松原実選手が近畿ダートラ第4戦の総合トップタイムでS2王者確定!

レポート ダートトライアル

2026年7月31日

全5戦で争われる2026年JAF近畿ダートトライアル選手権は、7月12日に第4戦が三重県いなべ市の、いなべモータースポーツランドで開催された。今回の一戦を含めて残り2戦となりシリーズも大詰め、今回の一戦は王座争いの行方を左右する大きな山場となりそうだ。

2026年JAF近畿ダートトライアル選手権 第4戦
2026年JMRC近畿ダートトライアル チャンピオンシリーズ 第4戦
2026年JMRC近畿ダートトライアル ジュニアシリーズ第4戦
2026ウサギとカメのホワイトダートトライアルinいなべ

開催日:2026年7月12日
開催地:いなべモータースポーツランド(三重県いなべ市)
主催:WHITE

 今回の一戦のレイアウトは、コース全体を8の字を書くような設定。後半の上りストレート直前のシケインを如何に上手く立ち上がれるか、更に広場に設定されたフィニッシュ前のフリーターンをいかに効率良く回るかが攻略の大きなポイントとなったようだ。

 そして競技会当日の空模様はやや曇りがちではあったものの、隣接する桑名市では最高気温36℃を記録する猛暑日となった。ダートトライアラーとクルマ、双方のコンディションを保つための暑さ対策も、好タイムを記録する重要な要素となった。

2026年JAF近畿ダートトライアル選手権 第4戦当日のいなべモータースポーツランドの空は朝から曇りがち。しかし、雲が気温上昇を抑えてくれることはなく、人車ともに厳しい暑さの中での戦いとなった。
今回の一戦のレイアウトは、スタート直後の下りストレートと終盤の広場に向かう上りストレートは定番だが、それぞれのストレートの前後でコースを横断するようにシケインが設定された。また、広場でのフリーターンが最後の関門として立ちはだかり、攻略に悩んだダートトライアラーが多かったようだ。

2026年JAF近畿ダートトライアル選手権 第4戦
2026年JMRC近畿ダートトライアル チャンピオンシリーズ第4戦

AE・PNクラス

 AE・PNクラスは、平原祐一郎選手が43ポイントでシリーズ首位。2番手に37ポイントで島田正樹選手、3番手に35ポイントで宮子祐輔選手、そして4番手に32ポイントで加藤輝選手と、王座争いは混戦となっている。

 しかし、第1ヒートでトップタイムをマークしたのは王座を争う4選手ではなく、第2戦以来の参戦となった市川典彦選手で、タイムは1分29秒599。約0.4秒差の2番手には宮子選手が、3番手には約0.05秒差で平原選手が続いた。

 第2ヒートになると平原選手とダブルエントリー、クラスファーストゼッケンの島田選手が1分28秒908を刻んで、いきなりトップタイム更新。完全な仕切り直しとなったが、更に宮子選手が1分26秒862まで一気にトップタイムを詰めた。しかし、勝負を決めたのはラストゼッケン平原選手。宮子選手を0.419秒上まわるタイムを叩き出し、逆転で優勝を決めた。

「宮子選手の1分26秒台を聞いてちょっとこれは…… と思ったのですが、頑張って何とかトップタイムを出せました」と、平原選手は第2ヒートスタート前の心境を明かした。続けて「自分の中では1分27秒台がいい線かと思ってましたので、想定タイムよりも良かったですね。今回はコース設定も良かったので、気持ちよく走れてタイムも出たので何よりです!」と、今季2勝目を挙げた平原選手は喜んだ。そして、AE・PNの王座争いは最終第5戦に決着が持ち越された。

ZC32S型スズキ・スイフトスポーツのワンメイク状態となったAE・PNクラスは、三好グラベルパークのこけら落としとなる開幕第1戦を制した平原祐一郎選手(Gコルサ☆モチュール☆スイフト)が制し、今季2勝目一番乗りを果たした。
AE・PNの2位は中部地区から参戦の宮子祐輔選手(ユリ電機YHプロμVTスイフト)が獲得、シリーズ3番手で最終第5戦での王座争いに挑む(左)。島田正樹選手(eXr・S+モチュールスイフト)は平原選手とダブルエントリー、2戦連続で3位に入ってシリーズ2番手をキープした(右)。
AE・PNは左から、2位の宮子選手と優勝した平原選手、3位の島田選手のトップ3が表彰台に立った。

