D1筑波大会で横井昌志選手が追走2連勝!

レポート ドリフト

2026年7月9日

愛知スカイエキスポで開幕したD1グランプリは第2大会を迎え、昨年に続き筑波サーキットで開催された。単走ではRd3で蕎麦切広大選手、Rd4で横井昌志選手が勝利する。追走では横井昌志選手が両ラウンドを制し、週末を通して圧倒的な強さを見せつけた。

2026年JAF日本ドリフト選手権 D1グランプリシリーズ Rd3/Rd4 筑波大会
開催日:2026年6月26~28日
開催地:筑波サーキット コース2000(茨城県下妻市)
主催:株式会社サンプロス

 D1グランプリの第2大会は、昨年と同じく筑波サーキット コース2000で開催された。7号、8号と二つの台風が接近していたが、風の影響はほとんどなかった。だが、降ったり止んだりの雨は、その時々により降雨量に差があり、一部ではドライに近い路面が現れるなど状態が大きく変化。そのため、走行順による路面コンディションの変容を考慮し、約2時間におよぶ単走予選は4つのグループに分けて実施。各グループの上位4名までを通過基準とし、合計16名が予選突破となる方式が採用された。

台風の接近で両日とも雨が降ったり止んだりする不安定な天候となったものの、強風の影響はほとんどなく、競技は予定どおり実施された。
審査は3名の審判員がコントロールタワー内のモニターを用いて行った。今回は天候の影響でドローンの使用ができなかったが、20台以上のモニターによって全区間を詳細に確認できる体制が整っており、ゾーン不通過などの判定も即座に行える環境となった。映像はその場で巻き戻して確認することも可能。
施設環境への配慮として運営体制にも改善が加えられた。前戦の愛知大会終了後、作業ピットのオイル汚れが目立ったことを受け、今大会からは各チームに対し作業スペースにシートを敷くよう通達された。これにより、パドックを清潔に保つ取り組みが強化されている。
審査区間は昨年と同様だが、ゾーンの配置はわずかに変更された。3つのJ区間はDOSS計測のセクターには含まれないものの、ドリフト維持が求められる重要な区間だ。現在のDOSSシステムでは5セクターまでしか計測できないため、このような区分で構成された。この区間ではカウンターの戻りや、速度を稼ぐための中立ステアは減点の対象となる。

第3戦

単走部門

 単走優勝は、蕎麦切広大選手。単走の時間帯には雨が止み、4グループともほぼドライに近い状態で走行できた。その中で最後のDグループに出走した蕎麦切選手が、唯一となる98点台を記録してトップに立つ。昨年の筑波大会では単走2位であり、今回の結果はその実力を改めて示すものとなった。

第3戦単走部門優勝は蕎麦切広大選手(SHIBATA RACING TEAM)。
搭載するVR38改4.3Lエンジンの強大なパワーとトルクを、ハイスピードかつロングレイアウトの筑波コースで最大限に生かす走りを見せた蕎麦切選手。

追走部門

 追走決勝は「永遠のライバル」とも称される横井昌志選手と中村直樹選手の対戦となった。1本目は横井選手が先行し、DOSS点数96.5点と安定した走りを見せた。後追いの中村直樹選手はDOSSが94点とやや伸びを欠いたものの、追走ポイント12.7を記録。この結果、中村直樹選手が約10点リードする展開となった。

 入れ替えての2本目では、先行の中村直樹選手がDOSS点数94.3点と再び伸び悩む。対する横井選手は後追いで13.3点を獲得しつつ、DOSSは93.4点と一定の水準を維持して走り切った。最終的に横井選手が203.2点、中村直樹選手が201.0点となり、その差はわずか2.2点。1本目のDOSSの得点差が勝敗を分ける結果となった。通算13回目となる両者の対決は、決勝では5年ぶり。横井選手が6勝目を挙げ、ライバル関係はさらに拮抗する形となった。

