新コースでの近畿ダートラ開幕戦、S1小川一郎選手が復帰後初優勝!
2026年5月15日
2026年JAF近畿ダートトライアル選手権の第1戦が4月19日、徳島県三好市の三好グラベルパークで開催された。今季も近畿地区戦は全5戦のスケジュールが組まれており、第2戦以降は三重県のいなべモータースポーツランドで開催されるが、開幕第1戦は2025シーズンと同じくJAF四国ダートトライアル選手権と併催での開催となった。
2026年JAF近畿ダートトライアル選手権 第1戦
2026年JMRC近畿ダートトライアル チャンピオンシリーズ第1戦
2026年JMRC 近畿ダートトライアル ジュニアシリーズ第1戦
2026ウサギとカメのホワイトダートトライアルin四国
開催日:2026年4月19日
開催地:三好グラベルパーク(徳島県三好市)
主催:WHITE
舞台を担ったのは、徳島県内を流れる吉野川の河川敷に建つ、三好市三野健康防災公園内に造られた新コースの三好GP。パドックのすぐ隣では『三好くるまつり2026』も開催され、多くのギャラリーが見守る中で開催された。
今回の一戦を主催した大阪府のJAF加盟クラブ、ホワイトオートクラブ(WHITE)の代表、そして2025年までJMRC近畿でダートトライアル部会長を務めていた田岡一浩氏は、「四国地区の方々のおかげで、素晴らしいコースで開幕戦を迎えることができました」と、感謝の言葉を述べた。
また、田岡代表から引継いで今年から近畿ダートラ部会長に就いた穂村燎華氏は、「これだけ多くの観客の中で走るということは地区戦ではあまりないと思いますし、パドックウォークでも一般の方から話しかけられたりと、色々な人とふれあいながら競技ができたのは、とてもよかったと思います」と、感想を語った。
穂村氏は、ダートトライアラ―としてもRWDクラスに参戦している女性トライアラー。続けて、「今後、部会としてレベルアップの練習会を主催したり、また、SNSなどを駆使してダートトライアルが広く知れ渡るようにしていきたいと思ってます」と、部会長としての決意も語った。
当日は、併催した2026年JMRC近畿ダートトライアル ジュニアシリーズやオープンクラスも合わせて51台が参戦。やや曇りがちではあったものの、雨の心配もなく過ごしやすい天候の下で、白熱のバトルが繰り広げられた。
2026年JAF近畿ダートトライアル選手権 第1戦
2026年JMRC近畿ダートトライアル チャンピオンシリーズ第1戦
AEPNクラス
AEPNクラスは全てのAE車両及び、排気量1600cc以下で2WDのPN車両によって競われる。
クラス唯一のマツダ・デミオ使いの大野吉弘選手が、1分41秒台で第1ヒートのトップタイムをマークする。2番手には1分43秒台で島田正樹選手、3番手に1分44秒台で平原祐一郎選手と、ダブルエントリーしたZC32S型スズキ・スイフトスポーツ勢が続いて折り返す。
そして第2ヒートでWエントリーの前走、島田選手が1分38秒996を刻んでトップタイム更新。更に後走の平原選手は1分37秒987と、島田選手のタイムを1秒009更新してトップに立つ。再びトップに返り咲きたい大野選手だが、タイムアップは果たしたものの1分40秒台の壁は破れず3位止まり。平原選手が逆転で開幕戦を制した。
「1本目は、リアをドライ系のタイヤにしたり、フロントもサイズ違いを履いたりしてたのですが、2本目は前後ウェットにして、フロントの外径もコースの特性に合わせたのが良かったと思います」と、昨季シリーズ2位の平原選手は勝因を分析した。
続けて「路面もフラットで良いコースだと思います。ただ、中のテクニカルは忙しかったですね。ゴールした後は手がガクガクなるくらい、走り切った感じがしました(笑)。昨年は1勝しかできなかったのですが、今年は開幕戦から勝てたので、2勝目を目指して頑張ります」と、三好GPの印象と、今季の抱負を語った。
RWDクラス
後輪駆動のPN・N・SA・SAX・SC・B車両によるRWDでは、レクサスISを駆る仲村柊太選手が1分40秒台で第1ヒートをトップで折り返した。約1.5秒差の2番手には須川裕二選手が、更に約2秒遅れの3番手にディフェンディングチャンピオンの三浦陸選手と、ZN6型トヨタ86勢が続いた。
