北海道ダートラ第3戦、FF-2/4WD-1内藤修一選手が逆転優勝!

レポート ダートトライアル

2026年6月2日

2026年JAF北海道ダートトライアル選手権 第3戦が5月10日、北海道砂川市に建つオートスポーツランドスナガワのダートトライアルコースで開催された。今季も全8戦のスケジュールが組まれた北海道地区戦。クラス区分も2025シーズンと変更はないが今季から、参戦するダートトライアラーのモチベーションアップを図ってシードゼッケンが復活。昨季の各クラスシリーズ3位まで(今季のRWDクラスはチャンピオンのみ)のトライアラーが、その勲章を背負ってシーズンを戦う。

2026年 JAF北海道ダートトライアル選手権 第3戦
2026年 JMRC北海道LIONダートトライアルシリーズ第3戦
チボーダートアタック

開催日:2026年5月10日
開催地:オートスポーツランドスナガワ ダートトライアルコース(北海道砂川市)
主催:THIBAULT

 第3戦当日の天候は朝から快晴となったが、前日に降った雨の影響で至る所にぬかるみが発生。雨上がりのスナガワでは定番となっている光景だが、このぬかるみがどの程度乾いてくるかの読みが、重要な攻略要素となる。

 また、コース設定もスタートからのストレート、そしてインフィールドの各コーナーを経てフィニッシュと、これもスナガワでは定番のレイアウトだが、特にインフィールドでは路面状況とも相まって、先入観だけで進入すると思わぬ罠にハマってしまうことも多々あったようだ。

 しかし、そのような状況の中でも全クラスともに第2ヒートが決勝タイムとなり、逆転劇が見られたクラスも多く、白熱の戦いが繰り広げられた。

2026年JAF北海道ダートトライアル選手権の第3戦は快晴の下、オートスポーツランドスナガワ ダートトライアルコースで開催された。朝の慣熟歩行では、ダートトライアラ―間で攻略法を練っている姿も見られ、白熱の一戦となる予感が漂った。
第3戦が行われた5月10日の前日、スナガワは雨模様だった。当日の路面には降雨によるぬかるみが残り、トライアラーを悩ませた。
2025シーズンは、スナガワ名物ともいえるスタート直後のストレートの途中で島周りに突入するレイアウトも見られたが、第3戦はスナガワのオーソドックスなレイアウト。比較的速度が高い設定で競われた。

2026年JAF北海道ダートトライアル選手権 第3戦
2026年JMRC北海道LIONダートトライアルシリーズ第3戦チャンピオンクラス

FF-1クラス

 FF-1クラスは排気量1600cc以下の前輪駆動で2000年10月以降に初年度登録されたP・PN・N・B・SA・SAX・SC車両および、排気量区分なしで前輪駆動のAE車両で競われる。開幕第1戦で優勝、第2戦は2位を獲得しているシードゼッケンを背負う岡村巧選手がポイントリーダー。シリーズ2番手には、第2戦で岡村選手を破った地区戦ルーキーの原田大響選手、3番手には棚瀬昌樹選手と、スズキ・スイフトスポーツ勢が王座争いを展開している。

 しかし、第1ヒートで1分21秒228のトップタイムをマークしたのはホンダ・フィットRSを駆るディフェンディングチャンピオン、大場元貴選手。大場選手は開幕戦をスキップしたため、第2戦の4位で獲得した10ポイントのみと、やや出遅れ気味。二連覇に向けて、ここで勝ち星を挙げたいところだ。しかし2番手には0.04秒差で原田選手、そして0.536秒差で岡村選手と、第1ヒートから僅差の戦いとなる。

 第2ヒートでは前半ゼッケンの内山壮真選手が1分18秒591をマーク。これがターゲットタイムとなって進行していくが、そのタイムを更新したのはクラスラスト前ゼッケンの岡村選手。内山選手を0.82秒上まわり、1分17秒台に突入してトップに立つ。そしてラストゼッケンの大場選手がスタート。再びトップに返り咲きたいところだったが、内山選手にも0.246秒届かずと3位となり、岡村選手が逆転優勝を果たした。

