酒井龍太郎選手が選手権3クラス目となるFP-3部門でチャンピオン確定。ジュニア部門のタイトル確定は中西凜音選手!
2023年10月10日

全日本カート選手権 FP-3部門は9月30日~10月1日、宮城県村田町のスポーツランドSUGO 国際西コースで、2023シリーズを締めくくる第9戦/第10戦が開催され、酒井龍太郎選手(ミツサダ PWG RACING)が第9戦で4勝目を獲得。続く第10戦の予選でトップとなってシリーズチャンピオンを確定させた。
2023年JAF全日本カート選手権 FP-3部門 第9戦/第10戦
2023年JAFジュニアカート選手権 ジュニア部門/ジュニアカデット部門 第9戦/第10戦
開催日:2023年9月30日~10日1日
開催地:スポーツランドSUGO 国際西コース(宮城県村田町)
主催:SSC
2022年までの東西2地域制を廃して今季から全国1シリーズとなった全日本カート選手権 FP-3部門。4月の兵庫県神戸市・神戸スポーツサーキットでの大会を皮切りに、全国を転戦してきたシリーズは、最北の地となるスポーツランドSUGOで最終決戦を迎えた。
この大会では全日本カート選手権 FS-125JAF部門の第9戦/第10戦も同時に行われる予定だったのだが、エントリーが成立台数に達せず不成立に。これにより選手権は全8戦、有効4戦で決することとなった。そのシリーズチャンピオンを確定させたのは、6戦の出場で3勝を挙げ、134点の有効得点を獲得した佐藤佑月樹選手(World YK Racing)だった。
わずか3点差のランキング2位確定は伊藤聖七選手(Formula Blue Ash)。伊藤選手は最多の4勝を果たしたのだが、予選で0点のレースが4つもあったのがポイントに響いた。ランキング3位に確定したのは、5度の表彰台登壇で有効107点の松本琉輝斗選手(HRS JAPAN)だった。

全日本カート選手権 FP-3部門 第9戦/第10戦
FP-3部門には16台が参加した。その中でチャンピオンの権利を持っているのは、有効157点の横山優之介選手(SPS川口)、同140点の酒井選手、同115点の鈴木悠太選手(TEAM EMATY)の3名だ。第8戦終了時点の有効得点ではやや差がついているのだが、今回の2戦の得点を上積みするベースとなる上位3戦の合計得点を見てみると、酒井選手103点、横山選手97点、鈴木選手94点と接戦状態になっている。
決勝日の朝を迎えたサーキットには前日からの雨が降り続き、ウェットコンディションでの走行開始となる。その雨はタイムトライアルが始まるころに止んだのだが、コースは全面ウェットのまま。全車ウェットタイヤ装着で臨むこととなった。
タイムトライアルでは、高島恒太選手(チーム エッフェガーラ)がトップタイムをマーク。2番手は酒井選手。3・4番手には坂裕之選手(のりものレンタカー沖縄那覇 TIGRE)と渡邉賢人選手(Super Racing Junkie!)が続いた。横山選手は10番手、鈴木選手は11番手とやや出遅れている。
予選は16周。路面はぐんぐんと乾き、第9戦の予選は16台中15台がスリックタイヤを装着してローリングが始まった。レースがスタートすると、1コーナー先でフロントローの2台が接触、酒井選手が大きく順位を下げる。代わって先頭を行く高島選手に迫ってきたのが、急浮上の鈴木選手と横山選手。鈴木選手は中盤にトップを奪うと独走でゴールした。
だが、鈴木選手にはフロントフェアリングのペナルティが……。他にも6番手でゴールした酒井選手ら3名に同じペナルティが下り、結果は鈴木選手が5番手、酒井選手が7番手となった。繰り上がりのトップで決勝のポールを獲ったのは横山選手だ。
決勝は22周。第9戦決勝のときを迎えるころには空は快晴に変わり、完全なドライコンディションとなった。そのスタートを決めたのは酒井選手だ。レッドライト消灯の直後に4番手へ上がり、さらに2台をかわしてオープニングラップで2番手へ。酒井選手はその勢いのままトップの横山選手に襲いかかったのだが、2台は接触。横山選手がスピンを喫して大きくポジションダウンしてしまった。
生き残った酒井選手には鈴木選手と9番グリッドから上がってきた木幡直生選手(Super Racing Junkie!)が猛チャージ。ここに藤村選手、小野大地選手(チームTKC)、柳沼光太選手(ガレージC)も続いて先頭集団は6台一列に膨れ上がった。トップは酒井選手から鈴木選手、再び酒井選手へと変遷していく。
残り4周、トップは藤村選手、さらに鈴木選手と入れ替わる。残り2周、酒井選手が3度目のトップ浮上。そして最終ラップに入ると、酒井選手は要所でインを締めて後続をシャットアウトし、先頭のままフィニッシュラインへと駆け込んだ。ガッツポーズを繰り返し、歓喜のウィニングランを披露する酒井選手はこれで3連勝、シリーズ4勝目だ。
約0.1秒差の2位は鈴木選手。活発なレースを見せて3位で初表彰台に立った藤村選手は、これが決勝での初ポイント獲得だった。この結果、鈴木選手はタイトル戦線から脱落。チャンピオン争いは酒井選手と横山選手のふたりに絞られた。