第2ヒートに入ると、クラスファーストゼッケンの三浦選手が1分38秒552を叩き出し、優勝へのハードルを一気に上げる。後続はベストタイムを更新するものの、1分40秒を切るトライアラ―は現れず進行。仲村選手がようやく1分39秒417を刻むも再逆転は果たせず、三浦選手が勝利を収めた。
「低速レイアウトがメインで、運転の基礎を学べるよいコースだと思います。1本目は使い古したドライタイヤを試したのですが手応えが感じられず、2本目はウェットに変えたのですが、新品であれば選択肢としてドライもありだと思いました」と、語った三浦選手。JAF全日本ダートトライアル選手権のNクラスで王座も争うトップトライアラーが、第2ヒートの一撃で勝負を決めた。
S1クラス
S1クラスは2WDのPN・N・SA・SAX・SC車両及び、1600cc以下で4WDのN・SA・SAX・SC車両によって競われる。第1ヒートでは、小川一郎選手が1分37秒029でトップタイムをマーク。2番手には1分38秒608で竹中雅哉選手、3番手に0.071秒差で執行信児選手、更に0.101秒差で人見真弘選手が4番手と、2番手以降は僅差のバトルが繰り広げられる。
そして、第2ヒートで小川選手は1分35秒408までトップタイムを更新。続いてスタートを切った執行信児選手の息子、執行翔太選手は1分36秒563までタイムを詰め、第1ヒートでの5番手から2番手に割って入る。また、信児選手もタイムアップを果たすが、翔太選手に0.013秒及ばず3番手止まり。
一方、竹中選手はタイムを上げたものの、1分37秒台で4番手にポジションダウンと、2番手以降の順位が入れ替わる中、小川選手は依然としてトップをキープ。そしてクラスラストゼッケンにして、ディフェンディングチャンピオンの真砂徳亮選手がスタートを切った。第1ヒートは1分44秒台と出遅れていた真砂選手は6秒以上タイムを上げたが順位は7位と低迷、小川選手が守り切って優勝を果たした。
「昨年は競技復帰の年でしたので、全く成績が出ませんでした」と、小川選手は10数年ぶりにダートラに戻り、今季は復帰2季目とのこと。「テクニカルなコースが得意なので、今回はパイロンターンの設定が何カ所かあったので、それが勝因ではないかと思います」と、勝因を明かした。
「路面もフラットで、とてもよいコースだと思います。特に若い選手がウデを磨くには最適ではないでしょうか。近畿地区はいなべしかないので、いきなりいなべはちょっと可哀想かなと思いますしね(笑)」と、小川選手は新コースの印象も語った。
また、親子対決に勝利して2位を得た翔太選手は、「1本目で抑え過ぎたところを全力で頑張ったのですが、小川選手に1秒ちぎられてしまいました…… ただ、親父に100分の1秒差で勝てたので、それだけは満足です(笑)」と振り返った一方、3位の信児選手は「息子の成長を頼もしく思います」と、敗れたものの笑顔で語った。
S2クラス
S2クラスは4WDのN・SA・SAX・SC車両が対象となる。昨季の最終第5戦と同じく、JAF全日本ラリー選手権JN1クラスで活躍するドライバー、福永修選手と全日本ダートラSCクラスのトップトライアラー、上村智也選手による“京田辺市1位決定戦”の第2ラウンドとなった。
第1ヒートで1分28秒819のトップタイムをマークしたのは福永選手で、2番手の上村選手に約1秒の差をつける。第2ヒートでは、上村選手が1分27秒502を叩き出してトップを奪うも、福永選手は更に上をいく1分26秒252でトップ奪回。今回も福永選手に軍配があがった。
「ダートトライアル場が減少している昨今、こうして新しいフィールドが出来たということは喜ばしいことですね。今回、三好くるまつりの会場にシュコダの展示もさせていただいたし、地域の活性化に協力したいという意味もあり参加しました」と、参戦の経緯を明かした福永選手。ラリーで駆っているシュコダ・ファビアRSラリー2を展示していたため、自らが率いるオサムファクトリー謹製のGRヤリスで優勝をさらった。
三好GPの印象は、「テクニカルでおもしろいコースですね。グリップは高くないですが、ラリードライバーなので、こういったコースは好きです。(競技は)何カ所か失敗しましたけど、それなりに上手くまとまったと思います」と語ると、「今回も(同郷の上村選手に勝って)京田辺市1位を獲れました(笑)」とつけ加えた。
