多賀一賀選手が近畿ジムカーナ第3戦最激戦区のPN3で今季初優勝!

レポート ジムカーナ JAFWIM

2026年6月5日

全7戦で競われる2026年JAF近畿ジムカーナ選手権の第3戦が5月17日、三重県に建つ鈴鹿サーキット南コースで開催された。今回の一戦を主催する大阪府のJAF公認クラブ、淀レーシングクラブ(チーム淀)が鈴鹿南で2026年JAF全日本ジムカーナ選手権 第7戦を主催する。その前哨戦ともなった今回の一戦には、併催シリーズも併せて165選手が集う盛況となった。

2026年JAF近畿ジムカーナ選手権 第3戦
2026年JMRC近畿ジムカーナ チャンピオンシリーズ第3戦
2026年JMRC全国オールスター選抜 第3戦
2026年JMRC近畿ジムカーナ ミドルシリーズ第4戦
淀ハイスピードジムカーナ

開催日:2026年5月17日
開催地:鈴鹿サーキット南コース (三重県鈴鹿市)
主催:チーム淀

 前週には2026年JAF中部ジムカーナ選手権 第3戦も鈴鹿南で開催、そして今回の一戦と同日には全日本の第4戦が広島県のスポーツランドTAMADAで開催された。全日本勢はTAMADAでの戦いとなったが、地区戦が主戦場で全日本にスポット参戦するスラローマーにとっては、全日本第7戦に向けた絶好の予行練習になることは間違いなく、中部地区から上位ランカーも参戦。中には中部地区戦の第3戦から二週続けて鈴鹿南でのジムカーナ三昧を満喫したスラローマーもいた。

鈴鹿サーキット南コースで開催された2026年JAF近畿ジムカーナ選手権 第3戦が開催された5月17日は快晴、伊勢湾からの海風が気持ち良いジムカーナ日和となった。
海風が涼しさを届けたものの猛暑日一歩手前、季節外れの炎天下。ドライバーズブリーフィングはパドックの日陰を活用して行い、今回の一戦を支えるオフィシャルにも暑さ対策が施された。

 今回の一戦のレイアウトは全日本第7戦のシミュレーションを兼ねて、全日本に長年参戦してきたスラローマーも設定に関わり、綿密な走り込みも実施して十分な事前テストを経た設定だそうだ。レイアウトづくりにも携わった吉川寛志事務局長は、「中部地区で走り慣れている選手はゼブラゾーンの内側を使って走るのに慣れていると思うのですが、今回はゼブラの内側のグリーンの舗装部分は使えないようにパイロンを配置しました。走り慣れている人にとってはそこが一つのポイントになるかと思います」と、攻略のヒントを明かした。

 また、「『淀ハイスピードジムカーナ』の大会名に相応しい、鈴鹿南コースを堪能できるよう、思いっきりアクセルを踏めるレイアウトです。カートコースをしっかり楽しんでもらって、中央にパイロンコースを持ってきたというイメージです」と、レイアウトの意図も語った。

2026年JAF近畿ジムカーナ選手権 第3戦のレイアウトは鈴鹿サーキット南コースの特徴を生かした、ハイスピードとテクニカルを組み合わせた設定。他のコースではレイアウト終盤に設定されることが多いパイロンを置いたテクニカルセクションが、序盤に待ち構えていることも特徴だ。
第3戦のレイアウト設定に携わり、攻略ポイントや意図を語った吉川寛志氏はJMRC近畿の副運営委員長とジムカーナ部会長を兼任し、近畿モータースポーツを牽引する一人だ。
コースオープンとともにスラローマーは一斉に慣熟歩行をスタート。JAF中部ジムカーナ選手権とは異なるパイロン配置にとまどいを見せたり、新たなラインを構築するために何度もS字区間を往復したり、更にはパイロンセクションの勾配を気にして、路面と目線を限りなく近づけて勾配を読んだりなどなど……。十人十色の慣熟歩行に勤しんでいた。

2026年JAF近畿ジムカーナ選手権 第3戦
2026年JMRC近畿ジムカーナ チャンピオンシリーズ第3戦
2026年JMRC全国オールスター選抜 第3戦

2PDクラス

 2PDクラスはその名のとおりクラッチペダルがなく、運転席の足元に二つしかペダルがない車両が対象。いわゆる“オートマ免許”でも運転できる2ペダルのP・PN・AE・B車両で戦う。なお、このクラスとBRの2クラス、PNの3クラスとBPNクラスで履けるタイヤは、2026年全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権統一規則の第2条2)〔(1)以外〕に準ずるが、JMRC近畿ジムカーナ部会に指定されたタイヤは使用できない。

 開幕第1戦は、ディフェンディングチャンピオンの段上泰之選手が勝利を収めた。しかし、段上選手は全日本に集中するため、2PDは“NEXT段上”の座を争っている。リードしているのは、開幕戦で段上選手に次ぐ2位を獲得した谷英幸選手。第2戦では今季初勝利を挙げている。一方、このクラスを段上選手と支えてきたMOTOHIRO選手は今季、アルピーヌA110SからDAT搭載のGRヤリスに変更したが、まだ苦しんでいる様子だ。

 第3戦では英幸選手とMOTOHIRO選手の争いに、平田吉久選手が割って入ろうと挑む。第1ヒートでは平田選手が1分19秒58とまずまずのタイムを記録したが、続くMOTOHIRO選手はミスコース。楽な展開となった英幸選手が、一人異次元の1分17秒862で折り返す。

 迎えた第2ヒート、逆転を狙うMOTOHIRO選手は絶対にミスが許されない。しかし、このプレッシャーが重かったのか? MOTOHIRO選手はブレーキングに気迫が感じられず、テクニカルセクションでも精細さに欠けた。タイムアップならなかった平田選手を0.165秒差でかわしたが、トップタイムには遠く及ばない。

