反撃のタカタラウンド、今季初優勝が続出!
2026年4月20日
全日本ダートトラアル選手権 第2戦「KYUSHU SPRING TRIAL IN TAKATA」が、4月11日~12日、広島県安芸高田市郊外のテクニックステージタカタで開催された。全8戦で戦われる今シーズンは、昨年と同様にいなベモータースポーツランドでは開幕戦と第7戦、テクニックステージタカタでは第2戦と第8戦がそれぞれ開催される。今回の第2戦は、地方選手権の5戦中4戦をタカタで開催する九州の加盟クラブ、CRMCとFMSCが主催する。
2026年JAF全日本ダートトライアル選手権 第2戦「KYUSYU SPRING TRIAL IN TAKATA」
開催日:2026年4月11~12日
開催地:テクニックステージタカタ(広島県安芸高田市)
主催:CRMC、FMSC
全クラス合わせて152台がエントリーした第2戦は、2WDのクラスは2分オーバー、4WDのクラスで2分前後、安全規定を満たせばエンジンや駆動系の変更が無制限に許可される最高峰のD2クラスでも決勝タイムが1分54秒台というロングコースが設定された。
特にスタートから通称「マツタケ山」を左回りに抜け、そのまま立体交差からさらに内周に戻る前半のテクニカルセクションは、過去の全日本でもあまり例がないレイアウトとなっている。前半の終盤から中盤、後半にかけては外周を最大限に使った高速セクションが採用された。
決勝ヒートが行われた12日は最高気温が25度を上回る陽気となり、路面に舞い散る埃を防ぐために撒水され、ヒート前、そしてNクラスとSA1クラス間にそれぞれ計2回行われた。日差しは強かったものの撒水後に路面が乾き切るスピードはそれほど早くはなく、路面コンディションに応じたタイヤ選択が勝負の行方に大きく影響した。
また、路面の砂利が堆積していた11日から一転し、決勝日は第1ヒートから路面を覆う砂利がある程度片づき、地面もあらわになる硬質路面となった。第2ヒートはさらに砂利がはけ、ほとんどのクラスで第2ヒートが決勝タイムとなることが相次いだ。
PNE1クラス
自動変速機付きの2WDで争われるPNE1クラスは、開幕戦を制した小山健一選手(スズキ・スイフトスポーツ)が第2ヒートでベストタイムを更新。第1ヒートでは2番手のいりえもん選手(三菱・コルト)が「もうこれ以上踏めないっていうくらい攻めました」と中間地点で小山選手のタイムを0.774秒上回ったものの、その後タービンのブースト圧がかからなくなる症状に見舞われてペースダウン。
「これから夏に向けて撒水の量も増えると思うので、濡れた路面の走らせ方をもっと研究しなきゃダメですね」という小山選手が1.116秒差で逃げ切り、開幕2連勝を果たした。
2位には「第2ヒートの前半区間で小山選手に『いりえもん、速いな』と思ってもらえただけでも大きな収穫です。クルマが万全な状態だと勝てるという自信もつきました」といういりえもん選手が2位を獲得。「第4戦のエビスまではスキップする予定ですが、それまでしっかりとクルマを仕上げてきます」という田口和久選手(スズキ・スイフトスポーツ)が3位に入賞した。
PN1クラス
PN1クラスは、開幕戦3位の北原栄一選手(日産・ノート)が第1ヒートでベストタイムを奪うものの、第2ヒートは前半セクションで大きく遅れて10位までポジションダウン。優勝は「足回りを変えたことが良い方向に向かってると思います」という工藤清美選手(ホンダ・フィット)が開幕戦に続き2連勝を獲得。
2位には「今シーズンはタイヤの扁平率を60から65に変えて、新しい走らせ方を探っています」という飯島千尋選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞。「次(第3戦)はホームコースの丸和なので、優勝目指して頑張ります」という全日本4戦目で25歳の坂本勇樹選手(ホンダ・フィット)が初表彰台の3位を獲得した。
PN2クラス
PN2クラスは、昨年の第7戦いなべから3連勝中の張間健太選手(スズキ・スイフトスポーツ)が第1ヒートを制したが、第2ヒートで「昨年の年末に練習で横転し、開幕戦は気持ち的にも攻め切ることができませんでしたが、徐々にメンタル面も回復してきたと思います」という奈良勇希選手(スズキ・スイフトスポーツ)が逆転し、昨年の第6戦切谷内以来となる優勝を果たした。
