GT500はENEOS X PRIME GR Supraが勝利しスープラ勢が表彰台独占、GT300は昨年王者リアライズ日産大学校GT-Rが優勝!

レポート レース

2021年4月16日

スーパーGTシリーズの開幕戦が4月10~11日に岡山国際サーキットで行われ、中盤のピット作業でレースは大混乱。GT500クラスでは2台のスープラによる一騎打ちとなり、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)が優勝し、トップ4をスープラが独占した。GT300クラスでは混乱したピット作業でトップに立った56号車リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が、最後までトップを明け渡さず優勝を遂げた。

2021 AUTOBACS SUPER GT Round1 たかのこのホテル OKAYAMA GT 300km RACE
開催日:2021年4月10~11日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC、株式会社GTアソシエイション

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、観客数を絞って有観客で開催となったスーパーGTの開幕戦。週末は朝晩の冷え込みこそあったが、暖かいレース観戦日和となった。

 10日に行われた公式予選でポールポジションを奪ったのは、37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組)の阪口選手で初。フロントローに14号車スープラ、3番手に36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)、4番手に39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)、5番手に38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)と、スープラがトップ5を独占。6番手が64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)で、日産GT-Rは全車Q2に進めなかった。

 GT300クラスは11号車GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)の平中選手がポールポジションを獲得。52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)が2番手、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅沼冬悟組)が3番手。昨年のチャンピオンである56号車GT-Rが4番手につけた。

 11日の決勝レース(82周)は13時35分にスタートした。序盤から37号車スープラの阪口選手と14号車スープラの大嶋選手が抜け出してマッチレースを展開。8周目にヘアピンでストップした車両がありセーフティカー(SC)導入となったが、リスタート後も同様の展開となった。

 レース中盤の32周目に1コーナーでクラッシュした車両があり、このタイミングで多くの車両が一気にピットイン。狭いピットロードは大混乱となり、大きくタイムロスする車両もあった。二度目のSC導入となったが、14号車スープラ、36号車スープラ、39号車スープラ、37号車スープラ、38号車スープラの順に変わっていた。39周でリスタートとなると、48周で36号車スープラの坪井選手がトップを走る14号車スープラの山下選手に追いつき2台によるバトルが展開された。

 ヘアピンや1コーナーなど何度も追い抜きを試みた坪井選手だったが、対する山下選手もミスをせずトップを守った。しかし終盤75周目のヘアピンで、坪井選手はブレーキをロックさせてコースオフ。これで30周近い一騎打ちに決着がつき、14号車スープラがトップチェッカー。新しい体制となったルーキーレーシングが嬉しい初優勝を飾った。

 2位は36号車スープラ、3位は37号車スープラで、スープラがトップ4を独占。5位に9番手スタートの17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が入った。日産GT-Rの最上位は9位の3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)だった。

新たな体制で2021シーズンに挑むTGR TEAM ENEOS ROOKIE。大嶋和也選手と山下健太選手のコンビがENEOSカラーのスープラで初戦を制した。
GT500クラスの表彰式。左から2位のau TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)、1位のENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)、3位のKeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南組)。

GT300クラスもポールスタートの11号車GT-Rの安田選手と52号車スープラの川合選手が抜け出し、コーナーで追いつく川合選手に対しストレートで引き離す安田選手がバトルを展開。スタートで3位に上がった56号車GT-Rの藤波選手と65号車メルセデスの菅波選手も激しい3位争いを繰り広げた。

二度目のSC導入時の大混乱のピット作業が終わると56号車GT-Rのオリベイラ選手が暫定トップで、これに65号車メルセデスの蒲生選手、52号車スープラの吉田選手が続き、さらにそこへ11号車GT-Rの平中選手が追いついて4台によるトップ争いが繰り広げられた。1.2~2秒ほどの間に4台が連なる手に汗握るようなシーンが延々と続いたが、最後まで順位に変動はなく、56号車GT-Rがまず1勝目を挙げた。

2020シーズンGT300チャンピオンを獲得した藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組のリアライズ日産自動車大学校GT-Rが、迫り来る後続をしっかり押さえて優勝を決めた。
GT300クラスの表彰式。左から2位のLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)、1位のリアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波/オリベイラ組)、3位の埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)。

サポートレースとして開催されたポルシェカレラカップジャパンは今年で21年目のシーズンを迎え、第1戦と第2戦が行われた。Proクラス、ProAmクラス、Amクラスの3クラスには計12台が参加。土曜と日曜にそれぞれ15周のレースが繰り広げられた。

Proクラスは第1戦で上村優太選手が優勝、近藤翼選手と小河諒選手が続いた。第2戦は近藤選手がリベンジを果たし、2位に小河選手、3位に大草りき選手が入賞。ProAmクラスは内山清士選手が2連勝。そしてAmクラスはMasa TAGA選手とSKY Chen選手が優勝を分け合った。

第1戦Proクラス優勝の上村優太選手(Porsche Center Okazaki)。
第1戦Proクラスの表彰式。左から2位の近藤翼選手、1位の上村選手、3位の小河諒選手が登壇。
第2戦Proクラス優勝の近藤選手(NIHON KIZAI PORSCHE)。
第2戦Proクラスの表彰式。左から2位の小河選手、1位の近藤選手、3位の大草りき選手が登壇。

フォト/石原康 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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