三好グラベルパークが四国ダートラ開幕とともにデビュー!
2026年5月19日
2026シーズンのJAF四国ダートトライアル選手権の開幕戦となる第1戦が4月19日、徳島県三好市に新造された『三好グラベルパーク』で開催した。四国地区のダートラは長期に渡り、香川県さぬき市に建つ香川スポーツランドを中心に開催されてきたが、今季の四国地区戦は5戦全てが、三好GPに舞台を移すことになった。
2026年JAF四国ダートトライアル選手権 第1戦
2026年JMRC四国ダートトライアル第1戦
アドバントライアル2026
開催日:2026年4月19日
開催地:三好グラベルパーク(徳島県三好市)
主催:T.T.
三好GPは県内を流れる吉野川の河川敷に建つ、三好市三野健康防災公園内に新設されたコースで河川敷ということもあり、ほぼフラットな敷地にストレートやS字コーナーなどをレイアウトし、整備されている。
JAF公認ダートラコースの閉鎖が相次ぐ中、どのような経緯で新コース開設に至ったのか、JMRC四国ダートトライアル部会長の萩原豪氏によると「ここは、TGRラリーチャレンジの三好ラウンドが開催されたときにショートSSが行われた場所で、500mくらいのちょっとしたコースが存在してたんです。その後、ラリーチャレンジは行われなくなったので、この場所でダートトライアルを出来ないか関係各所に働きかけました」とのことで、TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ三好ラウンドの運営に携わっていた、三好市を拠点とするJAF加盟クラブ、ラリークラブつるぎ(TSURUGI)の中岡和好代表に相談したそうだ。
中岡代表にも話を伺うと、「この場所をダートトライアル場として使用するにあたっては色々と手続きはありましたし、今後も随時継続していく事項もあるのですが、三好市の市長(高井美穂氏)が協力的で『是非この場所を活用して欲しい』とのことで、使用できるようになりました」と語った。
そして、ダートラに耐えうるコース造りを担ったのが、同じくTSURUGIのチーム員でラリーではコ・ドライバーの中岡代表と組む長江修平氏だ。「まず、ある程度大きな石を取り除き、その後ローラーで何度も踏み固めていくのですが雨も多かったのでなかなか乾かず、もう少し期間があればもっと硬い路面になったのですが……。また、場所によっては下地が異なる所もあって、まだ柔らかい所が残ってますが、走れるくらいにはなったと思います」と、コース造りには苦労もあったそうだ。今後も彼が、コースの維持管理を担当していくとのことだ。
三好GPには拡張予定もあり、行われる競技会も四国地区戦のみならず、今季はJMRC西日本ダートフェスティバルも開催することを予定している。更にはJAF全日本ダートトライアル選手権の開催も視野に入れているとのこと。三好GPのオープンをきっかけに四国ダートラのみならず、四国モータースポーツが更に盛りあがることにも期待したい。
萩原部会長は「三好グラベルパークを新設するにあたっては、ダートラ関係者のみならず、ラリー、ジムカーナ、そしてオートテストの方々も賛成してくれて、四国一丸となってできたコースです。開幕戦には沢山のオフィシャルも来ていただけるので、有り難いですね」と、多くの協力に対して感謝の意を述べた。
三好GPのこけら落としとなった開幕第1戦は2025シーズンと同じく、2026年JAF近畿ダートトライアル選手権の第1戦も併催となり、両地区合わせて81名が集結。高井市長も来場し、同時に開催された『三好くるまつり2026』とともに華々しく執り行われた開会式の後、四国地区戦の1番ゼッケンがスタート。四国ダートラの新たな歴史もスタートを切った。
PN+クラス
PN+クラスは2WDのPN車両、あるいは排気量1500cc以下で2WDのSA・SAX・B車両が対象。RJ車両を含むラリー車両も参戦することができるのも特徴だ。第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、JAF全日本ジムカーナ選手権のBC3クラスで王座を争うスラローマーの一色健太郎選手。GRヤリスから今回は借り物のマツダ・デミオに乗り換え、2番手の桒村浩之選手に2.5秒以上の差をつける1分36秒434を叩き出し、路面が変わっても速さを発揮する。
第2ヒートで桒村選手はタイムアップを果たすも、1分38秒台と一色選手には届かず順位は変わらない。また、ディフェンディングチャンピオンの西岡章夫選手は、第1ヒート5番手、第2ヒートではタイムダウンを犯して6番手と低迷。ウィニングランとなった一色選手もベストタイムを更新できなかったが第1ヒートのタイムを守り切り、ダートラ初参戦でいきなり優勝を飾った。
「ジムカーナに生かせればと思い、去年の末からタカタのダートコースでブレーキングや荷重移動などの練習を始めたんです」と、一色選手はダートラを始めた経緯を明かした。「ダートラに出ようと思って始めたわけではないのですが、今回は三好くるまつりにジムカーナ車両を展示する機会もあり、参加しました」とのこと。
