東北ダートラ第4戦FRで紅一点みっちー選手が今季初優勝!
2026年7月24日
7月5日、青森県五戸町のサーキットパーク切谷内で開催された2026年JAF東北ダートトライアル選手権の第4戦は、全7戦で競う東北地区戦折り返しの一戦となった。毎年この時期に切谷内で開催される地区戦は、ここが舞台となるJAF全日本ダートトライアル選手権の開催が近く、地元・東北に留まらず、近隣の地区からも全日本ダートトライアラーが参戦して一層ハイレベルなバトルが繰り広げられる。
2026年JAF東北ダートトライアル選手権 第4戦
2026年JMRC東北ダートトライアルシリーズ第4戦
CMSC岩手ダイヤモンドトライアル
開催日:2026年7月5日
開催地:サーキットパーク切谷内(青森県五戸町)
主催:CMSC岩手
レイアウトは、テクニカルとハイスピードを織り交ぜた切谷内の定番に見える設定。しかし、レイアウト後半に控える二つの土盛りを抜ける右コーナーのラインをいかにとるかによって、タイムが左右されるとふんだダートトライアラ―が多かったようだ。
第4戦当日の朝方は曇りがちではあったものの、日中は陽も射して両ヒートとも路面コンディションはドライ。気温も上昇して真夏を思わせる暑さとなったが、後半戦を前に王座争いの主導権を巡りその暑さよりアツい戦いが繰り広げられた。
FRクラス
FRクラスでは、第3戦を終えてポイントリーダーに立っているのは2024シーズン王者の加藤琢選手。2番手には4ポイント差で、2023シーズン女王のみっちー選手が追っている。しかし、両トライアラーともに今季は未だ勝ち星ゼロ。先制の一勝を奪い合う戦いになると思われたが、加藤選手は直前で身体にアクシデント発生か、無念の欠場となってしまった。
1ヒートでトップタイムを刻んだのはやはり、みっちー選手。2番手の菅生大介選手に2秒以上の差をつける1分45秒55をマークした。このタイムは2ヒートに入っても破られず、優勝が決まったみっちー選手は更に0.82秒タイムアップを果たして圧勝となった。
みっちー選手は「今回は全日本(切谷内での第6戦)に向けて、タイヤ(幅)は195ではなく、苦手な205をあえて選択しました。いい練習になりましたが2本目も結構ミスがあって、全日本だと全く勝負にならないと思うので、もっと頑張らないといけませんね」と、完勝でも反省しきり。
続けて「今日は、(職場の)エビスサーキットでFDJ3(FORMULA DRIFT JAPANのFDJ3 Round3)があって、本来はスタッフをやらなければならなかったんです。でも、会社のみなさんに無理を言って、社長から優勝を条件に許可をいただいたので(笑)勝てて良かったです!」と、無事に社長命令も完遂したみっちー選手が今季初優勝、王座争いでも首位に立った。
2WD-1クラス
第3戦で2025シーズンから続いていた連勝が途絶えてしまった、2WD-1クラスの工藤清美選手だが、1ヒートから1分44秒64でトップタイムをマーク。0.43秒差で2番手につけたのは、全日本PN1クラスで工藤選手としのぎを削る坂本勇樹選手。そして第3戦の覇者、猪股将大選手は坂本選手から0.75秒差の3番手で折り返す。
2ヒートではトップタイムが更新されないまま、後半ゼッケンまで進行。連勝を狙いたい猪股選手はベストタイムこそ更新するも、トップには0.59秒届かず3番手は変わらず。膠着状態を動かしたのはクラスラスト3の坂本選手で、0.15秒工藤選手をかわしてトップに立つ。続くラスト前、1ヒート4番手の高田正栄選手はベスト更新も3番手止まり。注目のラスト、工藤選手は大幅なタイムアップが期待できない路面状況の中で1秒74も更新、1分43秒台を飛び越えて1分42秒9でトップに返り咲いて優勝を決めた。
見事な再逆転を果たした工藤選手は、「今回も(全日本に向けて)ドライタイヤを試したのですが、浮き砂利も多く微妙でしたね。ただ、それなりにタイムが出てしまったので余計に悩みますが、とりあえず『良し』ということで(笑)」と、タイヤ選択にはまだ課題が残る様子だったが、今季3勝目で三連覇へのリードを広げた。
2WD-2クラス
2WD-2クラスの王座争いを開幕三連勝で独走しているのが、小舘優貴選手。シリーズ2番手とは37ポイント差と、今回の一戦を制すればチャンピオン確定に王手をかけられる勢いだ。しかし、1ヒートでトップタイムを刻んだのは、全日本トライアラーの佐藤卓也選手。クラスでただ一人、1分43秒を切って1分42秒91をマークした。2番手には昨季の王者、古川雄貴選手が今季初参戦ながら0.47秒差でつけ、小舘選手は古川選手から0.31秒差の3番手で折り返した。
