東北ジムカーナ第5戦、モーターランドSPでBTW-2清水直人選手が地元勢を逆転で優勝!
2026年8月21日
2026年JAF東北ジムカーナ選手権 第5戦が8月2日、青森県南部町のモーターランドSPで開催された。全7戦で争われる東北地区戦も後半戦に突入、タイトル争いも佳境に入ってきた。
2026年JAF東北ジムカーナ選手権 第5戦
2026年JMRC東北ジムカーナシリーズ第6戦
2026年JMRCオールスター選抜 第5戦
開催日:2026年8月2日
開催地:モーターランドSP(青森県南部町)
主催:奥州VICIC、MSCはちのへ
舞台となったのは、フルコース全長1290mの周回コースを有するモーターランドSP。グリップ走行からドリフト、さらにレーシングカートから二輪など様々な競技が開催されている。ショートカットも数多く配置され、ジムカーナにおいてもハイスピードからテクニカルまで、多彩なレイアウトを設定することができる。今回の一戦も大・中・小の島周りを中心にパイロンターンも織り交ぜ、攻略要素満載のレイアウトが設定された。
関東から西の地方では連日猛暑日が続いているが、8月に入っても梅雨が明けない東北は、競技会当日も前日から降り続いていた雨が残り、路面はウェットコンディション。気温も20℃を少し上回る程度の、やや肌寒くも感じられる天候の中でスタートとなった。しかし、その雨も次第に止んで時間とともに路面はドライコンディションへと変貌。タイトル確定に向けての攻防戦は、第2ヒート勝負となった。
2026年JAF東北ジムカーナ選手権 第5戦
PN2クラス
今季4戦を終えて優勝2回を含む67ポイントを獲得し、PN2クラスのポイントリーダーに立っているのが関勝哉選手。シリーズ2番手以下に20ポイント以上の差をつけ、独走状態で第5戦を迎えた。
第1ヒートで関選手に立ちはだかったのが、地区戦は不定期参戦のJAF全日本ジムカーナ選手権ドライバーで、MSPをホームコースとする上野健司選手。1分23秒87と、2番手の関選手に2秒近い差をつける速さでトップタイムをマークした。第2ヒートで上野選手は2秒以上のタイムアップを果たす、1分21秒638まで更新してアドバンテージを広げた。しかし、そのタイムを0.42秒上回ったのが関選手、実に4秒以上の大幅タイムアップで逆転優勝を飾った。
「ドライ路面の勝負になるとふんでウェットの感覚をつけたくなかったので、(雨天の)前日の練習は走りませんでした。2本目は、なんとかドライになってくれたのでホッとしました(笑)」と、今季3勝目を挙げてタイトル確定に大きく前進した関選手は明かした。
続けて、「1本目はタイヤが皮剥きしていない“サラピン”だったので終始食わず、という状況でした。2本目は皮も剥けたようで、高い回転数でスタートすることができました。コース前半は若干探る箇所もありましたが、グリップを確信してからは攻める走りができたので、その点が良かったと思います」と関選手は振り返った。
一方、逆転を許した上野選手は「2本目の前に慣熟歩行で確認した、路面に残っているウェットパッチや浮砂利を気にして、ダンパーの減衰をウェットとドライの中間くらいにしたのですが、その判断が良くなかったと、走り出してすぐに感じました。ただ、そういった状況でもそれを踏まえてドライバーとしてできることが必ずあったはずなので、全日本戦でも上位に喰いつくにはすべてにおいてレベルを上げていかなければ、というのが今回の反省です」と悔しさをにじませた。
PN3・4クラス
PN3・4クラスで開幕二連勝の好スタートを切った畑本匠選手に対し、第3戦と第4戦は伊藤竜之選手が連勝。4戦を終えて勝ち星を2人が分け合っている。シリーズでは畑本選手が第3戦をスキップしたため、伊藤竜之選手が70ポイントで首位に立ち、畑本選手が52ポイントで2番手につけている。第1ヒートは畑本選手が1分25秒262でトップタイム、約0.4秒差で伊藤竜之選手が2番手につけ、シリーズの主導権争いが展開された。
