S2からDに移籍した岡本泰成選手がオーバーオールウィン

レポート ダートトライアル

2026年3月20日

九州ダートトライアル選手権 第1戦が3月8日、広島県安芸高田市のテクニックステージタカタで開催された。昨年から2戦減少し、今年は全5戦のスケジュールが組まれた九州ダートトライアル選手権。そのうちの4戦はテクニックステージタカタが会場となり、第2戦のみ山口県の楠ハイランドパークで開催される。また、第1戦から第4戦までは中国地区戦と、最終戦の第5戦は四国地区戦との併催で行われる。

2026年JAF九州ダートトライアル選手権 第1戦
2026年JMRC九州ダートトライアルチャンピオンシリーズ 第1戦
「CRMCダートトライアル2026」

開催日:2026年3月8日
開催地:テクニックステージタカタ(広島県安芸高田市)
主催:CRMC

 クラス分けは昨年同様、全9クラスと変わりはないが、FFのD車両はS1クラスで出走という細かな変更点が加えられ、開幕戦となる今回は6クラスが成立して競技が行われた。

 当日、朝方はコース一面に霜が降り、小雪も舞う寒々しい光景が広がっていたが、競技スタート時刻には天候は回復。春の日差しの下、各クラスで今年最初のバトルが繰り広げられた。

早朝はかなり冷え込み、霜降りのコンディションとなった テクニックステージタカタ。
コースは併催された中国ダートトライアル選手権第1戦と共通のレイアウトが採用された。ストレートを活かした設定で、大小多彩なコーナーを攻めるレイアウトとなっている。

PN1+クラス

 PN1+クラスは、ディフェンディングチャンピオンの宗正勝吉選手が2分12秒89で第1ヒートのトップタイムをマーク。2番手には昨年度シリーズ3位の山口博文選手が1.1秒遅れでつける。

 タイムアップ路面となった第2ヒート。山口選手は2分10秒43で暫定トップタイムを刻むも、ラストゼッケン宗正選手は、第2ヒートでも山口選手を約1秒上回る2分09秒38でゴール。宗正選手が両ヒートを制するかたちで開幕戦勝利となった。

「今日は思っていたほど路面が食わなかったですね。ウデが未熟ということもあるのですが(笑)、かなり失敗しました」という宗正選手は、「全日本選手権もできる限り参戦します」と、シーズンの抱負も語った。

「目標の中国地区のトップレベルに並ぶには、まだまだ差がありますので頑張ります」と宗正勝吉選手(DLタクミ上殿マークスイフト)がPN1+クラスを制した。
参加車両がすべてZC32S型スイフトとなったPN1+クラス。2位は山口博文選手(OT7716ワコーズスイフト)、3位は岡田敬生選手(QUCCKYB倉敷スイフト)。
PN1+クラス表彰の各選手。

S1クラス

 ディフェンディングチャンピオンの荒牧健太選手と昨年度シリーズ2位の藤崎清選手が欠場のS1クラスは、昨年の全7戦中4戦の出場ながらシリーズ3位を獲得した永田誠選手が、2分11秒26で第1ヒートのトップタイムをマーク。そして2番手には、AT車両のスズキ・スイフトを駆る九州のATマイスター田口和久選手が2分14秒60でつける。

 その田口選手は、第2ヒートになると2分07秒76までタイムを詰めるが、やはりマニュアルトランスミッションに分があったか、永田選手が2分04秒01をマークして優勝となった。

「実は昨年からクルマを変えたんですよ。新型を買おうと思って(発売を)待ってたのですが、出ないのでまたコレを買いました(笑)。走りは失敗だらけでしたけど、相手(田口選手)はAT車だったのでなんとか勝てました」という永田選手。「デフなしでも頑張りました」という田口選手を3秒以上引き離し開幕戦を制した。

S1クラスは永田誠選手(YH☆SPM☆OTスイフト)がZC33S型スイフトを駆り優勝。
S1クラスは全車がZC33S型スイフトでの出走となった。2位は田口和久選手(MSH☆ATS☆DLスイフト)、3位は篠原徹選手(ワコーズエナペタルスイフト)。
S1クラス表彰の各選手。

RWDクラス

 ディフェンディングチャンピオンでトヨタ・GR86の濱田隆行選手と、昨年度シリーズ2位でホンダ・S2000を駆る橋本英樹選手の戦いとなったRWDクラス。その第1ヒート、2分08秒71でトップタイムを奪ったのは橋本選手。濱田選手は2分15秒台と、大きく遅れをとってしまう。

 しかし、勝負路面となった第2ヒートで、橋本選手は痛恨のタイムダウンを喫してしまう。その隙を逃さなかった濱田選手は2分07秒96と、橋本選手を逆転。開幕戦優勝を飾った。

「1本目はハーフスピンしてしまい、2本目もスタートでミスして前半はかなりとっ散らかってしまったので、正直勝てる気がしませんでした。ただ、コース後半は冷静に対応できたのは良かったと思います」と、苦しい展開で辛くも勝利を手にした濱田選手。シリーズ連覇に向けての好スタートとなった。