続けて「2本目は散水の影響かリアが全然喰わなくて、更に大きな失敗もしたのでタイムは更新できませんでした」と、第2ヒートの走りには反省しきり。最後に「また参加しようと思うのですが、仕事の都合でスケジュールが合わないので、このまま勝ち逃げしようと思います(笑)」と、一色選手は笑顔で締めくくった。
一方、6位に終わった西岡選手は「きっちり整備されたフラットな路面でコースは非常によかったのですが、不甲斐ないタイムでした…… コーナーとコーナーの距離感が微妙で、上手くつなげることができませんでしたね」と、新コースを攻略しきれず、無念の表情を見せた。
SD1クラス
2WD、あるいは1600cc以下で4WDのSA・SAX・SC・D車両で競うSD1クラスは、クラスをまたいで5連覇を狙うチャモロ選手が1分38秒104で第1ヒートのトップタイムをマーク。2番手には昨季の最終第5戦、雨のテクニックステージタカタでチャモロ選手を破ったラリードライバー、松岡竜也選手が0.771秒差でつけて一騎討ち再び、の様相を呈して折り返す。
第2ヒートで松岡選手は1分37秒326まで更新し、まずはトップタイムを更新。しかしその直後、松岡選手のタイムを大きく上回る、1分33秒778でトップに躍り出たのが、第1ヒートはパイロンペナルティで沈んだ昨季シリーズ2位の谷芳紀選手。一気にハードルを上げられたクラスラストゼッケンのチャモロ選手は、ベストタイムを更新するも松岡選手に0.044秒及ばず3位となり、谷選手が逆転で優勝を決めた。
「シーズンオフは、レンタルカートで走り込む練習をとり入れました。特に雨の日は横滑りをさせたり止めたりするのがすごく勉強になるので、それが今日のタイムにつながりました」と、勝因を語った谷選手。新コースに向けての対応は「車両のセッティングに関しては、まずは現状のまま、イケるところまでいこうと思ってます。できたばかりのコースなので今後、路面状況も変わっていくと思うし、それでタイム的に勝てなくなってきたら考えます」とのことだ。2023シーズン以来となる王座奪還に向けて、幸先良いスタートを切った。
一方、シーズンをまたいだ二連勝を逃したものの2位を得た松岡選手は、「難しいコースでした(笑)。色々と人に聞いてみたのですが真似できませんね。ワダチも出来ないし、やはりラリーとは違います」と反省しながらも、今回もしっかりチャモロ選手に勝利した。
そして、チャモロ選手は「2本目はミスなく走れたのですが、谷選手のタイムには全く及びませんでした。どうやったらあのタイムが出せるのか? お手上げ状態ですね(笑)」と、今回は完敗といった様子を見せた。
SD2クラス
SD2クラスは、1600ccを超える4WDのSA・SAX・SC・D車両で争われる。第1ヒートでは、中国地区から参戦の丸本光選手が1分33秒389でトップタイムをマーク。続く2番手には近畿地区のベテラン、西浦守選手が0.107秒差でつける。
第2ヒートで丸本選手はわずかながらも0.025秒タイムアップを果たし、トップをキープ。また、西浦選手はタイムダウンを犯すも2番手を守り、上位に変動なく進行していくが、その均衡を破ったのが地元・四国勢の橋本充弘選手。第1ヒートはコースアウトしてタイムを残せなかったが、第2ヒートで1分32秒472と、1秒近くトップタイムを更新して躍り出た。昨季はシリーズへの参戦を休んでいた橋本選手だが、復帰一戦目で早くも実力を発揮した。しかし、勝負を決めたのはラストゼッケンでディフェンディングチャンピオンの梶田昌弘選手。橋本選手のタイムを更に2秒近く上回る1分30秒525を叩き出して逆転。地元勢による1-2フィニッシュとなった。
優勝した梶田選手は、「1本目は新品のドライタイヤで走ったのですが、自分にはちょっと合いませんでしたね。なので2本目はウェットにして、走り方も変えたのがよかったと思います」と勝因を語ると続けて、「クルマのセッティングはワダチが深い香川に合わせて、車高も高い状態なので本来は変えるべきなんでしょうけど、どうすればいいのでしょうか? これから考えます(笑)」と、梶田選手らしい豪快なコメントを残した。
また、惜しくも2位となった橋本選手は、「久しぶりの競技で、初コースということで、こんなもんでしょう(笑)。コースは四駆にとって、振って走る程でもないし、でも振らないと曲がりきれないし、抑えつつどこまで攻めるかというのが、これからの課題ですね」と三好GPについての印象も語った。
クローズドクラス
クローズドクラスではGC8型スバル・インプレッサWRX STIを駆る福原正芳選手が第1ヒートでマークしたタイム、1分36秒701でトップを獲得。「コースはフラットで楽しかったですね。2本目は気負い過ぎました(笑)。ダートラは20年くらい、時々休みながら続けていて、最近また復活しました。今後もちょくちょく出場しようと思ってます」と語った。
そして、スズキ・アルトワークスでのダブルエントリーで親子対決となった2位争いを制したのは、父の国宇圭一郎選手。息子の国宇翔生選手が3位となった。
三好市三野健康防災公園で『三好くるまつり』も併催!
PHOTO/谷内壽隆[Hisataka TANIUCHI]、友田宏之 [Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