そして選手権の決着の時は、第10戦の予選で訪れた。序盤で群れから抜け出した酒井選手と横山選手の先頭争いは、最終ラップの逆転で横山選手のトップゴールとなったのだが、横山選手はフロントフェアリングのペナルティを科されて結果は4番手に。これで横山選手がポイントランキング1位になる可能性が消え、酒井選手のチャンピオンが確定したのだ。
今季ラストのレースとなる第10戦の決勝。3番グリッドから発進した鈴木選手が3周目にトップを奪いリードを築いたのだが、鈴木選手は4周目の最終コーナーで突如スローダウン、チェーントラブルでレースを終えた。
代わって先頭に立った酒井選手は背後の横山選手をじわじわと引き離し、トップ独走のままフィニッシュした。しかし、酒井選手は自分のフロントフェアリングが規定の位置からずれていることに気づいており、両手を合わせてチームに謝罪しながらチェッカーをくぐった。繰り上がりのウィナーは横山選手。これは開幕戦以来の2勝目だった。2位には藤村選手が入って自己最上位を更新。酒井選手は3位入賞で今季の戦いを終えた。




ジュニアカート選手権 ジュニア部門 第9戦/第10戦
同時開催のジュニアカート選手権第9戦/第10戦。ジュニア部門のチャンピオン争いは目下4勝の中西凜音選手(Energy Japan)と3勝の木原太一選手(FLARE with HRT)の一騎討ちとなっていた。
第9戦の決勝では、3番グリッドから発進した中西選手がトップを行く村田鉄麿選手(Ash)を逆転して3連勝、5勝目を獲得。全10戦中有効5戦の規定で満点となる125点に到達した中西選手が、第10戦を待たずしてチャンピオン確定した。2位は村田選手、3位は木原選手だった。
中西選手は第10戦の決勝でも2周目にトップに立って独走。関西からの遠征で初めて体験するSUGOでのレースを完全制圧し、4連勝。シリーズ6勝で一年の戦いを締めくくった。村田選手は単独走行で2戦連続の2位に。3位には最後尾の5番グリッドから追い上げた織田大和選手(RF.AOYAMA)が入った。







ジュニアカート選手権 ジュニアカデット部門 第9戦/第10戦
ジュニアカデット部門では、前回の中山大会で開幕からの6戦全勝を達成した元田心絆選手(ASPEED with SOVLA)が、SUGO大会を待たずにチャンピオンを確定させている。その元田選手は今回の大会を欠場し、5名のドライバーによってレースが行われた。
第9戦の決勝では、ポールから先頭を行く岡本紘吉選手(RT WORLD)を4番グリッドの高橋芽選手(KRS-DAI)が追い上げ、2台は残り3周でテール・トゥ・ノーズとなった。だが、岡本選手はこのピンチを切り抜けてトップのままフィニッシュ、初優勝を遂げた。高橋選手は逆転優勝こそならなかったが、目を引くスピードを披露してデビュー戦で2位を獲得。3台による集団戦を制して3位となった兼田麗生選手(Super Racing Junkie!)も、今回がこの部門初レースだった。
岡本選手は第10戦の決勝ではポールから順調にリードを広げ、独走で2連勝を果たした。2位は第9戦と同じく高橋選手。そこから僅差でフィニッシュの佐藤天斗選手(TEAM HEROES)が3位に入賞した。






フォト/JAPANKART、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部
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