 ウィニングランとなった英幸選手だったがEPSを解除し忘れてしまい、各所で制御がかかってトップタイムは更新できず。それでも逃げ切って二連勝を飾った。「1本目はそこそこだったんですが、2本目はなかなかキツかったですね」と第3戦を振り返った。

 続けて「とにもかくにも、いつも支えてもらっている皆さんのおかげです。奥さんはもちろんなんですが、特にATIKの喜多(治人)さんには本当にお世話になっています。今年は段上選手が全日本にシフトなさったので、段上選手の留守を預かる身としてはしっかり頑張りたいと思っています」と、支える方々への感謝も忘れなかった。

2PDクラスはスズキ・スイフトスポーツをシェアして夫婦で参戦する谷英幸選手(DL ATIKS+スイフトLR)が、第1ヒートでマークした圧倒的なタイムを守って二連勝を達成した。
2PDは参戦した3選手が表彰された。左から優勝した英幸選手と2位のMOTOHIRO選手(DLプロμ☆GRヤリスDAT)、3位の平田吉久選手(DLプロμATIKS+スイフト)。

BR1クラス

 排気量1150cc未満で後輪駆動、あるいは1500cc未満の前輪駆動および4WDのB車両が集うBR1クラスは、軽自動車乗りによる熾烈な争いが繰り広げられている。

 開幕戦はベテランのよこ山弘之選手が勝利を挙げ、第2戦はよこ山選手と同じくスズキ・カプチーノを駆る大原秀樹選手が優勝。シリーズ後半が、開幕戦の舞台となった名阪スポーツランドCコースの三連戦であることを考えれば、大原選手は今回の一戦でよこ山選手を抑え、シリーズトップを獲りたいところだ。

 第1ヒートからよこ山選手と大原選手に、ダイハツ・コペンセロを操る廣瀬成章選手が挑む三つ巴となった。まずは、廣瀬選手がベンチマークとなる1分20秒644をマーク。続く大原選手がそのタイムを上回る、1分19秒066でトップを奪う。クラスラストゼッケンのよこ山選手にトップタイムを更新の期待がかかったが、1秒129差の2番手に留まった。

 激戦が期待された第2ヒートだったが、廣瀬選手はベストタイムに0.113秒届かずタイムダウン。大原選手も大きく失速したが、トップの座を守った。この好機に勝負を賭けたよこ山選手だったが、コースの渡り区間に設定されたクランクで脱輪ペナルティを犯す。トップ3全員が第2ヒートで失速するというまさかの展開で、大原選手が逃げ切りに成功した。

「1本目は中盤ミスもあったんで怪しかったんですが、他で挽回できたんで良かったですね。2本目はちょっとマシントラブルが出てしまって、思うようなタイムは出ませんでした」と、優勝した大原選手は第2ヒートでタイムダウンした理由を明かした。

 続けて「よこ山さんも気合いれて追いかけてきたので、本気でやらないと逃げ切れないですよね。ちょっと不完全燃焼でしたが、勝てて良かったです。次戦はしっかりメンテミスのないように準備をして、いい走りをしたいですね」と、兜の緒を締め直した。

 一方、2位のよこ山選手は「あれくらいやらないと大原選手には勝てないので、ブレーキングをギリギリまで我慢したんですが……。全体的に突っ込み過ぎて、アクセル踏めなくなってしまったのがこの結果ですね。ただ、今年は最高のライバルで仲間と戦えるのはとても楽しいです」と、敗因を反省したが、真剣勝負に充実感を得ている様子だった。

第1ヒート勝負となったBR1クラスは、スズキ・カプチーノを操る大原秀樹選手(TLBきゅうよカプチーノ)が逃げ切り二連勝でシリーズトップに立った。
BR1のよこ山弘之選手(YH木村自商TLBカプチーノ)は同じカプチーノ使いのライバル、大原選手を逆転すべく第2ヒートを攻めたが二つの脱輪ペナルティに泣き、2位に終わった(左)。初代と同じ丸目ヘッドライトのダイハツ・コペンセロを駆る廣瀬成章選手(ハーフウェイDスポGNRコペン)は3位で三戦連続トップ3に入った(右)。
BR1は左から、優勝した大原選手と2位のよこ山選手、3位の廣瀬選手のトップ3が表彰を受けた。

BR2クラス

 2WDのB車両で競うBR2クラスでは2025シーズン、近畿と中部のBCクラスを盛りあげた岩崎玲生選手が転向してきた。しかし、開幕戦からタイヤ特性を掴むことに苦労し、成績が振るわずに来ている。対照的に、ディフェンディングチャンピオンの朝原崇選手は昨季後半からの勢いそのままに、開幕二連勝を決めている。また、連続トップ3で安定した速さを示す中山務選手の動向も気になるところだ。

 張り詰めた緊張感の中でスタートした第1ヒート、大きくタイムが動いたのはラスト4に入ってからだった。一気にターゲットタイムを上げたのは、土岐武也選手。それまで1分17秒台だったターゲットタイムを、一気に1分15秒台へと押し上げる。続くシリーズ3番手の岩崎選手は、更に更新する1分14秒台に叩き込んだ。次の中山選手もラストの朝原選手も岩崎選手のタイムには届かず、第1ヒートを折り返した。

 第2ヒートでは、岩崎選手のターゲットタイムに届く可能性がラスト4に絞られた。しかし、土岐選手はベストを更新するものの、3番手のまま。そして、岩崎選手がスタートを切ると、テクニカルセクションで第1ヒートにも増して鬼気迫る走りを見せた。リアタイヤをブレイクすると、車両を止めることなく前へ前とタイヤを転がしていくと、トップタイムを更に押し上げる1分13秒497をマーク!

