注目のJAF新種目「ドリフトテスト」第4回大会が広島・タカタに初上陸! 灼熱の散水路面でテールスライド走行と"ドリフト駐車"に挑む!!

レポート ドリフトテスト オートテスト

2026年7月31日

JAF公認競技の新種目「ドリフトテスト」第4回大会が広島県安芸高田市の「マツダスピリットレーシング・マルチフィールド」で開催された。約2年ぶりのドリフトテスト開催とあって今大会には多くの申し込みがあり、選ばれし39名の参加者があらゆる駆動方式の愛車を持ち込んで、散水路面におけるドリフト走行に挑戦した。

CCNドリフトテスト in TAKATA
開催日:2026年7月19日(日)
開催地:マツダスピリットレーシング・マルチフィールド(広島県安芸高田市)
主催:カークラブ錦(CCN) 協力:JAF中国本部・広島支部、JMRC中国オートテスト部会

2024年から施行された新種目ドリフトテストの第4回目となる大会が広島県安芸高田市を舞台に開催された。
会場はTSタカタサーキット前にある舗装の多目的広場「マツダスピリットレーシング・マルチフィールド」。
抽選で最終的に39台の出走となった今大会。車種も駆動方式もさまざまなマシンたちがパドックに集結した。
オーガナイザーはオートテスト開催でも定評のある山口県のJAF加盟クラブ「カークラブ錦(CCN)」が担当。
CCNの原博史代表との繋がりも深い、タカタグループ佐々木幸昭社長の多大な協力により開催が実現した。
広島大会のインストラクター兼審査員は「リペアクリエートGRガレージ西風新都リザルトジャパン」の村上満選手と、全日本ダートトライアル選手権大会ではドリフト車両でデモ走行を披露している松川和也選手が務めた。

 JAF公認競技の新種目である「ドリフトテスト」は、2023年12月に奈良県の名阪スポーツランドDコースでテストイベントが行われ、スピード競技開催規定・細則:ドリフトテスト開催要項が施行された初年度の2024年には、6月のドライビングパレット那須大会(栃木県那須塩原市)、11月上旬の幸田サーキットYRP桐山大会(愛知県幸田町)、11月下旬の徳島カートランド大会(徳島県吉野川市)という3つの大会が開催された。

「CCNドリフトテストin TAKATA」は、規則施行から久々に開催されたドリフトテストとなったわけだが、施行後の競技会としては史上第4回目となる今大会は、中国地区ジムカーナ競技のメッカである「TSタカタサーキット」の向かいにある「マツダスピリットレーシング・マルチフィールド」が舞台に選ばれ、オーガナイザーは中国地区のオートテスト開催で人気を博しているJAF加盟クラブ「カークラブ錦(CCN)」が担当し、JAF中国本部・広島支部やJMRC中国オートテスト部会等の協力を得て、JAF公認クローズド競技として行われた。

 今大会の特別規則書によれば、参加車両は車検有効期限内かつ車検が通る状態のナンバー付き車両かつ「ハンドブレーキ車両に限る」とあり、足踏み式のパーキングブレーキや電動パーキングブレーキ装着車は不可とされ、ハイグリップタイヤ(通称Sタイヤ等)の使用も禁止された。身体装備も、ドリフトテスト開催要項ではグローブ着用が必須でヘルメット着用は推奨されているが、今大会の安全規定では「長袖、長ズボン、グローブ、ヘルメット(耳が隠れるもの)、スニーカーを着用し、サンダル等での乗車は不可とする」と明記された。

 参加者は定員30名のところ70名を超える応募があったそうで、抽選で40名が受理され、最終的に1名が欠席となったため、当日は39名の参加者が久々のドリフトテストに臨むこととなった。参加車両は歴代ロードスターや86/BRZなどの後輪駆動車が25台と多勢を占めたが、スイフトスポーツなどの前輪駆動車が10台、GRヤリスやストーリアX4などのターボ四駆も4台が集まり、”Fドリ”や”四駆ドリ”に挑戦することとなった。