S2でも、京田辺市でも2位に甘んじた上村選手は、「今日は1本目も2本目もターンが上手くいかなくて…… まぁ、こんなもんかな(笑)。でも、コースはフラットで非常にいいですね。路面もそんなに荒れなかったし、規模は小さいですけどドライビングの練習だけではなく、足回りのセッティング出しなどにもいいと思います」と、走りを振り返るとともに新コースについても語った。
Dクラス
D車両で争われるDクラスは、3選手による少数精鋭の戦いとなった。第1ヒートでは、絹川雅之選手が1分33秒832でトップタイムをマーク。第2ヒートで絹川選手はパイロンペナルティを犯してベストタイムを更新することができなかったが、2番手の岡田誠選手、3番手の金井宏文選手もトップタイムを更新することができず。第1ヒートのタイムを守り切った絹川選手が、開幕戦の勝利を収めた。
「コースはテクニカルでとても面白かったですね。ハイスピードは嫌いなので(笑)。ただ、ストレート後の180度ターンは全部失敗して、最後はパイロンを轢き殺してしまったので“今日はアカン!”と思ったのですが、何とか1本目のタイムで勝つことができました。タイヤはウェットを選択しました。ドライも持ってきたのですが、ウェットが正解だったと思います」と、絹川選手は振り返った。更に、幸先の良いシーズンスタートに「たまにはチャンピオン獲ってみたいですね(笑)」と、野望をのぞかせた。
2026年JMRC近畿ダートトライアル ジュニアシリーズ第1戦
J1クラス
1587ccを超える2WDのPN・N・SA・SAX・SC・B車両、あるいは1200~1600ccで4WDのN・SA・SAX・SC・B車両で競うJ1クラスは、第1ヒートからコンマ数秒差の接戦が繰り広げられた。
第1ヒートでは西峯正選手が1分44秒413のトップタイムを刻むと、0.16秒差で久米悠生選手が2番手で続く。更に、久米選手から0.051秒差で泉幸村選手が3番手につけて折り返した。
第2ヒートでは一番ゼッケンの久米選手が1分41秒台に突入して仕切り直しとなる中、泉選手が1分39秒863でトップタイムを更新。逆転を狙う西峯選手は1分40秒台に留まり、2番手止まり。このまま泉選手が逃げ切ると思われたが、第1ヒートはミスコースでタイムを残せなかった川口春彦選手が快走を見せた。泉選手を0.592秒上回る1分39秒271を叩き出し、逆転で優勝を飾った。
「優勝は5年振りくらいかな(笑)」と語る川口選手は続けて、「1本目はミスコースしてしまってしょげてましたが、2本目は死ぬ気で走りました(笑)。路面も走りやすかったですし、転倒のリスクも低いコースなので、安心して攻めることができました。(福永)修社長のアドバイスも功を奏しました」と、久しぶりの優勝に笑顔を見せた。
J2クラス、OPクラス
1600ccを超える4WDのN・SA・SAX・SC・B車両が対象のJ2クラスは、新旧三菱・ランサーエボリューションを駆る3選手によって争われた。第1ヒートは前川徹選手がランエボIXを操り1分36秒115でトップ、0.144秒差で同じくランエボIXを駆る達冨公平選手が2番手に続き、ランエボXをドライブする田中均選手が1秒136空けて3番手につけた。
第2ヒートでは、ファーストゼッケンの達冨選手が1分34秒969でトップタイムを塗り替える。続く田中選手はタイムアップを果たすも、0.876秒届かず2番手止まり。そして、再びトップを狙う前川選手だが、痛恨のタイムダウンを犯して3位に後退、達冨選手が逆転で勝利を収めた。
「安全なコースで良かったです(笑)。ただ、調子にのって踏み過ぎてしまったので、2本目は気持ちを抑えて走ったのがよかったと思います」と、達冨選手は勝因を分析した。
OPクラスは香林祥隆選手が孤軍奮闘。第2ヒートでは9秒以上タイムアップする力走を見せた。
フォト/谷内壽隆[Hisataka TANIUCHI]、友田宏之 [Hiroyuki TOMODA] レポート/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



