PN3・4伊藤竜之選手が8年ぶりに東北ジムカーナを制す!

レポート ジムカーナ

2026年6月22日

東北ジムカーナ選手権 第3戦が6月7日、宮城県仙台市の赤門自動車テストコースで開催された。4月に開幕し、今シーズンも全7戦のスケジュールで行われる。これまでのエビスサーキット西コース、新協和カートランドに続く第3戦の舞台となったのは赤門自動車テストコースだ。今季から新設されたPN3・4クラスでは伊藤竜之選手が第1ヒートのトップタイムを守り8年ぶりとなる地区戦勝利を挙げた。

2026年JAF東北ジムカーナ選手権 第3戦
2026年JMRC東北ジムカーナシリーズ第3戦
2026年JMRC全国オールスター選抜 第3戦
DIREZZA CUP

開催日:6月7日
開催地:赤門自動車テストコース(宮城県仙台市)
主催:奥州VICIC

4月に同会場で開催された全日本選手権第3戦と同じコースレイアウトが採用された。安全を考慮して高速となる30度バンクの外側は路面コンディションに合わせてパイロン位置や間隔を若干変更し、全日本選手権よりも下側のラインを走行するよう規制パイロンが設置された。
慣熟歩行時は小雨模様で路面はわずかにウェット。時間経過による路面変化と30度バンクが攻略の鍵となるため、選手たちは入念に確認を行っていた。

 今シーズンの主な変更点のひとつは、タイヤ品質等級基準にあたるUTQGのTREADWEAR280以上のタイヤ装着が義務付けられていたSATWクラスはSA・SAX車両が対象だったが、B車両まで拡大。これに伴い、クラス名称はSATWからBTWクラスへ変更された。

 また2WDのPN車両について、全日本選手権では排気量2000ccを境にPN3クラスとPN4クラスに分かれるが、東北地区戦では両クラスを統合し、PN3・4クラスを設定した。その他のクラスを含め、地区戦は全9クラスが設定され、第3戦ではそのうち5クラスが成立した。

 大会当日は朝から厚い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうな空模様となった。慣熟歩行時には小雨がぱらつき、路面はわずかに湿った状態となったが、競技開始までにはドライコンディションへ回復。その後も霧雨が降ったり止んだりする不安定な天候が続いたものの、路面は辛うじてドライを維持した。

 第2ヒートでの逆転劇の有無は、このあとの天候次第。刻々と変化するコンディションの中、第1ヒートから一瞬たりとも気が抜けない緊迫した戦いが繰り広げられた。

2026年JAF東北ジムカーナ選手権 第3戦

PN2クラス

 排気量1500cc未満で後輪駆動のPN車両で争われるPN2クラスは、ディフェンディングチャンピオンでありポイントリーダーでもある関勝哉選手が、第1ヒートからクラス唯一となる1分13秒台を記録しトップに立った。2番手には関選手とダブルエントリーの松下武史選手が1分14秒台で続き、さらに熊谷駿選手が3番手につけた。

 迎えた第2ヒート。クラス先頭ゼッケンの関選手はタイム更新を狙ったものの、わずかにタイムダウン。それでも第1ヒートのタイムでトップを維持し、後続の走りを見守る展開となった。

 しかし1分13秒台の壁は厚く、上位陣もトップタイム更新には至らない。終盤には熊谷選手がタイムを縮めて2番手へ浮上したが、ラストゼッケンの松下選手はタイムダウンし3番手へ後退した。この結果、関選手が両ヒートとも13秒台のトップタイムを記録し完全優勝を飾った。

「実は前回までクルマのセッティングがうまくまとまっておらず、メンテナンスでお世話になっているラヴィッシュモーターワークスさんに基本セットを出していただきました。その後、自分なりに調整したところ、とても良い状態になりました」と関選手。

 また、「路面は1本目の方が少し良かったと思います。2本目は少し滑るような感触がありました。ただ、本当に速い選手なら状況に合わせてしっかりタイムアップしてくると思いますし、第2戦で優勝した上野(健司)選手や2位の藤原(雄司)選手がいたら負けていたかもしれません。まだまだ実力不足だと感じています」と振り返った関選手がシリーズ3連覇へ向け今季初の優勝を手にした。

PN2クラス優勝は関勝哉選手(ARRMWゼノASロードスター)。
2位は熊谷駿選手(クイック・ロードスター借)、3位は松下武史選手(関さんのロードスター)。
PN2クラス表彰の各選手。

