第5戦スナガワで山野哲也選手がメモリアル150勝の偉業達成
2026年7月16日
今シーズンも昨年と同様に全8戦で争われる全日本ジムカーナ選手権は、第5戦「北海道オールジャパンジムカーナ」から後半戦に突入。PE2クラスの山野哲也選手は今季4勝目を挙げ、全日本ジムカーナ選手権通算150勝を達成した。
2026年JAF全日本ジムカーナ選手権 第5戦
2026年JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ EXラウンド
北海道オールジャパンジムカーナ
開催日:2026年6月27~28日
開催地:オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース(北海道砂川市)
主催:C.S.C.C.、AG.MSC北海道
石狩川の広大な河川敷を利用したオートスポーツランドスナガワ ジムカーナコースには、選手権クラスに98台、併催されたJMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ EXラウンドに12台と、参加受理台数いっぱいの計110台がエントリーした。
台風の接近により大雨が心配されたものの、決勝日の朝は曇り空。午後からは雨の予報が出ていたことから、第1ヒートのタイムが勝負を左右するとみられていた。しかし実際は、第1ヒート途中から雨が降ったり止んだりする不安定な天候となり、クラスによっては気まぐれな雨に翻弄される一戦となった。
PE1クラス
PE1クラスは、第1ヒートでトップの野島俊哉選手(BMW・ミニJCW E)、2番手の加田充選手(ホンダ・シビック)、3番手の折茂紀彦選手(ホンダ・シビック)の3台が1分22秒台に並ぶ接戦となる。
第2ヒートでは、折茂選手が自己ベストを更新する走りを見せたものの、パイロンペナルティによる5秒が加算されてタイムアップはならず。第1ヒート首位の野島選手も、自己ベストのタイムに0.031秒届かない。一方、第1ヒート2番手の加田選手は、野島選手の第1ヒートのタイムを0.194秒上回ってフィニッシュしたが、こちらもパイロンに捕まり幻のベストタイムとなった。
優勝の野島選手は「前日の公開練習でもシビックに負けていましたし、本当にギリギリの戦いでした」と今季5連勝を達成し、早くもシリーズチャンピンを確定させた。2位の加田選手は「パイロンタッチしたあの瞬間だけ、いつも乗っているヤリスの感覚になってしまいました」と悔しさをにじませた。
PE2クラス
PE2クラスは、今季3勝を挙げている山野哲也選手(アルピーヌ・A110R)が、第1ヒート2番手の古田孝一選手(アルピーヌ・A110R)に2.156秒の差をつけてベストタイムをマークした。第2ヒートでは、牧野タイソン選手(アルピーヌ・A110R)が「より早くアクセルを開けられる仕様のダンパーをつくってもらい、クルマの対応幅が広がりました」とタイムを縮め、古田選手をかわして2番手へ浮上。
最終走者、山野選手の2本目はパイロンペナルティでタイムアップはならず。しかし、第1ヒートのタイムが決め手となり、山野選手が今季4勝目を挙げるとともに、全日本ジムカーナ選手権通算150勝の偉業を達成した。
節目となる150勝を達成した山野選手は「以前からスナガワはタイヤとのマッチングが良いコースで、今年はニューモデルのタイヤでしたが、今季で一番安心して挑める大会でした。150勝という節目については、まず続けてきて良かったという気持ちがあります」と喜びを語った。
PNATクラス
PNATクラスは黒水泰峻選手(マツダ・ロードスターRF)が第1ヒートでトップタイムをマーク。
第2ヒートでは、第1ヒートで0.3秒差まで迫っていた河本晃一選手(スバル・BRZ)が「今回のコースレイアウトはロードスターRFに有利だと感じていたので、その差を埋めるため、針の穴を通すような気持ちで限界まで攻めました」と猛アタック。黒水選手のタイムを上回ってフィニッシュしたが、パイロンペナルティ2本と脱輪ペナルティ2回を受け、逆転はならなかった。そして河本選手は「老眼なので、針の穴が見えませんでした」と自虐を交えたコメントも残してくれた。
