第7戦の全日本ジムカーナ選手権はPN1、BC2、BC3クラスのチャンピオンが確定
2026年9月17日
全日本ジムカーナ選手権 第7戦「淀ハイスピードジムカーナ in 鈴鹿」が、9月5~6日に三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット南コースを舞台に開催された。PN1クラスでは朝山崇選手、BC2クラスは広瀬献選手、BC3クラスは大橋渡選手のチャンピオンが確定した。
2026年JAF全日本ジムカーナ選手権 第7戦「淀ハイスピードジムカーナ in 鈴鹿」
開催日:2026年9月5~6日
開催地:鈴鹿サーキット南コース(三重県鈴鹿市)
主催:チーム淀
このラウンドを含めて残り2戦となった全日本ジムカーナ選手権は、併催クラスを含めて183台がエントリー。前戦までにPE1クラス、PE2クラス、BC1クラスの3クラスでシリーズチャンピオンが確定しており、残る8クラスの中には今大会の結果次第でタイトルの行方が決まるクラスもあった。ここで決着がつくのか、それとも最終戦となる第8戦久万高原大会まで持ち越されるのか、各クラスで0.001秒を削る熱戦が繰り広げられた。
第7戦では恒例となっている箱Dクラスが併設されたほか、アジア各地域のジムカーナトップドライバーが出場するASIANクラスも併設。シンガポール、台湾、マレーシア、韓国の選手たちが来日し出場した。
決勝コースは、3コーナーまでのストレートをハイスピード区間に設定。ショートカットの出入口と最終コーナーからゴールまでは、スラローム区間を設置し、車速がコントロールされた。それぞれのスラロームセクションは難易度が高く、この区間でパイロンペナルティを受ける選手も多かった。
天気予報では終日雨だったが、第1ヒートは雨が降らずドライコンディション。第2ヒートはPN2クラスの走行時に小雨が降り出し、PN3クラス以降はウェットコンディションとなった。そのため、PN3クラス以降は第1ヒートのタイムが決勝タイムとなった。
PE1クラス
野島俊哉選手(BMW・ミニJCW E)が第6戦で自身初となるシリーズチャンピオンを確定させたPE1クラスは、第1ヒートで田北一賀選手(トヨタ・GRスープラ)が野島選手を0.309秒上回るベストタイムをマークした。第2ヒートは田北選手がタイムダウンに終わり、野島選手に逆転のチャンスが生まれたが、パイロンペナルティのタイムが加算され、逆転には届かなかった。
「普段はBRZで競技をやっていて、GRスープラは普段乗りに使っています。そのため、タイヤ以外はすべて純正なんですけど、ハイスピードコースにGRスープラのパワーを活かすことができたことが勝因だったと思います」と振り返った田北選手が全日本初優勝を飾った。
2位は野島選手。「結構攻めることができて、クルマの動きも今シーズン一番と言うくらい良かったですが、残念ながらGRスープラに負けてしまいました」とコメント。3位には加田充選手(ホンダ・シビック)が入賞。「初めて乗るクルマということもあり、第1ヒートはミスしてしまいましたが、第2ヒートは行けるところまで行こうと攻めました」と、約2.5秒のタイムアップを果たした。
PE2クラス
PE1クラスと同じく前戦で山野哲也選手(アルピーヌ・A110R)がシリーズチャンピオンを確定させたPE2クラスは、その山野選手が第1ヒートで1分13秒124のベストタイムをマーク。第2ヒートではさらに1分12秒622までタイムを縮め、有効得点で満点となる今季6勝目を獲得した。
「終盤になっても進化を止めないようにと心掛けているので、そういうことがシーズン後半でまとまりつつあるんだなっていうことを実感しました」と山野選手。タイトル確定後の一戦でも、スキを見せない速さを披露した。
2位には牧野タイソン選手(アルピーヌ・A110R)が入賞。第2ヒートの中間タイムでは山野選手を上回ったものの、パイロンタッチのペナルティタイムが加算され、タイムアップには届かなかった。3位は大橋政哉選手(アルピーヌ・A110R)が獲得。同じく第2ヒートの中間タイムでは山野選手を上回ったものの、ホームストレートのパイロンターンセクションで「気合いが入り過ぎて、あっと思ったら逆のラインからターンに進入してしまいました」と、ミスコースに終わった。
PNATクラス