 中山選手も朝原選手もタイムアップに成功するも、トップタイム更新はならず。2位の朝原選手は苦手なテクニカルセクションでタイムを上げるも、岩崎選手には及ばなかった。「自分の中でも満足のいくタイムでした。外から見てると危なさそうな振れ具合と思われていますが自分の中では許容範囲で、いい感じに走れました。ただ、ターンがとにかく自分の技術不足で……。でも、次から名阪に戻るので、パワーのあるマシンとの闘い方も見えてきたので頑張っていきたいですね」と、朝原選手は自身の走りを分析した。

 一方、昨季から続く朝原選手の連勝を6で止めた岩崎選手は、「今年からラジアル(タイヤのクラス)に転向したんですが、足回りをやってて悪い方にいったこともあって、それがやっとまとまってきた感じです。Sタイヤよりも懐が深い、扱いやすいタイヤなのでパイロンに寄せやすくなっています」と、クラス転向による変化を語った。

 今回の一戦については、「今日は完全に朝原選手の日でしたね。鈴鹿でハイパワーのマシンでこのタイム差……。朝原選手の方が走りとしては素晴らしかったと思います。まぁ、自分の走りも飛び込み中心の特攻スタイルでいったにも関わらず、まとめられたのは良かったですかね」と振り返った。苦戦から脱出するきっかけを掴めたか、次戦も勝負となりそうだ。

トヨタMR2を駆って2025シーズンまでBC2クラス二連覇中の岩崎玲生選手(ADVANラブカDXL☆MR2)は、BR2クラス転向後初優勝を遂げた。
NB型マツダ・ロードスターをドライブするBR2ディフェンディングチャンピオン、朝原崇選手(DLDXLS+eTロードスター)は2位に留まり、開幕三連勝はならず(左)。BC1クラスを二連覇して転向してきた中山努選手(DLファインアートプロμCRX)はホンダCR-Xを操り、3位獲得で開幕第1戦から連続トップ3に入った(右)。
BR2は左から、優勝した岩崎選手、2位の朝原選手、3位の中山選手、4位の土岐武也選手(YHルマンDXLインテグラ)、5位の津田耕市選手(H&T595エフェクトDL)、6位の柴谷匡彦選手(WZD-01DLロードスター)が表彰された。

Lクラス

 B・SC車両を駆る女性スラローマー限定のLクラスは、BC3クラスの辰巳浩之選手と三菱・ランサーエボリューションIXをシェアして挑む、辰己知佳選手が開幕二連勝で第3戦を迎えた。得意の鈴鹿南で三連勝を懸けた知佳選手の走りに期待が高まった。

 しかし、コースの中央にパイロンを置いてテクニカルセクションを設けたレイアウトが牙を剥く。スタート直後に高負荷のかかる加速しながらの左コーナー、その後にストレートからのヘアピン、S字と続いてのテクニカルセクション。一気にタイヤに熱が入り、リアタイヤのロック率が下がる中、キチンと小回りする選択を採ったディフェンディングチャンピオン、武田とも子選手が1分19秒004のトップタイムを記録した。

 リアタイヤがロックしなくては、小回りが利かないランエボを駆る知佳選手はレイアウトの魔の手にかかってしまい、テクニカルセクションの攻略に手間どってクラス最後尾に沈んだ。

 第2ヒートでの知佳選手は、第1ヒートでの失敗を取り返すようにパイロンを攻めた。しかし、第1ヒートでタイムを残せなかったことがプレッシャーとなり、パイロンとの距離に甘さが出てしまい、武田選手には0.197秒届かず。

 武田選手は第2ヒートでタイムアップならなかったものの、逃げ切りに成功。知佳選手の連勝にストップをかけ、二連覇に期待が持てる一勝を掴んだ。「大好きな鈴鹿なんで1本目はミスなく走ろうといって、キチンと走れたので満足でした。2本目はちょっと小さくなってしまったところを上げていこうと思ったんですが、タイムダウンになってしまいましたね」と武田選手は振り返り、「今シーズンもチャンピオン獲って、JAFカップ優勝を目指します!」と、JAFカップ初制覇への意気込みも見せた。

LクラスはZN8型GR86を操り、第1ヒートで2番手以下に1秒以上の差をつけた武田とも子選手(CHADL・GR86)が逃げ切り、今季初勝利を挙げた。
三菱・ランサーエボリューションIXを武器に第2ヒートで猛追を見せたLの辰巳知佳選手(BSランサー)だったが、僅差の2位で開幕三連勝ならず(左)。今季2戦目の河合豊美選手(スエマツダS+DL黒GR86)は知佳選手に逆転されたが、GR86を駆り3位に入った(右)。
Lは左から、優勝した武田選手と2位の知佳選手、3位の河合選手が表彰を受けた。

PN1クラス

 PN1クラスは2012~2016年にJAF登録された2WD、あるいは2017年以降にJAF登録された1500cc未満で前輪駆動のPN車両が対象。ZN6型トヨタ86/ZC6型スバルBRZやトヨタ・ヤリスなどが参戦できる、近畿独自クラスだ。開幕二連勝を決め、中部地区戦にも遠征する胸元貴大選手を止めるスラローマーの登場に期待がかかった。しかし、候補の一人であるシリーズ3番手の田中熙選手は欠場。胸元選手にシリーズ2番手の菱田真也選手が挑む、一騎討ちが予想された。

 二人の勝負は、第1ヒートから大きく明暗が分かれることになった。追いかける立場の菱田選手はまさかの脱輪ペナルティを犯したうえに、生タイムでもトップに立った胸元選手のタイムに届かなかった。第2ヒートでも胸元選手はトップタイムを更に塗り替え、両ヒートを制する完勝を果たした。

「今日は自分的には気持ち良くまとめられたと思っています。1本目は前半が良くて、2本目は後半が良くて、という感じでした。ラインどりやアクセルワークで課題が残ってしまったんで、2本目に修正を図ったんですがテクニカルセクションでタイムを落としてしまいました。今年は近畿と中部の2シリーズに出ているので、ダブルチャンピオンを目指します!」と、胸元選手は満面の笑みで語った。