ほぼドライとなった第2ヒートでは、クラス第1走者の岡崎良紀選手が1分24秒台を刻んでトップタイムを更新。完全な仕切り直しとなる中で、第1ヒートはパイロンペナルティで沈んだ飯塚信男選手が一気にタイムを詰め、1分22秒917を刻んでトップに立つ。
今季初優勝を掴みたい飯塚選手だったが、畑本選手が0.497秒更新してトップに返り咲いた。路面状況が良くなったとはいえ、3秒以上のタイムアップを強いられた伊藤竜之選手だったが、1分22秒413を叩き出すことに成功、畑本選手を0.007秒逆転して優勝を決めた。
伊藤竜之選手は「グリップが全くなくて、ヤバいなと。おそらく他の選手もそう感じてはいたと思うのですが、1本目を終えてかなり追い詰められていました。2本目勝負の路面になってくれて助かりました(笑)」と語った。
続けて「2本目も、前半で危うくコースアウトするようなブレーキミスをしましたが、後半に気持ちを切り替えて走ったのが良かったと思います。走りの内容としては65点ですね。タイム的にもPN2クラスに離されましたが、そういうこともあります(笑)」と、僅差の勝負を振り返った伊藤選手はタイトル確定に王手をかけ、残る2戦に挑む。
BTW-2クラス
BTW-2クラスは開幕戦を制し、その後も毎戦トップ3 の一角を占めてきた清水直人選手が62ポイントでシリーズ首位を走る。2番手には、第3戦と第4戦を制した米谷直樹選手が48ポイントで追う展開となっている。米谷選手は今回の一戦で清水選手との差を詰めたいところだが、第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、1分26秒462を刻んだ清水選手。2番手には約0.5秒差で今季初出場の米田茂選手がつける。米谷選手はミスコースでタイムを残せなかった。
第2ヒートでは第一走者の米田選手が1分24秒台までタイムを詰め、このクラスでも完全な仕切り直しとなる。第2戦の覇者で、第1ヒートは1分31秒台と出遅れていた川村茂倫選手が1分23秒716をマークしてトップに立つ。三連勝を狙うラスト前ゼッケンの米谷選手はタイムを残すことはできたものの、1分25秒台に留まり4番手。川村選手の今季2勝目が見えてきたが、トップタイムを0.717秒更新したのがラストの清水選手。1分22秒999を叩き出し、両ヒートを制するかたちで優勝を決めた。
清水選手は「1本目は全然グリップしなかったので抑えていったのですが、2本目はドライになったので思い切りいきました。若干踏み過ぎなところもありましたが、まあ、なんとか(笑)。今回のコースは、イケイケで面白かったですね」と笑顔を見せた。そして「2位、3位の(ホンダ・)S2000が地元の青森の選手で、やられてしまうかなと思っていましたが、今回は落としたくなかったので勝てて嬉しいです(笑)」と地元勢を抑えた清水選手は、タイトル確定に向けた貴重な今季2勝目を挙げた。
BTW-4クラス
今季、第2戦から参戦して三連勝で60ポイントを獲得し、BTW-4クラスのシリーズ首位に立つ中村武留選手。2番手は51ポイントで佐柄英人選手、3番手には42ポイントで渡辺弘選手、4番手は40ポイントで小野敦史選手が続く。
第5戦は渡辺選手と小野選手が休戦となり、中村選手と佐柄選手によるシリーズ首位争いとなった。しかし、第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、第2戦以来の参戦となった村上哲選手。自力でのタイトル確定は厳しい状況ながら、2番手の中村選手を0.142秒上回る1分24秒839をマークして折り返した。一方、佐柄選手はパイロンペナルティで大きく出遅れた。