「シーズンオフにかなり練習したので、少しずつですが、その成果が反映されている感じですね」と、RWDクラスを制した濱田隆行選手(DLクスコWM浜自GR86)。
RWDクラスの表彰式、左から2位の橋本選手、1位の濱田選手。

S2クラス

 岡本泰成選手が今シーズンの地区戦でDクラスに移行したため、ディフェンディングチャンピオン不在となったS2クラス。その第1ヒート、全日本チャンピオンの岸山信之選手がリタイアでタイムを残せない中、1分58秒17のトップタイムをマークしたのは三菱・ランサーエボリューションで孤軍奮闘する岡島秋男選手。そして2番手には井上博保選手が0.25秒差でつける。

 そして第2ヒート。他クラス同様にタイムアップが繰り広げられるかと思われたが、第1ヒートで3番手につけていた江崎和則選手は、その第1ヒートと全くの同タイム。逆転を狙いたい井上選手はリタイアに終わってしまい、第1ヒートでトップの岡島選手は第2ヒートでタイムダウン。そして岸山選手は第1ヒートリタイアのままスタートすることができず、岡島選手が第1ヒートのタイムで逃げ切った。

「昨年1年間で少し上手になったかな(笑)。あと今年はタイヤを新しくしました。チャンピオンを目指すというところまでは至りませんが頑張ります」という岡島選手が波乱含みのS2クラスを制した。

CT9A型の三菱・ランサーエボリューションで孤軍奮闘の岡島秋男選手(サンハウスDLとびうめランサー)がS2クラスを制した。
GXPA16型トヨタ・GRヤリス勢は2位に井上博保選手(GR福岡itzzDLヤリス)、3位に江崎和則選手(エナペタル・GRヤリスDAT)。
S2クラス表彰の各選手。

Cクラス

 ディフェンディングチャンピオンの東竜弥選手が欠場となったCクラスは、昨年度シリーズ6位の石原昌悟選手が2分03秒43で第1ヒートのトップを奪う。そして2番手には昨年度シリーズ5位の嶋村健児選手が0.04秒差でつけ、僅差のバトルが展開される。

 続く第2ヒートになると、石原選手は8秒以上の大幅なタイムアップを果たして1分54秒97をマークする。嶋村選手もタイムアップを果たすも、1分59秒61と2番手タイム。また、昨年度のこの開幕戦を制し、シリーズ2位を獲得したラストゼッケンの上原吉就選手は、マシントラブルの影響で両ヒートともにリタイアを余儀なくされ、石原選手が圧倒的なタイムで勝利を収めた。

「昨年から今年にかけて、ブレーキのセッティングを大きく変えたり、ロールバーの点数を増やした効果が出たと思います」と勝因を語った石原選手。幸先の良いシーズンスタートとなった。

「2本目は先輩の岡本泰成選手から色々とアドバイスをいただき、それをもとにアジャストできたのが良かったと思います」と、Cクラスを制した石原昌悟選手(QUCC☆岡常☆ランサーVI)。
Cクラスの2位は嶋村健児選手(MSH・DLインプレッサ)、3位には谷彰文選手(谷自動車技術工業インプレッサ)と、スバル・インプレッサ勢が2位と3位を獲得。
Cクラス表彰の各選手。

Dクラス

 Dクラスは、S2クラスから移籍してきた岡本泰成選手がエントリー。昨シーズンの九州地区S2クラス、全日本選手権SA2クラス、そしてJAFカップSA2クラス全てを制した岡本選手。決勝タイムの1分47秒42は、併催の中国地区戦も含めてこの日のオーバーオールタイムとなった。

「今シーズン、九州地区戦はDクラスで戦います。それなりに上手くまとめることができました」と、車両自体はC車両ながらも圧倒的なタイムで優勝を決めた岡本選手。

 2位のディフェンディングチャンピオン五味直樹選手は、「この人(岡本選手)おったら、勝てなくて当たり前。なんでおるねん」と苦笑する。また、3位の江川博選手は、「悔しいけど、泰成と同じクラスで戦えるのは楽しいですね。負けると分かっていながらも、負けないように頑張ります」と、それぞれ笑顔でコメントを残した。

圧倒的な速さでDクラスを制した岡本泰成選手(DLアルテックおかつねランサー)。
Dクラス2位は五味直樹選手(スノコYHランサーエボX)、3位は江川博選手(DLアルテックGR福岡ランサー)。
Dクラスの表彰式。左から2位の五味選手、1位の岡本選手、3位の江川選手、4位の高橋亮一選手。

オープンクラス

 参加1台だったオープンクラスは、2分21秒66で越智翔優選手が完走を果たした。

オープンクラス1位の越智翔優選手(QUCC☆岡常歯車31スイスポ)。

PHOTO/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA]、西野キヨシ[Kiyoshi NISHINO] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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