少数精鋭による戦いとなったPN1クラスは、ZC6型スバルBRZを駆って第1ヒートで5秒近い差をつけてトップに立った胸元貴大選手(DL来夢LuftS+BRZ)が第2ヒートで更にタイムアップ、両ヒートを制して開幕三連勝を達成した。
PN1は参戦した3選手が表彰を受けた。左から優勝した胸元選手、2位の菱田真也選手(DL来夢S+86)、3位の稲上佳彦選手(YHグルS86)。

PN2クラス

 1600cc未満で2WDのPN車両が競うPN2クラスでは、近畿と中部の交流が盛ん。中部地区戦の第3戦も併せ、二週連続で鈴鹿南に挑むスラローマーが11選手のうち半数近い5選手が占めた。

 このクラスの王座争いは、開幕二連勝中の山村一真選手を二戦連続2位の山本祐己選手が追いかける展開だ。鈴鹿南を地元とする中部勢が一騎討ちにカオスをもたらすのか、第1ヒートから熾烈な争いが繰り広げられた。

 中部勢のベテラン、鰐部光二選手がまずは1分15秒256でターゲットタイムを樹立。山本祐己選手は2番手、山村選手は3番手と鰐部選手には届かず、第1ヒートを折り返した。

 第2ヒートで大きくタイムを上げたのは、第1ヒートはパイロンペナルティに泣いた中部の若手、Keita選手。トップ3の牙城に0.16秒差まで迫るタイムで、クラスが活気づいた。続々とベストを更新するスラローマーが現れるものの、4番手タイムを破るものは現れないまま、鰐部選手がスタート。第1ヒート同様スムーズな走りを見せるも、自身で叩き出したトップタイムを更新できずに後続の結果を待つことになった。

 2番手の山本祐己選手はテクニカルセクションで抜群のターンを見せ、鰐部選手のタイムを上回りフィニッシュしたかに思えたが、脱輪ペナルティで順位は変わらず。そして、ラストの山村選手はベストを0.224秒押し上げるも、鰐部選手と山本祐己選手には届かず3位に終わった。

 勝利を手にした鰐部選手は「先週も中部地区戦があって連続だったんですが、先週2位だったんで今週勝てて良かったです。A1クラスで走っていた1995年のJAFカップ以来、多田安男選手と勝負し続けているんですが、今回勝てました! 今年は“多田安男と遊ぼう!”と、近畿のチームに入れてもらったんです。中部も近畿も(シリーズ)6位以内に入るのが目標ですね」と語った。

 一方、2位で近畿勢では最上位も悔しい結果となった山本祐己選手は、「ターンの後の立ち上がりで半車身くらい離されている感じなので、細かいセクションの見直しが必要ですね。残り全戦出れるか分かりませんが最後、表彰式に呼んでもらえれば嬉しいです」と、今日の走りを反省した。

ND型ロードスターのワンメイクとなったPN2クラスは、前週の中部地区戦第3戦で2位に入り、二週連続で鈴鹿南に挑んだ鰐部光二選手(DLレイズワコーズロードスター)が優勝を果たした。
PN2で開幕から三戦連続2位となった山本祐己選手(DLモティーズXPロードスター)はシリーズ2番手は変わらずも、シリーズトップの山村一真選手(DLプロμS+FAロードスター)との差を7ポイントに縮めた(左)。山本選手からも遅れて3位となった山村選手だったが、ポイントリーダーの座は守った(右)。
PN2は左から優勝した鰐部選手、2位の山本祐己選手、3位の山村選手、4位のKeita選手(スエマツダRzロードスター)、4位までのスラローマーが表彰された。

PN3クラス

 1600cc以上で2WDのPN車両で競われるPN3クラスでは、福永隆一選手と辻野眞人選手が優勝と2位を一回ずつ分け合い、開幕からアツい王座争いを展開。第3戦最多の19選手がエントリーしたこのクラスは、二戦連続3位で二人を追う本山正悟選手も加わり三つ巴となるか、それとも第2戦までの舞台、名阪とは全くキャラクターの異なる鈴鹿南で新たな勝者が生まれるのか、ギャラリーの視線も集まった。

 第1ヒートでは、1分17秒台だったトップタイムを江島英哉選手が1分16秒台へと押し上げる。白尾泰選手が0.443秒、赤沢雄太選手が更に0.015秒トップタイムを更新する。続く田北一賀選手はストレートから鬼気迫るブレーキングで、進入したヘアピンもボトムスピードを高くクリア。その後のS字もリズム良くクリアすると、テクニカルセクションでも無駄がない走りを見せて1分16秒123と、トップタイムを0.4秒更新した。

 しかし、田北選手以降のシリーズ上位陣は慣れない鈴鹿南に苦戦。島田昌典選手と本山正悟選手は1分17秒台、辻野選手はパイロンペナルティで沈んでしまう。ラストの福永選手も1分17秒台に留まり、第2ヒートで逆転を狙う展開となった。

 第2ヒートでは、江島選手が田北選手に0.073秒差にまで迫る2番手タイムを記録し、後続のスラローマーにタイムアップの期待が高まる。そんな中、田北選手はタイムダウンを犯して第1ヒートのタイムで結果を待つことになった。

 田北選手がピックアップゾーンで見守る中、多くのスラローマーがペナルティでタイムを失っていく。ラスト3の本山選手と辻野選手もペナルティの魔の手にかかり、タイムアップならず。注目が集まる中スタートを切った福永選手だが、高速セクションでのリズムが嚙み合わず、ベストは更新するものの6位止まり。田北選手が今季初勝利を掴んでシリーズ3番手を奪取、ゲームチェンジの一戦となった。

 田北選手は「久しぶりの優勝です! 今年、BS(ブリヂストン)の(RE-)71RZとダンロップのβ11とセットを試しながら走っているんですが、先週の中部地区戦でこの71RZで最下位だったんで嫌なイメージあったんです。まさか優勝できて嬉しいですね!」と喜んだ。

