池の平初設定登場の中部ダートラ第4戦で服部雅士選手がS2三連覇確定!
2026年8月19日
2026年JAF中部ダートトライアル選手権の第4戦が7月26日、愛知県豊田市の池の平ワンダーランドで開催された。中部地区をはじめ関東から西では各地で35℃を超える猛暑日が続いているが、標高1100mを超える山間に位置する池の平は陽が射した時間帯は30℃を超えたものの、やや曇りがちの天候ということもあり、比較的過ごしやすい環境の中での一戦となった。
2026年JAF中部ダートトライアル選手権 第4戦
2026年JMRC中部ダートトライアル選手権 第4戦
ENA.Cダートトライアル
開催日:2026年7月26日
開催地:池の平ワンダーランド(愛知県豊田市)
主催:ENA.C
池の平三連戦の締めくくりとなった第4戦。中部地区戦は残すところ2戦となり、各クラスで熾烈なタイトル争いが展開されている。その状況に拍車をかけたのが、今回の一戦のレイアウト。スタートから2コーナー目の右コーナー、そしてシェルコーナーへと向う左コーナーの鋭角コーナーは初設定となり、多くのドライバーが攻略に苦戦した模様だ。更に、最終のパイロンセクションも明暗を分ける難関となった。
2Pクラス
第3戦では5位と低迷したものの、依然2Pクラスのシリーズ首位に立っているのが永井和浩選手。その永井選手を16ポイント差で追うのが第3戦の覇者、正村文利選手。そしてシリーズ3番手には平田和哉選手と隈秀樹選手、山根勤選手が同ポイントで並ぶ。
永井選手はこの第4戦でチャンピオンを確定させたいところだが、第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、ディフェンディングチャンピオン村瀬秋男選手。村瀬選手は今季いまだ勝ち星がなくシリーズ6番手に留まっているが、2番手の隈選手に2秒以上の差をつける1分42秒99で、今季初勝利を狙う。一方、永井選手はミスコースでノータイムとなってしまい、第2ヒート一発勝負に賭ける。
第2ヒートでは、第1ヒートで4番手につけていた川崎浩一選手が村瀬選手のタイムを0.46秒上まわる、1分42秒53でトップに立って仕切り直しとなる。続く隈選手はタイムダウン、更に永井選手は再びミスコースを犯して今回の一戦は痛恨のノーポイント。そして、クラスラスト前ゼッケンの正村選手はタイムアップこそ果たしたものの、1分44秒台。注目のラストゼッケン村瀬選手は、トップを狙えるタイムで中間計測地点を通過する。しかし、最終区間で遅れをとりタイムダウンでトップに返り咲くことができず、川崎選手が逆転で優勝となった。
「表彰台は2年ぶりです(笑)。このクルマにバケットシートを入れてから表彰台が遠ざかっていたのですが、今日やっと上がれます」と川崎選手は語ると続けて、「2本目は、1本目でいき過ぎてしまったところをきっちり抑えることを意識しました。ただ、確実にタイムアップしているという手応えがなかったのですが、大先輩の村瀬さんから走り方やタイヤの外径についてのアドバイスをいただいたので、そういったことがうまく噛み合って良い結果につながったと思います」と振り返った。
逆転を許してしまった村瀬選手は、「ターン後の立ち上がりで電子制御が介入してしまうのは分かっているので、なるべくサイド(ブレーキ)を引かないようにしているのですが、さすがに今回はサイドを使わないとね……。川崎選手も同じクラブ〔岐阜県のJAF加盟クラブ、東濃カースポーツクラブ(CCST)〕なので、みんなでレベルを上げていければ楽しいからね(笑)」と、優勝は逃したものの笑顔を見せた。
また、両ヒートともミスコースに終わってしまった永井選手は、「今回の成績次第でタイトルが決まると意識し過ぎて、気負い過ぎました。メンタルが弱いんです」と、苦笑いしながらコメント。辛うじてポイントリーダーは保っているが、タイトル争いは今回の一戦で優勝した川崎選手を含め、シリーズ上位7選手による最終第5戦での決着となった。
RWDクラス
RWDクラスは今季未勝利ながら、常に表彰台の一角を占めてきた山崎ユウタ選手が42ポイントでシリーズ首位。しかし、シリーズ2番手には池の平二連勝で40ポイントを荒稼ぎした齊藤道夫選手が、そして3番手には39ポイントで栢康弘選手が続き、上位陣は混戦を極めている。この第4戦でシリーズの主導権を掴みたいところだが、第1ヒートでトップタイムを刻んだのは開幕第1戦の覇者、38ポイントでシリーズ4番手につけている上角好孝選手。2番手以下を3秒近く突き放す、1分37秒9をマークして折り返す。