「今シーズンの作戦で、路面がウェットだったらヨコハマ、ドライだったらダンロップを履き分けるようにしているんです」と、優勝した岡村選手はタイヤ戦略を明かした。「1本目はヨコハマを選択したのですが意外と乾いていたので、2本目は迷わずダンロップに変えました。本番で履き比べたのは今回が初めてだったのですが、当たりましたね(笑)」と、タイヤ選びが的中したようだ。

 岡村選手の昨季はシリーズ2位だったが、「毎年シーズン前半は調子がいいのですが、後半になるにつれ徐々に崩れてしまうので、今年はそうならないようにしたいですね」と、王座奪還に向けてリードを広げる今季2勝目を挙げたが、気を引き締めた。

FF-1クラスではZC32S型スズキ・スイフトスポーツを駆り、シードゼッケンをつける岡村巧選手(ダイシンKCHash9スイフト)が逆転で開幕第1戦以来の優勝を挙げ、シリーズトップの座を守った。
FF-1の2位は第2ヒートで4秒以上タイムアップした内山壮真選手(TS金DXL和光DL37Tスイフト)が獲得、ZC32S型スイフト勢の1-2となった(左)。ホンダ・フィットRSを操り第1ヒートをトップで折り返した大場元貴選手(DL・ルート6・Pガレ フィット)だったが、ZC32S型スイフト勢の逆襲に敵わず3位となった(右)。
FF-1は5位までのダートトライアラ―が表彰された。左から4位の原田大響選手(室工DLクスコWMLVスイフト)、2位の内山選手、優勝した岡村選手、3位の大場選手、5位の今田恭嗣選手(シーンスイフト)。

FF-2/4WD-1クラス

 FF-2/4WD-1クラスは、FF-1に該当しない前輪駆動および1600cc以下で4WDのP・PN・N・B・SA・SAX・SC車両、あるいは排気量区分なく4WDのAE車両が対象となる。

 第1ヒートは第2戦のウィナーでシード勢の柴田純選手がクラス唯一の1分20秒を切る、1分19秒143をマークしてトップで折り返す。2番手以降は三橋清哉選手とシード勢の内藤修一選手、そしてディフェンディングチャンピオンの川口昭一選手が1分20秒台で続く。

 第2ヒートに入ると、三橋選手が1分18秒台を刻んでトップタイムが更新されるも、MCタマー選手が1分17秒台をマークする。更に柴田選手が1分16秒台に突入し、連勝に向けてトップ奪回。タイムアップ合戦が繰り広げられる中、柴田選手を0.092秒上まわる1分16秒08を叩き出したのが、ラスト前の内藤修一選手だった。

 今季はインテグラから同じホンダ車のシビックに乗り換えた、ラストの川口選手はベストタイムを詰めるも0.576秒柴田選手に及ばず3位止まりとなり、内藤選手が僅差で優勝を決めた。

「ゴールデンウィークの練習でミッションを壊してしまって、昨日直ったばかりで思うような練習が出来なかったので、1本目はヌルい走りになってしまいました(笑)」と、内藤選手は第1ヒートを振り返り、続けて「2本目は気合いを入れなおして一生懸命走ったのですが、今回は結果がたまたまついてきた、という感じですね。タイム的にもまだイケたと思います。クルマのセッティングに関しても、もっと詰めていかないと全日本も含めて戦えないと思いますので、これからですね」と、課題を残したようだが、開幕戦に次いで今季2勝目を挙げた。

FF-2/4WD-1クラスのシリーズトップを走る内藤修一選手(DL☆XP☆SCENEスイフト)がZC33S型スイフトをドライブして、第1ヒートの3番手から逆転で今季2勝目を挙げた。
ZC33S型スイフトを駆って、第1ヒートをトップで折り返した柴田純選手(ADVAN・サポートスイフト)だったが、0.092秒差の2位で二連勝ならず(左)。王座防衛を目指す川口昭一選手(TRS DLシビック)はホンダ・シビックを操り、ZC33S型スイフト勢に割って入る3位を獲得(右)、2WD-2/4WD-1はシード勢が速さを見せた。
FF-2/4WD-1は左から、2位の柴田選手と優勝した内藤選手、3位の川口選手が表彰台に上がった。
全日本選手権や地方選手権で活躍した内藤修一選手が5月18日に急逝されました。謹んで哀悼の意を表します(写真は、優勝したテクニックステージタカタでの2024年JAF全日本ダートトライアル選手権 第8戦の様子)。