 続けて「今回は苦手な左ターンで離れしまったんですが、右ターンでしっかり寄れてタイムを獲り返せたのかもしれません。他のセクションではしっかりタイムを伸ばすことができました。今日は絶対に負けられないと思っていて、上位の二人が沈んでくれたことでチャンピオン争いに戻ることができました。毎年2位とか3位なんで、今年こそはチャンピオンを獲りたいです!」と、勝因を分析して今季に懸ける意気込みも語った。

 一方、6位で苦い汁を飲んだ福永選手は「路面が喰い過ぎて、そこに合わせこむことができませんでした。S字でスピードをのせられなかったのも敗因です」と悔しさを滲ませたが、辻野選手がポイントを穫れなかったことにも救われて、単独でシリーズトップに立った。

PN3クラスで「絶対に負けられない」一戦にZD8型BRZで臨んだ田北一賀選手(来夢AZUR_S+BRZ)が第1ヒートのタイムで逃げ切って待望の今季初優勝、シリーズでも3番手に上げて王座争いに名乗りをあげた。
GR86を武器にPN3に挑む江島英哉選手(DLFIGUREGR86)は第1ヒートから好調、第2ヒートもタイムアップし今季最上位の2位を掴んだ(左)。ロードスターRFを操る赤沢雄太選手(クスコWMDLMsロードスター)は第2ヒートで3つのペナルティを犯したが、第1ヒートのタイムで3位を得た(右)。
PN3の表彰。左から優勝した田北選手、2位の江島選手、3位の赤沢選手、4位の白尾泰選手(HUAC☆FA☆GR86)、5位の大髙直郁選手(エンケイXPLコ犬GR86DL)、6位の福永隆一選手(ダンロップスノコロードスター犬)。

BPNクラス

 BRとPN各クラスの車両基準に該当しないB・PN車両で争うBPNは、B車両とPN車両の四駆ターボ勢が激突。第3戦は12選手がしのぎを削った。

 第1ヒートをトップで折り返したのは、ランエボIXを駆って開幕戦を制した大田健太郎選手。それまで1分14秒台に留まっていたターゲットタイムを、1分13秒906に引き上げた。シリーズ上位陣にはペナルティやタイムを残せなかったスラローマーもおり、第2ヒートでの逆転を目論む展開となった。

 スラローマーたちの思惑が交錯した第2ヒートでは、中部勢の高木健司選手が1分14秒台ながら2番手に上げた。しかし、1分13秒台に届くスラローマーは現れず、第1ヒートでペナルティを犯したスラローマーたちはタイムを残すものの、攻め切れない。そんな中、やはり脱輪ペナルティで後がない杉本季優選手が、大田選手に0.389秒差まで迫るタイムを記録し2番手を奪取するも、大田選手の優勝が確定した。

 ウィニングランとなった大田選手だが攻めることを止めず、1分12秒969を叩き出してフィニッシュ! 2位以下に1秒以上の大差をつけて圧倒、今季2勝目を手にして「昨日の前日練習から調子が良かったんで、この結果には満足しています」と喜んだ。

 更に「鈴鹿のポイントも分かってきて、しっかりブレーキングも短く止めることができました。今日はテクニカルセクションを見た瞬間『うわっ!』と思ったんですが、他で稼げばいいや、と思っていきました。2本ともテクニカルは失敗しているんですが、直線の3速、4速でランサーのパワーでGRヤリスに差をつけた感じです。とりあえず、今シーズンは毎戦頑張って走って、結果は開けてみてのお楽しみだと思っています」と、勝因を分析した大田選手は、一気に流れを引き寄せる一勝を掴んだ。

大田健太郎選手(DLチャレンジャーランサー)はランエボIXを駆って第2ヒートで驚速タイムを叩き出して優勝、シリーズトップを堅守した。
2024シーズン以来の王座奪還を狙うBPNの杉本季優選手(RSKヤリス)が、GRヤリスを操り二戦連続の2位獲得でシリーズ2番手につけた(左)。エアロパフォーマンスパッケージをまとったGRヤリスをドライブする中部勢、高木健司選手(DL速心PRSコーワヤリス)が第2ヒートのタイムで3位を獲得した(左)。
BPNはトップ5が表彰を受けた。左から優勝した大田選手、2位の杉本選手、3位の高木選手、4位の高嶋宏明選手(ファインアートDLGRヤリス)、5位の田中岳志選手(DL T.ASSISTランサー)。

BC1クラス

 前輪駆動のB・SC車両が対象のBC1クラスでは、開幕戦から僅差の戦いが繰り広げられている。ホンダの名エンジン、B18型搭載車両勢とスイフト勢の真っ向勝負となっている。第1ヒートは、ホンダ・インテグラを駆る中嶋敏博選手が記録した1分14秒645を追いかける展開となった。トップタイムを更新できたのはラストのスイフト勢、0.443秒上回った山本貴嗣選手のみだった。

 第2ヒートもこのままでは終われないシリーズ上位陣だったが、中部勢の清水延昭選手がインテグラを操り、中嶋選手を0.11秒かわして2番手を奪取。中嶋選手はタイムダウンに終わり、インテグラをドライブする野田太一選手が清水選手を0.049秒上回り、近畿勢の意地を見せて2番手を奪う。

 結局、ラストの山本貴嗣選手もタイムダウンを犯したものの逃げ切って今季2勝目。2位でシリーズでも2番手に上げた野田選手に11ポイント差をつけてポイントリーダーを守った。山本貴嗣選手は、「1本目ちょっとシフトミスあったので、どうかなぁ~? と思ったんですがスイフトのトルクで稼げました。本当は(1分)13秒台に入れたかったんですが……。今シーズンは近畿シリーズでなんとかチャンピオンを獲れれば、と思っています」と今季の目標も明かした。

