全日本ダートトライアル切谷内ラウンドでPN3竹本幸広選手が4年連続のタイトルを確定
2026年7月29日
2026年JAF全日本ダートトライアル選手権 第6戦「2026年東北ダートトライアル IN KIRIYANAI」が、7月18~19日にかけて、青森県五戸町のサーキットパーク切谷内で開催された。PN3クラスでは竹本幸広選手が今季4勝目を挙げ、シリーズチャンピオンを確定させた。
2026年JAF全日本ダートトライアル選手権 第6戦
2026年東北ダートトライアル IN KIRIYANAI
■開催日:7月18~19日
■開催場所:サーキットパーク切谷内(青森県五戸町)
■主催:MSCはちのへ
決勝ヒートが行われた19日は雨の予報だったが、実際にはおおむね安定した天候で、PN3クラスの第1ヒート走行中に強い雨が短時間降った程度だった。第2ヒート前に行った散水量も少なかったため、D2クラスを除く、全てのクラスで、路面の砂利が掃けてレコードラインがドライとなった第2ヒートでのアタックで勝負が決まった。
PNE1クラス
PNE1クラスは小山健一選手(スズキ・スイフトスポーツ)が、第1ヒートで2番手以下を1秒以上引き離すトップタイムをマーク。第2ヒートでは、さらに後続に2秒以上の差をつける圧巻の走りで今季5勝目を挙げた。シリーズチャンピオンを争う、ランキング2番手のいりえもん選手(三菱・コルト)が4位に入ったため、小山選手のチャンピオン確定は持ち越しとなったが、2024年以来となるPNE1クラスタイトルに王手をかけた。
2位は「第2ヒートは硬質路面用タイヤを装着しましたが、リアの動きが安定せず、投入するタイミングが少し早かったかもしれません」と反省した鈴木正人選手(スズキ・スイフトスポーツ)が獲得。
3位には「第1ヒートで大きく失敗してしまいましたが、第2ヒートでなんとかリカバリーできました」と振り返った山部恭裕選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞した。
PN1クラス
PN1クラスは、今季3勝を挙げている工藤清美選手(ホンダ・フィット)が、ホームコースである切谷内でチャンピオン確定に王手をかけて迎えた。工藤選手は第1ヒートでトップタイムをマークし、タイトル確定に手をかける。しかし、第2ヒートは「超硬質路面用タイヤを装着しましたが、硬質路面用タイヤの方が路面に合っていたかもしれません」と、タイムアップは果たすもののトップに0.399秒届かず3位止まり。ホームコースでのタイトル確定はならなかった。
優勝は北海道から参戦し「これまで全日本選手権やJAFカップでは地元のスナガワでしか優勝したことがありませんでしたが、他地区で勝てたことは自信にもつながります」と笑顔で語った大場元貴選手(ホンダ・フィット)が獲得した。
2位には「自分としては100点の走りができました。ほぼ出し切ったうえでの結果なので仕方ありません」と話した飯島千尋選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞した。
PN2クラス
PN2クラスは、今季3勝を挙げてシリーズをリードする奈良勇希選手(スズキ・スイフトスポーツ)と、今季2勝で追う張間健太選手(スズキ・スイフトスポーツ)の直接対決となった。第1ヒートは張間選手が奈良選手に0.146秒差をつけてまずはトップに立つ。
路面が乾き、ベストタイム更新が相次いだ第2ヒートでは、第1ヒート5番手の稲葉幸嗣選手(スズキ・スイフトスポーツ)がマークしたタイムがなかなか破られない展開となった。しかし、第1ヒート2番手の奈良選手が稲葉選手のタイムを0.023秒上まわりトップを奪った。
クラス最終走者の張間選手は「前半の低速区間は昨年も今年もあまり得意ではありませんでしたが、そこで大きく離されなかったことが勝因だと思います。後半の高速区間で勝負する組み立てがうまくいきました」と、語る走りで奈良選手を後半セクションで逆転。0.417秒差をつけて今季3勝目を挙げ、シリーズ勝利数で奈良選手に並んだ。
2位は「今回は走るための準備が足りていませんでした。集中力を乱してしまい、大きな反省点です」と悔しさをにじませた奈良選手が獲得。3位には「上位二人に対しては、まだクルマを煮詰めきれておらず、いろいろ試している段階です」と話した稲葉選手が入賞した。
PN3クラス