黒水泰峻選手(マツダ・ロードスターRF)が2勝、河本晃一選手(スバル・BRZ)、大川裕選手(スズキ・スイフトスポーツ)、高江淳選手(BMW・ミニJCW)が1勝ずつで迎えたPNATクラス。両ヒートで1分17秒台をマークした高江選手が今季2勝目を獲得した。また、シリーズランキングも4番手からトップと2点差の2番手まで一気に順位を上げた。
2位には河本選手が入賞。第2ヒートの前半区間でタイムを落としたものの、上位を確保した。3位には佐藤裕樹選手(BMW・ミニJCW)が入賞。第2ヒートはタイムダウンに終わったものの、第1ヒートのタイムで今季初表彰台を獲得した。
PN1クラス
PN1クラスは、優勝こそないものの、2位2回、3位2回、4位2回と安定した成績を残してきた岡直輝選手(トヨタ・ヤリス)が、第1ヒートでクラス唯一となる1分17秒台のタイムをマーク。第2ヒートは0.094秒のタイムダウンに終わったものの、第1ヒートのタイムを守り、全日本初優勝を飾った。
「今回は前日の公開練習から調子が良く、決勝も昨日のイメージどおりに走り切ることができたと思います」と岡選手。待望の全日本初優勝に笑顔を見せた。
2位には緒方崇之選手(トヨタ・ヤリス)が入賞。「金曜日の練習走行のタイムから見ると、決勝でコンマ2秒差まで来ることができたのは、良くやったと自分を褒めてあげたいです(笑)」と振り返った。
3位にはシリーズランキングトップの朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)が入賞。シリーズランキング2番手の矢島融選手(トヨタ・ヤリス)が5位に終わったため、最終戦を待たずして朝山選手の2年ぶりとなるシリーズチャンピオンが確定した。
PN2クラス
第2ヒートの途中から小雨が降り出したPN2クラスは、第1ヒートのタイムで逃げ切った武内靖佳選手(マツダ・ロードスター)が、昨年に続いて鈴鹿ラウンドを制し、今季2勝目を獲得した。武内選手はシリーズランキングも3番手からトップに浮上。最終戦は、今回8位に終わった古田公保選手(マツダ・ロードスター)とチャンピオン決戦を迎える。
2位には、全日本初出場の山本祐己選手(マツダ・ロードスター)が入賞。まだ路面が濡れていない状態の第2ヒートでタイムアップを果たした。
「トップとコンマ差なので、失敗したところを修正できれば届いたかなとも思うんですけど、逆に僕が走る直前に雨がパラパラと降り出してきたので、ゼッケン順にも助けられたと思います」と山本選手。
3位には上野健司選手(マツダ・ロードスター)が入賞。「第1ヒートは2カ所で大きなミスをしてしまい、第2ヒートもサイドターンのセクションで2回とも失敗してしまい、悔しいですね。でも、諦めずに後半は開き直って攻めたのが良かったと思います」と振り返り、やや濡れかけてきた第2ヒートの路面でタイムアップを果たした。
PN3クラス
2025年チャンピオンの川北忠選手(マツダ・ロードスターRF)と同年のPN2クラスチャンピオン藤井裕斗選手(マツダ・ロードスターRF)が、ランキングポイントを同点で迎えた第7戦は、川北選手が第1ヒートでベストタイムをマークした。
一方、藤井選手は0.356秒差の2番手でゴール。「チャンピオン争いを考えると、実は有効得点の関係で今回は1位でも2位でも最終的には最終戦で勝った方がチャンピオンになるのですが、今回は3位以下になると致命的な状況になるので、あまり大きなリスクを冒さないことを心掛けました」と話した。
第2ヒートはフルウェット路面となったため、第1ヒートのタイムで川北選手が今季4勝目を挙げた。2位は藤井選手。3位には安藤佑貴選手(マツダ・ロードスターRF)が入り、「最終戦に向けて、上位2台に対し少しでも食い下がれるよう、クルマもドライバーもアップデートしていきたいです」と今季3回目の表彰台を獲得した。
PN4クラス
今季2勝ずつ挙げているユウ選手(トヨタ・GR86)と野島孝宏選手(トヨタ・GR86)が、有効得点でも同点で迎えた第7戦。第1ヒートは西野洋平選手(トヨタ・GR86)がトップタイムをマークする中、クラス最終走者のユウ選手がベストタイムを0.467秒更新した。
一方、野島選手は「若干のミスはありましたが、ドライ路面だとトップタイムには届かないので、第1ヒートからウェットだと良かったんですけどね」と、ユウ選手に0.604秒差の3番手に終わった。