第2ヒートでは路面がドライに変わり、村上選手は1分20秒637まで更新して後続を待つ。佐柄選手は今回の一戦ではトヨタ・GRヤリスがメンテナンス中のため、極太タイヤで武装した三菱・ランサーエボリューションXを駆っての参戦。そのタイヤチョイスが裏目に出てしまったのか、1分21秒台で2番手に終わった。ラストの中村選手がドライ路面の一発勝負で刻んだタイムは1分20秒308。村上選手のタイムを0.329秒更新する勝負強さを見せて、勝利を収めた。
ランエボIXが武器の中村選手は「今年は、昨年より1サイズ幅が広いタイヤを履けるようになったのでエボXとのハンデもなくなり、エンジンパワーと合致してうまく噛み合った感じですね」と、4連勝の勝因を分析。続けて「ただ、今日の走りには納得してませんね。特に決定的な失敗をしたわけではないのですが、1本目はもとより、2本目も負けたかな、という感じでした。セッティングも、もう少し詰めることができれば良かったのですが……。20秒を切りたかったのが本音です」と勝利を収めながらも課題が残った様子の中村選手。しかし、二連覇確定に向けて大きく前進する優勝となった。
BSC-2クラス
開幕三連勝の巻口洋平選手がポイントリーダーに立っているBSC-2クラス。しかし、巻口選手は前回の第4戦と今回の一戦を休戦。2戦連続で巻口選手の不在によって、シリーズ順位の変動が注目された。第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、シリーズ2番手につけている宍戸政宏選手。1分24秒822と、2番手の合田尚司選手に約2秒差をつけるタイムで今季初優勝を狙う。
しかし、勝負はドライ路面となった第2ヒート。合田選手が1分22秒425をマークしてトップに立つ。第1ヒート3番手の菊池功悦選手はクラス唯一の後輪駆動、日産・180SXを駆って1分23秒156をマークするもトップには届かず。再逆転を狙う宍戸選手も菊池選手を0.032秒上回ったが2位、合田選手が逃げ切って第5戦を制した。
「前回の赤門(自動車テストコース)でクルマが壊れてしまい、このクルマに乗るのが2カ月ぶりだったので、2本目はドライになることを願いつつ、様子を見ながらの出走でした」と合田選手は明かした。また、「タイヤ選択に関しては、1本目が2021年の(幅)205の(ヨコハマ)G2Sで、2本目は215のかなり使い込んだユーズドで走ったのですが、やはりGSコンパウンドで走れたのが良かったと思います」と、熟成されたタイヤを駆使しての今季初優勝を遂げた。
優勝は逃したものの、2位となった宍戸選手は巻口選手を9ポイント上回り、シリーズ首位を奪取。優勝した合田選手は順位こそ5番手のままだが、上位陣との差を一気に詰めてタイトル確定の可能性を残す。残る2戦は混戦のタイトル争いとなった。
2026年JMRC東北ジムカーナシリーズ第6戦
1クラス
併催された2026年JMRC東北ジムカーナシリーズ第6戦は4つのクラスが成立した。排気量1000cc未満、ターボ搭載の軽自動車も含むB車両で争われる1クラスは、ダイハツ・コペンのワンメイク状態となった。
第1ヒートは第4戦と第5戦を連勝している木村文哉選手が1分28秒105でトップタイムをマーク。2番手には0.079秒差で中野渡暁彦選手がつけた。第2ヒートでは、木村選手がトップタイムを1分25秒418まで更新。しかし、中野渡選手はさらに0.249秒上回り、逆転で勝利を収めた。
「前日練習が雨だったので、(第2ヒートの)ドライ路面の感覚が分からなかったのですが、先に走った木村選手がかなりタイムアップしていたので、これは踏んでいけると思い気持ちよく踏み抜いた結果、勝つことができました」と、振り返った中野渡選手は今季2勝目。シリーズ2番手の木村選手との差を広げて首位をキープした。
2クラス