RWDクラス

 排気量区分なし、後輪駆動のP・PN・N・B・SA・SAX・SC車両で争うRWDクラスでは、ディフェンディングチャンピオン和泉泰至選手が開幕二連勝中。しかし、第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、昨季シリーズ3位の古谷欣竹選手でタイムは1分18秒878と、2番手につけた和泉選手に1.5秒以上の差をつけて第2ヒートを迎えた。

 しかし、古谷選手は痛恨のタイムダウン。それでもトップを保持していたがやはり、ラストの和泉選手は好機を逃さなかった。トップタイムを0.48秒更新して古谷選手を逆転、優勝を決めた。

「1本目はミスをしてしまったのと、ショックのセッティングを試してみようと思って普段使っていない段数で走ってみたのですが、クルマの動きがよくなかったので“これはマズい!”と、2本目は一番自信のある段数に戻しました」と、和泉選手は明かした。

 続けて「ただ、2本目もミスしてしまい、多分、古谷選手も同じところでミスしたんじゃないかな? お互いにミスをした“程度の差”でギリギリ勝ったという感じですね」と、きわどい勝利を分析した和泉選手は開幕三連勝を達成した。

RWDクラス二連覇中の和泉泰至選手(DLクスコTEIN・GR86)はGR86をドライブして第2ヒートで2秒以上タイムアップ、昨季からの連勝を6に伸ばした。
RWDの表彰台には左から、2位の古谷欣竹選手(RevL・LOVCA・TEIN・BRZ)と優勝した和泉選手が登壇した。

4WD-2クラス

 4WD-2クラスは、1600ccを超える4WDのP・PN・N・B・SA・SAX・SC車両によって競われる。ディフェンディングチャンピオンの村上周選手は愛車、GDB型スバル・インプレッサWRX STIの修理で休戦中。今季から三菱・ランサーエボリューションXを投入したシード勢の笠原陸玖選手が開幕二連勝で独走している。

昨季も参戦した3戦全てで勝利を収めた笠原選手は、今回の一戦も第1ヒートから1分10秒388と、2番手以下に1秒以上の差をつけトップで折り返すと、第2ヒートでは1分8秒539まで更新し、第3戦全体のトップタイムをマーク。圧倒的な速さで優勝を果たした。

 笠原選手によると「エボXは今シーズンの地区戦第1戦から、一走毎にセットを変えていいところを見つけている状態で、前回は点火系のトラブルで調子が悪かったのですがそれも直って、初めてマトモになったエボXを走らせることができました(笑)」と、新たな相棒はまだ開発中とのこと。

 更に「今回も1本目と2本目でセッティングを大きく変えてみたのですが、結構いいところが出たと思うので、このまま全日本戦にいこうかな、と思います」とエボXの手応えも感じてきたようだ。セッティング以外でも「メンタルトレーニングとして、気負わず走ることを心がけてます。やはりその方が安定してタイムが出ているので、その点においても今回は100点に近かったと思います」と、第3戦を振り返った。

4WD-2クラスに新車、三菱・ランサーエボリューションXを投入した笠原陸玖選手(DLドルーピーTRSランサーX)は第3戦の全クラスでただ一人、1分8秒台をマークして開幕三連勝を達成した。
4WD-2でVAB型スバルWRX STIを駆る前寺博篤選手(AKTシムスDLテイン☆WRX)は、第1ヒートの4番手から2秒以上タイムを上げて2位と、今季初のトップ3に入った(左)。3位はランエボIXをドライブする昨季シリーズ2位、シード勢の小林茂則選手(Hash9DLシーンランサー)が獲得した(右)。
4WD-2はトップ5が表彰を受けた。左から4位の島部亨選手(NUTEC・シーンDLランサー)、2位の前寺選手、優勝した笠原選手、3位の小林選手、5位の竹花豪起選手(Pガレ☆YH☆FT☆GRヤリス)。