第2ヒートはフルウェット路面となり、全車が大幅にタイムダウン。ユウ選手が、今季3勝目を獲得した。2位には西野選手が入賞。「第1ヒートは前半区間で離されてしまいました。スタートを慎重に行きすぎてしまいましたね」と振り返った。3位には野島選手が入り、「最終戦は勝つしかない」とチャンピオン争いへの意気込みを示した。
PN5クラス
津川信次選手(トヨタ・GRヤリス)がチャンピオン確定に王手をかけているPN5クラス。前戦の奥伊吹ラウンド終了時点で、残り2戦を全勝する以外にチャンピオンの道がない菱井将文選手(トヨタ・GRヤリス)が、ドライコンディションの第1ヒートで津川選手を0.721秒引き離し優勝を飾った。
津川選手と並ぶ今季3勝目をマークした菱井選手は「狙いどおりの走りではなかったし、プレッシャーも結構ありましたが、ミスした回数の差で少しこっちの方に勝機があったのでしょうね」と冷静なコメントを残した。
一方の津川選手は「1コーナーを頑張り過ぎてしまい、逆にその後のS字コーナーを押さえ過ぎてしまいました。前半で大きな差が出てしまいましたね」と第1ヒートを振り返った。
また、松本敏選手(トヨタ・GRヤリス)も菱井選手、津川選手と同じ1分12秒台のタイムでゴールしたが、パイロンペナルティのタイムが加算され、大きくポジションダウン。3位には「コースジムカーナは久々です」と語った若林隼人選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞した。
BC1クラス
第6戦で西井将宏選手(ホンダ・インテグラ)がチャンピオンを確定させているBC1クラスは、日部利晃選手(ホンダ・シビック)が第1ヒートでマークしたベストタイムで逃げ切り、今季2勝目を獲得した。
わずか0.004秒差の2位には清水翔太選手(ホンダ・インテグラ)が入賞。清水選手は「ストレートのターンで失敗してしまったことを自覚しているので、この僅差は本当に悔しいですね。今回は今季最高位の2位なんですけど、先週に結婚式を挙げたばかりで、嫁さんに優勝を持ち帰りたかっただけに、素直には喜べないです」と悔しさをにじませた。
3位には西井選手が入賞。「スタート後に2速に入らず、いきなり出遅れました」と競技を振り返った。
BC2クラス
広瀬献選手(ホンダ・S2000)が2023年以来、3年ぶりのチャンピオン獲得に王手をかけているBC2クラスは、広瀬選手とタイトルを争う若林拳人選手(ロータス・エキシージ)を0.462秒引き離し、今季5勝目を獲得。最終戦を待たずして、3年ぶりとなるシリーズチャンピオン確定を優勝で決めた。
2位には若林選手が入賞。「広瀬選手のタイヤはハードコンパウンド、僕はソフトコンパウンドなんですけど、タイヤの特性を活かしてもっと前半区間でタイムを稼ぐべきでした」と振り返った。
3位には小林キュウテン選手(トヨタ・MR-S)が入り、「ドライバーもクルマも現状でやり切った感があります。運営もコース設定も、すごく気持ちの良い大会でした」と満足そうな表情で語った。
BC3クラス
BC3クラスは、第6戦時点でシリーズチャンピオンに王手をかけながらも、大会の主催者だったため第6戦をスキップした大橋渡選手(スバル・インプレッサ)が、第1ヒートでベストタイムをマークした。
今シーズンはこれまで出場した5戦すべてで優勝するという完璧な内容で、2016年以来10年ぶり4度目となるシリーズチャンピオンを獲得した。
2位には一色健太郎選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞。「後半セクションは気持ちよく走ることができたのですが、前半セクションは自分の組み立てが少し間違っていて、そこで大きくタイムを落としてしまいました」と反省の弁。
3位には岡本尚史選手(スバル・WRX)が入り、「大橋選手や一色選手にはなかなか届かないんですが、今まで一度も勝てなかった大澤(勝紀)選手に勝つことができたのはサポートしてくれるみんなのおかげだと思います」と喜びと感謝を口にした。
ASIANクラス、箱Dクラス
併設のASIANクラスは、韓国からヒョンデ・エラントラNをフェリーで輸送し、自走で来日したHS Park選手が優勝。箱Dクラスは、2位の谷森雅彦選手(日産・サニー)を2秒以上引き離した大井貴之選手(トヨタ・カローラレビン)が優勝した。
PHOTO/CINQ、友田宏之[Hiroyuki TOMODA] REPORT/CINQ、JAFスポーツ編集部 [JAFSPORTS]