 ドリフトテストにはコンテストで走りをジャッジする審査員が欠かせないが、今回もD1グランプリを戦うドライバーが協力してくれた。第3回大会に引き続き審査員を引き受けてくれたのは「リペアクリエートGRガレージ西風新都リザルトジャパン」の村上満選手で、全日本ダートトライアル選手権のテクニックステージタカタ大会ではドリフト車両のAE86でデモ走行を披露してくれている松川和也選手も来場。炎天下で行われた練習走行の際にも参加者のインストラクターを務め、1台1台、走行ごとに懇切丁寧なアドバイスをしてくれていた。

ドリフトテストは、グローブ着用が必須でヘルメット装着は推奨とされているが、今大会では耳が隠れるヘルメット装着を義務とした。朝の競技車検ではそれらの身体装備の状態確認や車検の有無などが確認されていた。
審査委員長は貞井隆司氏が担当。JAFオートテスト・ドリフト振興活性化分科会の小西俊嗣座長をはじめとした分科会メンバーが駆け付け、第3回大会で競技長を務めた金井宣夫委員がコンテスト審査の補佐役を務めた。

 ドリフトテストは「一定区画内に設定された180度ターンや円旋回、8の字などのセクションを滑走状態で正確に走行して、滑走状態で停止枠内に正確に帰結するコンテスト」と規定されている。翻訳すると、指定されたセクションをドリフト走行で無駄なく駆け抜け、コース最後に設定されたガレージにドリフト走行で入庫して、ガレージ内に車体を正確に収めることを目的とした競技だ。コンテストではこれらの走行を審査員や判定員がジャッジして最終成績が決められる。最後のセクションはドリフト業界では”ドリフト駐車”とも言われている。

 今回のコースレイアウトは、スタート後の1本パイロンのスラロームから入る、大きく右旋回するターン(①)と、2本パイロンによるスラロームから入る、大きな右旋回の定常円旋回(②)、続いて1本パイロン左旋回の180度ターン(③)を経て、最後に8本のパイロンで区切られたガレージに右旋回で入庫する(④)という設定とされ、これら①~④の4箇所がコンテストにおける審査区間となった。

 各セクションの進入では逆振りできる配置となっていたが、特に①と②のセクションはやや大きめの曲率となっており、滑走状態を維持するためにはパワースライドが必要な状況だった。散水する箇所も①と④に限ることが当日朝に発表されたため、特に前輪駆動勢にとっては、やや難易度が高めの設定となっていた。ガレージについては当初90度右旋回で設定されていたが、前日にコンテストのコースを試走した村上選手のアドバイスがあり、ドリフト駐車の成功率を高めるために、ガレージ入庫時の迎角を25度程度減らす配慮もなされていた。

 ドリフトテストでは、コンテストの前にコースの全部または部分的に使用した「練習走行」が行われる。オートテストやジムカーナで行われる練習走行は、どちらかというと「慣熟走行」だが、ドリフトテストにおける練習走行はインストラクターの説明や助言をもとに、ドリフト走行未経験者でもテールスライドやパワースライド走行ができるようになることを目的としていて、本来の意味における”練習”ができる走行機会となっている。

 練習走行はコンテストのコースを2分割して、Aコースは走りの基礎練習では定番のシンプルな180度右旋回を設定し、Bコースは、定常円旋回と180度ターン、ガレージ入庫を組み合わせたロングコースとなった。参加者は2グループに分かれてA・B各コースを走行。過去の大会と比べても多くの本数を走れるようになっていた。