2026年JMRC北海道LIONダートトライアルシリーズ第3戦ジュニアクラス

J-1クラス

 今回の一戦では地区戦への登竜門も担う、2026年JMRC北海道LIONダートトライアルシリーズ第3戦ジュニアクラスも併催された。2WDのP・PN・N・B・SA・SAX・SC・AE車両で競うJ-1クラスでは、FF-2/4WD-1に参戦している森元茜選手の息子、森元雷翔選手が第1ヒートの3番手から10秒以上の大幅タイムアップを果たして逆転優勝を決めた。

「1本目は突っ込み過ぎたので、2本目は抑えながらも、自分の力を出し切れたのではないかと思います。ただ、勝てるとは思ってなかったので、とても嬉しいです(笑)。ダートラは1年位やっているのですが、初めて表彰台に上がりました」と、笑顔で語った森元雷翔選手。自身初の表彰台は、いきなり中央に立つことになった。

J-1クラスの森本雷翔選手(室工大DL土手ツッコミスイフト)はFF-2/4WD-1で7位に入った母、森本茜選手(WM☆DL☆SCENEスイフト)と親子で参戦。ZC32S型スイフトを駆り、第1ヒート最下位からの逆転劇でダートラ初優勝を果たした。
三つ巴となったJ-1は、左から2位の桑原正裕選手(ルート6DLヴィッツ)と優勝した森本雷翔選手が表彰台に登壇した。

J-2クラス

 4WDのP・PN・N・B・SA・SAX・SC・AE車両が対象となるJ-2クラスでは、吉川直克選手が第1ヒートから1分15秒942と2番手以下を3秒近く離す圧倒的なタイムでトップに立つと、第2ヒートではトップタイムを更に0.717秒更新して、危なげなく勝利を収めた。

「2本目は、走っている感じでは結構タイムアップしてると思ったのですが、ほんの少しでした(笑)。4WD-2クラスの方々と比べても、まだまだですね」と、吉川選手はJ-2では圧勝したものの、走りには課題が残ったようだ。

GDA型スバル・インプレッサWRX STIをドライブする吉川直克選手(サポートインプレッサ)は、J-2クラスで両ヒートとも2位以下に大差をつける圧倒的な走りで今季初参戦初優勝を果たした。
インプレッサ勢が4位までを占めたJ-2は、GDB型を駆る坂崎誠選手(ルート6黒インプレッサ)が2位(左)、大高隆輝選手(PガレGH8インプレッサ)はWRX STIではないGH8型を操り3位を獲得した(右)。
J-2もトップ2が表彰台に立った。左から2位の坂崎選手と優勝した吉川選手。

AT-1クラス、ビギナークラス、賞典外クラス

 マニュアル以外の変速機を搭載する2WDのP・PN・N・B・SA・SAX・AE車両で参戦できるAT-1クラスはホンダ・フィットのCVT車両を駆る山口達也選手が孤軍奮闘、両ヒートともにタイムを残した。

 ダートラ初心者向けのクローズド部門となるビギナークラスには、クロスカントリーカーのトヨタ・ランドクルーザーとスズキ・ジムニーも参戦。その中でトヨタ・ヴィッツを駆る鎌田幹宏選手が、ランクルで挑んだ伊藤彰洋選手を0.1秒上まわってトップを獲った。

 やはりクローズド部門のひとつ、JAF全日本ダートトライアル選手権で活躍するトライアラーも参戦した賞典外クラスでは、全日本D2クラスでも活躍する田辺剛選手が4WD-2の笠原選手に続く1分9秒台のタイムをマーク。昨季の全日本PN2王者、張間健太選手を下してトップに立った。

AT-1クラスには山口達也選手(DLルート6FitXL・CVT)がCVT搭載のホンダ・フィットを駆って参戦。両ヒートでしっかりタイムを残した。
トヨタ・ヴィッツを操る鎌田幹宏選手(ROUTE6終活Vitz)が第2ヒートで0.1秒差の逆転劇を演じ、ビギナークラスを制した。
賞典外クラスは北海道のJAF加盟クラブ、帯広スピリットカークラブ(TEAM-OSC)所属で4WD-2を制した笠原選手の先輩、三菱・ミラージュでJAF全日本ダートトライアル選手権D2クラスを戦う田辺剛選手(SPヤマダTRSYHミラージュ)がトップを獲った。

フォト/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA]、大野洋介[Yousuke OHNO] レポート/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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