 横井選手は開幕戦に続く今季2勝目。TEAM D-MAX RACINGからプライベート参戦へと体制を変えても、その勢いは衰えるどころか、むしろ増している印象だ。横井選手が今年から投入したS14シルビアは、D1ライツ時代から得た経験をベースに自ら製作したD1GP必勝仕様だという。

 2位は中村直樹選手、3位は藤野秀之選手。雨の筑波という条件もあり、経験の差が結果に表れた印象だ。上位3名はいずれもチャンピオン経験者であり、筑波での優勝経験も持つ。近年は若手の台頭が著しいD1GPだが、ハイスピードコースでは熟練勢が一歩リードした。

 なお、中村直樹選手は今回の天候を想定し、タイヤを従来使用していたヴァリノのペルギア08Rではなく、排水性に優れるドリフトスターに変更していた。グリップ力はやや劣るものの、ウェット対応を重視した選択であった。

 また、POP選手が目桑宏次郎選手を破ってベスト4に進出し、強い存在感を示した。そして準決勝で横井選手と対戦。思い切りのよいアングルと高いスピードで横井選手を苦しめ、「負けたかもしれないと思いました」と横井選手に言わしめるほどの内容を見せた。今年投入した2JZ改3.4Lエンジン搭載のS15シルビアは、すでに地元タイの2025年D1GP最終戦で優勝した車両。今季の台風の目となる可能性を感じさせる。

第3戦追走部門優勝は横井昌志選手(Mind Control Racing SHIBATIRE)。
「多くのサポートやファンのおかげでここに立てています」と表彰台で語った横井選手。式後も長時間にわたりファンサービスを行う姿があった。
2位は中村直樹選手(TEAM VALINO WORKS)、3位は藤野秀之選手(Team TOYOTIRES DRIFT 1)。
第3戦追走部門表彰の各選手。

第4戦

単走部門

 第4戦の単走は完全なウェットコンディションでスタートした。だが、降雨量によって路面状況が刻々と変化することを想定し、第3戦と同様にグループ間選抜方式を採用し、DOSSにはウェット係数を適用せず競技が進められた。

 Aグループで最高得点となる94.5点をマークしたのは横井選手。その後は雨脚がやや強まり、コンディションが悪化した影響もあって、この得点を上回る選手は現れなかった。単走優勝はその時点での得点によって決まるため、先に走行したAグループがやや有利だった面は否めない。しかし、このあとの追走でも横井選手が圧倒的な強さを見せることになる。

第4戦単走部門優勝は横井選手(Mind Control Racing SHIBATIRE)。
単走後に「今回は自分でも驚くほど、すべてがうまくいっています」とコメントした横井選手。

追走部門

 第4戦最大の見せ場となったのは、準決勝での横井選手と蕎麦切選手の対戦だ。2本目、先行する蕎麦切選手がコースアウトしかけ、その直後に後追いの横井選手が接触。この因果関係について審議が行われたため判定まで時間を要したが、最終的には蕎麦切選手のミスが大きいと判断され、横井選手が決勝へ駒を進めた。

 また、準決勝で中村直樹選手を相手に、マシントラブルを抱えながら辛くも勝ち上がった目桑選手が、ブースト関連のトラブルを決勝までに修復できず、タイムアウトとなり決勝は不戦敗となった。目桑選手が駆るシルビアS15は、昨年まで横井選手が使用していたマシンだ。同門対決とも言える決勝を楽しみにしていたファンも多かっただけに、実現しなかったのは残念だった。

 一方の横井選手は、この勝利で第4戦は単走・追走のダブルウィンを達成。さらに第3戦に続く2連続優勝を果たした。

第4戦追走部門優勝は横井選手(Mind Control Racing SHIBATIRE)。
完全優勝の横井選手は、開幕戦と今回の第3戦、第4戦を制してシリーズランキングも首位に浮上した。
2位は目桑宏次郎選手(TEAM D-MAX RACING)、3位は蕎麦切選手(SHIBATA RACING TEAM)。
第4戦追走部門表彰の各選手。

PHOTO/SKILLD、小竹充[Mitsuru KOTAKE] REPORT/SKILLD、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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