第2ヒートでは各選手ベストタイムを更新してくるものの、上角選手のタイムはおろか、1分40秒を切る選手も現れず進行。中盤ゼッケンになり、ようやく2番手に割って入ったベテラン寺田伸選手も1分39秒台と、トップタイムには約2秒及ばず。また、三連勝を狙う齊藤選手も寺田選手のタイムは上まわったものの同じく1分39秒台と、後半ゼッケンになっても膠着状態が続いていたが、戦況を変えたのがラス前の栢選手。1分37秒46と上角選手を0.44秒上回り、土壇場でトップを奪う。これで三重県のJAF準加盟クラブ、チームアンテロープ(ANTELOPE)のクラブ員対決となった。栢選手のタイムを聞くことなくスタートを切った上角選手は、中間で栢選手を上まわる好タイムで通過。そのアドバンテージをフィニッシュまで生かして叩き出したタイムは1分36秒32、トップに返り咲いて優勝を飾った。
上角選手は「前回5位で、シリーズトップから4位に落ちてしまったので、今回は必死で頑張りました(笑)。ここはワダチを信用するしかないので、その点はキッチリ走ることができました。特にコース前半はこれまで走ったことのない設定で、失敗している選手も多かったと思うのですが、1本目も2本目もミスしなかったのが良かったと思います。ただ、最終のターンは失敗しましたけど(笑)」と振り返った。この勝利で再びポイントリーダーに立ち、最終戦でのチャンピオン確定に挑む。
PN1・S1500クラス
今季3戦を終え、開幕戦の優勝を含む47ポイントを獲得している那須照英選手がシリーズトップ。2番手には池の平二連勝中の岸貴洋選手が40ポイントで追う展開となっているPN1・S1500クラス。岸選手は最終戦で主催にまわるためにこの第4戦でポイントを稼いておきたいところだが、第1ヒートで1分38秒66のトップタイムをマークしたのは那須選手。岸選手は1分44秒台で12番手と大きく出遅れる。
このクラスの第2ヒートも、第1ヒートのトップタイムが更新されないまま進行していくが、均衡を破ったのは那須選手自身。1分37秒38までタイムアップを果たし、アドバンテージを広げる。しかし、そのタイムを上回ったのが川原信是選手、1分36秒69でトップに躍り出る。そして注目の岸選手が叩き出したタイムは1分35秒28。川原選手を1秒41上回り、逆転勝利を収めた。
「1本目は、2コーナー目の右のタイトコーナーでバックギヤを使ってしまいました(笑)。2本目は無難に切り抜け、その後はいつも通り踏んでいけたので、何とか逆転できました」と語った岸選手は、「ボクは右のタイトコーナーが苦手で、最後のパイロン区間も何とか誤魔化しました。優勝はしましたが、今後に向けての課題が見えた一戦でした」と、収穫もあったようだ。
これで岸選手は三連勝を達成してシリーズ首位に立ったが、タイトルの行方は最終戦での那須選手の成績に委ねられることとなった。
Nクラス
Nクラスは、今季3戦すべてで2位を獲得してきた鈴木悦司選手がポイントリーダー。鈴木選手を3ポイント差で追うのが、開幕戦を制したディフェンディングチャンピオンの松井啓史選手。3番手には2ポイント差で第2戦の覇者、久保川裕行選手が続く。
シリーズ上位陣が混戦状態で迎えた第4戦の第1ヒート、クラス唯一の1分33秒台でトップタイムをマークしたのは第3戦を制し、36ポイントでシリーズ4番手につける村松俊和選手。久保川選手は1分34秒台で3番手、松井選手は1分37秒台と、やや離されながらも4番手、そして鈴木選手は1分42秒台で7番手と大きく出遅れた。
そして、第2ヒートではノーシードの三輪智広選手が1分32秒63でトップタイムを塗り替え、ここから勝負が仕切り直しとなった。鈴木選手は1分34秒台、続く久保川選手も1分33秒台と、後半のシードゼッケン勢に入っても三輪選手がトップをキープ。しかし、ラス前の村松選手が1分31秒14でトップに返り咲き、残るはラストの松井選手。今季2勝目を挙げる権利はこの2選手に絞られたが、松井選手は1分31秒88。トップタイムに同秒台まで迫ったものの0.74秒及ばず2位止まり、軍配は村松選手にあがった。