PN3クラスは、今季3勝を挙げている竹本幸広選手(トヨタ・GR86)が、3位以内に入賞すればシリーズチャンピオン確定となる状況で迎えた一戦。しかし、第1ヒートではクルマを土手にヒットさせた影響でタイヤトラブルを抱えた。それでもゴールまで走り切ったがトップは小関高幸選手(スバル・BRZ)に譲り、クラス最下位から挽回を期することとなる。
第2ヒートは、第1ヒートのベストタイムから4秒近く更新され、上位陣は1分36秒台のハイレベルな争いとなる。上野倫広選手(トヨタ・GR86)がホームコースの加藤琢選手(スバル・BRZ)のタイムを0.388秒上まわってトップに立つと、第1ヒートトップの小関選手がさらに0.078秒更新。
そしてラスト走者の竹本選手は「第1ヒートは調子が良かっただけに攻め過ぎて大きなミスをしてしまいました。第2ヒートは1分36秒台の戦いになると思ったので、自分もそのタイムを目標に走りました。精神的な焦りはありましたが、なんとかメンタルをコントロールし、多少ミスはありましたが最後まで集中して走ることができました」と、小関選手のタイムを1.128秒更新して逆転優勝を飾った。
「残り2戦を残してチャンピオンを決めることができましたが、楽な戦いは一度もありませんでした。強力なライバルが数多くいる中、苦手なコースやプレッシャーと向き合い、毎戦心臓が飛び出そうな気持ちで戦っていました」と明かした竹本選手は、今季4勝目を挙げるとともに、4年連続となるシリーズチャンピオンを確定させた。
2位は「第2ヒートは硬質路面用タイヤを選択しましたが、結果的には超硬質路面用タイヤが正解だったようです。それにしてもチャンピオンの竹本選手は強かったですね」とコメントした小関選手が獲得。
3位には「前日の公開練習で自分の悪いクセであるステアリング操作が出てしまいましたが、決勝ではなんとか修正することができました」と振り返った上野選手が入賞した。
Nクラス
チャンピオン争いが混沌としてきたNクラスは、今季2勝を挙げている細木智矢選手(トヨタ・GRヤリス)をはじめ、シリーズランキングトップの宝田ケンシロー選手(トヨタ・GRヤリス)、河田富美男選手(トヨタ・GRヤリスDAT)、岸山信之選手(トヨタ・GRヤリス)の4台が第1ヒートで1分33秒台に並ぶ接戦となった。
路面コンディションが良好となり、仕切り直しとなった第2ヒートでは、第1ヒート3番手の河田選手が1分28秒443をマークしてトップに立つ。このタイムは最後まで更新されず、第1ヒート2番手の宝田選手も後半セクションで土手に乗り上げて2輪駆動となり、河田選手に1.564秒届かなかった。
第1ヒートトップの細木選手は「2戦連続で超硬質路面での戦いでしたが、前戦は超硬質路面用タイヤで惨敗したので、今回は硬質路面用タイヤで挑みました」と、宝田選手のタイムは上まわったものの河田選手には1.067秒届かず2位。クラス最後に出走した岸山選手も宝田選手を0.381秒上まわるが、「前半区間は砂利が多く、その遅れが最後まで響きました」と、2番手の細木選手に0.183秒及ばず3位となった。
優勝の河田選手は「コースと路面がDATの特性に非常によく合っていました」と満足そうに話し、PN3クラスで戦っていた2019年、スピードパーク恋の浦での第2戦以来7年ぶり、さらにトヨタ・GRヤリスDATとしては全日本ダートラ初となる優勝を飾った。
SA1クラス
第5戦までに4人のウィナーが誕生し、シリーズチャンピオン争いが熾烈化するSA1クラス。本戦には、全日本デビューとなった開幕戦と第2戦を連勝し、第3戦から第5戦までは欠場しながらもシリーズランキング2番手につける一宮悠人選手(スズキ・スイフトスポーツ)が、3戦ぶりに出場。
第1ヒートでベテランの河石潤選手(スズキ・スイフトスポーツ)に0.087秒差の2番手につけた一宮選手は「切谷内は初めて走るコースですが、第2ヒートは超硬質路面用タイヤを信じて攻めました」と、第2ヒートでトップタイムを更新。その後、一宮選手のタイムを上まわる選手は現れず、全日本出場3戦目にして無敗のまま今季3勝目を挙げた。
2位には「以前からこの組み合わせが自分には一番合っています。残り2戦は若い選手たちに勝ちたいですね」と、フロントに超硬質路面用、リヤに硬質路面用タイヤで臨んだ花見誠選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞。
3位は「ここ2戦は調子を落としていましたが、いろいろセッティングを変えたり練習したりして、良い感じになってきました」と語った福山重義選手(スズキ・スイフトスポーツ)が獲得した。
SA2クラス
