雨の中の混戦を制し、翁長実希選手が今季初優勝をマーク

レポート レース

2021年10月7日

2021年のKYOJO CUP第3戦が9月26日に富士スピードウェイで開催され、翁長実希選手(KeePer VITA)が今シーズン初勝利を飾った。

2021 KYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM 第3戦
開催日:2021年9月26日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県御殿場市)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 午前8時30分から行われたKYOJO CUPの公式予選は、前夜に降った雨の影響でコースの一部分が濡れている状況で、いくつかスピンを喫する車両もあった。その中でトップタイムを記録したのは下野璃央選手(YGF Drago VITA)。ライバルを圧倒する走りをみせ、2分00秒210で今季2度目のポールポジションを獲得した。

 決勝レースは、スタート直前に雨が降りはじめ、完全なウェットコンディションでのレースとなった。ポールポジションの下野は、2番手スタートの辻󠄀本始温選手(ORC ARUGOSVITA)からのプレッシャーを何とかしのぎながらレースをリードしていったが、4周目のトヨペット100Rコーナーでスピンを喫し、4番手に後退。さらに反則スタートがあったとしてドライブスルーペナルティが課され、大きくポジションを下げることになった。

 代わってトップに立った辻󠄀本選手は順調に周回を重ね、2番手以下に対して6秒以上のリードを築いた。このまま辻󠄀本選手の3連勝かと思われたが、残り3周のTGR コーナーでスピンを喫する。すぐにコースに復帰したが、背後に2番手の翁長選手が接近。そこから激しいトップ争いが展開されると、11周目のパナソニックコーナーで、ついに翁長選手がトップに躍り出た。

 辻󠄀本選手は最終ラップのTGRコーナーで再逆転を試みたが、ブレーキングで止まりきれずにコースオフ。これで翁長選手が独走状態となり、そのまま今季初優勝を飾った。2位にはコースオフから復帰した辻󠄀本選手が入り、3位には斎藤愛未選手(D.D.R vita01)が2戦連続で表彰台を獲得した。

 注目のチャンピオン争いは、辻󠄀本選手が59ポイントに伸ばし、ランキング2番手の荻原友美選手(KNC VITA)に対し27ポイントの差をつけて、12月の最終戦に臨む。

「スタートがうまくいって、そこで順位を上げることができました。2番手に上がってからは辻󠄀本選手との差はありましたが、必ず最後にチャンスがあると信じて、あせらずについていきました。最後にしっかりとトップに立つことができて良かったですと優勝の翁長選手。「今年は開幕戦でマシンが不調だったり、第2戦は接触によるリタイアがあったりで、運が向かないレースが続いていました。でも、自分自身は変わらずにいつものままいるので、ちゃんと条件が揃って運がついてくれば、トップで走ることはできるんだなと……。この優勝で、また自信を取り戻すことができました」とコメントした。
第3戦の表彰式。左から2位の辻本始温選手、1位の翁長選手、3位の斎藤愛未選手。

フォト/石原康 レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