RWDクラス

 第3戦終了時点で、42ポイントを獲得している中原優介選手がポイントリーダー。シリーズ2番手には9ポイント差で須川裕二選手が追う王座争いとなっているRWDクラス。中原選手不在となった今回の一戦、ポイントリーダーの座を奪いたい須川選手が第1ヒートで1分29秒519のトップタイムを刻んだ。前戦の覇者、横内由充選手が0.028秒の僅差で続いて折り返した。

 第2ヒートではクラス2番目にスタートを切ったディフェンディングチャンピオン、三浦陸選手が1分27秒241をマーク。第1ヒートはドライブシャフト破損でリタイアを余儀なくされた三浦選手が、第2ヒート一発勝負でトップに立った。しかし、続く横内選手がすぐさまそのタイムを0.856秒更新してトップを奪う。そして、横内選手のタイムが更新されないままラストの須川選手がスタートを切ったが、横内選手には0.59秒及ばず2位止まり。

 二連勝を果たした横内選手は「今回は、このクルマ(トヨタMR2)のトラクションを上手くコントロールできたと思います」と語ると続けて、「特に2本目は、スタート直後の下りや後半の上りは路面グリップも良かったので、ブーストもいい感じで効いて、フリーターンも姿勢変化の少ない左回りでクルマの特性を生かせたと思います」と、勝因を分析した。

 王座争いでは須川選手が2位に終わったがポイントリーダーを奪取、シリーズ5番手の三浦選手までチャンピオン確定の可能性を残す混戦で最終戦に臨む。

RWDクラスでも中部勢が活躍。クラスで3番目スタートだった横内由充選手(TEIN☆eT☆YH久與MR2)がトヨタMR2を駆って第2ヒートで逆転、二連勝を飾って王座争いに残った。
RWDの2位と3位はトヨタ86勢が占めた。シリーズ2番手で今回の一戦を迎えた須川裕二選手(YHサンパギータAPU86)は優勝こそならなかったものの、2位でシリーズ首位を奪取した(左)。開幕戦以来の参戦となった三浦陸選手(FUAC86)は崖っぷちの第2ヒート一発勝負となったが、3位に飛び込んて王座争いに踏みとどまった(右)。
RWDは左から4位の千賀達也選手(キャッツYH・MR2)、2位の須川選手、優勝した横内選手、3位の三浦選手、5位の仲村柊太選手(クスコWMDL柊レクサスIS)、6位の山田優斗選手(KUAC☆86)が表彰を受けた。

S1クラス

 S1クラスは、 開幕戦と第2戦を制した小川一郎選手がポイントリーダー。しかし、第1ヒートで1分26秒331のトップタイムをマークしたのは、シリーズ3番手の執行信児選手。執行選手は今回の一戦の結果次第でチャンピオン確定の望みを最終戦まで繋げることができるが、背後には小川選手が0.561秒差につけ、緊張感漂う中折り返した。

 第2ヒートはベストタイム更新が連発するものの、トップタイムは一向に更新されず。そのタイムを塗り替えたのは、ラスト前ゼッケンの執行選手自身だった。1分25秒の壁も破る1分24秒926を叩き出してアドバンテージを確保する。プレッシャーがかかるラストの小川選手が勝利するには、2秒近いタイムアップが必須。しかし、トップタイムには1秒068及ばず、執行選手が両ヒートを制する完全勝利で第4戦を制した。

「2本目は細かいミスはありましたが、クルマがよく動いてくれたので良いタイムが出て勝つことができました」と、第2ヒートの走りを振り返った執行選手は続けて「なんとか(王座争いに)首の皮一枚繋がりました(笑)。ただ、最終戦は全日本戦も近いので、おそらく全日本の方々もエントリーしてくる中での厳しい戦いとなりそうですが、できる限り頑張ります!」と、チャンピオン確定への意欲を語った。