2位には「事前のセッティングを大きく外してしまった部分もあるんですけど、今回は走り負けしちゃったなという感じです」という張間選手が入賞。「最近、若い選手にやられっぱなし。今回も前半のテクニカル区間でしてやられました。大会のスパンが短く、テストする機会も少ないですが、次(第3戦丸和)までには改善していきたいですね」と佐藤卓也選手(スズキ・スイフトスポーツ)が3位を獲得した。
PN3クラス
PN3クラスは、開幕戦の公開練習でトップを奪い話題を集めた南勇希選手(マツダ・ロードスター)が2番手の竹本幸広選手(トヨタ・GR86)に0.036秒の僅差でトップに立つ。
第2ヒートは、第1ヒート5番手の上野倫広選手(トヨタ・GR86)が「クルマと対話しながら気持ち良く走ることができています。それがタイムにつながったと思います」と5秒近くのタイムアップに成功してベストタイムを更新。
南選手は「第2ヒートは抑えなきゃならないところを抑え切れず、クルマが暴れてしまいました」とタイムアップは果たすものの、上野選手には0.724秒届かない。また最終走者の竹本幸広選手(トヨタ・GR86)も「前半区間で路面の違いを事前につかみ切れていなかったのが失敗です。大きなミスはありませんでしたが、コーナーの進入で攻め過ぎたり、逆に守り過ぎた部分もあって、しっくりきませんでした」と上野選手に0.263秒届かず。
第2ヒートの逆転劇で上野選手が2022年の第4戦スナガワラウンド以来、4年ぶりとなる優勝を獲得。2位に竹本選手、3位に南選手がそれぞれ入賞した。
Nクラス
Nクラスの第1ヒートは浦上真選手(トヨタ・GRヤリス)が制したが、第2ヒートでは後半セクションのタイムを伸ばせず6位に後退。
優勝は「走りもセッティングもまだまだアップデートしていかなくてはならない部分はあるけど、だいぶGRヤリスと仲良くなってきました」という細木智矢選手(トヨタ・GRヤリス)が第1ヒート3番手から逆転優勝。
「後半区間はタイヤが良く効いてくれているんですけど、前半のテクニカル区間の路面とタイヤが土曜日からずっと合いませんでした」という宝田ケンシロー選手(トヨタ・GRヤリス)が2位を獲得。3位には「タカタは得意ではなかったけど、今回のコースレイアウトは自分に合っていて気持ち良く走れました」という大ベテランの宮地雅弘選手(三菱・ランサーエボリューションIX)が入賞した。
SA1クラス
SA1クラスに21歳の新風が吹き荒れた。今季初登場の井之上優選手(スズキ・スイフトスポーツ)が第1ヒートを制するものの、第2ヒートでは開幕戦を制した一宮悠人選手(スズキ・スイフトスポーツ)が逆転。
「全日本の第2ヒートは地区戦の路面とは全然違うというのは以前から聞いていて、今回はその路面にどれだけ合わせて攻めることができるかが大きな課題でした。実際、硬い路面がガッツリ出ていてグリップも全然違いましたが、しっかりアジャストすることができました」という一宮選手が制した。
第1ヒートトップの井之上選手は1.747秒差の2位を獲得。そして「(トップと)3秒差はちょっと大きいですね。クルマのセッティングというよりもドライバーが失敗した部分もあるので、次はうまく走れるように頑張ります」という河石潤選手(スズキ・スイフトスポーツ)が3位に入賞した。
SA2クラス
SA2クラスは、前日の公開練習でも好調だった荒井信介選手(三菱・ランサーエボリューションX)が第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季初優勝を飾った。いつもはいぶし銀の走りで定評がある荒井選手だが、今回は公開練習から豪快にランサーを振り回して攻める走りを披露。
「公開練習は路面に砂利がけっこう出ていて走りやすかったですね。決勝の第1ヒートも、ちょっと砂利が飛んでいたけど走りづらさはなく公開練習と同じ感じで踏んでいけました。決勝の第2ヒートは途中でアクセルペダルが壊れてしまって大きくタイムダウンしたので、第1ヒートも頑張ってみるもんだね(笑)」と荒井選手。