スタートして大きめの右旋回(①)からパイロンスラロームを経て定常円旋回(②)、1本パイロンの180度ターン(③)、”ドリフト駐車”のガレージ入庫(④)という構成で、この4箇所がコンテストの審査区間となった。
練習走行はコンテストのコースを2分割したA・B二つのコースを設定。参加者は2グループに分かれてそれぞれのコースを走行した。散水はコンテスト時も含めAコースの右旋回地点とガレージ進入地点で実施された。
練習走行ではまずは村上選手と松川選手が引率する慣熟歩行が行われ、練習走行が始まるとゴール地点通過後に村上選手と松川選手が待機して、走行直後の参加者に走りの印象と次の走行への傾向と対策をアドバイスした。
村上選手はAコースの講義を担当した。コンテストでは大きめの右旋回となるセクションを練習走行では180度ターンに変更。パイロンターンではなくコーナーだったため、立ち上がりまで滑走を維持することが難しかった。
松川選手は3つの審査区間を持つBコースの講師を担当。やはり、まずは曲率大きめの定常円旋回の攻略がキモとなっており、練習走行では振り出しの時点でアンダーステアまたはスピン状態に陥る参加者が続出していた。

 練習走行が終了すると、村上選手と松川選手はレーシングスーツに身を包みヘルメット&グローブ装着で、持ち込んだデモカーによる模範走行を披露。デモカーは市販車に近い仕様でもあったため、参加者は出走準備をする傍らで、自分がイメージする走りを組み立てるために、食い入るようにデモ走行を見学していた。

 コンテストの審査区間は、①~③の滑走(ドリフト走行)区間と最後の④停止枠帰結(ドリフト駐車)区間の4箇所。各判定区間の配点は、①~③が各5点(1箇所最大5点で審査員2名合計で1箇所最大10点)で、④では停止枠内へ収まったタイヤ本数を各1点(1台につき最大4点)。ガレージ入庫のドリフトポイントは3点(審査員2名の合計で最大6点)という1回の走行につき合計40点満点で順位決定がなされることとなった。また、コース内に置かれたパイロンへの接触などによるペナルティは、今大会では不問とされた。

 第3回徳島・美郷大会では「経験者クラス」と「初心者クラス」という二つのクラス分けが初めて導入されたが、今大会の特別規則書ではクラス分けは明記されなかったものの、練習走行を観察した村上選手と松川選手の印象を元に、ドリフト走行の習熟の差異を基準とした、エキスパートクラス「Class1」とビギナークラス「Class2」という二つのクラス分けが行われ、各クラス上位10名までが表彰式で表彰されることになった。

 コース全景が見渡せる審査席に座った村上選手と松川選手は、インストラクターからコンテスト審査員へと立場を改めて緊張感が高まった。そして、テクニックステージタカタで開催される全日本ダートトライアル選手権大会でおなじみの西元直行アナウンサーもスタンバイ。広島弁と標準語をミクスチャーした軽妙な語り口と、スタート合図も兼ねた軽快なBGMとともに、いよいよ練習走行の成果をはかるコンテストの準備が整った。

審査区間は最初の右旋回(①)と定常円旋回(②)、180度ターン(③)、ガレージ(④)の4箇所。①②③は審査員1名5点満点で、④は入庫1輪で1点、入庫時の滑走状態は審査員1名3点満点で40点満点という配点。
各コーナー進入時に姿勢変化が大きくなりすぎたほか、ガレージ入庫の際には飛距離の不足や、入庫したものの行き過ぎたことによるパイロン転倒などが多発した。コンテストではこれらパイロンペナルティは不問とされた。
コンテストが始まる前に、村上選手と松川選手がそれぞれ持ち込んだデモカーによる模範走行が行われた。
場内実況はBライモータースポーツ実況の第一人者である西元直行アナが担当し「チーム高宮」名物のBGM出しの準備も整った。模範走行を終えた村上選手と松川選手が審査席に到着して、いよいよコンテストが始まる。

 Class1が24名、Class2が15名のクラス分けがなされ、記念すべき広島大会のコンテスト1回目がゼッケン順でスタートした。1号車は四輪駆動のGRヤリスで出走した清板孝康選手で、2号車はBRZの森 信彦選手、3号車はスイフトスポーツの藤森栄一選手と、あらゆる駆動方式のマシンが次々とドリフト走行に挑戦していった。

