優勝で逆転のPN1+山口博文選手はじめ九州ダートラは最終戦で続々チャンプ確定!
2026年9月16日
2026シーズンは全5戦で争われたJAF九州ダートトライアル選手権。最終戦となる第5戦は8月9日、広島県安芸高田市のテクニックステージタカタで、2026年JAF四国ダートトライアル選手権 第5戦との併催で開催された。
2026年JAF九州ダートトライアル選手権 第5戦
2026年JMRC九州ダートトライアル チャンピオンシリーズ第5戦
とびうめダートフェスティバル2026
開催日:2026年8月9日
開催地:テクニックステージタカタ(広島県安芸高田市)
主催:TOBIUME
今回の一戦の約2週間前には、甚大な被害をもたらした令和8年熊本地震が発生した。影響を受けた関係者もいたようだが幸い、最終戦は開催の運びとなった。今季の九州地区戦は設定された9クラスのうち、成立した6クラスでタイトルが争われたが、RWDクラスとDクラスは、すでにチャンピオンが確定。残る4クラスが最終戦での決着となり、白熱の戦いが繰り広げられた。
PN1+クラス
PN1+クラスは4戦を終了して宗正勝吉選手と山口博文選手が、優勝と2位の回数ともに2回ずつと、一歩も譲らない同点で最終戦を迎えた。第1ヒートで2分3秒81のトップタイムをマークしたのは宗正選手。山口選手は1秒94差の2番手で折り返す。
しかし第2ヒートでクラスファーストゼッケン、スポット参戦の佐藤依音選手が2分1秒77を刻んでいきなりトップタイム更新。仕切り直しとなる中、宗正選手は0.75秒のタイムアップに留まりトップを奪回することができず、2番手で山口選手のタイムを待つ。そのチャンスを逃さなかった山口選手、第1ヒートから4秒72のタイムアップを果たす2分1秒03を叩き出して逆転、優勝でタイトル確定を果たした。
山口選手は、「タカタは中国地区の選手と比べるとタイム的にはまだまだですけど、今年になって色々とアドバイスをいただき、徐々に良い感じになってきました」と語ると、「今は関東地区に戻った水野さんを師匠と呼んでまして、今朝、水野さんから『頑張れ』とメッセージも来て、師匠と同じPN1+クラスのチャンピオンになれて非常に嬉しいです(笑)」とのこと。三度このクラスの王者となった水野喜文選手からの応援もチカラに、タイトルを確定させた山口選手が笑顔でコメントした。
また、逆転を喫して二連覇確定を逃した3位の宗正選手は、「1本目からタイムをほとんど上げることができなかったのが敗因です。プレッシャーもあったと思いますし、練習量でも山口選手に負けてますので、そういった差が出たと思います。完敗ですね」と振り返った。
そして、2位表彰台の佐藤選手は「今回、大学の大会の練習も兼ねて参加しました。九州地区戦のファーストゼッケンで緊張しましたが、思い通りの走りができたので満足です」と語り、学生ドライバーがタイトルを争うベテラン勢に割って入る健闘を見せた。
RWDクラス
RWDは、開幕4連勝で既に二連覇を確定している濵田隆行選手が、最終戦も第1ヒートからトップタイムをマーク。このタイムは更新されることなく、ウィニングランとなった第2ヒートでも3秒以上のタイムアップを果たしてクラス唯一の2分切り、1分59秒94で完全勝利を収めた。
GR86を駆って2025シーズンからこのクラスに転向した濵田選手は、参戦すれば全て優勝で通算9連勝中。しかし、「リア駆動の動きにようやく慣れてきましたが、詰めどころはまだまだあります。クルマのセッティングというよりは、ドライバーの方で詰めていく感じですね。今回も大きなミスが2カ所ありましたので、そういったところを修正してきっちり走り切ることができれば、また次に見えてくるものがあると思います」と、更なるレベルアップに向けて語った。