S1クラスでZC33S型スイフトを操る執行信児選手(DL田中自動車EXDスイフト)がクラス唯一1分24秒台に突入して今季初優勝。最終戦では逆転で、2023シーズンAE・PN以来のチャンピオン確定を狙う。
S1はZC33S型スイフト勢が躍動、トップ3を占めた。今季負けなしで3勝目を狙った小川一郎選手(田中自動車EXD岡歯科スイフト)だったが、王座争い崖っぷちの執行選手の勢いに屈して2位となった(左)。ディフェンディングチャンピオンの眞砂徳亮選手(ファイナリストM5スイフトDL)は第1ヒートから順位は変わらず3位を獲得、今季最上位となった(右)。
S1は左から4位の西尾忠選手(DL・MAXミラージュ)、2位の小川選手、優勝した執行選手、3位の眞砂選手、5位の山本浩司選手(ファイナリストゾンビストーリア)、6位の清水孝憲選手(DLダイハツ技術研究会ブーン)が表彰を受けた。

S2クラス

 S2クラスは今季、第2戦から近畿地区戦参戦の松原実選手が二連勝でチャンピオン確定に王手をかけて、今回の一戦を迎えた。松原選手は、第1ヒートから1分18秒998のトップタイムをマーク。2番手は1.5秒以上の差がついたが、松原選手に待ったをかけたいシリーズでも2番手の星住祐弥選手が続いた。

 第2ヒートではベストを更新するトライアラーはいるものの、1分20秒は切れず。JAF全日本ダートトライアル選手権のSCクラスで活躍する上村智也選手も、2番手まで順位を上げたが、タイムは1分20秒163。ラス前の星住選手もタイムアップこそ果たすものの、その伸び代は0.104秒に留まって3番手。ウィニングランとなった松原選手だが攻めた走りでフィニッシュ、トップタイム更新かと思われたが、フリーターン不通過でミスコース判定。第1ヒートのタイムで優勝し、チャンピオンを確定させた。

「(フリーターンのとき)クルマの中で『あ! 足りてない』と思って、ちょっと修正したのですが、ゴール後みんなに『(旗が)黒かったよ』って言われて(笑)。これも攻めた結果なので……」と、松原選手は第2ヒートのミスを語った。今季については「ここ(いなべ)に来るようになって車高や減衰など、足まわりについて色々勉強しました。クルマも進化してますし、そのノウハウは他でも通用すると思ってます。今年は最初の競技がここの全日本だったので、それも含めると、いなべ4連勝なので気持ち良く終われました」と、笑顔で振り返った。

S2クラスでは三菱・ランサーエボリューションIXをドライブする、中部勢の松原実選手(DLプロテック男義ランサー)が第1ヒートで総合トップタイムをマーク。第2ヒートはミスコースを犯したが第2戦から三連勝でチャンピオンを確定させた。
S2の2位はランエボXを駆る上村智也選手(JURANitzzYHランサ)が第1ヒート3番手からの逆転で(左)、3位を星住祐弥選手(藤大DL杉尾Gランサー)がランエボIXを操って獲得するなど、6位までをランエボ勢が独占した。
S2の表彰。左から4位の矢本裕之選手(APU河童YH借り物ランサー)、2位の上村選手、優勝した松原選手、3位の星住選手、5位の西田裕一選手(DL・BOOBOWランサー)、6位の三輪智広選手(樋口鍼灸ジール寺勝DLランサー)。

Dクラス

 Dクラスでは金井宏文選手が開幕戦は3位に終わったものの、第2戦と第3戦を制してポイントリーダーに立つ。開幕戦の覇者、絹川雅之選手が2ポイント差で金井選手を追う王座争いとなっている。第1ヒートで1分21秒697のトップタイムをマークしたのは金井選手。絹川選手は2番手につけるも、その差は3秒以上開いてやや厳しい状況だ。

 第2ヒートで絹川選手は痛恨のタイムダウンを犯してしまい、万事休す。金井選手もタイムを更新できなかったが、第1ヒートのトップタイムを守り切って今季3勝目を挙げるとともに、チャンピオンも確定させた。

 金井選手は「今シーズンは第2戦までヴィッツで走っていたのですが、ミッショントラブルで急遽、2年ぶりにインプレッサを引っ張り出して(笑)、突貫で整備してシーズンを追ったという状況だったんです」と明かした。今回の一戦を振り返り、「1本目のタイムでなんとか勝てたのは嬉しいのですが、2本目はフリーターンを失敗したり、タイム的にもS2クラスと比較すると今後に向けての課題は色々ありますね」と、王者確定を決めたものの、課題も交えて語った。