PN3・4クラス

 排気量1500cc以上で2輪駆動のPN車両で競われるPN3・4クラスでは、開幕から2戦連続で2位を獲得している伊藤竜之選手が、第1ヒートで1分14秒202を記録しトップに立つ。工藤将人選手が1分15秒629で2番手につけ、3番手以降は1分16秒台で続く展開となった。

 第2ヒートでは、第1ヒート3番手だったレジェンドドライバーの飯塚信男選手が1分15秒479を記録し、工藤選手を0.15秒上回って2番手へ浮上。しかし、その後の上位陣はタイムダウンが続き、大きな順位変動は起きなかった。

 その結果、ウィニングランとなったラストゼッケンの伊藤選手はタイム的には自己ベストを上回っていたものの、パイロンペナルティを犯しタイム更新はならなかった。それでも第1ヒートのタイムが生き、逃げ切りで優勝を決めた。

「免許を取得してからずっとFF車に乗っていて、そろそろFR車でもと思いロードスターを購入したのですが、自分にはリア駆動が合いませんでした。そのとき乗りたそうにしている畠山(佳)選手がいて(笑)、彼とクルマを交換しました。今回、タイムではPN2クラスの関選手に負けてしまいましたが、クラスが違うので『勝ちは勝ち』ということで(笑)」と昨季から地区戦に復帰して以来、8年ぶりの優勝を手にした伊藤選手が久々の勝利に笑顔で語った。

PN3・4クラス優勝は伊藤竜之選手(QMエナペDL☆BMKスイフト)。
2位は飯塚信男選手(みちのく・GR86)、3位は工藤将人選手(SKIP☆TUS☆ロードスター)。
PN3・4クラス表彰の各選手。

BTW-2クラス

 2輪駆動で競うBTW-2は今季から、前述のとおりSAとSAX車両に加えてB車両も対象となる。第1ヒートは、開幕戦ウィナーでポイントリーダーの清水直人選手が1分15秒04でトップに立ち、久連山義人選手が0.133秒差の2番手。さらに米谷直樹選手が0.035秒差で続き、川村茂倫選手も加わってトップから4番手までが約0.4秒差内にひしめく接戦となった。

 第2ヒートでは順位に大きな変化がないまま進行したが、クラス中盤に出走した米谷選手が1分14秒696を記録しトップに躍り出た。その後の上位陣も1分14秒台突入が期待されたが、久連山選手、川村選手、そしてラストの清水選手はいずれもタイムダウン。結果として、唯一大幅なタイム更新に成功した米谷選手が逆転優勝を果たした。

「今シーズンは今回が2戦目です。前回の新協和では結果が振るわなかったので、今回は挽回しようと思っていました。2本目はそれまで抑え気味だった走りから、思い切って攻める方向へ切り替えました。それが良かったのだと思います。ただ失敗した部分もありましたし、正直ここまでタイムアップしているとは思いませんでした(笑)」と笑顔でコメントした米谷選手。昨季から東北地区戦へ参戦しており、デビューイヤーは未勝利だったが、参戦2季目で地区戦初優勝を飾った。

BTW-2クラス優勝は米谷直樹選手(BMKsport96ミラージュ)。
2位は清水直人選手(☆Gメカ。GR86☆)、3位は久連山義人選手(ナカノMoty's S2000)。
BTW-2クラス表彰は左から4位の川村茂倫選手、2位の清水選手、1位の米谷選手、3位の久連山選手。

BTW-4クラス

 4輪駆動のB・SA・SAX車両が参戦するBTW-4クラスは、BTW-2と同様の車両区分に変更された。第1ヒートでは、開幕戦を欠場しながらも第2戦を制してランキング2番手につけるディフェンディングチャンピオンの中村武留選手が、1分12秒025を記録してトップに立った。渡辺弘選手が0.852秒差の2番手、佐柄英人選手が3番手につけ、上位陣は1分12秒台で争われる展開となった。

 前走クラスまでのタイムを見る限り、路面状況は第1ヒートから大きな変化はなく、大幅なタイムアップは難しいものの、逆転の可能性は十分に残されていた。しかし第2ヒートでは、佐柄選手がミスコースにより順位を上げられず、渡辺選手もタイムアップしたもののトップとの差を縮め切れない。