このクラスでも、2ヒートではトップタイムがなかなか更新されず、ようやく後半ゼッケンの越川善正選手が0.03秒更新してトップに立った。しかし、それも束の間、佐藤選手が1分41秒41を叩き出してトップを奪還したところで、残るトライアラーは3選手となった。
ラスト3、関東から遠征してきた全日本トライアラー、稲葉幸嗣選手はベストを更新、1分42秒43で1ヒートの5番手から2番手まで上げる。ラスト2、古川選手は0.19秒のタイムアップに留まり、6番手。そして、ラストの小舘選手もタイムアップを果たすが、1分42秒の壁は破れず3位に終わり、佐藤選手が両ヒートを制する完勝を果たした。
「今回は、小舘選手をやっつけに来ました。なので、気負い過ぎてシフトミスはするし、冷静ではなかったですね。全日本の方が気楽に走ってますよ(笑)」と、語る佐藤選手だが、「全日本のことも考えて、高速コーナーを重視したショックのフィーリングも確認しました。どう動くか分からないところもあったのですが、それでもコントロールできる範囲だったので、セットは出てきていると思います」とスポット参戦の目的を達成しつつ、全日本に向けた準備も進んだようだ。
4WD-1クラス
4WD-1クラスで今季2勝を挙げてポイントリーダーに立っているのが、ディフェンディングチャンピオンの菊池恒博選手。24ポイント差のシリーズ2番手に太田敏明選手、川崎修也選手が太田選手を6ポイント差で追っている。1ヒートでは、川崎選手が1分38秒21でトップタイムをマーク。2番手の齊藤春生選手以下に1秒以上の差をつけて折り返した。
2ヒートでは齊藤選手、そして3番手だった伊藤久選手がタイムダウン。4番手と出遅れていた菊池選手は1.2秒のタイムアップを果たすも、トップには0.41秒届かず2番手止まり。川崎選手は1分37秒32までトップタイムを更新する走りを披露し、ダメを押した。「前回の切谷内で危うくコケるところだったので、その反省点をふまえて無事帰ってくることに徹しました(笑)」と、実は慎重な走りだったことを川崎選手は明かした。
更に「今回は、2本ともドライ(タイヤ)で走ったんです。久しぶりのドライでちょっと緊張しましたが、1本目からトップタイムだったので、2本目は多少余裕がありましたね。ただ、何をやらかすか分からないドライバーなので、無事で良かったです(笑)」と、タイヤ選択も勝利のカギだったことも語った川崎選手は、今季初優勝に笑顔を見せた。
4WD-2クラス、CLクラス
4WD-2クラスには、第4戦最多の18選手が挑んだ。地区戦トライアラーから全日本トライアラー、そしてJAF全日本ラリー選手権に挑むラリーストまで豪華な顔ぶれとなった。1ヒートで1分33秒66のトップタイムをマークしたのは、今季初参戦の金田一聡選手。2番手の大西康弘選手に0.74秒差をつけ、まずは好調な滑り出し。そして3番手には、「グラベル用の足回りのセッティングを確認しに来ました」とスポット参戦の全日本ラリースト、福永修選手が0.14秒差で続いて折り返した。
2ヒートで各選手がベストを更新するものの1分34秒の壁は厚く、依然として金田一選手がトップをキープ。ようやく後半ゼッケン、1ヒートで6番手につけていた砂子澤明選手が1分33秒6を記録してトップに立つ。トップ奪還を狙った金田一選手は、痛恨のタイムダウンを犯してしまい、再逆転はならず。
大詰めとなったラス前は大西選手。6番手まで順位が落ちていたが、全日本トライアラーの勝負強さを見せて砂子澤選手を0.14秒上回りトップを奪う。そして、今回の一戦のラストを飾る福永選手に注目が集まったが、スタート直後にアクシデント発生でフィニッシュできず。予想外の幕切れで、大西選手の逆転優勝となった。
「クルマのセッティングに関しては、以前からほとんど変わりないです。足回りを少しずつ調整して徐々に良くはなっているけど、(再来週の)全日本までに良いタイムが出る状態ではないですね……」と、大西選手は勝利を挙げたものの、まだ本調子ではないことを明かした。
続けて「東北選手権は最近レベルも上がって、僅差の戦いが続いているので面白いですね。みなさんの邪魔をしながら楽しく走りたいと思います(笑)」と、今季シリーズ初参戦の第2戦から怒涛の三連勝でシリーズ首位を奪取した。
三つ巴となったCLクラスでは、其田陸登選手が両ヒートともにトップタイムを譲らず制圧。今年、北海道の大学を卒業して、就職で東北に来たそうで「今年はお金を貯めて、来年新しいクルマを買ってシリーズを追います!」と、地区戦参戦への意欲を語った。
PHOTO/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