BC1はスイフトを操る山本貴嗣選手(YHプロμS+FAスイフト)が開幕戦以来の勝利を獲得。2013シーズンPN1以来の戴冠確定に向けて、シリーズトップを走る。
BC1の2位と3位はホンダ・インテグラ使いが占めた。野田太一選手(DL・FA・SKRインテグラ)は第1ヒートの6番手から1秒以上タイムアップして2位を奪取(左)、清水延昭選手(ゼストBSTYHインテグラ)は0.244秒タイムアップしたものの、第1ヒートと変わらず3位となった(右)。
BC1も左から、優勝した山本貴嗣選手、2位の野田選手、3位の清水選手、4位の中嶋敏博選手(BS FA S+インテグラ)、5位の深谷天翔選手(YH和光WMKRPインテグラ氷)の上位5選手が表彰された。

BC2クラス

 BC2クラスは後輪駆動のB・SC車両によって競われるが、多くのスラローマーがクラス転向したことで、開幕2戦は不成立が続いていた。今回の一戦で3選手が集い、ようやく今季初成立。昨季シリーズ4位の宮里佳明選手と近畿大学自動車部員、河瀬裕太選手と田島一樹選手による争いだ。

 第1ヒートは宮里選手が脱輪ペナルティでまさかの失速。しかし、第2ヒートでしっかり獲り返し、今季初成立のBC2を制した。「3年前の古いタイヤで、1本目は脱輪をとられてしまったんですが……。とりあえず今季はなんとかクラスを成立させて、JAFカップに行きたいですね」と語った。

三つ巴の争いとなったBC2はマツダRX-7をドライブする宮里佳明選手(DL片山レーシング牧速RX-7)が第2ヒートで挽回、3秒以上の差をつけて勝利を掴んだ。
BC2は参戦した3選手が表彰された。左から優勝した宮里選手、2位の河瀬裕太選手(近畿大学自動車部GR86)、3位の田島一樹選手(近畿大学自動車部GR86)。

BC3クラス

 4WDのB・SC車両が対象のBC3クラスでは、2024シーズン中部B・SC2クラス王者の鳥居孝成選手が、今季はこのクラスを主戦場に選び、2024シーズン王者の石田忠義選手や辰己浩之選手が迎え撃つ構図となっている。名阪スポーツランドでは高い縁石を乗り越えながら、強烈に加速する四駆ターボの迫力に圧倒されるが、今回の一戦では縁石またぎをパイロンで規制。いかにパワーをフラットな路面に伝えることができるかが、勝負を分けるカギとなった。

 第1ヒートで先手をとったのは浩之選手。一方、近畿勢に挑む鳥居選手はトップタイムを刻んだかに見えたが、脱輪ペナルティで下位に沈む。しかし、鳥居選手は第2ヒートで1分12秒671でトップタイムを塗り替えて逆転。続く石田選手はミスコースを犯して5番手に留まり、ラストの浩之選手がスタートを切った。

 ギャラリーも驚くほどの距離感でパイロンに寄せ、テクニカルセクションで生み出したタイムをキャリーして後半セクションに突入。圧倒的な蹴り出しでスピードをのせた鳥居選手に対し、浩之選手はブレーキングでその差を詰める。個性の異なる両者の戦いは、0.198秒差で浩之選手に軍配が上がった。

 今季全勝を守った浩之選手は、「鈴鹿で鳥居選手を抑えての優勝は、とても価値があると思っています。どれだけ鳥居選手に近づけるか、と思っていたので本当に嬉しいです。1本目はS字で動きが悪かったんですが、2本目はリアのダンパーを固めていったのが功を奏しました。今年は結果的に見れば調子がいいので、勝てるときにチャンピオン獲りたいですね!」と、振り返った。

 走り慣れた鈴鹿南で勝利に僅か届かなった鳥居選手は、「1本目生タイムでは勝ててたんで、2本目もっとタイム出るよね、と思っていたんですが、欲かいてセットアップを変えた選択が間違いでした。上は見えるタイムだったんですが、自分自身を出し切れなかった感じです。今日勝っておかないとヤバいな、と思っていたんですが、また落としてしまったんで敵地の名阪でなんとかやり返したいですね」と悔しさを滲ませた。

BC3クラスはランエボIXをLの知佳選手とシェアする辰巳浩之選手(BSランサー)が両ヒートを制する完勝で開幕三連勝。Lで2位に終わった知佳選手の仇も獲った。
中部からランエボVIを武器にBC3に挑む鳥居孝成選手(MSftTOYOitoランサー)にとっては地元での一戦だったが、第2ヒートで一時トップに立つも2位に終わった(左)。JAF全日本ラリー選手権のJN1クラスをシュコダ・ファビアRSラリー2で戦う、福永修選手(オサムF・DL・555ファビア)がジムカーナに挑戦、3位に入り全日本ラリートップドライバーの実力を見せた(右)。
BC3は左から、優勝した浩之選手と2位の鳥居選手のトップ2が表彰を受けた。

2026年JMRC近畿ジムカーナ ミドルシリーズ第4戦

M-2PDクラス

 地区戦へのステップアップを目指すチャレンジャーや、モータースポーツを楽しみたい近畿のスラローマーが参戦する、JMRC近畿ジムカーナのミドルシリーズ。名阪Cコースでの第2戦をオートテスト併催で単独開催したために地区戦より一戦多く消化、全6戦のシリーズは今回の一戦から後半戦に突入する。

 クラッチペダルがない、2ペダルのB車両で競うM-2PDクラスには、BEV(電気自動車)やハイブリッドカーも参戦できる。地区戦2PDに挑む夫・英幸選手とスイフトをシェアして参戦する、昨季シリーズ2位の谷久仁恵選手が第2戦で優勝し、2勝を挙げている藤塚伊織選手を追う王座争いとなっている。