 1回目の走りは練習走行より積極的なものとなり、四輪駆動と後輪駆動勢は各セクションにおいて進入時のアンダーステアは目立ったものの、積極的な姿勢変化を繰り出して果敢にドリフト走行に挑み、スピンに至る車両も続出した。前輪駆動勢については、ドリフト走行こそさすがに難しかったものの、ガレージだけはサイドターンで4輪入庫をしっかり決める走りも繰り出されて、詰めかけたギャラリーからも思わず拍手が上がっていた。

 コンテスト1回目のClass1は、オートテストでも好成績を挙げている白砂高志選手がNB6Cロードスターで角度浅めの速いドリフトで各セクションを滑走。最後のガレージでもキレイなスライドで4輪入庫を決めた。ゴール直後にガッツポーズが出た走りは、38点という高得点をマークしてClass1の暫定トップに立った。2番手は重量級かつディーゼルエンジンの前輪駆動マシンであるGJ2FPアテンザで臨んだ山村智昭選手で、ガレージ進入はロングサイドで美しい4輪入庫を決めて35点を獲得した。3番手は、ZC32Sスイフトスポーツの尾原裕司選手で、サイド引きっぱなしのFドリ走行を見せて34点を獲得した。

 コンテスト1回目のClass2は、今大会唯一となるミッドシップ駆動のポルシェ・ケイマンを駆る山崎兼定選手が23点を獲得してClass2トップに立った。サイドターンでキレイな4輪入庫を果たしたL275Vミラバンの友澤一輝選手が21点で2番手を獲得。第3回徳島・美郷大会では驚愕のカベ走りを披露した、希少なターボ四駆であるインプレッサ2.0GT使いの田中千智選手が20点を獲得して暫定3番手となった。

練習走行を終えてコンテスト1回目の走行に臨んだ参加者は、進入時の勢いも増し、気合の走りを披露した。
ガレージ入庫のタイヤ本数は、CCN原競技長がスタートマーシャル兼務で判定。ガレージの対角線上にも判定員を配置して正確性を高めており、入庫本数は実況の西元アナを含めてオフィシャル無線で情報を共有していた。
参加者や観客向けの観戦スペースとして、ガレージがよく見える位置に大型テントを設置。4輪入庫を決めた走りには自然と拍手が沸き起こり、主催者と参加者、そして観客も一体になれる稀有な観戦環境が構築されていた。
今回の散水箇所は、スタート後の大きな右旋回セクションの進入と最後のガレージの進入エリアの2箇所とされた。今大会のために2台の散水車が用意され、ホースでつないだ地下水を撒く箇所もあった。
コンテストで繰り出される走りに想定外の走りに笑顔で称賛する村上選手と松川選手。村上選手からは「ドリフトでもライン取りはアウトイン・アウトで走るようなイメージがいいですよ」といった実践的なアドバイスも。

 コンテスト2回目は、1回目に連続して行われた。1回目の走りを修正して滑走をうまくつなげる選手がいる一方で、練習走行そして1回目より勢いを増した加速を見せるものの、その分、アンダーステアが出てスライド状態に持ち込めなくなる選手も多く、必ずしも2回目で高得点を獲得するといった展開とはならなかった。

 その中で、ロードスターRFを駆る緑 貴昭選手が魅せた。1回目では定常円旋回でハーフスピンからストップしてしまった走りを2回目には見事に修正し、鬼門の定常円旋回をクリアすると180度左旋回立ち上がりまでをパワースライドでつなぎ、最後のガレージには振りっ返しからクラッチ蹴りで飛ばして4輪入庫を果たした。成績は今大会の最高得点となる39点。1回目の6番手からジャンプアップしてClass1優勝と総合優勝を果たした。

 Class1の2位は1回目で38点を獲得した白砂選手。やや丁寧な走りとなった2回目は点を伸ばせず37点に留まったが、2回合計では最多得点となりドリフトコントロールの上手さが光った。暫定2番手のアテンザ山村選手はライトオンで走行し、ガレージでも4輪入庫を決めたが得点は伸ばせず31点。1回目の34点で3位に入った。