また、今季は全戦2位で完全に押さえ込まれてしまった橋本英樹選手は、「ボロ負けです(笑)。今回は、せめてタイム的にもう少し近づきたかったのですが、3秒も離されてしまいました。まだ(ホンダ)S2000を乗りこなせないですね。来年はどこかで一矢報いたいです」と、苦笑しながらもリベンジを誓った。
S1クラス
ポイントリーダーの永田誠選手を筆頭に、シリーズ2番手の田口和久選手、3番手の良本海選手までタイトル確定の権利を残しているS1クラス。完走すれば4ポイント以上が得られる最終戦、タイトル争いは永田選手がタイムを残した時点で良本選手が脱落、永田選手は田口選手の順位に関係なく、2位以上でタイトル確定となる。
第1ヒートでクラス唯一、2分を切る1分59秒81でトップタイムをマークしたのは今村宏臣選手。九州地区戦は13年ぶりに参戦とのことだ。永田選手は髙橋義晴選手を挟んで約0.7秒差の3番手、田口選手は永田選手から0.06秒差の4番手、良本選手は2分2秒台の6番手で折り返す。
第2ヒートはファーストゼッケン、今村選手とダブルエントリーの今井利光選手が2秒93トップタイムを塗り替えて仕切り直しとなる中、良本選手が1分56秒25を刻んでトップに立つ。第1ヒートで永田選手が完走しているため、タイトル確定は絶望的となった良本選手だが、第4戦に続く連勝でシリーズを締めたいところ。続く田口選手はトップタイムを刻んでタイトル確定の可能性を広げたかったが、タイムアップは果たしたものの1分57秒18と伸び悩み、4番手タイムに終わった。
田口選手のタイムを聞くことなく、スタートを切った永田選手はタイトルを確定しての走行となったが、更に良本選手を0.17秒上回る1分56秒08のトップタイムでフィニッシュ。ラストの今村選手は3位に留まり、永田選手はタイトル確定を優勝で飾った。
「今回、久しぶりに今村選手が出てきたのでとても緊張しましたが(笑)、2本目は転倒覚悟で気合を入れて走りました。上手くワダチにのれたのと、ドライタイヤを選択したのが勝因です」と振り返った永田選手は、「もうすぐ70歳になるので、次のチャンピオンはないと思いうので(笑)、とても嬉しいです」と笑顔で語った。
久々の参戦で永田選手にプレッシャーをかけた(?)今村選手は「現役の永田選手と同等に戦えたので満足です(笑)」と、久しぶりの地区戦を満喫した様子を見せた。
そして、2位の良本選手は「(自分のマツダ・)デミオがメンテナンス中なので、今シーズンは借り物のスイフト(ZC33S型スズキ・スイフトスポーツ)で参戦したのですが、デミオよりもパワーがあるのでとても勉強になりました。今回もそのパワーを生かしたかったのですが、ちょっと欲張り過ぎて所々失敗がありましたね(笑)。そろそろメンテも終わるので、来シーズンはデミオで戦います」と振り返った。タイトルは逃したもののシリーズ順位を1つ上げ、2位が確定した。
S2クラス
S2クラスは、シリーズ5番手の上田力男選手までタイトル確定の権利が残されて迎えた最終戦、ポイントリーダーの岡島秋男選手と上田選手が欠場となった。第1ヒートで圧倒的なタイムを残したのは、シリーズ2番手の岸山信之選手。1分48秒66と、2番手以下を2秒近く引き離してトップで折り返す。
第2ヒートに入ってもトップタイムは更新されず、ウィニングランとなった岸山選手は自ら3秒34更新して1分45秒32までタイムアップ。2位の今福和彦選手とのタイム差も、3秒67と更に広げて圧勝した。
岸山選手は「これまでのセッティングが不調だったので今回ガラリと変えたところ、それが大正解でした(笑)」と明かすと、「1コーナーの進入はブレーキが余ってしまうくらいクルマがキレイに止まってくれたので、もっと信頼しても良かったな、という感じです。全日本の残り2戦が楽しみです」と、2024シーズン以来の地区戦王者確定とともに、セッティング変更による手応えを掴んだようだ。
Cクラス
