北海道ラリー地区戦最終戦は、関根正人ランサーが全SSベスト奪取で快勝!
2022年10月26日

JAF北海道ラリー選手権の今季最終戦が、10月8~9日、十勝・陸別をフィールドとして行われた。
2022年JAF北海道ラリー選手権第6戦
2022年JMRC北海道TEINラリーシリーズ第6戦
2022年XCRスプリントカップ北海道第7戦
とかち2022
開催日: 2022年10月8~9日
開催場所: 北海道足寄郡陸別町
主催: RTC
JAF北海道ラリー選手権は今年も陸別町を拠点とするグラベルラリー、「とかち2022」でシリーズ最終戦を迎えた。今年のラリーは8日土曜にレッキを行った後、9日日曜の8時に陸別イベントセンターをスタート。2回のサービスを挟んで2本のステージをともに3回ずつ走るという設定で行われた。
9.31kmの「YAYOI」ステージはここ数年、このラリーでは定番となっているSSだが、今年はスタート位置が昨年より手前となり、距離が増えた。ロングストレートが続く北海道らしい高速ステージだ。
もう一方の「RIKUBETSU」も今年は距離が延び、スタート後はラリー北海道 でも使用される舗装区間が続く。最後は陸別サーキットを走ってゴールというお馴染みの設定で、こちらは4.64kmのステージだ。

RA-1 クラスは前戦の第4戦で今季初優勝を飾った関根正人/松川萌子組がYAYOIのSS1でベストを奪うが、シリーズランキングで関根組と同点首位で今回のラリーに臨んだ松波克知/佐野公彦組は、コースアウトでリタイヤという波乱の幕開けとなる。
これでタイトルレースは関根組が完走して1ポイントでも獲得すればチャンピオンが転がり込んでくる形となるが、「抑え過ぎてもダメなのでリスクを犯さない程度に攻め続けた。特にYAYOIは後半、路面が変わって危ない箇所が出てくるコンディションだったので最後まで集中しました」という関根組は、その後もベストタイムを連発。6本のSSを完全制圧してシーズン2勝目を飾った。





RA-2クラスは、青森から小舘優貴/村上比奈子組が遠征してきた。小舘選手はJMRCオールスターラリーと併催された昨年に続いて2年連続の参戦。オールスターを制した速さは今年も変わらず、小舘選手も全SSベストを奪取。2番手に2分の大差をつけてこのラリー2連勝を飾った。
「ミラージュでも5速に入ったYAYOIは、東北にはない超高速SSだったので楽しめました。去年走った経験を活かして今年は攻め方を研究してきたので、それがタイムに繋がったと思います。クラスは違いますが、去年はボロ負けした松倉選手とのタイム差も詰めることができて、RIKUBETSUでは勝てたので、タイム的にも満足しています」と小舘選手。「ワダチのでき方が東北の林道とは違うので苦労しました」と言いながらも圧倒的なスピードで逃げ切った。





RA-3クラスは小舘選手がライバル視する松倉拓郎/尼子祥一組が、今季3度目となる参戦を果たして注目を集めた。全日本でも好成績を残している松倉組は、今季もこれまで2戦2勝。優勝すれば、ライバルの成績次第ではあるが、まだ逆転タイトルの可能性も残している。
松倉組はSS1で2番手を15.1秒という大差で下すとその後もライバルを寄せつけずベストタイムを連発。しかし3度目のYAYOIとなったSS5でミッショントラブルが発生。痛恨のリタイヤに終わり、ノーポイントに終わってしまった。
これで首位に浮上したのはポイントリーダーの藤田幸弘/藤田彩子組。しかし、終盤に入ると、SS4で松倉組に1秒差の2番手タイムを叩き出していた三苫和義/遠藤彰組が猛追。最終のSS6では藤田組を6秒も突き離すベストタイムで終えるも、僅か0.3秒届かず。藤田組がシーズン2勝目を挙げるとともに、初の北海道地区戦チャンピオンを確定させた。
関東栃木在住の藤田選手は、東日本選手権の前身であるBC地区戦の時代にヴィヴィオでチャンピオンを獲得。その後も数度、東日本地区戦を制している実力者だが、3年前から北海道地区戦に参戦を開始した。
「2007年に一度だけ北海道地区戦を追ったんですけど、僅かな差でタイトルが獲れなくて、それ以来、その時の“躓き感”がずっと自分の中で残ってしまって(笑)。今年はまたとないチャンスが巡ってきたので、松倉選手がコースサイドに止まっているのを見てからは、絶対完走ペースに切り換えました」と藤田選手。
「松倉選手が速いのは分かってましたが、今年は正月の2日から御岳のスノーの走行会に参加したり、エビスの新しいダートコースや丸和を走り込んで、グラベルの感覚をキープしてきたので、それが結果に繋がったと思います。このチャンピオンは本当に滅茶苦茶嬉しいです!」と喜びを爆発させていた。