 Class2では、1回目の暫定上位勢が軒並み点数を伸ばせず、ノーマルGRヤリスの秋田雅俊選手や直結四駆のストーリアX4を駆る黒川健一選手がともに2回目の走行で19点まで得点を伸ばしたが、1回目に23点を獲得していた山崎選手が優勝。21点の友澤選手が2位、20点の田中選手が3位でClass2の表彰台に立つこととなった。

 2回目の走行で大逆転を果たしてClass1を制した緑 貴昭選手は「大昔にNAロードスターやゼロヨン仕様のワンエイティで走っていたことがあって、今回は28年ぶりにドリフトをすることになりました。実は親父が昨年亡くなって、このロードスターは親父から譲り受けたクルマなんです。ロードスターで走りを始めて、親父の形見としてロードスターを受け継いで。これは親父が”走れ”と言っているということなのかと思って参加しました。走ってみたら、だいぶ自分がポンコツになってて(笑)、アタマも目もついていかないし、身体の反応だけで走ってしまったので、ロクなことになりませんでした。ドリフトテストはいろんな立場の人が楽しめることが目的だと感じているので、こんなオジさんでも勝てることがわかって楽しかったです。今日は娘に”優勝してくるから”とホラを吹いてきたので、それが実現してとてもうれしいです」と優勝の喜びを語ってくれた。

Class1 優勝・緑 貴昭選手:マツダ・ロードスター[NDERC]
Class1 2位・白砂高志選手:マツダ・ロードスター[NB6C]
Class1 3位・山村智昭選手:マツダ・アテンザ[GJ2FP]
Class1表彰対象の皆さん。1位・緑 貴昭選手、2位・白砂高志選手、3位・山村智昭選手、4位・尾原裕司選手:スズキ・スイフトスポーツ[ZC32S]、5位・岡本健太郎選手:マツダ・ロードスター[NB8C]、6位・河田誠也選手:スズキ・ラパンSS[HE21S]。
Class1表彰対象者の皆さん。7位・上野浩二選手:日産シルビア オーテックバージョン[S15]、8位・中廣 敦選手:日産シルビア[S15]、9位・清板孝康選手:トヨタGRヤリス[GXPA16]、10位・織井智靖選手:マツダ・ロードスター[ND5RC]。
Class2 優勝・山崎兼定選手:ポルシェ・ケイマン
Class2 2位・友澤一輝選手:ダイハツ・ミラバン[L275V]
Class2 3位・田中千智選手:スバル・インプレッサ2.0GT[GH8]
Class2表彰対象者の皆さん。1位・山崎兼定選手、2位・友澤一輝選手、3位・田中千智選手、4位・三島治樹選手:トヨタ86[ZN6]、5位・秋田雅俊選手:トヨタGRヤリス[GXPA16]、6位・黒川健一選手:ダイハツ・ストーリアX4[M112S]。
Class2表彰対象者の皆さん。7位・黒田大輔選手:マツダRX-7[FD3S]、8位・井上圭子選手:トヨタ86[ZN6]、9位・玉田智之選手:スズキ・スイフト[ZC83S]、10位・江里口由美子選手:トヨタ86[ZN6]。

 第1回、第2回大会では、D1グランプリで実況アナウンサーを務める鈴木学氏が運営に関わっており、「ドリフトができない人も、できるようになって帰ってほしい」という熱い思いが随所に盛り込まれていた。ドリフトテスト初開催となった広島大会でもその思いは引き継がれており、JAFオートテスト・ドリフト振興活性化分科会メンバーや担当事務局とCCN原代表による綿密な打ち合わせが重ねられて今回の初開催に至っている。

 CCNの原代表は「正直、ドリフトテストは映像でしか見たことがないし、オートテストとも勝手が違って難しかったです。タカタの佐々木社長の協力で事前にテスト走行もやりましたが、皆さんがどんな走りをするのか、イベントとして成立させられるのかは前日まで悩みました。作ったコースが良かったのかどうかも不安でしたが、とにかくたくさん走ってもらって、ドリフト走行やテールスライドのきっかけをつかんで帰ってほしいと考えていました。参加者の皆さんは一生懸命ドリフトに挑戦してくれました。もし、皆さんが喜んでくれたなら、思いを理解して精力的に動いてくれたクラブのみんなの努力が報われると思います」と初開催の難しさを振り返った。

