手に後退した。
レースが中盤戦に入ると、それまでタイヤ温存に徹してきた渡会選手がいよいよ反撃を開始。11周目に3番手へ上がると、僅差でトップ争いを続ける平安山選手と宮下選手を追い、15周目に2番手へ。そして19周目のストレートエンドで平安山選手をかわした。
先頭に躍り出た渡会選手は周回ごとに後続との差を広げ、そのままチェッカーへ。これで怒涛の5連勝だ。序盤にポジションを下げた荒尾選手も着々と挽回して2位を獲得。平安山選手は3位に終わるも、ポイントランキングを2番手に上げた。一方、佐々木選手は7位。これで渡会選手のこの大会でのタイトル確定が、にわかに現実味を帯びてきた。



第8戦の予選では、平安山選手が最終ラップに宮下選手を逆転して2度目の決勝ポールを獲得。3番手に荒尾選手が続き、渡会選手は4番手、佐々木選手は5番手となった。
迎えた第8戦決勝。全車2列縦隊でスタートへ向かうローリングの最中、チャンピオン候補のひとり平安山選手がエンジントラブルで突然ストップ。平安山選手はDNSとなり、タイトル戦線からも脱落してしまった。ポールを欠いて始まった30周のレースは、トップが宮下選手、荒尾選手、佐々木選手、渡会選手とひんぱんに入れ替わる展開となった。
そんな中、荒尾選手が折り返し点に先頭へ再浮上すると、後続に0.7秒ほどの差を開いてゴールへと突き進んでいく。渡会選手は、7番グリッドから急追の清水啓伸選手(Drago CORSE)をバトルの末に下して2番手に戻ると、ひとり逃げを打つ荒尾選手を懸命に追う。だが、荒尾選手は最後まで渡会選手にギャップを詰めさせなかった。ルーキーの荒尾選手が、ついに初優勝だ。
渡会選手は2位でフィニッシュ。前大会から光る速さを披露している清水選手は、3位で初表彰台へ。7台を抜いて4番手でゴールした大宮賢人選手(INTREPID JAPAN CORSE)はフロントフェアリングのペナルティで無念の9位降格となり、遠藤照剛選手(Croc Promotion)が10ポジションアップの4位、宮下選手が5位に。そして、チャンピオン候補の佐々木選手は6位に留まった。
これでシリーズポイントは渡会選手223点、佐々木選手153点に。佐々木選手は次大会で満点の70点を獲ると渡会選手と同点に並ぶ可能性もあるが、その場合でも各戦の最大得点の比較で渡会選手を上回ることができない。かくして2020シリーズのチャンピオン争いが決着。今季ラストの鈴鹿大会を待たずして、渡会選手の戴冠が確定した。




フォト/遠藤樹弥、小竹充、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部