TKRI松永建設AMG GT3が24時間レースを制して大会連覇
2026年6月18日
スーパー耐久シリーズ2026 第3戦「NAPAC富士24時間レース」は、6月4〜7日に富士スピードウェイで開催され、全11クラス62台がエントリーした。レースはスタート時こそ薄曇りだったが、翌朝から霧雨、終盤の残り1時間を切ってから本降りの雨となる難しいコンディションとなった。だがセーフティカー導入もなくレースは進行し、予選4番手スタートのTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/片岡龍也/中山友貴/元嶋佑弥組)が逃げ切り、2年連続の優勝を達成した。
ENEOS スーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE 第3戦「NAPAC富士24時間レース」
開催日:2026年6月4~7日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C
スーパー耐久シリーズの一戦として、2018年に50年ぶりに復活した富士24時間レース。S耐シリーズ戦としては、これまでの8大会で日産GT-R NISMO GT3が2018年、2019年、2021年、2022年に優勝し、メルセデスAMG GT3が2020年、20223年、2024年、2025年に優勝と、それぞれ4勝ずつを挙げている。
また、このレースは周辺地域の住民が無料で入場でき、地元の夏祭りのような意味合いも持つ。さらに、キャンプサイトの充実により、テントや車中泊でキャンプをしながらレースを楽しむスタイルが定着しつつある。今年は昨年比21.3%増となる6万4,900人(3日間)の来場者を集めた。
ST-Xクラス
心配された台風6号も4日には東へ去り、5日から大会は予定どおり進行した。12時10分から行われた公式予選では、A/Bドライバーのベストタイム合算により、今季初参戦のST-Xクラス(全6台)でポールポジションを獲得したのは、DAISHIN GT-R GT3(大八木龍一郎/坂口夏月/木村偉織/徳升広平/藤波清斗組)。
これに続いたのがDENSO LEXUS RC F GT3(永井秀貴/蒲生尚弥/小河諒/嵯峨宏紀/阪口晴南/永井宏明組)、D’station Ferrari 296 GT3(星野敏/藤井誠暢/金丸ユウ/近藤翼組)、TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/片岡龍也/中山友貴/元嶋佑弥組)で、トップ4には異なる車種が並んだ。
6日14時59分、スタート時の天候は薄曇り、気温22度、路面温度35度。天気予報では翌日午後の降雨が予想されていた。ポールスタートのDAISHIN GT-R GT3の坂口選手が隊列をリードするも、やがてタイヤのグリップが低下し、D’station Ferrari 296 GT3の藤井選手が先頭に立つ。
レース序盤はピットロードでの車両火災が発生したものの、コース上では大きなアクシデントやトラブルはなく、比較的落ち着いた展開となった。日没までに導入されたフルコースイエロー(FCY)は1回のみで、短時間に留まった。
日没が近づくとキャンプサイトではバーベキューの煙が立ち上り、日没後は恒例の花火が打ち上げられてナイトレースが本格化。総合トップはピットインのタイミングにより入れ替わりがあったものの、レースの大半をリードしていたのはD’station Ferrari 296 GT3。
だがDʼstation Ferrari 296 GT3はバックマーカーとの接触でサスペンションを損傷し、修復のためピットで時間を費やしてポジションを落とす。これにより総合優勝争いは、DAISHIN GT-R GT3とTKRI松永建設AMG GT3による一騎打ちとなった。
夜が明けると、予報より早く霧雨から弱い雨となる。路面はドライタイヤで対応可能な状態だったが、10時40分過ぎにDAISHIN GT-R GT3がウェットでの逆転を狙いレインタイヤに交換。しかし雨量は増えず、ドライタイヤのまま走行を続けたTKRI松永建設AMG GT3がこのスティントでトップを奪回する。次のピットでDAISHIN GT-R GT3はスリックタイヤへ戻した。
午後に入ると再び雨が降り始め、残り30分の時点でTKRI松永建設AMG GT3を同一ラップで追うDAISHIN GT-R GT3は燃料補給のため最後のピットイン。この際、再びレインタイヤに交換し勝負をかける。