「タカタはすごく苦手なんですけど、(鎌田)卓麻さんからアドバイスをいただいて、それを反映させた結果、表彰台を獲得することができました」と三浦陸選手(三菱・ランサーエボリューションX)が2位を獲得。
3位には「第2ヒートの一部が乾ききっていない路面コンディションに対して少し抑えて行こうと思ったんですけど、ところどころ抑え過ぎてしまったコーナーが多かったですね」という黒木陽介選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞した。
SCクラス
SCクラスは、共にSA2クラスからクラス替えした岡本泰成選手(三菱・ランサーエボリューションIX)と北村和浩選手(三菱・ランサーエボリューションX)が前日の公開練習から火花を散らすバトルを展開した。公開練習では3番手につける岡本選手に0.9秒差をつけた北村選手がトップタイムを奪い先手を打つ。
迎えた決勝第1ヒートは、岡本選手が北村選手に0.034秒の僅差でトップと、ここまでイーブンの戦いを展開する。砂利が捌けた第2ヒートは「第2ヒートの路面を想定して、第1ヒートから超硬質路面用のタイヤで走っていました。セッティングも以前乗っていたSA車両の方向に戻してみたんですけど、今日の路面とタイヤには合っていたという感じですね」と岡本選手がベストタイムを更新。
一方の北村選手は「まだSC車両の感覚に慣れていません。特に今回はギヤ比で悩みました。タイヤの選択も悩んでタイヤの違いで負けるのは嫌だから第2ヒートは(岡本)泰成と同じタイヤで走ったんだけど、結果的には自分の感覚には合わなかった。何年もダートトライアルやってるからそんなの分かるやろって言われるけど、何年やっても分からんのがダートトライアルなんで(苦笑)」とタイムダウン。
岡本選手がSCクラスでの初優勝を獲得、2位には第1ヒートのタイムで北村選手、3位には「今回はサスペンションのセッティングが全然出ず、前半区間はミスも多かった」という上村智也選手(三菱・ランサーエボリューションX)が入賞した。
D1クラス
D1クラスは、開幕戦でエンジン制御の不調に見舞われて3位に終わったパッション崎山選手(トヨタ・MR-S)が第1ヒートでベストタイムをマークしてトップに立つ。第2ヒートは、前日の公開練習で外壁にヒットしてフロント部分をクラッシュさせた大谷皇就選手(トヨタ・86)が「タカタはホームコースなので、ここでは絶対負けたくなかった」と2.507秒のタイムアップに成功し、ベストタイムを更新。
パッション崎山選手もタイムアップしてくるものの、わずか0.369秒のタイムアップに留まり、開幕戦で全日本デビューウィンを飾った大谷選手が第2ヒートの逆転劇で開幕2連勝を果たした。
2位にパッション崎山選手、そして2分8秒台の攻防戦となった3位争いは地元の鈴鹿浩昭選手(ホンダ・インテグラ)を0.015秒振り切った志村雅紀選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞した。
D2クラス
D2クラスは、開幕戦を制した田口勝彦選手(三菱・ランサーエボリューションX)が2番手以降を2秒以上引き離すタイムで第1ヒートを制するものの、第2ヒートは「公開練習から毎ヒートごとダンパーの仕様を微調整したり、リアのスタビライザーの強さを変えたり、現場で合わせられるセッティング変更がうまくハマった」という炭山裕矢選手(三菱・ミラージュ)が第2ヒートで逆転。2024年の第7戦丸和以来、約2年ぶりの優勝を飾った。
0.9秒差の2位に入賞した田口選手は「今回は(炭山)裕矢が速かった。特に前半区間のタイムはクルマとタイヤのパッケージを考えても出ない」と完敗宣言。3位には公開練習からセンターデフのトラブルが頻出し、挙動が乱れた走りになりながらも「クルマが暴れて乗りづらかったけど、なんとか帳尻を合わせられた」という谷田川敏幸選手(スバル・BRZ)が第2ヒートでタイムアップを果たして入賞した。
PHOTO/CINQ、大野洋介[Yousuke OHNO] REPORT/CINQ、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