黒水選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り、開幕戦以来となる今季2勝目を獲得。2位に河本選手、3位には「LSDはまだ装着できていませんが、その中では一番良い状態にセットアップできていると思います」と満足そうに話した高江淳選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞した。
PN1クラス
PN1クラスは、すでに2勝を挙げている朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)が、第1ヒートのタイムで逃げ切り今季3勝目を飾った。その朝山選手は「スナガワは得意なコースですが、結果の振れ幅が大きく、勝つか撃沈するかという印象があります」と苦笑いを浮かべた。
2位には「初めてのスナガワでしたが、地元でよく走っているキョウセイ(ドライバーランド)に似たレイアウトで、自分好みのコースです」と語った岡直輝選手(トヨタ・ヤリス)が入り、第2ヒートで朝山選手に0.768秒差まで迫る走りを見せた。3位は、第1ヒートのパイロンペナルティを第2ヒートで挽回した金澤和幸選手(トヨタ・ヤリス)が、全日本自己最高位となる3位に入賞した。
PN2クラス
PN2クラスは、前日の公開練習から好調だった中田匠選手(マツダ・ロードスター)が、第1ヒートはパイロンペナルティに泣いたものの、第2ヒートでしっかりと立て直してベストタイムを更新。全日本選手権では自身2度目となる優勝を飾り、今季初勝利をつかんだ。
中田選手は「スナガワは2023年に初めて遠征して以来、今年で4年目です。毎年苦しみながらも、タイヤの内圧や温度など細かなデータを積み重ねてきました。今回は天候が不安定だったぶん、そのデータをうまく生かすことができたと思います」と語った。
2位には、中田選手と同じく第1ヒートでパイロンペナルティを喫した武内靖佳選手(マツダ・ロードスター)が入賞。「私はコーナーへ飛び込み、一気に向きを変えてアクセルを開け、トラクションをしっかりとかける走りが持ち味ですが、このコースにはまったく合いませんでした。そのため自分の走りにこだわらず、とにかく丁寧にタイヤのグリップ感を確かめながら走りました」と、第2ヒートでタイムアップを果たした。
3位は、武内選手に0.025秒差で福田大輔選手(マツダ・ロードスター)が獲得。「後半区間はトップタイムでしたが、前半から中間区間で遅れてしまったことが影響しました」と競技を振り返った。
PN3クラス
PN3クラスは「このラウンドに向けて、クルマのセッティングだけではなく、シート位置の微調整やステアリングの交換など、細かな部分まで見直してきました」という藤井裕斗選手(マツダ・ロードスターRF)が、2位に1.596秒差をつける圧巻の走りで今季2勝目を手にした。
2位には「タイヤとコースとの相性を考えれば、2位は最低限の結果だったと思います」と評価した川北忠選手(マツダ・ロードスターRF)が、第2ヒートでは逆転を狙ったが、パイロンペナルティ2回を喫しタイム更新はならず、第1ヒートのタイムで入賞した。
3位は、初めてスナガワに遠征した徳武銀河選手(マツダ・ロードスター)が、第2ヒートでタイムを縮めて表彰台を獲得した。
PN4クラス
PN4クラスは、第4戦終了時点でシリーズランキング首位に立っていた野島孝宏選手(トヨタ・GR86)が、両ヒートでパイロンペナルティを受けて最下位に沈む波乱の展開となった。
その中で、シリーズランキング2番手のユウ選手(トヨタ・GR86)が両ヒートとも2位以下を2秒以上引き離す圧倒的な走りを披露し、今季2勝目を獲得。今回ノーポイントに終わった野島選手を逆転し、シリーズランキングでも首位に浮上した。
ユウ選手は「タイヤと路面の相性が良かったこともありますが、スナガワは少し独特な走らせ方が求められるコースなので、その差も大きかったと思います」と勝因を語った。
2位は「スナガワはオーバーステア傾向になるので、リアの減衰を少し硬めにして、パイロン区間でも安心して踏めるセットにしました」という大坪伸貴選手(スバル・BRZ)が、全日本では自身2度目となる2位を獲得。
3位には「後半のハイスピードセクションは得意ですが、前半のテクニカルセクションが課題です」と語り、昨年関東から北海道へ転居した由田兼三選手(スバル・BRZ)が入賞した。
PN5クラス
PN5クラスは、開幕戦から第4戦まで未勝利で、前戦TAMADAラウンドでも13位と苦戦していたベテランの菱井将文選手(トヨタ・GRヤリス)が、前日の公開練習から速さを見せ、決勝も第1ヒートのタイムで逃げ切って今季初優勝を飾った。