 インストラクターと審査員を務めた松川選手は「この暑い気候と熱い路面で、ドリフト走行をたくさん見させてもらいましたが、特に皆さんの失敗した走りは、自分も昔はこういう失敗したなとか、現在でもそういう失敗するんだよなと身につまされる思いでした(笑)」と総評。村上選手は「走るたびにそれぞれのコーナーで少しずつうまくなっていく姿が見られたことがとても楽しかったです。アドバイスしたことを少しでもプラスにして、今後もドリフトを楽しんでもらえたらと思います。練習走行とコンテスト走行では気合の入り方が全然違っていたのが印象的で、皆さんの様子を糧にして我々も今後のドライバー活動に臨もうと思います」と締めくくった。

 大会当日は気温30度を超える猛暑に見舞われたが、オーガナイザーはファン付きベスト着用で臨み、JAF中国本部・広島支部は参加者や来場者用に大型テントを用意したほか、エアコンを完備したコース付帯施設もクーリングシェルターとして解放された。また、表彰式が始まった16時ごろでも強い日差しが残っていた会場では、JAF中国本部・広島支部が大型テントを移動して、表彰対象者や来場者を日射から保護する措置が採られていた。

村上選手が印象に残った選手に特別賞が贈られた。選ばれたのはRX-7を駆る黒田大輔選手で、選出理由は「これは御本人にとって名誉かどうかはわかりませんが(笑)、とにかく勢い。言えば言うほど走りの勢いが増していくんです。自分もどこで止めたらいいのかわからなくなるぐらい(笑)。本番では、そろそろ言ってあげたほうがいいかなと心配になるくらいでした。アンダー出すのも勢いがいいんですよ(笑)」と村上選手は語る。
松川選手が印象に残った選手にも特別賞を贈呈。選ばれたのはV36スカイラインクーペを駆る須山幸貴選手で、「須山さんは、決めると1コーナーから最後まで全部つなげられるのに、進入でアンダーステアを出してしまうと、その後のすべてがアンダーになっちゃうんです。それが気持ちいいぐらいのアンダーだったので、とっても印象に残りました。うまくいくと全部をうまく走れるのに!? っていうところがポイントです(笑)」とのこと。
今大会にはJAF中国本部・広島支部の声がけにより、広島トヨペット株式会社、トヨタカローラ広島株式会社、株式会社アンフィニ広島、株式会社広島マツダ、ダイハツ広島販売株式会社、株式会社和光ケミカル、ダンロップなどの協賛があり、パドックの一角には各社のブースも出展されドリフトテストに大きな華を添えてくれた。