優勝した村松選手は「今回は、タイトコーナーをいかに攻略するかがポイントだったと思います。特にコース前半の右から左の区間は、1本目の反省を2本目でキッチリ修正できたのが勝因ですね。最終のパイロンターンは、手前からドキドキしながら進入しました(笑)」と振り返った。
続けて「久しぶりの二連勝ですが調子にのると何かヤラかしそうなので(笑)、最終戦は慎重にいきたいと思います」と語った村松選手が、シリーズ2番手にポジションアップ。また、勝利は逃したものの、ポイントリーダーは今回2位の松井選手が奪い、鈴木選手と久保川選手はともにポジションを落としたが、最終戦はこの4選手によるタイトル争いとなった。
S1クラス
今回の一戦を前に、開幕戦の優勝を含む44ポイントを獲得している松原功治選手がポイントリーダーに立っているS1クラス。2番手には38ポイントで山本剛己選手、3番手には29ポイントで能塚義豊選手と差がやや開いているだけに、各選手の成績如何によっては、この第4戦が天王山となる可能性も秘めている状況だ。第1ヒートで1分34秒64のトップタイムをマークしたのは能塚選手。2番手には約1秒5差で山本選手がつけ、松原選手は1分46秒台で最下位と、波乱の展開となる。
第2ヒートで能塚選手は、コース前半で車両トラブルに見舞われてリタイアを余儀なくされてしまう。それでもトップタイムを保持していたが、山本選手が能塚選手を1秒44上まわる1分33秒2を叩き出し、トップを奪う。続くシードゼッケン吉田正沖選手、広上徹選手ともに1分35秒台に終わり、残るはラストの松原選手。
この時点で山本選手の2位以上が確定しているため、タイトル争いは最終戦まで持ち越されることが決まったが、それでも松原選手は有利な条件を確保したいところ。しかし、タイムは1分36秒台と伸び悩み6位でフィニッシュ。山本選手が第2ヒートの逆転で第4戦を制した。
「今回のコースはいつもの池の平とは違うレイアウトだったので、おそらくみんなどこかでミスをしていて、その痛み分けで(笑)誰が一番ダメージが少なかったかで勝負が決まった感じではないでしょうか」と、優勝した山本選手は分析し、「能塚選手が2本目リタイアしたのですが、それがなかったら彼も必ずタイムを上げてきたと思いますし、結果は微妙だったかもしれませんね」と戦いを振りかえった。
シリーズは、山本選手が松原選手を抜いてポイントリーダーを奪取。タイトルの行方は山本、松原両選手に加えてシリーズ4番手の利村真一選手も権利を残し、三つ巴の最終戦決着となった。
S2クラス
S2クラスは開幕戦3位、そして第2戦、第3戦と連勝を果たした服部雅士選手が52ポイントでシリーズ首位。今回の一戦での成績によって、最終戦を前にチャンピオンを確定させる事ができる服部選手は、第1ヒートから1分32秒82のトップタイムをマークする。
そして第2ヒートでは2番目に登場した、第1ヒート2番手の河井健輔選手が1分32秒49を刻んでトップタイムを更新。そのタイムは一向に更新されず、シード勢の前田利幸選手も1分32秒台に突入するが、0.44秒及ばず2番手止まり。ラス前に登場、最終戦までタイトル争いを持ち越したいシリーズ2番手の伊藤祥充選手は、ベストを更新することもできず7番手と低迷した。
この時点で2位以上が決まった服部選手はチャンピオン確定となったが、更に叩き出したタイムは1分32秒4。河井選手のタイムを0.09秒更新し、優勝でチャンピオン確定を祝った。「今回のコースはどこでタイムを伸ばせるかが分からなくて、とにかく無難に走ろうと心がけました。2本目は、1本目よりも2秒くらいタイムを上げるつもりで望んだのですが、河井選手にトップタイムを抜かれてしまったプレッシャーから力み過ぎて(笑)、林道区間でワダチを外して踏めなかったりしたので、ちょっとドキドキしました」と、シリーズ三連覇を確定した服部選手。
続けて、「得意の池の平で三連勝できたことが(チャンピオン確定の)勝因ですね。最終戦は、いなべ(モータースポーツランド)ですが、実はいなべで優勝したことがないのでシリーズとは関係なく、優勝してシーズンを締めたいですね」と、服部選手は最終戦に向けた意気込みも語った。
PHOTO/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