第4戦終了時点で、50ポイントを獲得している石原昌悟選手がポイントリーダーに立っているCクラス。石原選手は完走すればタイトル確定と極めて優位な状況だが、ここは優勝で確定させたいところ。しかし、第1ヒートで1分49秒76のトップタイムをマークしたのは、シリーズ3番手につけている上原吉就選手。石原選手は2分8秒台と伸び悩み、クラス最下位で折り返す。
第2ヒート早々にトップタイムを塗り替えたのはファーストゼッケン、中国地区からスポット参戦の西元直行選手。1分47秒03をマークして第2ヒート勝負となったが、上原選手は0.87秒差で2番手。続くドライバーは1分50秒を切ることもできず、ラストの石原選手も1分51秒28で3位。最終戦は、タカタが地元の西元選手が勝利という結果となった。
「1本目はメロメロで、梶岡(悟)さんにも怒られて(笑)。フロントデフが調子悪くてほとんど効いてなかったけど、2本目は頑張ろうと思ったら勝っちゃった(笑)」と、西元選手は笑顔で振り返った。
西元選手に一歩及ばなかった上原選手は、「タイヤ選択を間違えました。一番勝たせてはいけない人を勝たせてしまいましたね(笑)。シリーズは今年捨てポイントがないので、開幕戦でエンジンを壊してしまったノーポイントが痛かったです」と、苦笑いで語った。
そして、石原選手は「チャンピオンを獲れたのは嬉しいのですが、今日の走りは悔しいです。最終戦なので勝って終わりたいという意識が強く、気合が入り過ぎてオーバーランしたりと失敗が多かったですね」と、悔いが残る最終戦となったようだ。
続けて「今シーズンは初戦で運良く勝てて、その後もCクラスの手強い方々を相手に何とか食らいついていくことができたので、やり切った感はあります」と、初戴冠を確定することができた今季を振り返った。
Dクラス
今季からDに転向した岡本泰成選手が3勝を挙げてタイトルを確定し、最終戦も第1ヒートから1分43秒35の圧倒的なタイムでトップを奪う。
岡本選手は第2ヒートで0.69秒の僅かなタイムアップに留まるも、危なげなく勝利を収めた。成立した4戦全勝でシリーズを締めくくったが、「今日は満足のいく結果ではなかったです」とのこと。「2本目は(タイヤを)スーパードライに換えて走ったのですが、もう少し上がって欲しかったですね。結果だけをみるとタイヤが路面に合ってなかったということだと思うのですが、ドライバーとしてもっと何か出来たのではないかと思います」と、自身の課題を交えながら振り返った。
また、2位でシリーズも2位が確定した五味直樹選手は、「泰成は勝っていいです(笑)。Dクラスはここ(岡本選手以外)の勝負ですから。個人的には、今シーズンはメンテナンスガレージを変えてクルマの調子も良くなって、それとは別にD1車両も造ってますが、乗り換えなくても良いかな、と感じたシーズンでした」と語った。
そして、3位の江川博選手はシリーズ3位も確定したが、「今年も全日本と地区戦でクルマを使い分けていたのですが、だんだん応用が効かなくなってきました(笑)。それぞれに応じてドライビングの引き出しが増えるかと思いましたが、来シーズンは一本に絞ります」と、今季を振り返った。
クローズドクラス、オープンクラス
学生ドライバーを中心に争われたクローズドクラスはクラスでただ一人2分を切る、1分59秒61を第2ヒートでマークした徳川圭佑選手が制した。
オープンクラスには2026年JAF全日本ダートトライアル選手権に挑む強豪も顔を揃えた。その中で今季からDAT搭載のGRヤリスを投入した、中国地区の西田ツカサ選手が1分46秒99のトップタイムをマークした。
PHOTO/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA]、西野キヨシ[Kiyoshi Nishino] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