スバル・インプレッサを駆る金井宏文選手(ADVANピロットインプレッサ)がDクラスで両ヒートトップタイムの完勝を果たし、2024シーズン以来の王座奪還を確定させた。
第1ヒートの4番手から3秒以上タイムアップして2位を奪った小川浩幸選手(小川自動車KガルフYHランサー、左)、勝利で金井選手の王者確定に待ったをかけたかったが3位に終わった絹川雅之選手(レソルテワコーズ駆ランサー、右)、Dの2位と3位はランエボIXを駆るトライアラーが占めた。
Dはトップ3が表彰台に登壇した。左から2位の小川選手と優勝した金井選手、3位の絹川選手。

2026年JMRC近畿ダートトライアル ジュニアシリーズ第4戦

JPN+クラス

 JPN+クラスは、排気量1586cc以下の2WDおよび2000cc以下で後輪駆動のPN・N・SA・SAX・SC・B車両、あるいは1200cc以下で4WDのN・SA・SAX・SC・B車両、または全てのAE車両が対象となる。

 第2戦でダートラデビューウィンを果たした板澤将輝選手が、第1ヒートから1分33秒592のトップタイムをマーク。続く第2ヒートでは更に1分31秒697まで更新し、2位以下に4秒近い差をつける圧勝を果たした。

 板澤選手は「デビュー戦でも優勝したのですが、そのとき軽くクラッシュしてしまい、それが悔しくて。また、(3位だった)第3戦は雨で全く思うような走りができなくて、それも悔しくて。それから練習をしまくって、今日はその成果が出せました」と、過去2戦の反省と練習が結果に表れたことに笑顔を見せた。王座争いでは今季2勝目一番乗り、今回の一戦は2位だった堀部航平選手を抜いてシリーズ首位に立った。

JPN+クラスではトヨタ・ヴィッツRSを駆る第2戦のウィナー、板澤将輝選手(兵庫大☆吾郎ヴィッツ)が両ヒートともに大差をつけて制し、今季2勝目を挙げて王座争いでも首位を奪った。
JPN+は左から、2位の堀部航平選手(田中自LubEXDDLスイフト)と優勝した板澤選手のトップ2が表彰台に上がった。

J1クラス、クローズドクラス

 J1クラスは、ダイハツ・ミラでトリプルエントリーの第3走者、笠井敏行選手が1分30秒811で第1ヒートのトップタイムをマーク。そのタイムを第2ヒートで更新したのがミラの第2走者、AKIRAイッパツ選手でタイムは1分29秒919。そして、ラストの笠井選手はタイムダウンを犯して再逆転ならず、AKIRA選手が優勝を果たした。

「笠井選手の失敗にも助けられましたが、50歳でダートトライアルを初めて苦節9年、今回が初優勝です(笑)」と、AKIRA選手は念願達成に笑顔を見せた。王座争いでは、3位に入った川口晴彦選手がシリーズ首位をキープして最終戦に臨む。

 クローズドクラスでは、トヨタ86を駆る五島健太選手が孤軍奮闘。第2ヒートでは6秒近くもタイムアップを果たし、RWDで6位に相当する1分29秒212で駆け抜けた。

J1クラスではトリプルエントリーしたダイハツ・ミラの一角、AKIRAイッパツ選手(ジョーカー!ミラ1!)が第2ヒートで3秒以上タイムアップして逆転、嬉しい初優勝を達成した。
J1でAKIRA選手と同じミラをドライブする笠井敏行選手(1にワォ!2にワォ!3にミラ1)は第1ヒートをトップで折り返したものの第2ヒートではタイムを上げられず、2位に甘んじた(左)。ホンダ・シビックを駆る川口晴彦選手(TOF息子のシビック)は第1ヒート最下位から4秒以上タイムアップを果たして3位を獲得、チャンピオンに一歩前進した(右)。
J1はトップ3が表彰台に立った。左から2位の笠井選手と優勝したAKIRA選手、3位の川口選手。
クローズドクラスでは86を駆ってただ一人参戦の五島健太選手(ハチロク)が、RWDでも入賞圏内の好タイムを第2ヒートで叩き出した。

PHOTO/友田宏之 [Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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