菱井選手は「TAMADAではトラクションコントロールの正しい切り方を知らず、中途半端な状態で走っていました。GRの方から『こうやって走るんですよ』と教えていただき、おかげで今回は気持ち良く走ることができました」とホッとした表情で語った。
2位は、第2ヒートで菱井選手に0.693秒差まで迫ったシリーズランキング首位の津川信次選手(トヨタ・GRヤリス)が獲得。
津川選手は「スナガワは以前からライバルメーカーのタイヤの方が路面との相性が良いことは分かっていました。そのため2位で乗り切ることを目標にしていたので、ある程度は狙いどおりでした。それでも、やはり悔しいですね」と胸の内を明かした。
3位には、第2ヒートはタイムを伸ばせなかったものの、第1ヒートのタイムで上本昌彦選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞した。
BC1クラス
BC1クラスは、今季3勝を挙げている西井将宏選手(ホンダ・インテグラ)が第1ヒートでベストタイムをマークしたかに見えたが、パイロンペナルティにより記録は幻となった。仕切り直しとなった第2ヒートでも「前半は良かったのですが、後半でリアが動きすぎてしまいました」とタイムを伸ばせず3位に終わる。
優勝は「スナガワは2年ぶりですが、今回は土曜日の時点で欠場も考えるようなトラブルがありました。それでも決勝日の朝には何とか修復できました」と話した佐野光之選手(ホンダ・インテグラ)が、第1ヒートのタイムを守り獲得した。
2位には「これまでのスナガワでの経験が生きました。第2ヒートは路面が滑りやすくなる傾向ですが、その変化にうまく合わせて走ることができたと思います」と笑顔を見せた橋本克紀選手(ホンダ・シビック)が入賞した。
BC2クラス
BC2クラスは、第4戦終了時点で若林拳人選手(ロータス・エキシージ)と広瀬献選手(ホンダ・S2000)がシリーズランキング首位で並ぶ注目の一戦となった。
第1ヒートは、ハードコンパウンドタイヤを選択した広瀬選手が「直前に雨が降り、想定より前半でタイヤが温まりませんでしたが、後半で何とか巻き返すことができました」とベストタイムをマーク。一方、ソフトコンパウンドタイヤを選んだ若林選手は「後半は厳しかったです」と0.087秒差の2番手につけた。
第2ヒートでは、広瀬選手はパイロンペナルティでタイムを更新できず、若林選手に逆転のチャンスが訪れた。しかし、広瀬選手の第1ヒートのタイムにはわずか0.007秒届かず、広瀬選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り今季3勝目を挙げた。
2位は「ドライビングにミスがなければ逆転できるチャンスがあっただけに悔しいです」と話した若林選手が入り、3位には「クルマは進化していますが、その進化にドライバーが合わせることがとても難しいです」と述べた小林キュウテン選手(トヨタ・MR-S)が入賞した。
BC3クラス
BC3クラスは「スナガワの路面はタイヤへの攻撃性が高いのですが、年々グリップが落ちているように感じます。今回は雨でも晴れでもドライタイヤでいくと決めていたので、天候に左右されることはありませんでした」と自信を持って語った大橋渡選手(スバル・インプレッサWRX)が両ヒートを制し、今季4勝目を達成。シリーズチャンピオン獲得へ大きく前進した。
2位は、前日の公開練習でトランスミッションが故障し、決勝はノーマルトランスミッションで臨んだ一色健太郎選手(トヨタ・GRヤリス)が獲得。
3位にはBEV(バッテリー式電気自動車)のテスラ・モデル3を駆る安木美徳選手が入賞。「今シーズンは猪爪俊之選手がテスラで参戦されていて、セッティングについて情報交換を重ねたことで、クルマの動きはかなり良くなりました。今回もパイロンセクションで大きくタイムを落としてしまいましたが、課題であるサイドターンの確実性が高まれば、優勝争いの常連になれると思います」と手応えを口にした。
JMRC北海道WinmaXジムカーナシリーズ EXラウンド
R-ecoクラス
R-1クラス
86/BRZクラス
R-2クラス
PHOTO/CINQ、大野洋介[Yousuke OHNO] REPORT/CINQ、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