JMRC北海道TEINラリーシリーズのJr RA-1クラスとJr RA-2クラスは、初級者対象のクラスということで、地区戦の6本に対してSS4までの4本のSSで勝負が競われた。Jr RA-1クラスは今季ともに1勝ずつを挙げている、永田幹/永田友美組と北倉裕介/宗片さおり組による一騎討ちに。
SS1は永田組が8秒差で北原組を下してトップに立ったが、SS2でリタイヤとなってしまう。しかし北倉組のランサーもSS1からターボトラブルを抱えており、SS3ではその症状が悪化し、あわやの局面もあったが、続くSS4も無事に走り切って完走。シーズン2勝目となる優勝をもぎ取った。
北原選手はジムカーナ出身だが、「陸別を走ると特に感じるんですけど、ラリーの“3Dで体が動く”感覚が楽しくて(笑)」、今年からラリーを始めた。「最後まで走り切らないとダメだと、あきらめずに走りました。これもラリーですよね」と、最後は安堵の表情を見せていた。


一方、Jr RA-2クラスは5台によるバトルとなった。SS1はダートトライアルドライバーでもある及川裕矢/原田大響組が大差でベストを奪って順調な滑り出しを見せるが、SS2でリタイヤ。シリーズ序盤のスノーラリーで連勝した小野寺浩史/小野寺由紀子組が代わってトップに立った。
小野寺組は陸別のSS2、SS4では辻祥汰/堀切利純組にベストを譲るも、YAYOIは辻組に大差をつけることに成功。特にSS3ではSS1から30秒近いタイムアップを果たして、トップを堅守。待望のグラベルラリー初優勝を達成した。
「YAYOIはSS1でビビってしまったので、SS3は頑張って踏んで行ったらタイムを詰められました。高速の前半部分よりはテクニカルな後半の方が手応えを感じました」と小野寺選手。数年前から冬に新千歳モーターランドで開催されているスノーラリー限定のチャレンジカップには参加しているが、今年からグラベルラリーにも本格的に参戦を始めた。
「ラリージャパンを観戦したことがきっかけでラリーに興味を持ちました。陸別は観客としては何度か足を運んでますが、選手として走るのはもちろん初めてでした。SSの最後、陸別サーキットに下りてきて視界が一気に広がったら、私もコ・ドラのカミさんも、感動して泣いてしまいました。グラベルの林道は怖いけど、楽しいので(笑)、地区戦の方々とのタイム差はまだまだですが、これからもチャレンジして行きたいですね」と、小野寺選手はメモリアルな一戦となりそうなラリーを振り返っていた。







XCRスプリントカップ北海道第7戦
番場彬/保井隆宏組が4勝目をマークして有終の美!
XCRスプリントカップ北海道もシリーズを締め括る第7戦が行われた。北海道地区戦のスノー、グラベルイベントの5戦に加え、北海道で開催される全日本ラリー選手権に2戦併催される形で行われるXCRスプリントカップは、今年から始まった新たなシリーズ。XC-2クラスとXC-1クラスに分かれる。
XC-2クラスは番場彬/保井隆宏組がSS1でベストタイムを奪取。番場組は9月のラリー北海道に続いて今季2度目の出走となった陸別のSS2でもベストを獲ってリードを広げ、ライバルに隙を与えることなく最後までトップをキープ。今季通算4勝目を挙げてシリーズチャンピオンに花を添えた。
またXC-1クラスは今季第3戦からジムニーのステアリングを握る兼松由奈選手が、今回は竹下紀子選手と組んで出場。2本のSSを走る度に確実にタイムアップを果たす走りを見せて優勝を果たし、こちらもシリーズチャンピオンの座を手にすることになった。





フォト/加藤和由 レポート/JAFスポーツ編集部
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