 こうした状況の中、中村選手はさらにタイムを更新し、1分11秒811を記録。全クラス中、唯一の1分11秒台をマークし、オーバーオールタイムでの優勝を果たした。

「1本目は完全にウェット向けのセッティングで走ったのですが、周囲の選手に聞くと皆さんドライセッティングだったので(笑)、トップタイムを出せていた余裕もあり、2本目はドライに変更しました」と話した中村選手。

「コース中盤あたりで手応えを感じており、ドライセッティングが正解でしたね。ただ、赤門は個人的に苦手意識のあるコースで、昨年も何度か走りましたが、優勝は今回で2回目です。内容として満点ではありませんが、まずまずの走りはできたと思います」と競技を振り返り、シリーズ連覇へ向けて2連勝を達成した。

BTW-4クラス優勝は中村武留選手(BODY・JACK和光ランサー)。
2位は渡辺弘選手(ランサー)、3位は佐柄英人選手(DLレイズマルイCLヤリス)。
BTW-4クラス表彰の各選手。

BSC-2クラス

 排気量無制限で2輪駆動のB・SA・SAX・SC車両で争われるBSC-2クラス。第1ヒートでは、開幕から2連勝中の巻口洋平選手が1分13秒026でトップ。合田尚司選手が約0.2秒差で2番手につけたが、3番手以降はやや差が開いた。

 ところが第2ヒートで戦況が大きく動く。合田選手はパイロンペナルティでタイム更新ならず。一方、第1ヒートでパイロンペナルティを犯した菊池功悦選手が1分12秒678を記録してトップを奪った。

 さらに、第1ヒートはミスコースでノータイムの宍戸政宏選手も1分12秒963をマークし2番手に進出。トップ争いが1分12秒台へ突入する中、ラストの巻口選手が登場。この時点で3番手まで順位を下げていた巻口選手だったが、1分12秒608を記録。菊池選手を0.07秒上回り、劇的な逆転優勝を決めた。

「1本目はサイドブレーキの操作を失敗するなど、少し集中力を欠いた走りでした。2本目は後半の360度ターンで大回りしてしまいましたが、それ以外は良い走りができたと思います」と昨季はSATW-2クラスでシリーズ2位に終わった巻口選手。今シーズンは開幕から3連勝と絶好調だ。

BSC-2クラス優勝は巻口洋平選手(QUICK GRIPスイフト)。
2位は菊池功悦選手(DLガルフマキシマ180sx)、3位は宍戸政宏選手(BSササキSPMインテグラAz)。
BSC-2クラス表彰の各選手。

2026年JMRC東北ジムカーナシリーズ 第3戦

2クラス

 排気量1000cc以上の前輪駆動が対象車両となる2クラスは3台で競われた。工藤利康選手が1分17秒055で第1ヒートトップ。伊藤研選手が2番手につけ、冨松元選手は3番手からのスタートとなった。

 第2ヒートでは工藤選手がタイムダウン。伊藤選手はタイムアップしたものの逆転には届かなかった。一方、ディフェンディングチャンピオンの冨松選手は1分15秒007を記録し、自己ベストを3秒以上更新。見事な逆転優勝を飾った。

「1本目はギヤが入りにくく、大回りしてタイムロスしてしまいました。2本目はしっかりと車速を落とし、素早く向きを変えることを意識したことで良い結果につながったと思います」と振り返った冨松選手が開幕3連勝を達成した。

2クラス1位は冨松元選手(通園スイフト白DL&DXL)。
2クラス表彰は左から2位の工藤利康選手、1位の冨松選手、3位の伊藤研選手。

6クラス

 クローズドの6クラスは4台で争われたが、第1ヒートで3台がミスコースとなる波乱の展開。しかし第2ヒートは全車が無事完走した。優勝したのは、第1ヒートで確実にタイムを残していた小野敦史選手。

「クラス最後のゼッケンだったので、もし全員ミスコースだったら大変だと思い、1本目はとてもプレッシャーがありました(笑)。2本目はタイムアップできましたが、パイロンタッチがあったので少しもったいなかったですね」と小野選手。

 また、小野選手とWエントリーした車両オーナーの永井優作選手は3位でフィニッシュ。「小野選手はジムカーナの師匠ですが、少しずつタイム差が縮まってきていますので、師匠に勝つか、クルマが寿命を迎えるまで、このクルマで勉強を続けたいと思います(笑)」と笑顔で語った。

6クラス1位は小野敦史選手(牛貯☆借り物ノートeパワ号!)。
6クラス表彰は左から2位の尾原康貴選手、1位の小野選手、3位の永井優作選手。

PHOTO/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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