ENTRANT VOICE

清板孝康選手/GRヤリス[GXPA16]
ターボ四駆のパワースライドを披露して只者ではない雰囲気を醸し出していた清板選手。「別のクルマで息子とオートテストやジムカーナ走行会などに出ています。今回は息子が抽選に漏れたので私だけ参加しました。私は若い頃にAE86でダートラをやっていたことがあって、今回もダートラのイメージでジムカーナ的に走らせればいいかと思って、駆動配分とかいろいろ考えて走らせたんですが、見学に来た息子には『まだまだじゃな』と冷たく言われました(笑)。今回は70歳になった自分がどれくらい滑らせられるのかを試したくて出ましたが、駆動配分30:70だと定常円は回りきらないわタイミングは全部ずれるわで、50:50にしてサイドを使って走りました。ダートラ復活とかは難しいですが、やはり滑らせる走りは楽しいです。うまく横滑りしながら走れると自分でも”おおっ!”って刺激になりますし。もし近くで行われたらまた参加したいですね」と堪能したご様子。
森 信彦選手/BRZ[ZC6]
練習走行から深いアングルで積極的に車体を振り回していた森選手は、第3回徳島・美郷大会にも参戦した数少ないドリフトテスト経験者だ。「人生で一度はMT車に乗りたいと思ってこのクルマを買って、ふらっと出てみたオートテストにハマっています。ドリフトテストは名阪のときから出たくて、徳島でようやく出られました。徳島ではアクセルの踏み方や目線の置き方とかを教わったんですが、自分は全然下手くそだったので、今回はそれを何とかしようと思って参加しました。でも、今回もダメでした。練習すれば何とかなりそうではあるんですが、練習する場所がないですし、オートテストでやったら怒られますからね(笑)。オートテストは滑らせずいかに正確に走るか、ドリフトテストはいかに見た目で走るかです。ドリフトテストでクルマの限界を知って、オートテストではそうならん程度に走って、立ち上がりではしっかりクルマを前に出すという感じなので、それぞれ違った面白さがあるんですよ。まあ、自分はもともと振り回す走りをしたい派なので、ドリフトテストがオートテスト並みに行われれば、そっちに出たいですけどね(笑)」とそれぞれの面白さや楽しさを教えてくれた。
友澤一輝選手/ミラバン[L275V]
ダウンサスが入ったCVTのミラバンで参加した友澤選手。各コーナー進入ではテールスライドに持ち込み、1回目のガレージ入庫ではキレイな4輪入庫を果たした。普段はオートテストを楽しんでいるが、「ドリフトテストには、クルマが滑るとどのくらい曲がるのか、そういう感覚をつかみたくて参加しました。FF車でもドリフトさせる方法があるんだなということを知り、動画サイトでその方法を予習してきました。今回はサイドブレーキを引いたりハンドルを切るのをどのくらいでやると、クルマがどのくらい回るのかといった練習がたくさんできて、本番も含めてかなり感覚がつかめました。実はサーキット走行に興味があって、岡山国際サーキットでは先導車付きの体験走行を1回走りました。まだまだいろいろハードルが高いので、まずはオートテストでクルマの動かし方の基礎を学び、ドリフトテストではクルマの限界を知る感じにして、今後はグリップ走行をメインでやっていきたいと思っています」とのことで、自身の技量を高める機会としてうまく活用できたようだ。
江里口由美子選手/86[ZN6]
凛とした佇まいを見せる86後期で関東から遠征してきた江里口選手。ドリフト走行にはなかなか持ち込めなかったものの、各コーナーではオートテスト経験者らしい思い切りのいいアクセルワークで注目を浴びていた。「広い場所で走れるし、講師の先生たちもいるし、初心者にもウェルカムっぽい感じだったので、出てみようと思いました。オートテストでも滑っちゃったりすることはあるので、”オートテストのバックがない走り”という感覚でイケるかなと思っていましたが、実際やってみたら難しかったです。サイドブレーキの引き方を”ギュッ”っとやるのが全然できなくて、そのタイミングがまだつかめない感じです。何と言うか、普段の運転じゃない軌道に入ったときに、どうしても身体が安全運転をしてしまうんです(笑)。反射的にやることが全然噛み合わなくて、いつの間にかブレーキを踏んじゃってるみたいな。でも、オートテストをやっていたことで、メリハリというか、しっかりアクセルを踏めたと思う一方で、最短距離で立ち上がる走りに慣れてしまったので、アウトに振ってパッと向きを変えるような動かし方はなかなか慣れませんね。私はまだこのコをうまく扱えていなくて、もうちょっと生き生きと走らせてあげたいなと思うので、ドリフトを克服したいですね。ハードル低めの練習会みたいなのがあれば行きたいですが、皆さんの足を引っ張るのもなんなので、まずはシミュレーターで練習する方法も探ってみようと考えています」と愛車が輝くために自分の引き出しを増やす道の模索が始まったようだ。
一日たっぷり走って、非日常のドリフト走行を堪能した参加者の皆さん。またの再会を誓って会場を後にした。

PHOTO/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAF SPORTS] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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