 第1ヒートでは藤塚選手が4輪脱輪でノータイムの波乱が起きる中、久仁恵選手が1分24秒509を記録してトップで折り返す。第2ヒートに入ると、清水浩子選手が久仁恵選手に0.568秒差まで迫るが2番手は変わらず。そして、久仁恵選手は0.289秒タイムを落として突き放せず。ラストの藤塚選手が注目を集める中スタートしたが、4輪脱輪の悪夢再びでタイムを残せなかった。

 久仁恵選手は英幸選手と夫婦ダブルウィンを決め、シリーズでは藤塚選手を逆転してトップに立った。「今までシーズン1勝はあるんですが、初めてシーズン2勝を手にすることができてとても嬉しいです! チャンピオンはまだまだ先の話なので、毎戦毎戦大事に走っていきたいですね。そういえば、初めて夫婦でW優勝しました。それも嬉しいですね!」と喜びを露わにした。

M-2PDクラスはスイフトを操る女性スラローマー、谷久仁恵選手(ATIKスイフトS+)が今季2勝目を獲得。地区戦2PDにダブルエントリーする夫・英幸選手と初の夫婦Wウィンも達成した。

M-BR1クラス

 地区戦BR1と同じ車両区分のM-BR1クラスは、15選手のエントリーを集めた。開幕戦こそ妖怪J清本選手に勝利を譲ったものの、続く2戦で連勝を決めている伊藤淳郎選手が、鈴鹿南でも圧倒的な速さを見せた。

 第1ヒートから他を2秒以上突き放す1分20秒255でフィニッシュ、第2ヒートに入ってもこのタイムを抜くスラローマーは現れず、そのまま逃げ切りに成功。ウィニングランは0.028秒落ちたがしっかりタイムを揃え、その走りがフロックではないことも証明してみせた。

 この三連勝でチャンピオンを決めた伊藤選手は、「1本目はとにかくしっかりタイムを出しにいこう、攻めれるところは攻めて走った感じです。コーナーの出口で詰まった部分で2本目はタイムを上げにいったんですが、同じようにミスしてしまって…… 難しいですね。今シーズンのチャンピオンがこの勝利で確定したので、チャンピオン戦にも参戦するかなど、この後の予定を考えたいです」と、走りの反省をしつつ、ステップアップの構想も明かした。

M-BR1クラスはマツダ・デミオを駆る伊藤淳郎選手(LM・アタックデミオ)が、地区戦BR1でも3位に入るタイムを叩き出して圧勝し、チャンピオンも掴み獲った。
M-BR1の2位にはカプチーノで孤軍奮闘する田中元史選手(スズキカプチーノ)が、第2ヒートで1秒以上タイムを上げて2位に入った(左)。トヨタ・ヴィッツを操って第1ヒートを3番手で折り返した本田大成選手(未経験可コ・ドラ募集中ヴィッツ)は第2ヒートでタイムアップを果たすも、田中元史選手の上げ幅には敵わず3位となった(右)。
M-BR1の表彰は左から、優勝した伊藤選手、2位の田中元史選手、3位の本田選手、4位の光橋亮治選手(FINALIST222デミオ)、5位の宮西怜選手(ファイナリストデミオ3号機)、6位の本山泰久選手(プロμ・DL・ヴィッツRS)が表彰された。

M-BR2クラス

 地区戦BR2とは異なり、前輪駆動のB車両で競うM-BR2クラスは、毎戦勝者が変わる大混戦。開幕から3戦連続2位を獲得している、松村直人選手がシリーズトップに立つが、今回の一戦は欠場。今季4人目のウィナーが生まれるのか、それとも今季2勝目を掴んで王座争いで一歩抜け出すスラローマーが現れるか、注目が集まった。

 M-BR1と同じ、15選手が挑んで賑わったM-BR2の第1ヒートは、第2戦を制した田中耕太郎選手が2番手以下を0.5秒近く突き放してトップで折り返す。第2ヒートに入り、タイムアップするスラローマーが多いものの、トップタイムを抜くには至らず。田中耕太郎選手はタイムダウンを犯したものの逃げ切り、今季2勝目を挙げた。

「鈴鹿南を走るのが初めてだったので、1本目ターンで失敗して残念な気持ちで帰ってきたんですが、トップタイムでビックリしました。後半セクションでタイムを稼げたのかもしれません。今シーズンはあと2戦、しっかり参戦してランキングは気にせずに走りたいですね」と語った田中耕太郎選手の、残る2戦での活躍に注目したい。

M-BR2クラスはインテグラを操る田中耕太郎選手(菅沼自工ぷれじやインテグラ)が第1ヒートで好調、クラス唯一の1分18秒台でトップに立つと逃げ切り、このクラスで今季2勝目一番乗りを果たした。
スイフト勢がM-BR2の2位と3位を占めた。三浦茂選手(TeamMスイフトDL)は田中耕太郎選手と同じく、第2ヒートでタイムアップならずも2位を獲得(左)、藤井雄介選手(DL CNRTスイフト)は第2ヒートでベストを更新したが、3位は変わらなかった(右)。
M-BR2の表彰。左から優勝した田中耕太郎選手、2位の三浦選手、3位の藤井選手、4位の堤丈裕選手(それゆけ!スイフトDL)、5位の西森浩志選手(ルマン・インテグラ)、6位の村上正宜選手(CS.LEMAN-FTO)。

M-BR3クラス

 M-BR3クラスはミドルシリーズ独自、後輪駆動のB車両が対象で、第4戦最多の16選手が参戦。二連勝で勢いにのる小泉彰吾選手を止めるスラローマーが現れるか、焦点となった。小泉選手は昨季、シリーズ2位に終わった雪辱を晴らすかのような快進撃を見せているが、鈴鹿南で異変が起こった。

 小泉選手は第1ヒートをトップタイムで駆け抜ける。しかし第2ヒートに入り、JMRC中部ジムカーナ東海シリーズを戦う坂本竜男選手が、それまで1分17秒台だったターゲットタイムを一気に2秒以上更新する、1分15秒594を叩き出す。小泉選手もアクセルを猛然と開けて豪快な加速を見せたが0.164秒届かず2位。坂本選手にはポイントが加算されないが、小泉選手は連勝が止まり悔しい結果となった。