2クラスは、甲田勇選手がクラス唯一の1分30秒切りとなる1分29秒23で、第1ヒートのトップを奪う。しかし、素時では脱輪ペナルティの冨松元選手も1分29秒台、パイロンペナルティの三上知彦選手は1分28秒台を出しており、予断を許さない状況だ。
第2ヒートで甲田選手は1分24秒999までタイムを伸ばしてトップをキープ。続く三上選手はノーペナルティでフィニッシュするも1分26秒台、ラストの冨松選手も今度は無事フィニッシュしたが、1分25秒台で2番手タイムに留まった。
両ヒートを制した甲田選手は「今回は、32スイフト(ZC32S型スズキ・スイフトスポーツ)がコースに合っていたように思います。メリハリをつけて走ることができたので、あとは33スイフト勢がどこまで迫ってくるかという感じでしたが、手応えはありました」と振り返り、シリーズ初優勝を飾った。
3クラス
排気量1000cc以上で後輪駆動のB車両で争われる3クラスは、マツダ・RX-7を駆る田中周治選手が1分27秒352で第1ヒートのトップタイムをマークする。
第2ヒートになると、ファーストゼッケンでトヨタ・MR2をドライブする越後谷圭一選手が1分22秒478でトップタイムを塗り替えるも、続く田中選手が0.124秒更新してトップを奪回。第1ヒートで2番手につけた吉岡真選手もスバル・BRZを操り1分22秒台に入れたが、田中選手には0.584秒及ばず3番手。マツダ・RX-8で挑んだラストの佐藤浩行選手は1分27秒台と伸び悩み、田中選手が両ヒートを制して勝利を収めた。
「路面グリップが低かったのですが誤魔化しながら(笑)、なんとか走りました。2本目はドライになったのでターボパワーと、他の選手のミスもあって、勝つことができました」と、今季初優勝の田中選手は振り返った。シリーズでは5番手から、首位の越後谷選手に6ポイント差まで迫る2番手に上げた。
4クラス
排気量1000cc以上で4WDのB車両が対象の4クラスは、今季未勝利ながら30ポイント獲得している木下雄喜選手がシリーズ首位に立つ。豊下勝彦選手と村上哲選手、小野公裕選手と葛西満選手が20ポイントの2番手タイで続く接戦。第6戦は豊下選手と村上選手が休戦となった。
第1ヒートで1分27秒22のトップタイムをマークしたのは木下選手、小野選手が約0.2秒差で2番手につける。第2ヒートでは、パイロンペナルティを犯して第1ヒートで出遅れた北向寿選手が、1分27秒079でトップタイムを塗り替える。続く小野選手はタイムダウンしてしまうも、木下選手は1分23秒845まで伸ばしてトップを奪回。ラストの葛西選手は痛恨のミスコースを犯し、木下選手が圧倒的なタイムで今季初優勝を飾った。
「ウェットの1本目は微妙なタイムで、2本目も中盤までは良かったのですが、後半でミスってタイムを落としてしまいました。次はもっと速く走れるように頑張ります」と、課題を残しながらも両ヒートを制した木下選手は、シリーズでも2番手とのポイント差を広げて首位をキープした。
2026年青森県ジムカーナシリーズ第4戦
今回の一戦では、2026年青森県ジムカーナシリーズ第4戦も併催。クローズドだが初心者でも参戦できる、ジムカーナへの入口を担うシリーズだ。孤軍奮闘となった4つのクラスでは、Kクラスの藤崎稔選手、ATクラスで菅原智志選手、4WDクラスを青山隼也選手、オープンクラスは大館右京選手がタイムを残した。
6選手で争われた2WDクラスは、吉田隆鉱選手が両ヒートでトップタイムをマークして優勝、「サイドターンが今後の課題です」と語った。一騎討ちとなったマスターズクラスは、「初めてのコースでしたが、とても楽しめました」と本田清二選手が、第2ヒートで逆転して制した。
PHOTO/友田宏之[Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