SA2クラスは、第1ヒートでマイケルティー選手(三菱・ランサーエボリューションIX)がベストタイムをマークし、0.115秒差で三浦陸選手(三菱・ランサーエボリューションX)が続く。しかし、第2ヒートでは三浦選手がまさかのタイムダウンで8位まで後退。マイケルティー選手もタイムアップは果たしたものの、トップには1.02秒届かず5位となった。
優勝は浜孝佳選手。超硬質路面となった第2ヒートでクラス唯一の1分27秒台をマークし、第1ヒート5番手から逆転優勝を飾った。今季3勝目を挙げるとともに、シリーズランキングでも荒井信介選手を抜いてトップに浮上した。
2位は「第2ヒートは、ゴール後にアンチラグを入れ忘れていたことに気付きました……」と悔やしさをにじませた黒木陽介選手(トヨタ・GRヤリス)が獲得。
3位は「超硬質路面用タイヤを履いた浜選手は本当に速かったですね。途中でエンジンをストールさせるなどミスもありましたが、残り2戦でなんとか1勝したいですね」と話した荒井選手(三菱・ランサーエボリューションX)が入賞した。
SCクラス
SCクラスは、今季2勝を挙げてシリーズランキングトップに立つ岡本泰成選手(三菱・ランサーエボリューションIX)が、第1ヒートでD2クラスのトップ3に迫る1分26秒999をマーク。第2ヒートもタイムアップを果たし、2位の北村和浩選手(三菱・ランサーエボリューションX)に1.584秒差をつけて優勝。これで今季3勝目を挙げ、シリーズチャンピオンへ大きく前進した。
2位の北村選手は「少しずつクルマの状態は良くなってきていますが、それにしても岡本選手が速すぎます」と、今回はお手上げだった様子。3位は「今シーズンは調子の波がありましたが、ここは好きなコースなので、久しぶりに表彰台に立てて良かったです」と語った吉村修選手(三菱・ランサーエボリューションX)が入賞した。
D1クラス
今季3勝を挙げる大谷皇就選手(トヨタ・86)が怪我のために欠場したD1クラスは、第1ヒートで志村雅紀選手(スズキ・スイフトスポーツ)がベストタイムをマークし、0.022秒差でパッション崎山選手(トヨタ・MR-S)が続く。
第2ヒートでは「今回はクルマをかなり軽くしてきました」と話した志村選手が1分32秒台に突入し、自己タイムを更新。第5戦優勝の山崎迅人選手(三菱・ミラージュ)は「公開練習の感触が良かったので期待していましたが、やはり切谷内は苦手ですね」と、この時点で志村選手に0.62秒届かず2番手。
最終走者のパッション崎山選手は「第1ヒートは軟質路面用タイヤで1分34秒台、第2ヒートではSA1クラスのトップが超硬質路面用タイヤで1分33秒台だったので、超硬質路面用と硬質路面用のどちらにするか悩みましたが、過去のデータを信じて超硬質路面用を選びました。不安もありましたが、タイムが出て良かったです」と、クラス唯一の1分31秒台をマークし今季2勝目を獲得。2位に志村選手、3位には山崎選手が入賞した。
D2クラス
D2クラスは、今季未勝利ながら過去4ラウンドで2位に入り、安定した成績を維持する鎌田卓麻選手(スバル・BRZ)が、第1ヒートで1分26秒253のトップタイムをマーク。0.619秒差の2番手は炭山裕矢選手(三菱・ミラージュ)、さらに0.051秒差で田口勝彦選手(三菱・ランサーエボリューションX)が続いた。
第2ヒートでは、ホームコースの大西康弘選手(フォード・フィエスタ)が「一カ所だけアウトに膨らみ、柔らかい路面を走ってしまったので厳しいと思いましたが、地元ということもあり最後まで諦めなかったことが良かったのでしょう」と、第1ヒートの鎌田選手のタイムに0.399秒差まで迫る走りを見せた。
一方、第1ヒート2番手の炭山選手は「スタート直後にターボパイプが抜けてNA状態になってしまい、その時点で競技を諦めました」と第2ヒートをリタイアし、この時点で3番手となった。
第1ヒートトップの鎌田選手は、第2ヒートの途中でアンチラグが切れる電気系トラブルによりスピンを喫してタイムダウン。第1ヒート3番手で最終走者の田口選手に逆転のチャンスが訪れ、中間地点では鎌田選手を約0.5秒上まわっていたが、後半のフルターンでタイヤトラブルが発生、タイム更新はならなかった。
結果、鎌田選手が第1ヒートのタイムで今季初優勝。全日本ラリーに続き、全日本ダートラでもシリーズランキングトップに立った。
PHOTO/CINQ、斉藤武浩[Takehiro SAITOU] REPORT/CINQ、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