 優勝した坂本選手は、「今日は友人に誘われてスポット参戦しました。ターンをお約束どおり失敗してしまいましたが(笑)、他はボチボチでしたね。2本目はターンの渡りでしっかりと稼げたと思っています。東海シリーズも後半少しでも巻き返したいですね」と、勝利を掴んだ走りを分析した。

M-BR3クラスはJMRC中部ジムカーナ東海シリーズからの“刺客”、ロータス・エキシージを駆る坂本竜男選手(久與コサリックワンEXIGE)が第1ヒートの脱輪ペナルティから巻き返して逆転勝利を収めた。
M-BR3でBMW M4をドライブして三連勝を狙った小泉彰吾選手(APM4YH)は伏兵の躍進で2位に終わったが、シリーズトップは守った(左)。非力なND型ロードスターで奮闘する平井大奨選手(DLドラ猫NDロードスター)は第1ヒートで小泉選手に続く2番手につけたが、第2ヒートの伸びでトップ2に敵わず、3位となった(右)。
M-BR3は左から、優勝した坂本選手、2位の小泉選手、3位の平井選手、4位の長町来世選手(DXL YH BUSK BRZ)、5位の鈴木瑛士選手(藤井エンジニアリング86)、6位の中本雅也選手(DLプロμTi99ロードスター)が表彰を受けた。

M-PN2クラス

 地区戦PN2と同じ車両区分で競われるM-PN2クラスでは、昨季シリーズ2位だった女性スラローマー、みさき選手が開幕二連勝を決めてシリーズトップ。鈴鹿南でも彼女の好調さが光る一戦となった。

 みさき選手は第1ヒートから1分18秒487をマークして、2番手以下を1.5秒以上突き放す。2本目に入っても1分18秒台に飛び込むスラローマーは現れず、ラストのみさき選手は自らトップタイムを0.346秒更新しての完勝。今季3勝目を掴んでチャンピオンに王手をかけた。

「先週も東海シリーズでここを走ったんですが、フリーターンで線を超えることができず、ミスコース扱いになってしまった悔しさを晴らせて良かったです。今日のコースはハイスピードで気持ち良く、2本目もしっかり上げることができました。シリーズチャンピオン目指して頑張ります!」と、みさき選手は会心の走りを振り返り、チャンピオン獲得に意気込んだ。

PN2と同じくND型ロードスター一色となったM-PN2クラスは、クラスでただ一人、1分18秒台のタイムを並べたみさき選手(DLプロμS+陶♥ロードスター)の圧勝となった。
第1ヒートは4番手だった阿波俊之選手(DL松島自プロμロードスター)は、第2ヒートでのタイムアップで2位まで順位を上げた(左)。平野泰秀選手(DL阪神AMロードスター)は両ヒートとも3番手タイムを並べて3位となった(右)。
M-PN2は左から、優勝したみさき選手と2位の阿波選手、3位の平野選手のトップ3が表彰された。

M-BPNクラス

 M-BRとM-PN各クラスに該当しないB・PN車両が対象となるM-BPNクラスでは、11名の四駆ターボ使いが競った。第1ヒートは村田寛選手がトップで折り返したが、第2ヒートに入るとクラストップバッターの張コウイ選手が1分17秒149で逆転。張選手と同じく、第1ヒートはペナルティで沈んだ宮原俊人選手も大きくタイムアップ。しかし、トップタイムには0.224秒届かず2番手につける。続く村田選手が再逆転を狙ったが、タイムダウンで3番手は変わらず。その後もトップタイムは更新されず、学生スラローマーの張選手が優勝を果たした。

「今日デビュー戦だったんですが、勝てて嬉しいです。1本目パイロンセクションでタッチしてしまったのを、2本目でラインをしっかり修正できたのが良かったですね。学生大会を中心で考えているんで、残り2戦は参戦が難しいと思っています。来年はミドルシリーズにフル参戦したいですね!」と、シリーズデビュー戦での見事な走りだったことを明かした。

M-BPNクラスでは、GRヤリスをドライブする学生スラローマー、張コウイ選手(KUAC純正デフ学生GRヤリス)がシリーズデビューウィン。第1ヒートで犯したパイロンペナルティで得た反省を第2ヒートで挽回する、ルーキーらしからぬ走りを見せた。
第1ヒートはM-BPNで脱輪ペナルティに泣いた宮原俊人選手(AS富本DLインプレッサ)だが、スバル・インプレッサWRX STI S204を操り第2ヒートで巻き返し、2位を奪った(左)。ランエボIXを駆って第1ヒートをトップで折り返した村田寛選手(DLチャレンジャーランサー)だったが、第2ヒートでベストを更新できず3位に甘んじた(右)。
M-BPNは4位までのスラローマーが表彰を受けた。左から優勝した張選手、2位の宮原選手、3位の村田選手、4位の西野英樹選手(杉尾ガレージランサー)。

 主催したチーム淀の淀野泰弘代表は、「これからも鈴鹿のレースや地方ジムカーナ、全日本ジムカーナなど、誰もが楽しめる大会もオフィシャルやエントラントの安全第一が優先で、設備が整っている場所で開催する事が選手にも喜んでもらえる大会になると思っていますので、そういった大会を続けていきたいと思っています」と、締めくくってくれた。

今回の一戦の主催、大阪府のJAF公認クラブ、淀レーシングクラブ(チーム淀)の淀野泰弘代表(左)が表彰式のプレゼンターを務めた。JAF名誉委員でJMRC近畿の理事長でもあり、数多くの国内ビッグレースで競技役員を務めた経験を持っている。

PHOTO/鈴木あつし[Atsushi SUZUKI] REPORT/鈴木あつし[Atsushi SUZUKI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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