終盤、DAISHIN GT-R GT3の木村選手はTKRI松永建設AMG GT3の元嶋選手を激しく追い上げたが、元嶋選手はスリックタイヤのまま濡れた路面をミスなく走行し、1分19秒725差でチェッカー。TKRI松永建設AMG GT3が大会2連覇を達成した。3位はCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(LEE JEFFREY/OJEDA JAYDEN/SUN JINGZU/FONG ADDERLY/TOM KALENDER組)となった。
ST-Zクラス
ST-Zクラス(全11台)は、埼玉GB GR Supra GT4 EVO2(松井宏太/野中誠太/服部尚貴/吉田広樹/平良響組)が終始リード。しかし残り20分で雨量増加によるピットインでレインタイヤへ交換した際、“ジャッキダウン中にエンジン始動且つ作業完了前に動き出した”と裁定され、決勝結果に105秒加算。
これにより、2番手でフィニッシュした日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(大塚隆一郎/富田竜一郎/篠原拓朗/松田次生/ロニー・クインタレッリ/柳田真孝組)が逆転優勝となった。3位はKOKUSAI GROUP GT4 RS CS(呉良亮/久保凜太郎/北園将太/山野直也/平安山良馬/石川京侍組)だった。
ST-TCRクラス
ST-TCRクラス(全2台)は、参戦した2台ともにマシントラブルに見舞われたが、BRP★NUTEC 制動屋 CUPRA TCR(近藤説秀/末廣武士/東風谷高史/井本大雅/大原佳祐/石井一輝組)が連勝を飾った。
ST-USAクラス
ST-USAクラス(全1台)は、BRP★HOJUST MUSTANG DHR(猪爪杏奈/大野尊久/奥村浩一/竹本優月輝/いとうりな/松本玲二組)がトラブルを抱えながらも終盤にコース復帰を果たし、完走で2連勝を達成した。
ST-Qクラス
メーカーの開発車両によるST-Qクラス(全5台)は4台が完走した。レーシングカーとして世界初となる超電動モーターを組み込んだ液体水素燃料車として注目を集めたTGRR GR Corolla H2 concept(MORIZO/石浦宏明/大嶋和也/豊田大輔/福住仁嶺組)は、483周を走破して24時間レースを終えた。
ST-1クラス
ST-1クラス(全2台)は、ライバルのマシントラブルもあり、D’station Porsche 992(浜健二/星野辰也/田中哲也/樺木大河/ジェイク・パーソンズ組)が独走で連覇を達成。今シーズン負けなしの4連勝を飾った。
ST-2クラス
ST-2クラス(全8台)は、昨年のチャンピオンであるOHLINS CIVIC NATS(金井亮忠/山野哲也/野島俊哉/南澤拓実/大津弘樹組)が終始レースをリード。午前中の雨でウェットタイヤに交換したものの、四輪駆動のENDLESS GR YARIS(花里祐弥/石坂瑞基/伊東黎明/岡田整組)がドライタイヤのまま走行し、雨が一旦上がったタイミングで逆転した。これによりENDLESS GR YARISが今季初優勝を飾り、ポイントリーダーに立った。
ST-3クラス
ST-3クラス(全2台)は、エアバスターWinmax RC350 EXEDY(高橋裕史/伊藤鷹志/酒井仁/藤田真哉/高砂岳美/安井和弥組)が、ライバルの脱落により独走状態となり、シリーズ3連勝を達成した。
ST-4クラス
ST-4クラス(全10台)は、ENDLESS GR86(坂裕之/管波冬悟/小林利徠斗/島谷篤史/岡本大地組)と、HC GALLERY EXEDY GR86 WINMAX(島拓海/冨林勇佑/丸山陽平/橋本隼/大田優希/井上雅貴組)による一騎打ちとなったが、ENDLESS GR86が終盤にトラブルを抱え、HC GALLERY EXEDY GR86 WINMAXが今季初優勝を遂げた。
ST-5Fクラス
前輪駆動のST-5Fクラス(全6台)は、“公団ちゃん”の愛称でお馴染みのFCR58 SAKAE-MS FIT(ピストン西沢/小田優/三輪英則/大島良平/瀬戸惇吾/四倉悠聖組)がシリーズ初優勝を飾った。
ST-5Rクラス
後輪駆動のST-5Rクラス(全8台)は、予選時から不調を抱えていたトレジャーワン with 村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/黒沼聖那/吉田綜一郎/太田達也組)が、ライバルとの接戦を制し、今季2勝目を挙げた。
シリーズ第4戦は、7月3~5日にスポーツランドSUGOで、2グループによる4時間レースとして開催予定。
PHOTO/後藤佑紀[Yuuki GOTOU]、吉見幸夫[Yukio YOSHIMI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/皆越和也[Kazuya MINAKOSHI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



